GODの館ver.3

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(11~20)

第十一話  高回転スパート

安部「(ここで差をつけられるワケには!!オレもスパートかけるぜぇ!!)」
      ガリガリガリガリガリ!!
渡部「・・・!!」
ガリガリバンク、スピードアップ!!!
渡部「(追ってきた・・・!!)だああああああ!!」
安部「・・・!?」
ブラックホースさらに加速!!

鈴木「・・・・」
芝田「ゴールに近づいてきただろうな。一体バトルはどうなってるんだ・・・?もう見えなくなったぞ」
鈴木「もうデッドヒート中だろうな」
芝田「・・・・」
鈴木「(どんなことがあろうと渡部はこの海岸線では負けない・・・)」

渡部「だああああ!!!」
安部「にゃろう!!」
       ゾキュアアアアアアアン!!
安部は加速しようとも足がついていかない
安部「・・・・」
安部は見た。前方でダンシングしながら高回転で自転車を漕ぐ渡部を・・!!
※ダンシングとは自転車を左右に傾けて漕ぐこと
安部「(こいつ・・・まだあんな体力を)」
渡部「だあああああ!!」
足の回転がさらに速くなる!!
安部「・・・・」
そのブッチ切っていく渡部の姿はまるで・・
安部「(これが黒馬の鬣・・・・)」

バトルはブッチ切りの渡部の勝ち!!
安部「チィ、テメー速いな・・・」
渡部「フン・・・」
安部「体当たりしたりして悪かったな」
渡部「お互いさまだろう」

そして
芝田「あらためて自己紹介するぜ。俺は芝田次郎。澤西高1年。チャリ部だ」
渡部「(チャリ部?)」
安部「そんで、オレは安部晋二。同じく澤西高1年。チャリ部」
渡部「渡部光星・・・。土堂高1年。アメフト部」
鈴木「お、オレは鈴木勇・・・、暇学1年。部活は入ってねぇ」
芝田「また今度バトルしようぜ・・・」
芝田と安部は普通に帰ってった。
渡部「・・・・」
”チャリ部”。その言葉に渡部は強い興味を持った。
渡部の心の中で何かが変わろうとしていた。

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第十二話  9月・・・・

晴れ渡る雲が一つもない朝。
渡部の高校生初めての夏休みは終わった。
9月1日・・・・

渡部「(ふぅ・・・、なんとか宿題は終わらせた・・・)」
今日は始業式。夏休み最初の日なので午前で学校は終わった。気合のある野球部などはみんなが帰宅している中練習を行っていた。
渡部「・・・・」
チャリ通の渡部はいつも寄り道をする。今日もいつもと同じく寄る場所を考えた。
渡部は無意識のうちに澤西高へ向かっていた。
土堂高は坂の途中にある高校だが澤西高はまたさらに奥へ上った場所にある。
渡部「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・・」

        <澤西高>
渡部は校門からはいり校庭を覗いてみた・・・
     シュアアアアアアアアアアア!!!
校庭ではチャリを走らせてる人が二、三人いた。
渡部「(芝田・・・・そして安部。もう一人は知らないな・・・)」
タイムアタックをしているようだ。
坂井「よっし、いい感じだよ芝田!!今日はこのぐらいでいいか・・・、個人練習にはいろう!!」
芝田「おぅ」
坂井:澤西高1年・貧乏なので自転車はなく今はマネージャーみたいな存在。
安部「坂井!!帰るぞ!!」
坂井「ま、待って・・・、・・・ってかオレは徒歩だし・・・。一緒に帰れないよ~~~」
芝田「っていうか個人練習!!!!」
安部「はぁ?個人練習=自由時間。自由時間=何してもOK。何してもOKは帰ってもOKだろうが」
芝田「ったく。夏休みに”湘南のシャイニングスター”に負けたっていうのに・・・・」
坂井「そ、それと全国高校自転車大会も10月にあるのに・・・」
安部「今はいいんだよ、何もしなくても」
安部は帰った。
渡部「・・・・(自転車大会?)」

