萬華鏡-まんげきょう-

2011年01月12日
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カテゴリ: 能狂言
訃報:野村万之介さん-毎日jp-

この訃報を聞いて、朝の通勤電車の中では今までに観た万之介さんの舞台を思い出していました。
私自身、観劇自体は子育て真っ盛りでお休みしていたので、実際に「突然」と言っても実感も何もなくて、ただただ「もう観ることができない」と言う現実を噛みしめるのみです。


聞くところによれば亡くなる5日ほど前にも舞台に出られていたとのことなので、12月に万之介さんの舞台をご覧になった方にしてみれば、信じられない気持ちでいっぱいでしょう。
私、最後に万之介さん観たの、いつだったろう?


出産による産休を目前に控えた2007年後半以降、結構残業の日々も続き、観劇レポページもなかなか作っている時間もなくて、レポに残していない公演すらある。忘れないはずの舞台も、こうして振り返ってみるとレポを読み返して思い出すことも多くて、自分の記憶力のなさに悲しくなっちゃう。・・・ちゃんと残しておけばよかった(後悔)

だけれど、日記を読み返すと蘇る、思い出深いのは、ルビコンさんと一緒に行った八ヶ岳高原ロッジでの狂言会

万作さんとの「寝音曲」

「気色の悪いものじゃ」迷惑そうに眉を寄せる様子が、万作さんとの呼吸ひとつひとつが、可笑しげな狂言の物語の中に、ふんわりとホールの空気を引き寄せて包み込んでしまう温かさがあった。

胡散臭くて(笑)だけれど、全く憎めなくて。
そして、なによりかわいい(笑)
2007年9月に観た「市川狂言の夕べ」
ここでは「長光」のシテ、すっぱを拝見しました。
ちょっと大きくなったお腹をさすりながら、心地よい想いで家まで帰った記憶があります。
アドを演じられていてもシテの存在感を壊すことなく、かといって小さくなってしまわず、いつも相手がどのようなタイプのシテであろうと、うまくバランスを保って魅せてしまう。
狂言を語るほどの知識もボキャブラリーも私にはないけれど
人間国宝 野村万作さんと、メディアで活躍が続く若頭、萬斎さん この2代スーパースターを抱える「万作の会」において、華やかさや派手さという雰囲気はないのだけれど(重ね重ね個人的な感想です、偉そうにごめんなさい)、万作さんや萬斎さんと違った味わいを持った狂言師で、私はとっても大好きでした。


万之介さん主宰の狂言会にも行きたかったな・・・。数回チャンスはあったのに、とうとう行けなかった。

昨年は茂山千之丞さんの訃報にも接し、一気に貴重な重鎮を失ってしまった感じがします。

もう、二度と万之介さんや千之丞さんの生の舞台が観れないのが本当に残念です。








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最終更新日  2011年01月13日 12時06分51秒
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