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再選された兵庫県知事と知事選挙に関して、署名運動が始まっています。 村野瀬玲奈さんのブログ記事を一部転載させていただきました。 2024年11月17日に兵庫県知事に再選された斎藤元彦の数々のパワハラ問題・行政上の問題は、彼が当選したという理由で免責されるわけでも正当化されるわけでもありませんし、徹底的な解明が必要でなくなるわけでもありません。そのことを可視化するための署名運動がありますので、ご案内します。斎藤元彦をアシストした立花孝志についての署名運動もあります。●Change.org百条委員会による斎藤氏の疑惑の徹底解明を求めますhttps://www.change.org/p/%E7%99%BE%E6%9D%A1%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E6%96%8E%E8%97%A4%E6%B0%8F%E3%81%AE%E7%96%91%E6%83%91%E3%81%AE%E5%BE%B9%E5%BA%95%E8%A7%A3%E6%98%8E%E3%82%92%E6%B1%82%E3%82%81%E3%81%BE%E3%81%99開始日 2024年11月18日●Change.org兵庫県知事選に関連した立花孝志氏の行為に対して、公正な調査を求めますhttps://www.change.org/p/%E5%85%B5%E5%BA%AB%E7%9C%8C%E7%9F%A5%E4%BA%8B%E9%81%B8%E3%81%AB%E9%96%A2%E9%80%A3%E3%81%97%E3%81%9F%E7%AB%8B%E8%8A%B1%E5%AD%9D%E5%BF%97%E6%B0%8F%E3%81%AE%E8%A1%8C%E7%82%BA%E3%81%AB%E5%AF%BE%E3%81%97%E3%81%A6-%E5%85%AC%E6%AD%A3%E3%81%AA%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E3%82%92%E6%B1%82%E3%82%81%E3%81%BE%E3%81%99開始日 2024年11月18日 私自身が複数の報道機関にあてて出した意見も以下に貼り付けておきます。〔意見〕 兵庫県の有権者にSNSの情報に影響された人々が数多くいたようですが、知事選前のメディアの選挙報道に疑問があります。選挙期間中にSNS上で疑わしい情報・デマも含めた候補者への執拗な攻撃と思える発信が多数あったにもかかわらず、なぜファクト・チェックをためらったでしょうか。言ったもの勝ちのSNSを確認し、くぎを刺すのは組織的な取材力のあるメディアの大きな役割です。 今からでも異常な選挙の検証をお願いします。この選挙中に立花孝志は百条委員会委員の自宅にまで押しかけて大音量での脅迫を行ったとのことですが、そのようなことが許されるのでしょうか。デマや脅迫が公正な選挙をゆがめることになっていないのか。今後、暴力団まがいの行為で大混乱する選挙を繰り返さないためにも徹底した検証が必要と考えます。〔追記〕 なお、マスメディア以外にもファクトチェックを積極的に行っている団体があることを知りました。そして、似かよったチェックはメディアや団体に頼るだけではなく、ある程度は自分自身で実行することが可能だということも・・・。これからの時代、益々そのような力が求められていくのでしょう。 にほんブログ村 ← よろしければ一押しお願いします。一日一回が有効教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。)「しょう」のブログ(2) もよろしくお願いします。生活指導の歩みと吉田和子に学ぶ、『綴方教師の誕生』から・・・ (生活指導と学校の力 、教育をつくりかえる道すじ 教育評価1 など
2024.11.21
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兵庫県知事選挙の風刺動画、面白かったので紹介します。11月18日 付記 私がこの「風刺動画」を紹介したのは「前知事を再選させることには問題がある」と考えていたからですが、ご存知のように「総統のモデルとなった人物」は当選しました。ただ、「パワハラ疑惑は前知事を陥れるための陰謀・捏造だったとの批判・発信、他候補への誹謗中傷の洪水」など異常な選挙戦だったこと、その実態についての検証はこの社会の今後にとっても必要だと考えています。今後、net空間を利用して似通った選挙が再現される危険性は大きいでしょう。もちろん、「当選した人物の前知事時代のパワハラ疑惑、権力の乱用疑惑」については引き続き兵庫県議会や報道機関を通して検証が行われるでしょうが・・・。思えば歴史上実在した「総統」の時代には、権力行使に対する検証や批判、「諷刺画」「風刺映像」などその国内では全く不可能な状況でした。異常な選挙や心理状態は歴史の中で再現される危険性は大きいものの、批判や検証は可能な限り丁寧に行うべきと考えます。確かに、大手報道機関も自らの報道仕方について自己検証することは大切でしょう。「問題のある報道⇒したがって捏造」という短絡的な批判・攻撃に応答するためにも。 関連しますが、本日表明された半田さんの以下の見解、当然だと考えます。「SNSの情報に影響された人々が数多くいたことは、元明石市長の泉房穂氏が出演したテレビ番組でもわかりました。泉氏は斎藤元彦氏の当選を受けて民意をくみ取れなかったことのおわびを表明しましたが、(兵庫知事選における)新聞・テレビといったオールドメディアの選挙報道こそ、おわびに値する。なぜ選挙の号砲が鳴るとファクト・チェックをためらうのか。今年、大荒れになった衆院東京15区補欠選挙と都知事選挙から何ひとつ学んでいない。言った者勝ちのSNSにクギ指す役割を放棄するのは、民意の形成を放棄することと同義語です。」にほんブログ村 ← よろしければ一押しお願いします。一日一回が有効教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。)「しょう」のブログ(2) もよろしくお願いします。生活指導の歩みと吉田和子に学ぶ、『綴方教師の誕生』から・・・ (生活指導と学校の力 、教育をつくりかえる道すじ 教育評価1 など
2024.11.15
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ここ2回、「虎に翼」の主人公の言葉=「法とは人の尊厳や権利を運ぶ船のようなもの」を受けて過去記事を再掲しましたが、11月3日のサンデーモーニングでは、まさにその言葉に呼応する内容が短く「特集」されていました。国連の女性差別撤廃委員会からうけた勧告の内容、それにどう向き合うかという問題です。簡潔なまとめがなされていましたので、内容を文字化して紹介します。〈番組の内容〉夫婦は結婚後、同じ苗字を名乗ることになっている制度について国連の委員会が最終見解を発表。夫婦同姓から皇位継承まで幅広く変化が求められた。秋の園遊会で男性の皇族は「天皇陛下と秋篠宮さま」の二人だけ。女性の皇族が目立つ。(・・・中略・・・)安定的な皇位継承は避けて通れない課題。そんな中、国連の女性差別撤廃委員会は皇位継承が男性に限られていることを問題とし、法改正するよう勧告。日本政府の担当者は皇位継承のあり方は国家の基本に関わる事項であり、皇室典範について取り上げることは適当ではないと応答したが、国連側は日本だけが特別ではないと説明した。例:スペインでは女性も国王になれるが、男性を優先する決まりがあり、国連は改善を勧告している。国連が日本の皇位継承をめぐって法改正を勧告したのは今回が初めて。Q 20年以上にわたってより強く勧告し続けている問題がある。それは何か?A 夫婦同姓を義務付けている法律。国連の女性差別撤廃委員会は「同姓の強制をやめ、選択的夫婦別姓を導入」するよう求めた。今回は実に4度目となる勧告。「過去の勧告に対処していないことを懸念する。民法改正に向けた措置が何も取られていない」、と指摘。勧告を受けた政府は「国民の間にさまざまな議論、さまざまな立場からの意見があり、制度の導入についてはより幅広い理解を得る必要がある」、と記者会見で応答。国民の理解を強調する姿勢に現地で議論に参加したNGOからは、「国民の世論が分かれているのは、全く言い訳にならない。マイノリティの権利が平等に認められていないことそのものが大問題。女性差別撤廃条約を批准しながら、勧告を軽視してきた政府の対応もだ。日本はあの勧告に関して、2013年の安倍政権の閣議決定以来、法的拘束力がないとずっと繰り返しているが、そんなわけはない。自ら守ると約束した「女性差別撤廃条約」を守るために必要なことを勧告してくれている。少なくとも誠実に向き合う責任がある。Q この国連の女性差別撤廃委員会が出した日本への勧告のpoint・重点項目は?A 二年以内の改善を求められている重点項目はこちらの四つ。1,選択的夫婦別姓を導入するための法改正(4度目となる勧告を受けた)2,女性の国会議員を増やすため、選挙に出る際に必要な供託金300万円を一時的に減額すること。3,緊急避妊薬を入手しやすくすること。4,中絶時の配偶者の同意を不要にすること。国際人権法が専門の青山学院大学の谷口教授は以下のように述べる。選択的夫婦別姓のように同じテーマで4回も勧告が出されるのは異例。そもそも日本は条約で求められている「すべての差別を禁止する法律」や「人権救済機関」についても作るよう繰り返し勧告されていて、条約上の義務を果たしていない。コメンテーター一番深刻だと思うのは、この国連の勧告を政府が真剣に受け止めて改善しようとしていないこと。「勧告には法的拘束力がないので、従う義務がない」などどということは決してない。「締結している条約を誠実に遵守する義務がある」ということは日本国憲法にも明記されている。(国際条約は、国内の一般法の上位にあり優先順位は高い:引用者)。4回も指摘されている問題については、速やかに対応して行く必要がある。このたびの勧告は、沖縄の女性に対する性暴力についても初めて触れている。暴力を防止して加害者を適切に処罰、その上で被害者に充分な保障を提供するための措置を取るべきとも言っている。〈comment〉上記以外にも二人commentしていましたが、国連が設置を勧告している「人権救済機関」が設置されていないこと、「日本国内に政府から独立して人権侵害について聴き取り話し合い問題解決に踏み出していく場がないこと」が大きな問題だと感じました。