坂井「帰っちゃった」
芝田「まぁいいや。坂井、オマエも帰っていいぞ。俺は一人でいい」

芝田は一人で練習を始めた。

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第十三話  チャリ部に参加したい

芝田「うっし・・・」
芝田は自転車に乗って校外へ出た。
”チャリ部”の練習はほぼ校外で行われる。学校の校庭内だけでは勾配のついたコースの練習が出来ないからだ。
渡部「・・・・」
渡部はこっそりと芝田の後を追う・・・
芝田「はっはっはっはっは・・・」
芝田がいっきに坂を上っていく・・・!!
渡部「(すげぇ・・・)」
渡部は見失わないように追っていく。
渡部「は・・・は・・・・!!」
坂を上りきったところで芝田は住宅街へはいっていった。
渡部「・・・・」
校外へ出るというのは周りの人に迷惑をかけることになりかねない。住宅街へはいってったら芝田はスピードを出さなかった。
そして、住宅街を抜け出ると見晴らしのいい下り坂にさしかかった。
渡部「(なんて景色だ・・・。高ぇ・・・)」
芝田「・・・!!」
芝田は猛スピードで下っていった!!
渡部「・・・・」
      シュアアアアアアアアアアア!!!


40分後・・・・
練習のコースを走り終わったのか、芝田は公園で休憩をとった。
渡部「・・・・」
渡部が影で休憩する。
渡部「(いつもこんな風に走っているのか・・・。毎日毎日芝田は自転車で走っているのか・・・)」
渡部がブラックホースに乗る。
渡部「(オレは自転車が大好きだ。自転車で走るのが大好きだ・・・。なんなんだこの思いは・・・)」
数分経ったところで渡部は帰った・・・
        <帰宅後・・・>
渡部「(オレは今何がしたい・・・?ここまで自転車のことだけ考えてるなんて・・・・。なんでだ・・・なんでだ・・・ここまでオレは・・・

   ”チャリ部に参加したいのか・・・・!!”


次の日・・・・
また渡部は澤西高へ行った・・・・。
安部「お、おい・・・」
芝田「ん?」
渡部「こ、こんちわ・・・」
芝田「渡部・・・」

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第十四話  ちょっぴり参加

芝田「どうしたんだよ、急に」
安部「バトルならバッチ来いや」
渡部「いやバトルとかそんなんじゃなくてさ、・・・いいよなぁ澤西は。チャリ部っていうのはウチんとこにはないから」
芝田「一般の高校にチャリ部がねぇのは当たり前さ、澤西のチャリ部はオレらが作ったんだぜ?」
渡部「え?ホント?」
安部「あぁそうさ。ってかたいていはそうさ」
坂井「全国大会に参加する高校は何校もあるけどそのほとんどが自分たちで作り上げたものだと思うよ~」
渡部「・・・??」
坂井「あ、オレの名は坂井っす」
渡部「よ、よろしく」
芝田「チャリ部なんて珍しくってマニア的だけど、チャリが好きで好きでたまらなくってさ。気づいたらみんなで部活つくってて練習しているんだよ」
渡部「(あぁ、オレもチャリ大好きだ・・・)」
芝田「ところでホントに何で来たんだ?」
安部「やはりバトル・・・」
渡部「いや・・・・なんつうか。暇だったから?」
安部「んだよソレ・・・」
芝田「・・・・」
渡部「・・・・」
芝田「おい。せっかくだし、練習していくか?」
渡部「・・・!!お、おう!!ちょっとやってみっかな」

渡部と芝田と安部は自転車に乗って校外へ

坂井「いってらっしゃ~~~い」


坂を上っていく・・・
芝田「は・・・はぁ・・・」
安部「ふしゅ~」
渡部「(この道は・・・昨日通った道・・・)」
上ったところで住宅街へいくと思った渡部。
しかし向かった進路は昨日と違う方向・・・・
渡部「え?ど、どこ行くんだ?」

       シュワアアアアアアアア!!

下り坂で髪の毛が風で乱れる・・・
芝田「え?どこ行くだってぇ!?」
渡部「・・・!!」
芝田「最っっ高にオモシレーとこ行くんだよ!!」

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第十五話  奥山公園

芝田と安部についていき、たどり着いた場所は
芝田「ふぅ・・・。今日もいるな」
渡部「どこだここ・・・」

         “奥山公園!!”

周回コースと思われるアスファルト路面がある。
そのコースは大きく芝生を覆っている。そしてコースの脇のベンチに自転車をとめている男たちが数人いる。
渡部「な、なんだココは」
芝田「ここは奥山公園。暇なときここに着たら誰かしらいてレースが出来るって話よ」
渡部「へぇ」
安部「おい。芝田、アイツ・・・」
安部は向こうにいる人を指差した。
芝田「あいつ・・・。珍しいじゃん」

霜月「あぁクソ、タイヤがもう擦り減っちまってる」
霜月 卓也:奥山公園を主に走る男。一里ヶ浜高1年チャリ部!!