歴史的に人権はまず「政府からの自由(政府によって抑圧されない権利)」として始まったことを考えれば、多くの国ですでに設置されている「人権救済機関」を立ち上げることは、初歩的で重要なことと考えるからです。それがないために、人権侵害を受けた個人は「泣き寝入り」するか、かなりの負担を覚悟して訴訟を始めるか、社会的な運動を展開するか(国連に頼ることも含め)といった苦しい選択へと追いやられてきました。そのことは様々な人権侵害の問題解決にとって大きな障害だったのではないでしょうか。とりわけ、日米安全保障条約が事実上日本国憲法の上位におかれ、米軍兵士による性暴力や低空飛行による騒音など、基本的人権が保障されていない日本の現状においてはなおさらです。また、図示された4つの重点項目ですが、避妊薬の入手や中絶の同意不要なども含め、自分の体、自分の名前について自己決定をする自己決定権の問題です。「何が幸せで、自分がどう生きたいかというのは、各個人が決めることであって、そのための選択肢を増やすのは政治の役割だ」、というコメンテーターの意見に賛同するものです。過日の衆議院議員選挙において与党野党の関係が変わってているなか、政治の場で本気で話し合うことが大切でしょう。にほんブログ村 ← よろしければ一押しお願いします。一日一回が有効教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。)「しょう」のブログ(2) もよろしくお願いします。生活指導の歩みと吉田和子に学ぶ、『綴方教師の誕生』から・・・ (生活指導と学校の力 、教育をつくりかえる道すじ 教育評価1 など
2024.11.03
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『週刊文春』(5月3日発刊)や朝日新聞(5月21日付)の取材による丸山島根県知事の発言、各道府県知事の発言などをもとに人口減少問題を(「消滅可能自治体」という形で)地方の自己責任のようにとらえる発想を批判したい。〔以下『朝日』や『文春』記事などより〕 財界人や学者らの有志で作る「人口戦略会議」が、全国の744市町村を「消滅可能性自治体」と位置づけている。Q こうした動きを現場の知事はどう見たのか。人口戦略会議の発表(2024年4月24日)後、その週のうちに定例記者会見があった知事発言の内容は?A1「国は人口減少を地方の問題と決めつけているが違う。出生率が低い東京圏に若い世代が吸い寄せられる構造に問題がある」(福井県知事)A2「それぞれの地方でできることはやっているが、近隣の市町レベルで人口を取り合っているだけ。国が腹をくくって、社会全体の取り組みをしなければ(解決は)無理だ」(広島県知事)A3「出生率が高いところもあるけど、総じてどこも下がっていて、我が国の傾向。国の政策とか、日本社会全体の問題を解決しないといけないのに、自治体ごとの課題であるかのように、誤った世論誘導をしているところが問題」(島根県知事) 〔Q 世界に類例がないほど急速に「少子高齢社会」へ爆走中の日本、海外からみるとどう見えるのか。A 例えばイーロン・マスクは、日本の人口減少問題について「出生率が死亡率を超えるような変化がなければ、日本は結局消滅するだろう」とツイート。〕 一例だけではあるが、「人口減少」問題が地方の自己責任ではなく、国全体の問題であることは自明では? 5月3日、丸山知事の会見では舌鋒鋭く指摘が続いた。 「だから私が言っているように、市町村単位に置き換えること自体がナンセンス。市町村の努力が足りないからと押しつけているけど、じゃあ東京都がすごく頑張っているから人口増えているの? 合計特殊出生率(1人の女性がおおむね生涯で出産する子の数)は都道府県で最低だよ(0.99)。よそから人を吸引できる恵まれたポジションに社会構造上あるから、そうなっている」 丸山知事の指摘は止まらない。「分かりやすいのは東京一極集中だけど、私からすると三大都市圏とそれ以外の地域との格差構造を是正しなければ、こんなの(人口減少)どんどん進むに決まっていますよ。一生懸命に出生率を上げて子育て環境を整備しても、大学・専門学校への進学、就職という段階で、子どもさん達が地方に残れない構造。」 「消滅可能性自治体がどうこうだというふうに自治体に転嫁していくレベルの問題じゃない」 都市部への人口集中は、企業の集中が原因の一つだと見られており、矛先は経済人へも向かう。「なぜ東京にでかい本社を構えないといけないのか。アメリカのように(分散立地)できないのか。経済主体が最適だと思っている選択の積み重ねが、日本社会としては最悪の事態を招いている。」 「国の成り立ちは領土と主権と国民の三つ。そのうちの国民がいなくなってしまうかもしれないという意味での、日本という社会の持続可能性が問われているのが人口減少問題の本質。」 また、5/21 の朝日の記事では、自民党が「国立大授業料の適正な設定」と称して授業料値上げの提言を行った問題に対して猛然と異を唱え、「高等教育を諦める親が増えていることが少子化の一因になっている、という想像力すらない人たちに、怒りと失望を覚える」と徹底批判した。 〔comment〕以上のような丸山知事をはじめとする道府県知事たちの発言は全く当然ではないか。「ひろゆき」や「成田悠輔」に象徴されるような、新自由主義的で冷笑系の言説(「自己責任だろ」と言って「田舎」を馬鹿にする言説)はネット上には相当あふれ、それ自体が差別的で大問題だが、行き着く先は日本社会全体の決定的な衰退でしかない。地方の発信から全体を問い直すことは必須だと思われる。にほんブログ村 ← よろしければ一押しお願いします。一日一回が有効教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。)「しょう」のブログ(2) もよろしくお願いします。生活指導の歩みと吉田和子に学ぶ、『綴方教師の誕生』から・・・ (生活指導と学校の力 、教育をつくりかえる道すじ 教育評価1 など
2024.07.28
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遠藤誉は記事「中国の威嚇的兵器ポスターと軍事演習 頼清徳総統就任演説を受け」で、24年5月20日における台湾の頼清徳総統の就任演説について詳しく言及しています。「緊張が高まっている台湾海峡」をめぐる情勢を冷静に把握するためにも、有力な記事であると考えますので、要点を紹介しておきます。 Q「理路整然として力強かった」という頼清徳総統の演説の内容は?A 彼は「独立」を越えて「国家主権」を主張し、「中華民国」台湾はれっきとした「主権」を持った「国家」であり、どこにも隷属していないと述べた。さらに、「中国(中華人民共和国)」と「中華民国(台湾)」は互いに主権を持った「国家」として、「対等に」話し合いをすべきであると主張。(「現状維持」といいつつも、かなり踏み込んだ演説。)Q この演説は現状において「国際社会」で受け入れられるのか?A その主張は、1971年の国連決議【第2758号】に違反しており、国際社会で容認されるためには、この決議を、国連で再採決して「否決」しなければならない。〔現在、「中華民国」を正式に国家として承認しているのは世界中で13カ国とローマ教皇庁のみ(米国も日本国も承認していない。「一つの中国」という立場):引用者補足〕Q 頼清徳の上記主張と、「中国は台湾を威嚇するのをやめよ」という発言に対する中国の反応は?A 中国は激怒、威嚇的なポスターおよび軍事演習で、激しい怒りを表している。 5月23日、<東部戦区発布“聯合利剣—2024A”軍事演習区域見取り図>なるものを発表。それによれば軍事演習区域は以下のとおり。 この軍事演習は5月23日と24日に行われたが、実弾を伴う演習ではなく、短期間で終わった。Q それはなぜか? A 総統が就任演説で主張したことが台湾の立法院で認められるわけではなく、台湾としてどのような決議を出すかは別問題。立法院は与党51議席に対して野党60議席であり、頼清徳の「国家主権」論の方向に動く可能性は非常に低い。 ⇒だから中国大陸側も「威嚇」だけは派手にするが、軍事演習も実弾を伴わない短期間のものしかしなかった。 〔紹介は以上〕 続いて公開された記事にも考えさせられました。 「台湾海峡の有事は日本の有事」といった「安倍元首相時代の発言」自体大きな問題がありますが、そのもとにある思い込み自体を問い直す必要がありそうです。 アメリカがやっと気づいた「中国は戦争をしなくても台湾統一ができる」という脅威(遠藤誉) - エキスパート - Yahoo!ニュースにほんブログ村 ← よろしければ一押しお願いします。一日一回が有効教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。)「しょう」のブログ(2) もよろしくお願いします。生活指導の歩みと吉田和子に学ぶ、『綴方教師の誕生』から・・・ (生活指導と学校の力 、教育をつくりかえる道すじ 教育評価1 など
2024.05.26
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多くの論評を加えることなく、「二つのニュース」を紹介します。中国やロシアは多くの問題を内包している国ですが、「日本や欧米諸国による一面的と思える報道」を相対化・検証するためにも大切なニュースであると思われます。 1,「アルジャジーラ」による、パレスチナ報道 会談日: ファタハとハマスの代表者は最近、中国で和解に向けた会談を行いました。北京の外務省が2024年4月30日にこの会談を確認しました。目的: 両グループは和解の可能性を探るため、深く率直な対話を行いました。具体的な問題について議論し、前向きな進展がありました。背景: ファタハとハマスは長年にわたって競合してきましたが、ガザ地区へのイスラエルの攻撃がさらなる和解の話し合いを促しました。2007年以降、ハマスはガザの事実上の支配者となっており、ファタハは占領された西岸で限られた自治権を持っています。中国の役割: 中国はパレスチナ問題に対して伝統的な友好的立場を取っており、イスラエル・パレスチナ紛争に対する二国家解決策を支持しています。中国はイスラエル・ガザ戦争が始まった時から即時の停戦を呼びかけており、中国の習近平主席は「国際平和会議」を開催して戦争を終わらせることを提案しています。〔comment〕 1993年にイスラエルとパレスチナ解放機構(PLO)の間で同意された「オスロ合意」(パレスチナ暫定自治政府を認め、「二国家共存」の方向性を宣言した合意)をイスラエルは事実上反故にしてパレスチナへの「軍事行動」を繰り返してきました。パレスチナが統一されていない(ハマスとファタハに分裂している)ことが「合意不履行」の口実になっていたことを考えると、このたびの会談は重要な一歩であると考えています。 2,国際司法裁判所による「ウクライナ問題」に関する判断 ICJ(国際司法裁判所)が、「ウクライナ側が告発したロシアの蛮行」に対する訴訟の多くを却下(一部認定)する判決を下しました。(2024年1月31日)国際司法裁判所、ロシアのテロ条約違反一部認定 訴えの大半退け - 日本経済新聞 (nikkei.com)ICJ(国際司法裁判所)の判決にみるウクライナ戦争 青山学院大学名誉教授・羽場久美子 | 長周新聞 (chosyu-journal.jp)NIDSコメンタリー 第265号 - 防衛省防衛研究所 (mod.go.jp) ・MH17撃墜事件に関する訴訟: 「ロシアが2014年7月のマレーシア航空機MH17便撃墜を含むドンバスでの“テロ”作戦を指揮した」として2017年にキエフがロシアに対して起こした訴訟について、ICJはこの告訴を却下した。(「証拠不十分」等が理由)。・クリミア併合後の人種差別に関する訴訟: 「ロシアはクリミア併合後、クリミア半島のウクライナ人やタタール人住民を人種差別した」とウクライナが告発した訴訟についても、ICJはこの告訴を却下した。クリミア併合後、ウクライナ人やタタール人の市民権に関してロシアの法制度に人種差別は存在しないと判断。〔一部認定したのは以下の点〕ICJはロシアがウクライナ人やタタール人を人種差別的に扱ったとされる訴えを一部認定し、ロシアがテロと反差別の条約に違反したとの判断も示した。具体的には、ロシアがクリミア併合後、ウクライナ語の教育を保護しなかったことが人種差別撤廃条約に違反すると指摘された。・ウクライナのジェノサイド告発に関する訴訟ロシアが「ウクライナ政府によるドンバスのロシア人(ロシア語話者)への大量虐殺」という虚偽の主張を利用して軍事行動を開始したとしてモスクワを(キエフが)告訴した件、さらにウクライナの主張(特別軍事作戦自体が、ジェノサイド条約に違反している)について、ICJはこれらの主張を退けた。〔comment〕 ウクライナ戦争に限らず①「(困難な対話も含めて)戦争を未然に防ぐこと」、②「不幸にも起こってしまった時は一刻も早く終わらせること」が大切だ、というのが私の立場です。欧米諸国がいずれにも本気で取り組んでいない(2022年3月、「ウクライナ戦争開始後の占領地からロシアは撤退し、ウクライナは中立化(NATOに加盟しない)」という方向でまとまりかけていた話〔-関連記事はウクライナ大統領「中立化可能」トルコで停戦対話へ - 日本経済新聞 (nikkei.com)〕を米・英を中心とする国々が「ロシアを悪魔化」することでつぶし、長期戦をあおった〕とみている私ですが、「一方的な悪魔化」が本当に妥当なのか、国際司法裁判所(ICJ)の上記判断は、検証の材料になると考えています。にほんブログ村 ← よろしければ一押しお願いします。一日一回が有効教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。)「しょう」のブログ(2) もよろしくお願いします。生活指導の歩みと吉田和子に学ぶ、『綴方教師の誕生』から・・・ (生活指導と学校の力 、教育をつくりかえる道すじ 教育評価1 など
2024.05.03
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「ウクライナ」戦争開始以降の主な記事(PDF版) 佐藤優「クロ現」テキスト 混迷する世界・新時代への思い 佐藤優インタビュー全文 佐藤優の貴重なインタビューを読ませていただきました。彼の主張は極めて妥当なものだと納得できる点がほとんどでした。もっとも(うかつでしたら)私自身はこのインタビューを知らず、下記の「批判記事」で知ることができたのですが。「佐藤優クロ現問題」でNHKに批判相次ぐ―世論分断工作に加担?批判記事の要約(志葉玲)によれば、佐藤優の主張は・ロシアを一方的に“悪魔化”するのではなく、その内在的論理(相手が物事を判断するにあたって何を重要視しているかという、価値観や信念の体系)を把握すべき。・ウクライナをめぐる問題は、同国東部に住む「ロシア語を話しアイデンティティーとしてロシア人の要素が強い」という人々の処遇をめぐるものであり、最初は地域紛争だった。・停戦はロシアが占領している地域を認めることにはならない。とにかく銃を置いて、そのあと、外交交渉で問題を解決していくべき。私自身は上記、妥当な見解だと考えますが、志葉玲による批判の要点は「ウクライナ東部のロシア人としての要素が強い人々の扱い」「ウクライナにおける問題は、最初は地域紛争だった」との部分は、ウクライナにおける客観的事実というより、ロシアの内在的論理であり、「ロシアが用いる侵略正当化の物語だ」というのです。確かに批判記事には「その根拠となる事実」(例えばゼレンスキー政権下のウクライナ人に対する世論調査)が提示してあります。しかしながら、佐藤優の見解を「侵略正当化のためのでっちあげ」とするためにはより多くの事実を確認・検証することが必要でしょう。例えば、ウクライナ東部に位置するドンバス地域で2014年2月以降何が起こったのか、その真実を自分の目、耳、全身で確かめるため、フランスの女性ジャーナリスト、アンヌ=ロール・ボネルが同地に赴き、取材・制作したdocumentがあります。その地域に住む人たちの証言という「一次情報」に基づいて編集された映画だと私は判断していますが、これを捏造映画だと強弁するのでしょうか。"ドンバス 2016"ドキュメンタリー映画【日本語字幕付き】("Donbass 2016" Documentary by Anne Laure Bonnel subtitles JAPANESE) - YouTubeまた、ゼレンスキーの国会演説に反対した「れいわ新選組」の山本太郎は国連難民高等弁務官事所などの「公的機関の報告」だけを用いて、「ロシアから見た風景(ロシアの内在的論理)」が多少なりとも理由のあるものなのか、問題提起しています。ウクライナ侵略に関する山本太郎の会見 | “しょう”のブログ - 楽天ブログ また、「ウクライナ戦争」開始後のウクライナ軍の「国際人道法違反」についても、アムネスティ報告があります。市民を危険にさらすウクライナ軍 アムネスティ報告について | “しょう”のブログ こちらは、アムネスティ報告の信憑性を裏付けるような記事。マリウポリから脱出した市民 証言の検証 | “しょう”のブログ以下は「永世中立国スイス」のガンザー博士の見解ですが、そもそも「内戦もなく平和だったウクライナのヤヌーコヴィッチ政権」を転覆させたユーロマイダンクーデタに対して米国がどのように関与してきたのかは遠藤誉が「全米民主主義基金(NED)」のHPから資金の流れを確認する形で検証しています。<ガンザー博士が語るウクライナ紛争:真実の裏側> 志葉玲よりも佐藤優のほうがよほど丁寧な事実確認に基づいて発言しているのではないか。現時点における私の判断です。にほんブログ村 ← よろしければ一押しお願いします。一日一回が有効教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。)「しょう」のブログ(2) もよろしくお願いします。生活指導の歩みと吉田和子に学ぶ、『綴方教師の誕生』から・・・ (生活指導と学校の力 、教育をつくりかえる道すじ 教育評価1 など
2024.02.12
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松本人志さんの“罪”を考察したブログに反響広がる「ぐうの音も出ない」「完璧すぎる論破」という記事が本日(2024年2月3日)の午前中にはYahooのトップ画面に出ていたのですが、午後には消えていました。 ブログ記事へのリンクを貼っておきます。 パオロ・マッツァリーノ公式ブログ 松本人志さんの罪についての考察と提案 小見出しも下記にコピーしていますが、例えば「3,性犯罪に無関心なテレビ局」で述べられていることの趣旨(一部)だけでも、根本的な問題が指摘されています。紹介すると・・・ 「コロナ禍では感染症の専門家たちがテレビで解説し、地震の後には地震学者が解説。今回の件でもワイドショーなどが、性犯罪を研究している学者や、性犯罪被害の弁護に詳しい弁護士といった専門家を呼んで解説してもらうべき。」「日本の性犯罪認知件数が欧米に比べて少ないのは、犯罪が起きてないからではなく、そもそも警察が性犯罪被害の訴えを門前払いしてしまうから。裁判にまでこぎつけるのは被害全体の2%くらいしかないといった、法治国家とは思えない実態がある。そういったことも含め、単なる芸能スキャンダルではなく、社会問題として扱おうとする姿勢がテレビから全然伝わってこないのは非常に残念。」上記も含めて、実に理路整然としたまっとうな見解で、多くの読者が共感したのも納得できます。 ぜひご一読ください 1,まつもtoジャニー2,的外れな人情論と損失論3,性犯罪に無関心なテレビ局4,週刊誌という入れ物を叩く人たち5,女性側の主張の信憑性は?6,携帯を取りあげる異常性7,もうひとつの罪・松本さんのパワハラ8,芸人のみなさんは河原者に戻りたいのですか?9,合意の有無でなく、合意の中身こそが重要10,記者会見の提案にほんブログ村 ← よろしければ一押しお願いします。一日一回が有効教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。)「しょう」のブログ(2) もよろしくお願いします。生活指導の歩みと吉田和子に学ぶ、『綴方教師の誕生』から・・・ (生活指導と学校の力 、教育をつくりかえる道すじ 教育評価1 など
2024.02.03