芝田たちは霜月に会いに行った。
芝田「よお霜月」
仲間1「うお!!澤西高の芝田!!」
仲間2「ついでに安部もいる!!」
安部「ついでだぁ?」
仲間1「もう一人のアイツは何だ?」
仲間2「知らね」
霜月「どうした急に、バトルか?」
芝田「まぁなんつうかな」
仲間1「中学時代からこの奥山最強と言われてきた二人がそろうなんて!!霜月ィ!!バトルしてくれよ!!」
霜月「んあ?」
仲間2「そうだよな!!せっかくだし」
芝田「ちょっと待て。走るとしたらこいつを走らせてやってくれ」
芝田は渡部を前に出す。
渡部「え?オレ?」
芝田「噂の湘南のシャイニングスターだ」
仲間1「・・・!!」

霜月「(こいつが・・・)」

芝田「どうだ霜月。こいつと一回試しにバト・・
平木「ちょ~~っと待ったあい!!」
五人ぐらいのチャリ乗りがいきなりやって来た。
平木「そのバトル!!オレたちも参加させてもらおうじゃないの!!」

       “トレインボーイズ!!”

渡部「えぇぇ!?オレやるって言ってねぇよ!!」
平木 駿:トレインボーイズ・リーダー!!九毛沼中3年!!

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第十六話  トレインボーイズ

平木「やいやい!!一年年下だからってなめんなよぉ!!」
渡部「(え?何こいつら)」
増山「へっへ~~ん!!どうした、おい!!オレたちに負けるのがこわいかぁ??」
渡部「・・・・」
霜月「いや、おまえら全然興味もねぇし負ける気も全然ねぇから」
増山 啓吾:トレインボーイズ・九毛沼中3年!!
伊勢「あ!?オレたちの本当の全力の力見せてやろうじゃねぇか!!」
佐渡「言っとくがなぁ・・・この前のバトルは手抜いてわざと負けてやったんだぞ~~!!」
伊勢 正太郎:トレインボーイズ・九毛沼中3年
佐渡 彦丸:トレインボーイズ・九毛沼中3年
渡部「(なんだこいつら・・・)」
平木「おいそこのオマエ!!見ねぇ顔だがオレたちを上目線で見んじゃねぇ!!」
渡部「は?んだオマエら」
芝田「・・・え~~っと」

霜月「まぁ名前は?」
渡部「渡部光星・・・」
伊勢「おいィィ!!無視かよ!!」
平木「こんちきしょー!!そこまでするか!?」
増山「たく!!そんなヤツよりオレたちのほうが強いって・・・!!」
佐渡「オレたちとやれーーー!!」
渡部「(あ!?)」
平木「おい、たく~~~!!」
・・・・“たく”とは霜月のあだ名
渡部「おい・・・おめぇら・・・。オレより年下なのに上目線で見んじゃねぇよ」
平木「・・・!!」
芝田「・・・!!」

渡部「トレインボーイズだかなんだか知らないけど、どっちが本当に速いか試してみようじゃねぇかぁぁ!!」

霜月「・・・・」


平木「・・・の、の、・・ののの、の、望むところだあああい!!」



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第十七話  vs霜月&vsトレインボーイズ

トレインボーイズ・・・
メンバー紹介。
リーダー。平木 駿
増山 啓吾
伊勢 正太郎
佐渡 彦丸
そしてあともう一人は・・・・

芝田「おッレースする?」
安部「霜月は渡部、渡部はトレインボーイズ、トレインボーイズは霜月とやりたいんだからちょうどいいんじゃね」
霜月「フン、まぁ七人で競うのも悪くない」

間島「いや、六人で」
間島 清人:トレインボーイズ・九毛沼中3年!!

佐渡「えぇ!?」
伊勢「またキヨちゃん参加しないの~?」
平木「まぁいいだろう・・・。キヨちゃんがやる気のないヘタレ人間だっていうのは前々からわかってることだよ・・・。オレたち四人で頑張ろう」
仲間1「おい霜月・・・、バトルか?」
霜月「うっし、やっか・・・!!」

コース説明!!!!
スタートは奥山公園の周回コース!!1周したら坂を下って奥山公園の外周を走り“二曲がり”で奥山周回コースに戻ってくる!!
これを3周!!!!