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「ウクライナ」戦争開始以降の主な記事(PDF版) 以下は、番組の最後の言葉です。フランスの哲学者サルトルは世界大戦の脅威や格差の拡大、右派勢力の台頭など、世界の危機に触れ、こんな言葉を残しています。「世界は醜く不正で希望がないように見える。だが。私はこれに抵抗する。希望の未来を語らなければならない。」以下、番組後半の主だった内容・発言を抜粋・要約・紹介します。 フランシス・フクヤマ氏(米スタンフォード大学教授・国際政治学)「冷戦終結は非常にうれしかった。共産主義国が民主主義国に置き換わり広がることは、世界にとって非常にいい結果だと思った。しかし、多くのことが起きて、民主主義の後退を招いた。アメリカによる民主主義を根付かせようという試みはうまくいかなかった。中東諸国で広がった『アラブの春』が波及したリビアやシリアでは、内戦によって多くの難民が生み出されている。」今また増え続ける壁と国連の意義とは?【サンデーモーニング新春スペシャル】 | TBS NEWS DIG (1ページ) ヨーロッパでは流入する難民を阻止するためのフェンスが築かれ、人々の心に不寛容、排他主義という新たな「壁」が生みだされており、さらにいえば冷戦以来、かつてないほど核兵器が使用されるリスクが高まっている。国連安保理でこう訴えたのは国連事務次長(軍縮担当)、中満泉さん。・実際にロシアはウクライナ戦争に際し、(欧米諸国に対して)核による威嚇を行った。・イスラエルの閣僚はパレスチナに対する核兵器使用も選択肢の一つと述べた。しのびよる核戦争の危機。それを防ぐべくウクライナやガザでの停戦を求めた国連安全保障理事会において、ウクライナからのロシアの即時撤退を求める決議案は、ロシアの拒否権行使で否決。ガザの戦争の一時停止を求める決議案はアメリカの拒否権行使で否決。国連安保理が戦争を止められない事態。 ガザはもう2万人の犠牲者を超える状況に達している。私たちに(国連職員)にとっては非常に衝撃的なことでもある。非常に苦しいし、無力感もある。もっと何かできることがあるのでは?毎日考えながら仕事をしている。私たち国連の持っている「武器」というのは言葉・メッセージ。分断する世界で改めて国連の意義が問われている。 イスラエル 攻撃続ける背景は|au Webポータル国際ニュース (auone.jp) 国連安全保障理事会では常任理事国一か国でも拒否権を行使すれば否決される。他方、全ての加盟国が参加できる国連総会の決議には法的拘束力はないが、ロシアの反対するウクライナからの撤退、アメリカの反対するガザでの即時停戦の決議は、圧倒的多数で採択されている。法的拘束力のない総会の決議に大きな権限を与えるべきという声が加盟国で強まっている。〔以下、コメンテーターの発言〕安田:「ガザに対して核兵器を使用することも選択肢の一つ」という発言直後にお会いした長崎の被爆者の話。「ガザ起こっていることは、自分が体験したあの日の再来だ」。国連が機能不全といわれるが、この人を始め、被爆者の方々の努力もあり国連で核兵器禁止条約採択がされた。どんな社会の変化も人の声から生まれてくる。ガザ停戦についても世界を見渡せば大きなデモが起こっている。ここでは「〇〇陣営」ではなく、人権に基づく考え方によって壁を越えていくことが大切ではないか?今ほど核使用のリスクが高まったことはない。大国主義的なもの、ほかの国を従え動かそうとする大国のエゴ、国連での拒否権の使いかた、これは、ロシアもイスラエルを支持し続けるアメリカも同じ。大国のエゴに任せていたら世界が壊れてしまう。そこからの脱却が必要。核兵器禁止条約は、核兵器を持っている国が反対をしても国際法がつくれるというその証明になった。国連が機能不全だというだけではなく、できることをやっていかなければ。寺島:番組では、「民主主義対権威主義」という図式が提示されたが、日本人として自ら問いかけたい。日本は「民主主義」に立っている国だと言えるのか?本当の意味で民主主義を鍛えていこうという意志があるのか。他国の人と会話する中で指摘される。「日本くらい権威主義的な国はない。権威に弱い、国家に対する依存、国家に対する甘えも含めて。日本における民主主義を本当に成熟させる覚悟を持っているのか大いに疑問だ」と。世界は分断しようとするエネルギーに満ち溢れているが、分断してはいけないというエネルギーもある。例えば国連総会の議論。「グローバルサウス」の人たちは分断してくれるなというエネルギーを出しはじめている。そうした中で日本は分断のどちらかに立つということではなく、分断を乗り越える新しい理念を発信している国に加わっていくのかどうか。青木:僕らは足元を見なきゃいけない。冷戦が終わり、ベルリンの壁が崩れたしばらく後で、日本はバブル崩壊してその後も「失われた30年」という時代を過ごしてきた。社会そのものの持続可能性すら失われたといわれている。しかも軍事偏重であるとか「戦後の矜持」が失われて、「おめでとう」なんて言える状況じゃない年明けを迎えた。これまでの30年というのは決して良い時代じゃなかったが、今後の30年をどうして行くのか。我々は真剣に30年位を展望しながら今年を考えていくという点で、2024年というのは重要な年になるかもしれないし、重要な年になくちゃいけない。関口:今日は壁というものを中心に世界を見てまいりましたが、最後にこちらをご覧いただきたいと思います。終わらない戦争によって世界が大きく壊れつつある時代、立ちはだかる壁、そして見えざる壁がもたらす分断が対立と憎悪を生み、民主主義の希望も色あせたかに見えます。(ここで、冒頭の文章に続く)フランスの哲学者サルトルは世界大戦の脅威や格差の拡大、右派勢力の台頭など、世界の危機に触れ、こんな言葉を残しています。「世界は醜く不正で希望がないように見える。だが。私はこれに抵抗する。希望の未来を語らなければならない。」私たちは壊れようとする世界を救えるのか?〔comment〕 私は(もちろん)上記報道に対して全面的に賛同するわけではありません。とりわけバイデン米大統領が多用する「民主主義対専制主義」という図式には懐疑的で、「民主主義を装った米国による悪質な内政干渉」が紛争を誘発している例は極めて多いと判断しています。(例:ウクライナのマイダンクーデタ) しかしながら、番組の結論付近の主張のいくつか、コメンテーターの問題提起には一定の説得力があると考えています。にほんブログ村 ← よろしければ一押しお願いします。一日一回が有効教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。)「しょう」のブログ(2) もよろしくお願いします。生活指導の歩みと吉田和子に学ぶ、『綴方教師の誕生』から・・・ (生活指導と学校の力 、教育をつくりかえる道すじ 教育評価1 など
2024.01.08
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「ウクライナ」戦争開始以降の主な記事(PDF版) このたびの記事はイスラエルの夫婦とサルトルの続きになります。イスラエルによる「パレスチナガザ地区占領の不当性を訴え民族の共存をめざす困難な取り組み」を進めるにあたって、なぜこの夫婦が「サルトル思想」を有効だと考えたのか。私は前記事でそれに触れましたが、「ガザ地区の占領を正当化するまっとうな人々」の論理を内側から理解するのに役立つだけではなく、私たち自身の中にあるかもしれない「恐ろしいもの」を自覚する機会にもなりうると考えています。以下、〇十年前に書いた卒業論文の一部を転載するとともに『実存と暴力』を援用することで、サルトルが執筆した『聖ジュネ』のごく概要を紹介します。〔内容紹介〕1952年になってサルトルは『聖ジュネ』を発表した。この著作によってわれわれは、それまで人間の主体性という一面を強調してきたサルトルが、人間の対象性(対象としての人間の姿〔=対他存在〕、人間の行動がとる客観的な意味)に対する認識を深化させていったことを知ることができる。『聖ジュネ』というのは、『花のノートルダム』や『泥棒日記』の作者であるジャン=ジュネの作品と生涯を、サルトル独自の「実存的精神分析」という方法を用いて、徹底的に解明したものである。だが、本稿ではとてもその詳しい内容にまで立ち入る余裕はない。ここでは『聖ジュネ』の最終章「ジュネ善用のための祈り」を中心に見ていくことにしよう。彼はそこで、人間は「自己にとっての主体であると同時に、他者にとっての客体(対象物)である」という事実を強調する。言い換えるならば、人間は何らかの目的を目指して行動する主体であると同時に、他者によって対象化され意味づけられる客体である、という事実を強調するのである。そして、主体としての私は、特に「羞恥」といった意識によって、他者によってまなざされ客体化した私の姿(=対他存在)を感じる。たとえば職業上の失敗や粗忽な失策、過ちややりそこないの際に私たちは羞恥、孤独という意識のさなかで他者によってまなざされた自己の客体制(対他存在)を感じるのである。「突然他人たちが私たちを見ており、私たちは対象物(客体)になり変わっている。私たちは自分が見つめられているのを感じ、自分が赤くなりまた青くなるのを感じる」そして、このように他者によって見られた対象(客体)としての私と、主体としての私との間には、常にいくばくかの分離が存在する。特に、わたしは主観的には善意でありながら、人々の目から見れば客観的には悪人である、という場合などがそうである。「孤独の体験」とは、このような「主観と客観との分離」によって生じる体験なのである。サルトルは言っている。「人間は過失を犯し、しかも同時に身に道理を持つときこそ孤独である。」「諸君は自分がもはや、すべての人々の目に、罪深い対象物(客体)に過ぎないものとなりはて、しかも一方、諸君の良心〔意識〕がどう考えてみても自己肯定をやめないことを身に味わい知るならば、孤独となるだろう。自らが主観的には純粋な善意によって行動しながら、同時に客観的には「有罪」である場合、人間はいかなる態度をとるべきなのであろうか。サルトルは、ジャン・ジュネとブハーリン(注)との二人がとった態度について述べている。(注:ロシアの政治家、トロツキストであるとしてスターリンの命令で銃殺された。)ジャン・ジュネは捨て子であった。彼は、ある農家に引き取られて、農村特有の保守的世界観(土地を持つ農民の嫡出子として存在することが善であり、この善なる存在だけが正当な権利を持って財を所有できる、という世界観)を素直に受け入れて育つ。だが、捨て子であるジュネは、誰の嫡出子でもないし、何一つ所有していない。ジュネは、このような不快な現実を子どもらしい仕方で解決しようとする。誰の嫡出子でもない彼は自分が神の嫡出子であると信じることによって自らを根拠づけ、何も所有していない彼は、家のものを盗んで所有することによって自らをその所有者たらしめた。要するに彼は、「神の嫡出子として正当な権利を持って財を所有する子どもを演じたのである。当時彼には自分が罪を犯しているという意識は全くなかった。ところがある日のこと、「財布の中の手がつかまえられた。誰かが部屋に入ってきて彼を眺めているのだ。(・・・)ひとつの声が公然と宣告する〈お前は泥棒だ〉と。ジュネは仰天して「そんな意図はないのだ」、と陳弁に努めるが彼には反駁できない巧弁によって圧倒される。彼は盗みを働いた。だから彼は泥棒である。捨て子であるジュネは、人々によって、本質的に泥棒である存在として意味づけられてしまう。従順で天涯孤独なジュネは、その意味づけを拒否することはできない。さらに、農村の人々はジュネを本質的な泥棒・悪人として農村社会から排除しようとする。彼らはジュネを悪人として追放することによって自分たちが善人であることを確認するのである。それはまさにジュネにとって絶望的な状況であった。しかし、「彼の峻厳にして荒涼たる魂は、恥辱を受けてもそれを超えて生きる意志と、打ち勝つ信念とを持っている。」そして「彼は生きることを選びすべての人に向かっていった。僕は泥棒になるぞ、と」。こうしてジュネは泥棒として、悪人として生きることを決意する。そして、これ以降彼は、泥棒として、悪人として生き抜くために、あらゆる状況に抗して様々な努力を試みるのである。以上が、自らの「客体性」に対してジュネの取った態度である。彼は、他者によって意味づけられた自己の客体性(=泥棒)を引き受け、泥棒として生き抜くことを決意する。この決意こそが、あの絶望的な状況において自らの自由(主体性)を回復するためにジュネの取りえた唯一の道なのである。さて、それではジュネを本質的な泥棒・悪人として農村社会から排除した人々(「真っ当な人々」)についてどのように考えるべきなのだろうか。サルトルはこう書いている。「平和のために社会は賢明にも職業的な悪人を創造したと私は思い切って言おう。善人が自分の自由を前にしていだいた恐怖から出たものである悪は根源的には投影でありカタルシスである。従って悪は常に客体だ、」と。つまり人間は自分を善人へと構成するためには、骨の髄まで悪の塊である「対象=悪」を自分の外側に投影的・投射的に産み落とさねばならない。なぜなら全ての諸悪がそこから由来するような「悪」という純粋存在が自分の外側に存在してこそ、われわれは自分をそのような「悪という他者」とは別の存在であるがゆえに、完璧に善人である存在、完全に正当である存在として自らを構成できるからだ。それは自分を是が非でも善人と思いたがっている我々にとって欠かすことのできない自己浄化の儀式なのだ。そして我々はこの悪を作り出すためには、我が「内なる悪の欲動」をあげてその上に投射し、そうすることで自分から遠ざけるための、いわば悪の依代(よりしろ)を必要とする。〔紹介は以上〕 記事冒頭で私は「ガザ地区の占領を正当化するまっとうな人々」の論理を内側から理解するのに役立つだけではなく、私たち自身の中にあるかもしれない「恐ろしいもの」を自覚する機会にもなりうると述べました。いかがでしょうか。例えば国際関係において、太平洋戦争時の「鬼畜米英」を持ちだすまでもなく、対立関係にある「敵国」の悪を一方的に強調することで、自らを正当化する場面が私たちのうちになかったでしょうか。 例えば、日韓関係や日中関係がこじれた場面をいくつか振り返ってみると、韓国語・あるいは中国語で発信された情報をきちんと検証するという過程を踏まないで「あいつらが悪いに決まっている」と最初から決めつけ「国家としての日本の対応を正当化する」ことがほとんどだったように感じます。しかも、「敵対する」国を一方的に悪者にし、「愚かだといってバカにする」記事が売れるので、報道機関もまともな検証をさぼっているのではないか。 日韓の軋轢をめぐる報道について 「処理水」放出に関する国際的な問題 「レーダー照射問題」に際して韓国の報道機関の記者たちが「日本ではこのように報道されている。韓国政府の主張と食い違っているが、実際はどうなのだ」と自国政府を追及していたのとは対照的です。「双方の主張が食い違っている」という一点が客観的な事実だったとすれば、「実際はどうなのかを検証・確認」するのが報道機関の役割(それを求めていくことが読者や視聴者の役割)と考えるのですが、いかがでしょう。にほんブログ村 ← よろしければ一押しお願いします。一日一回が有効教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。)「しょう」のブログ(2) もよろしくお願いします。生活指導の歩みと吉田和子に学ぶ、『綴方教師の誕生』から・・・ (生活指導と学校の力 、教育をつくりかえる道すじ 教育評価1 など(
2023.12.31
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「ウクライナ」戦争開始以降の主な記事(PDF版)Q「グローバル難民フォーラム」とは?4年に一度開催される国際会合(難民支援の取り組みを共有する場)。政府機関、国際金融機関、民間企業、人道機関、開発機関、難民当事者、市民社会の代表が世界中から集まる。Q 開催の実績は?2019年に第1回が開催され、2023年12月13日から15日、第2回がスイス・ジュネーブで開催された。 第1回では、長期的支援に向けた770以上の「宣言」が提出され、雇用、子どもの就学、政策の変更、第三国定住などの解決策、インフラ、受け入れ国・地域に対する支援など、多岐にわたる分野におよんだ。 〔第2回の開催直前に報道された「時論公論」難民危機にどう対処するか 日本の役割は〕(上記番組を要約すると以下のような内容だった) ウクライナ戦争、ガザ地区へのイスラエル侵攻、気候変動や干ばつを背景とする内戦などによる難民が世界で益々増加しているなか、開かれるこの度の「難民フォーラム」。 日本の市民社会や企業からも約20件の支援策が表明される見通し。もっとも早く名乗りを上げた愛知県の高校はICTを活用して国内外の学校と対話し、難民問題の解決に向けた取り組みを学びながら、さまざまな支援活動に参加する計画。ウクライナやシリアなどの学生を受け入れてきた一般財団法人パスウェイズジャパンと国際基督教大学財団は、国内16の大学と九つの日本語学校の協力を得て、これまでの62人に加え新たに116人を受け入れる。 日本は他の先進国と比べ、難民の受け入れ数が極端に少なく、難民に閉鎖的だと批判されてきた。Q 前回の「グローバル難民フォーラム」以降の変化は?これまで二桁にとどまっていた難民認定者数は去年初めて200人を超え、避難先の国から別の国に難民を移す第三国定住制度による難民の受け入れも101世帯276人になった。三年前からは単身者も含めアジア各国に滞在する難民に対象を拡大。 とは言え、「日本は難民にとってはまだ狭き門」であることに変わりはない。Q 日本に難民として来ることができたとしても、発生している問題は?A 生計を立てるのが容易でなく、難民支援者の間ではウクライナ以外の人たちにもっと目を向けてほしいといった声が聞かれる。例)タリバン支配後のアフガニスタンからはおよそ800人が日本に避難し、そのうち日本大使館で働いていた現地職員と家族147人が去年難民認定され、今年はジャイカの職員と家族114人が認定された。しかし、認定された後も多くの人たちが困窮を訴えている。アフガニスタンからの逃れてきた難民の7割近くが大学院または大学卒で、現地では大学の副学部長や医師、大学教員などを勤めていたが、日本では6割がアルバイトや派遣の仕事。正規雇用されている人は1割にとどまる。2割が失業中。子ども4、5人抱えながらも半数以上の世帯が月収15万円以下。30代の元大使館職員は妻と子ども4人を抱え、昼間日本語学校で学んだ後、夜の7時から翌朝5時まで弁当を作る工場で働いているが、それでも毎月10万円以上の赤字だという。また日本の大学院で学んだ留学生の中には日本の将来に希望が持てず、ドイツやカナダ、イギリスなどに移り住む人も少なくない。高学歴でも思うような仕事に就けず、苦しい生活を余儀なくされている実態。 Q その最大の障害は? A 言葉の壁。難民の定住支援プログラムで、日本語の習得に572時間あてられているが、仕事に就くにはとても足りず、難民の多くはもっと日本語を学ぶ機会を与えてほしいと訴える。日本語が出来ないため安定した仕事に就けず、子どももアルバイトに追われる。勉強の時間が取れないという貧困と低学歴の負の連鎖が続いている。日本が難民を受け入れるには、国と自治体、地域社会の連携の強化が不可欠。また、省庁間の調整も充分ではない。難民たちが支援に頼り切るのではなく、自立し、責任ある社会の一員となるのは日本の利益でもある。そのためには、「迫害から逃れ、保護を求めている人たち」を誰一人取り残さず分け隔てなく、きめ細かな支援を社会全体で提供することが、今後ますます重要になってくる。 〔comment〕 報道からは、「人権後進国日本」の実態がわずかながらも変化しつつある様子が浮かび上がります。ウシュマさんの死亡の背景にある実態への強い批判、(難民認定の現状や、認定されない個人の処遇への批判)が報道特集なども含めて明確になされてきたこと、また、戦争や内戦から逃れてきた人たちへの処遇が「ウクライナと別の地域で差がありすぎることに対する批判」が背景にあると思われます。 しかしながら、「狭き門」の日本において「運よく」難民認定されたとしても、その後の大きな問題が解決されないままにきている、ということにも目を向けるべきことが番組を通してよく理解できました。「グローバル難民フォーラム」を機にそのような問題に目を向けること、地道ながら「持論公論」のような報道・発信に注目することはやはり大切であると考えます。にほんブログ村 ← よろしければ一押しお願いします。一日一回が有効教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。)「しょう」のブログ(2) もよろしくお願いします。生活指導の歩みと吉田和子に学ぶ、『綴方教師の誕生』から・・・ (生活指導と学校の力 、教育をつくりかえる道すじ 教育評価1 など
2023.12.16
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「ウクライナ」戦争開始以降の主な記事(PDF版) 実に説得力のある演説。 まったくその通りだと感じましたがいかがでしょうか。にほんブログ村 ← よろしければ一押しお願いします。一日一回が有効教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。)「しょう」のブログ(2) もよろしくお願いします。生活指導の歩みと吉田和子に学ぶ、『綴方教師の誕生』から・・・ (生活指導と学校の力 、教育をつくりかえる道すじ 教育評価1 など