霜月「(渡部光星。こいつは速い・・・)」
渡部「(なんちゃらボーイズはたいしたことない。でも、この霜月ってヤツは速い・・・)」
芝田「んじゃオレがスタート合図やるぞ~~!!」
安部「・・・・」
六人がスタート位置につく・・・

芝田「5・・・4・・・3・・・2・・・1・・・

         GO!!!!!

渡部「(いっきに前をとる・・・!!)」
        ズワァァ・・・・!!
霜月「・・・・」

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第十八話  トレイン!!

渡部はいっきに前にでる!!
霜月「(すごいスプリントだ)」

ここで霜月のチャリ紹介!!
マウンテンバイク・6速ギア!!サスペンション装着!!
霜月「(ま、ここは後ろにつくことに)」
      シャアアアアアアアアアアア!!
霜月「ん?」
         ブワっ・・・!!
後ろから霜月を抜かす!!
それはトレインボーイズ!!
伊勢「へっへ~ん!!どうだどうだ!!」
トレインボーイズの十八番!!
     “縦列走行(トレイン)”
先頭から順に、伊勢・増山・佐渡・平木!!
伊勢が風を受け止めて空気抵抗を仲間に与えさせない!!
霜月「(やはり一番後ろは平木か)」

         ゾワァァ・・・・!!

佐渡「しゃああ!!このまま前にでっぞ!!」
渡部「(な、なんだアイツら!!)」
周回コースを抜けて外周へ行くための下り坂へ
ここで問題になるのは入り口の小さな二つの柵

渡部は横の小さな隙間を抜ける!!これが一般!!
渡部「・・・・」
トレインボーイズが渡部を追う!!

現在トップ・渡部光星。


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第十九話  襲いかかるトレイン

増山「う~~~っし!!一気に先頭出るぞ!!」
伊勢「っしゃ!!」
先頭の伊勢がスピードUP!!

ここでトレインボーイズのチャリ紹介!!
みんなマウンテンバイク!!6速ギア!!

渡部「(スピードをあげてきたか)」

伊勢は肩幅が広く体格がいい。さらに体力もある。
伊勢正太郎は先頭に恵まれている!!
みんなの風圧を一人で受け止める!!!!

増山「・・・・」
その後ろの増山啓吾!!
アタックチャンスを見抜くのが上手く、シミュレーションをたてるのが上手い!!伊勢に指令を出しやすい位置にいるのもそれが理由!!

さらに後ろは佐渡彦丸!!
五人の縦列走行の真ん中に位置する!!
彼の役目は“つなぎめ”!!縦列走行では列を乱さないための真ん中のバランス感覚が問われる!!

そして後ろ!!平木駿!!
ラストのアタックミサイル!!!!
実際には彼の後ろにさらに間島清人が位置する。

渡部「・・・!!」
坂を下り!!二曲がりへ!!
       シャァアアアアアアアア!!
渡部のスプリント炸裂!!
トレインボーイズが追う!!!!


伊勢「っらああああ!!」
増山「いいぞ伊勢!!」
佐渡「・・・・」
平木「・・・!!!!」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

第二十話  二曲がり!!

渡部「(離れない!!一定の間隔をあけてついて来ている!!)」

渡部「(四人そろって走るとか気持ち悪ぃんだよ・・!!)」
渡部はさらにスピードUP!!
      シャァアアアアアアア!!!

平木「(なんて脚力・・・・)」

渡部たちは二曲がりへ・・・!!

二曲がりとは公園へもどる時のちょっとした坂道
二回曲がることから“二曲がり”と呼ばれる!!
そこまで勾配はないが曲がりがキツイ!!

渡部「っらああ!!」
全力で坂を上る渡部!!
曲がるときにはフルブレーキで減速!!
たとえ小さな坂でも下に足をつくことはチャリレースでは許されない!!

伊勢「曲がりだぞ!!」
平木「おう!!」
佐渡「オッケ!!」
トレインボーイズは曲がりでも列を乱さない!!

渡部「・・・!!」
二つ目の曲がり!!
二曲がりは減速と加速が激しい!!

渡部の爆発的な加速は二曲がりで発揮!!
トレインボーイズを少し突き離した!!


伊勢「ちッ」
周回コースへ戻り、二周目へ・・・!!

現在トップ・渡部光星。



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