2023.11.28
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「ウクライナ」戦争開始以降の主な記事(PDF版) イスラエルによって実質的に封鎖されて(燃料・水・食料などが断たれて)いるガザ地区の人道危機がさし迫っています。 ガザ地区を実効支配してきた「ハマス」によるイスラエルへの攻撃と民間人の無差別殺戮、イスラエルの「報復(過剰防衛)」による無差別爆撃・無差別殺戮はいずれも容認できるはずはありませんが、現在の人道危機と「地上戦」による更なる民間人犠牲者の拡大は何としても回避しなければならない。これは、国連事務総長だけでなく、世界の一部(欧米諸国の支配層および欧米における一定数の市民)を除けば、国際社会(欧米諸国以外の国家・政府と多くの一般市民)の考えではないかと思われます。 ただし、このような人道危機が回避され、人々が生きのびればそれでいいというものではありません。 「ハマスによるイスラエル市民に対する襲撃も非難されなければならないし、あらゆる戦争犯罪が適切に裁かれなければならない。ただ、現在おこっていることを断片的に切りとるのではなく、背後にどんな構造的な暴力があって何を取り除いていかなければならないのか、という視点が必要だ。」「近年だけをとってもガザは周囲をぐるりと封鎖され『天井のない監獄』状態におかれていた。そのうえ今は電気も水も食料も断たれじわじわ尽きている中で、200万人の人々がどう考えても生きられないという状況。これを見ればわかるように、圧倒的な力の不均衡の中で、ガザ地区の人々の生殺与奪の権をイスラエルが握り続けてきた。まずは目先の危機をどう回避するか、ということが重要だが、『監獄の中で生きなければならない』といういびつな構造に切り込まない限り、問題の根本は変わらない。」(10.22 「サンデーモーニング」における安田菜津紀の発言) 適切に問題を見るためには長きにわたる歴史的文脈を認識・確認することは必要ですが、ここではごく最小限の事実を列挙しておきます。1,19~20世紀にかけて、特に欧米各地で迫害されたユダヤ人の国家建設を1947年、国連が認めた。国連は「パレスチナの地」を(ユダヤ教の)イスラエルと(イスラム教の)パレスチナの二つの国家に分けると決議(「パレスチナ分割決議」)。だがそれは、そこに住んでいたパレスチナ人を故郷から追い出すことだったため多くの問題を含んでいた。2,この問題ある決議もいまだ実行されていない。二つの国家に分割するはずが、パレスチナに住んでいた人たち(中東戦争を経てガザ地区やヨルダン川西岸に逃れた人たち)は、建国すら認められなかった。「オスロ合意」によって得られたはずの自治もないに等しく、生殺与奪の権をイスラエルが握り続けている。(その現状への対応として「武力抗争も辞さない」立場をとるのがハマス。)3,ガザ地区はいま、イスラエルによって壁で包囲され水道もガスも電気も断たれた状態でイスラエルからの陸海空による全面攻撃を受けようとしている。 この問題に関して遠藤誉が記事を公開しています。ガザ地区の現状と自らの体験(1947年に長春で中国共産党軍によって食糧封鎖され餓死体の上で野宿した経験)と重ね合わせながら、イスラエルがやっていること、やろうとしていることはジェノサイド以外の何ものでもないとしています。 実感のこもった説得力ある訴えとして受け止めました。ぜひご一読ください。にほんブログ村 ← よろしければ一押しお願いします。一日一回が有効教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。)「しょう」のブログ(2) もよろしくお願いします。生活指導の歩みと吉田和子に学ぶ、『綴方教師の誕生』から・・・ (生活指導と学校の力 、教育をつくりかえる道すじ 教育評価1 など
2023.10.22
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「ウクライナ」戦争開始以降の主な記事(PDF版) 9月17日のサンデーモーニングで特集された「人権後進国?日本」を紹介します。考えるべき点、本気で改善すべき点が示されていたように感じました。〔紹介〕ジャニー喜多川氏による性加害問題。新聞などで取り上げられるきっかけとなったのは、3月に放送されたイギリスBBCによるドキュメンタリー番組だった。被害者に対し、7月には国連の人権理事会が聴き取り調査。「外圧」でようやく大きな注目を集めた性加害問題の背景には人権が重視されていない日本社会の現状がある。例えば、LGBTなど性的少数者の権利については、2019年のOECDによる評価で、法整備の遅れから日本は加盟35カ国中34位。 また、2021年名古屋入管で収容されていたスリランカ人女性が施設内で亡くなった問題では不適切な対応が問題になったが、それから2年、今年6月に成立した「改正入管法」は認定のハードルがより高くなり、国連の人権理事会も収用などの面で国際的な人権基準を満たしていないと指摘。さらに6月に開かれたG7の女性活躍担当大臣の会合では、日本だけが男性。実際、日本は男女の格差状況を示すジェンダーギャップ指数で対象国146か国中125位。 「欧米だと、革命といったような形で市民が人権を勝ち取ってきた歴史があるわけだが、日本の場合、人権に関する意識・信念が弱く現状を変えていこうという動きがなかなか起きにくいという歴史的な背景がある(「有識者」)」さらに今回、ジャニー氏の性加害問題にかかわる番組を放送したイギリスBBCは、こうした状況が長い間続いてきた背景を次のように指摘。「恥と沈黙の文化」も要素となる。日本では性的暴力を受けたと女性が発言すれば、その女性が激しい非難と攻撃にさらされることがある。(BBCは伊藤詩織さんの性被害について「日本の秘められた恥」という番組にしたこともある。) こうした中、水曜日、アメリカのタイム誌は性被害を実名で訴えてきた元自衛官の五ノ井さんを今後活躍が期待される次世代の百人に選出。人権が改めて問われた形。「人権を主張するということについて、日本の社会のなかでは声を上げづらく、バッシングや、同調圧力のようなものがある。国内でしっかりと人権を守る政府から独立した機関をつくることが大切。また、われわれの意識についても、その大きな変化が今求められている。」〔紹介は以上〕 私としては、一人のコメンテーターによる以下の発言に賛同します。 「確かに、日本で革命は起こっていない。しかし、これまでの歴史の中で人権侵害と闘う運動はあったはず。(例:反公害運動、大阪空港夜間飛行差し止め訴訟、障害のある個人の学習権保障を求める運動、その他、国を相手どったいくつかの訴訟と支援、各種の解放運動:管理者提示) そのような運動に対して賛同・支援することはできるはずだ。「国から独立した機関」の創設もいいが、私たち自身が社会をつくる、という強い意識をもってできることをやっていきたい。にほんブログ村 ← よろしければ一押しお願いします。一日一回が有効教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。)「しょう」のブログ(2) もよろしくお願いします。生活指導の歩みと吉田和子に学ぶ、『綴方教師の誕生』から・・・ (生活指導と学校の力 、教育をつくりかえる道すじ 教育評価1 など
2023.09.18
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「ウクライナ」戦争開始以降の主な記事(PDF版) 7月に行われたNATO首脳会議を注視した台湾の人たち。野党の「疑米派」が勢いづいたのではないかと遠藤誉は分析しています。その内容を要約・紹介しますが、米国の姿勢をどう見るかはまさに「他人事でない重要問題」です。〔以下に紹介〕 7月12日に閉幕したNATO首脳会議では、ウクライナのNATO加盟に関し具体的な時期は示されず、特にバイデン大統領の躊躇が目立った。◆結局は躊躇したバイデン大統領リトアニアで開かれていたNATO首脳会議において、ウクライナのNATO加盟については結局、具体的な時期は示せなかった。加盟手続きに必要なプロセスが短縮されることになったものの、加盟の条件は「NATO加盟国全員が同意すること」。その日が来るのか否かは誰にもわからない。 バイデン大統領は直前にCNNの単独取材を受けて「ウクライナのNATO加盟検討には戦争終結が必要」と語っていたことが7月10日の報道で明らかになった。バイデンは以下のようにも語っている。●私はウクライナをNATOに加えるかどうかについて、現時点で戦争のさなかに、NATO内で意見が一致しているとは思わない。●ウクライナがNATOに加盟した場合、NATOは加盟国の領土を隅々まで守るので、戦争が行われている場合には、NATO加盟国全てがロシアと戦争状態になる。●ゼレンスキー(大統領)と長時間にわたって電話で話したが、彼には「手続きが継続する間、アメリカやNATOはウクライナに安全保障と武器を供与し続ける」と伝えた。(取材の概略は以上)ウクライナの次に関心をもってNATOの会合を注視していたのは台湾だが、上記のようなバイデンの姿勢は来年1月の台湾の総統選に影響をもたらし、野党連合を活気づけるのではないか。与党の民進党は「台湾独立」傾向が強く、親米。野党は、必ずしも「親中」ではないが、独立を叫ぶことはない。独立を叫べば、中国大陸側が「反国家分裂法」により、台湾を武力攻撃する可能性が高まる。Q 台湾の野党は米国をどう見ているか? 将来的に経済力で中国に勝てそうにない米国は、習近平に台湾を武力攻撃させ、台湾を第二のウクライナへと追いやろうとしていると、野党の多くはみなしている。だから、平和裏に経済的提携をしていこうという人たちが多い。 ウクライナ戦争が始まって以来、米国が自国兵士を一人たりともウクライナの戦場に送ることなく、ひたすら武器の供与(売却?)のみを続けているのを実感し、台湾が戦場になっても同じことをするだろうという「疑米論」が広がっている。(「反米」というよりも)〔遠藤の「追記」から補足〕そもそもバイデンは副大統領だった2009年7月にウクライナを訪問して、「ウクライナのNATO加盟を強く支持する」と発言。誰も相手にしなかったが、2013年末から2014年初頭にかけてマイダン革命を起こさせてウクライナの「親露派政権」を転覆させ、新しく誕生させた親米政権に対して「NATO加盟を首相の努力義務とする」という文言をウクライナ憲法に盛り込ませた。他国への干渉という国際法違反までしてウクライナ戦争勃発を誘導しておきながら、戦争が始まったら「ウクライナはNATO加盟国ではないのでアメリカは参戦しない」と言い、今度は「戦争中なのでウクライナのNATO加盟はない」と主張するなど、やりたい放題だ。台湾がアメリカを信用するはずがないだろう。命がかかっているのだから。日本人の命もかかっていることを忘れないでほしい。ウクライナも台湾も日本も、バイデン・米国にとっては「駒の一つ」に過ぎない。〔関連記事:「台湾有事」はCIAがつくり上げた?〕Q 中国が台湾を武力攻撃しないための条件は? 独立を叫びさえしなければ、中国大陸側は台湾を武力攻撃しない。 習近平としては、国連で「一つの中国」が認められている以上、独立を叫ばなければ、台湾を武力攻撃などする理由は皆無だ。 Q 1960~70年代の米国の対中国外交は? 米国が積極的に中国(中華人民共和国)を国連に加盟させ、同時に「一つの中国」を承認したために、「中華民国」としては国連を脱退するところに追い込まれた。米中国交が正常化した日に、アメリカは「中華民国」と国交断絶もしている。従って台湾は、ウクライナのように「一国家として(NATOのような)集団的自衛権が確保される軍事同盟」に入る資格がそもそもない。ただし、「台湾関係法」により、米国は台湾に武器を売却する・・・。 が、ウクライナと同じように、アメリカ軍が一人でも台湾の戦場に来て戦ってくれるという可能性はないだろうと、台湾の多くの人たちは考えている。戦うのは台湾人でしかない(日本には世界で最大のアメリカ軍基地があるので、命を捨てて戦うのは台湾人と日本人だけかもしれない)。 となれば、台湾の選挙民は「戦争にならない道」を選択するだろう。 それはすなわち、中国大陸と仲良くし、経済繁栄だけを追求していく選択となる。にほんブログ村 ← よろしければ一押しお願いします。一日一回が有効教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。)「しょう」のブログ(2) もよろしくお願いします。生活指導の歩みと吉田和子に学ぶ、『綴方教師の誕生』から・・・ (生活指導と学校の力 、教育をつくりかえる道すじ 教育評価1 など。
2023.07.15
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この間の主な記事のPDF版 ヒーローを待っていても世の中は変わらない2の続きです。 表記書籍の中で湯浅誠は、「自身の体験」などを豊富に例示しながら、民主主義にとって大切なことは何かを私たちに投げかけ、「深刻な事態を誰かに何とかしてほしい」という焦りに向き合いながら「民主主義の面倒くささ」を引き受けるしかない、ということを訴えます。これを読むことで、私自身が「自らの焦り」と向き合う機会になったのですが、皆さんはいかがでしょう。ぜひ、私の要約・紹介ではなく「そのもの」を読んでいただきたいと思います。 Q 最善を求めつつ最悪を回避するとは? 一、ともすれば「取るに足りない問題」、と片付けられがちなこの課題を、実態に見合った大きさで理解してもらい、向き合ってもらうために。より多くの人たちに、働きかけていくこと。一対九を二対八、三対七、に転換していくこと。二、当面たとえ一対九だとしても一割分、あわよくば二割分、二対八だとしても、可能なら三割分というように、現実の調整過程にコミットして、一歩でも半歩でも実態に追いつくように政策を実現させていくこと。三、八割、九割の世論をバックに「望ましくないと感じられる政策が進もうとしている時」に「政府が悪いことをしている」で済まさないこと。その八割・九割の世論に働きかけるとともに、それが容易に変わらない時には一割でも二割でも、自分たちの意見を残すように調整過程にコミットすること。 最悪を回避するために、わずかでも自分たちの主張を滑り込ませるイメージ。自分と異なる意見を持っている人のほうがはるかに多いと言うことを前提に、最善を求めつつ同じくらいの熱心さで最悪を回避する努力をすることが必要。Q 民間の活動が持つ傾向と問題は? 同じような意見を持つ百人の仲間を二百人に増やすというように、内側から広げる志向を持つ。自分たちと近いところに居る人達を強く意識し、仲間に迎え入れることに努める。自分の考えを変える必要はないので、発想がどうしても内向きになりがち。Q 公的にやる時の困難は? 反対意見を無視できないわけだから、それとの綱引きの結果次第では自分にとって最悪の結論にもなり得ることを常に想定しないといけない。その場合は一番遠くにいる人たちを意識し、その人達の強硬な反対が少しでも和らぐよう外側の理屈との橋渡しに心を砕くことになる。Q そのような努力を放棄したら? 仮に百人が二百人になったとしても、それが一億二千万分の二百であれば、やはり政策は動かないし、逆ベクトルの政策がとられる可能性も高い。最善を求めつつ最悪を回避するというのは、近くから広げ遠くと橋渡しをするということ。 これは本当に難しい。ともすると、いうことが分裂する。しかし、その困難さと真剣に向き合えなければ、物事は進んでいかないだろう。 単にお金がなくて仕事と生活に追われているというだけでなく、多少のお金があっても、効率的に生きることに精一杯で、物理的にか精神的にかまたその両方かで時間がない。社会に「溜め」がないとはそういうことで、格差貧困が広がる社会は底辺の人たちだけでなく、「勝ち組」と言われる人たちからも余裕を奪っていく。 単純に言って、朝から晩まで働いてへとへとになって、9時10時に帰ってきて、翌朝7時にはまた出勤しなければならない人には「社会保障と税のあり方」について一つひとつの政策課題に分け入って細かく吟味する気持ちと時間がない。 子育てと親の介護をしながらパートで働いて、クタクタになって一日の家事を終えた人には、それから「日中関係の今後の展望」について、日本政治と中国政治を勉強しながら、かつ日中関係の歴史的経緯を紐解きながら、一つひとつの外交テーマを検討する気持ちと時間はあない。 だから私は最近こう考えるようになった。「民主主義」とは高尚な理念の問題というよりも、むしろ物理的な問題であり、その深まり具合は時間と空間をそのためにどれくらい確保できるか、という極めて即物的な事に比例するのではないか。 Q 時間と空間が参加可能にするとは? 時間と空間の問題は、言い換えれば参加の問題。世界的政治的参加のための空間がなければ、そもそも参加が成り立たないし「場」空間があっても時間が無ければやはり参加できない。 例えば、誰かがデモ行進を申請しなければ、デモ行進を行う空間は確保されない。そして、そこに意味を見出して時間を切り出してくれる人たちがいなければ、主催者だけの寂しいデモ行進になる。 多くの人たちが「決めてくれ、ただし、自分の思いどおりに」、と個人的願望の代行を、水戸黄門型ヒーローに求めるのではなく「自分たちで決める。そのために、自分たちで意見調整する」と調整コストを引き受ける。民主主義に転換して行くためには、さまざまな人たちと意見交換するための社会参加、政治参加が必要。そして時間と空間はそのためのもっとも基礎的・物理的条件になる。(・・・) 従来の「血縁、地縁、社縁」も活用しながら、かつそれだけに閉じこもることなく、他との交流を多様に進めていくこと、その時に必要になるのが「人と人とを結びつける工夫と仕掛け」で、それが異なる文化、異なる作法を持つ者同士の信頼関係づくりを可能にする。 だから「誰が決めてくれよ、ただし自分の思いどおりに」という人を見たら、ヒーローを求める気持ちの奥にある「焦りや苛立ち」にこそ寄り添い、それに向きあって一緒に解決して行くことこそ自分へのチャレンジだと感じるようになる。「誰の責任だ」と目を血走らせることより、課題を自分のものとして引き受け、自分にできることを考えるようになる。 「決められる」とか「決められない」とかではなく、「自分たちで決める」のが常識になる。そのとき、議会政治と政党政治、民主主義の危機は回避され、「切り込み隊長」としてのヒーローを待ち望んだ歴史は過去のものとなる。「ヒーローを待っていても世界は変わらない。誰かを悪者に仕立て上げるだけでは世界が良くならない。」 ヒーローは私たち。なぜなら私たちが主権者だから。私たちにできることはたくさんあります。それをやろう。その積み重ねだけが社会を豊かにする。にほんブログ村 ← よろしければ一押しお願いします。一日一回が有効教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。)「しょう」のブログ(2) もよろしくお願いします。生活指導の歩みと吉田和子に学ぶ、『綴方教師の誕生』から・・・ (生活指導と学校の力 、教育をつくりかえる道すじ 教育評価1 など
2023.05.19
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「ウクライナ」戦争開始以降の主な記事(PDF版) 遠藤誉が、「台湾有事」はCIAが創り上げたのか?! という記事をあげていました。今後における「日本の防衛政策」などを考えていくうえで、十分考慮すべき事実がまとめられています。 日本政府は「米国に追随する以外の選択肢がない」かのように防衛力拡大につき進んでいますが、それは妥当なのか?「台湾有事は日本の有事」とみて自衛隊をその事態に向け「大規模に再編成」したり、「反撃能力」のために西南諸島にミサイルを設置することが人々のためにプラスになるのか。 しっかり考えていく素材として、内容を紹介します。〔要約・紹介〕 5月4日、米国家情報長官(ヘイズ長官)は台湾有事で世界経済は年間134兆円の打撃を受けると警告した。しかし台湾を自国領土と位置付ける中国には台湾を武力攻撃する理由はない。武力攻撃させるため台湾の独立派を応援しているのは日米ではないのか。◆台湾有事で年間134兆円の打撃を受けると米国家情報長官 5月5日、「ワシントン共同」は<台湾有事で130兆円打撃 米長官、半導体生産停止>と報道。それによれば、アヴリル・ヘインズ米国家情報長官(元CIA副長官)は4日、中国による武力侵攻で台湾の半導体生産が停止すれば「世界経済は甚大な影響を受ける」と指摘した。◆中国大陸から見たら、台湾問題は内政干渉Q 米国が「一つの中国」を認めた経緯は?1971年7月9日、アメリカのリチャード・ニクソン大統領(当時)は、国家安全保障担当大統領補佐官(のちに国務長官)を務めていたヘンリー・キッシンジャーを、極秘裏に訪中させた(忍者外交)。キッシンジャーは当時の中国の周恩来と会談し、米中国交樹立の用意があることを告げた。Q そこで中国が要求した条件は? 中国側としては「一つの中国」原則を断固として要求した。 すなわち、「中国という国家を代表するのは中華人民共和国のみである」という大原則で、もし「中華人民共和国」と国交を樹立したければ、その絶対的な前提条件として、「中華民国」台湾とは国交を断絶しなければならないということ。Q 国連はこの問題に対してどのように対処したのか?1971年10月25日、第26回国連総会で、中華人民共和国(中国)が「中国を代表する唯一の合法的な国家」として国連に加盟。同時に「中華民国」台湾は国連脱退へと追い込まれた。⇒こうしてアメリカは1979年1月1日、正式に米中国交正常化を成し遂げ、同時に「中華民国」台湾との国交を断絶。(日本の場合は1972年9月29日に日中国交正常化共同声明を発表。「中華民国」台湾と国交を断絶して、日華平和友好条約を破棄。)Q「一つの中国」の原則を覆すには? 国連で法的に整然とした経緯を経ているので、これを覆したければ国連で決議すべきだ。それができないのなら、中国が台湾を自国の領土と主張するのには正当性があることになる。その統一をどのような形で実現するかは、中国国内の「内政」になる。Q 基本的に中国は「統一問題」をどのように考えてきたのか?(内政問題である以上)、「平和統一」以外に考えていない。 武力統一の可能性が出てきたのは2005年。陳水扁総統(当時)が台湾独立を叫び始めたために「反国家分裂法」を制定し、もし台湾が国家として独立しようとしたならば、「国連で認められた『一つの中国』を分裂させる政府転覆罪として処罰するために武力攻撃する可能性を否定しない」ことになった。 その後、親中の馬英九政権が誕生したので、中国は台湾周辺での軍事演習をその間は一度もやっていない。 全米民主主義基金(NED)は2003年にNEDと同じ機能を持つ「台湾民主基金会」を台湾に設立させている。これは中国を国連に加盟させた時の日米側の中国に対する誓いとは完全に逆行した「内政干渉だ」と、中国側には映るだろう。◆中国にとって台湾武力攻撃のメリットはゼロ! そもそも武力攻撃などしたら大きな損失を中国がこうむるだけだ。列挙してみよう。1.台湾を武力攻撃したらアメリカが台湾を支援することは歴然としているため、中国は勝てない。そうなれば、中国共産党による一党支配体制は崩壊するので、自分の方から戦争をしかけるようなことはしたくない。2.台湾には半導体産業があって、それをそのまま頂きたいと思っているため、武力攻撃などするつもりはない。武力攻撃などして、万一にも半導体産業が破壊されたら、統一後に中国が非常に大きな損をする。3.武力攻撃などで台湾を統一したら、台湾の人々が中国共産党政権に対して強い反感と怨みを持つようになり、統一後に一党支配体制が崩壊する可能性が大きくなる。4.特にウクライナ戦争におけるロシアに対する西側諸国の制裁の仕方を十分に知っているので、ここで武力攻撃に出るほど、中国が無策であるということは考えにくい。◆中国が台湾を平和統一したら、困るのはアメリカQ なぜ、アメリカはかくも激しく「中国が台湾を武力攻撃する」と叫び続けるのか? 中国が平和統一などしたら、経済的にも軍事力的にも中国の方がアメリカを凌駕するので、アメリカとしては何としても、そのような絶望的未来が到来するのを阻止したいから。 だから、何としても、中国には台湾を武力攻撃してほしいのである。Q そのために米国は何をしてきたか? 頻繁に米政府高官に台湾を訪問させ、独立を支援している。そうすれば中国が怒って、台湾周辺で激しい軍事演習をしてくれるので、「ほらね、中国はやっぱり台湾を武力攻撃しようとしてるでしょ?」と台湾の人々に言って聞かせ、来年1月の「中華民国」台湾の総統選で、親中派の国民党候補に投票せず、親米で独立志向の強い民進党に投票すれば、親米政権が台湾で継続され、中国を追い詰めることに成功する可能性が高くなってくる。したがって今年は来年1月の総統選まで、アメリカによる「中国が台湾を武力攻撃する」という喧伝あるいは扇動は、加速的に強まっていくと判断される。 アメリカは米中覇権において、それでいいかもしれないが、追い詰められた中国が本気で武力攻撃をしたときに、最前線で戦うのは台湾と日本だ。 日本の政治家は、アメリカに追随して台湾を訪問することを重視するのか、それとも日本国民の命を重視して現実を直視するのか、真剣に考えろと言いたい。 筆者自身は、NEDのホームページを当たり、多くのファクトを拾い上げてリストアップした。そのリストを作成して驚いたが、世界の紛争のほとんどは1983年まではCIAが創り上げていて、1983年にNEDが創設されてからはNEDが創り上げていることがわかった。世界のどこかに内紛があると、必ずそこに潜り込んで既存の政府を転覆させ、親米政権を樹立させるということをくり返してきたことが、リストから歴然としてくる。NEDはその創設者が語った言葉から、「第二のCIA」と呼ばれているが、この「第二のCIA」が「台湾有事」という「神話」を創りあげているとしか言いようがない。にほんブログ村 ← よろしければ一押しお願いします。一日一回が有効教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。)「しょう」のブログ(2) もよろしくお願いします。生活指導の歩みと吉田和子に学ぶ、『綴方教師の誕生』から・・・ (生活指導と学校の力 、教育をつくりかえる道すじ 教育評価1 など
2023.05.14
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この間の主な記事のPDF版 表記書籍の中で湯浅誠は「ヒーローを待ち望む心理」の危険性と同時に、現状を改善したいという「活動的な市民が持つ焦り」の問題点を、体験に基づいて指摘します。ウクライナ戦争が続いている今、当時と共通する点と異なる問題があるわけですが、「現実と向き合う向き合い方」について示唆に富んでいるように思います。〔以下、内容紹介の続き〕 「強いリーダーシップ」をもったヒーローを待ち待ち望む心理は、「極めて面倒で、疲れる民主主義というシステム」を、私たちが引き受けきれなくなっている証ではないか。Q その心理の問題点は?A1「気づいたら自分がバッサリ切られていた」という形で、私たち自身の、ひいては社会の利益に反すること。A2 多くの人が大切にしたいと思っている民主主義の空洞化、形骸化の表れであり、またそれを進めてしまうという点。両者を結びつけているものが格差貧困問題の深まり。 Q「溜め」のない社会とは? そもそも論として、仕事と生活に追われて疲れている人は、こんな本を読む暇も気力もでてこない。かつて私はそのことを「溜め」という言葉を使って表現した。 少なからぬ人たちの「溜め」を奪い続ける社会は、自身の溜めをも失った社会である。アルバイトや派遣社員を「気楽でいいよな」と蔑視する正社員は、厳しく成果を問われ、長時間労働を強いられている。正社員を「既得権益の上にあぐらをかいている」と非難する非正規社員は、低賃金不安定労働を強いられている。人員配置に余裕のない福祉事務所職員や、お金に余裕のない生活保護受給者が、お互いを税金泥棒と非難し合う。膨大な報告書類作成を重ねて目配りの余裕を失った学校教師が、子どものいじめを見逃す。財政難だからと弱者切り捨てを進めてきた政府が主権者の支持を失う。これらすべて、組織や社会自体に溜めが失われていることの帰結であり、組織の貧困、社会の貧困の現われに他ならない。 『反貧困』より 溜めのない人が増えていくことで「さっさと決めてくれ。ただし、自分の思いどおりに」と強いリーダーシップを発揮するヒーローを待ち望む心理が高まっていく。格差貧困問題の広がりと民主主義の空洞化・形骸化は、このような現象として、私の中で不可分な形で結びついている。Q この本を書くきっかけとなった体験は? ホームレスの問題から始める中で、貧困問題に気づき、そこでもがく中で民主主義の問題に思い至った。渋谷でホームレス支援をやっていたのが「もやい」という団体を作って生活相談を受け始めてみると、若い非正規労働者などアパートのある人が相談に来るようになり、単なるホームレス問題ではくくれなくなった。「貧困問題」という言葉に行き着いたのが、2006年のこと。 そして、2007年に「反貧困ネットワーク」という活動をはじめ、2008年に「派遣村」を開催。その後、2009年に内閣府参与として政権に入り、格差貧困問題の改善をめざして働いた。生活就労一体型支援や、対象を限定しない電話相談の実施などやれたこともたくさんあったが、課題も多くあり壁にぶつかった。では、その壁って一体何なのか、と考えたら民主主義の問題に突き当たった。Qどのような問題か? 民間の活動と行政の公的な政策づくりは質的に違う。仲間うちで自主的に行う民間の活動の手法だけでは実際には政策は進まない。 生活に困った人の相談を受ける生活支援の現場は狭い世界。いつもそうした状態に追い込まれた人たちとつきあうので、その現実については詳しくなっていくが、それに携わっていない人たちとの交流・意見交換の場は少ない。仲間内では前提とされるものがどんどん増えていって、言わなくても分かる雰囲気が作られていく。Qそれ以外の人たちと接することでぶつかった困難は?当たり前と思っていた前提が外の人たちには全然通じない場合がある。狭い世界の仲間内で、たくさんのことを共有した頭で外の世界に働きかけても、なかなか外の人たちに通じる言葉が見つからず、空回りしてしまう。 えてして「外の世界は無理解だ、ひどい」となるが、原因はこちら側にあることも少なくない。自分たちが前提としているものを共有していない人たちと話し合うための言葉を見つけられないという問題。いわゆる「蛸壺化」、「ガラパゴス化」の問題。 私は出演したテレビ番組でそうした場面にしばしば出くわした。大抵討論形式だったから、私の反対側には、私と相いれない意見を持っている方が座る。その方たちは極めて真剣に私と真っ向から反対する意見を述べてこられる。反論を試みても、私は何度も「この人は人生何10年を生きてきて、その実感からこうした意見に達しているという重みと、その意見の堅さ」を感じた。 自分の言いたいことを言うだけでは、決してこの人たちには通じない。また、私にはいつもこうした人たちの方が世の中では多数派なんだろう、という感覚もあった。自分の方が少数派だとすれば、その人たちを「わからず屋め!」と切り捨てても何も変わらない。 Q 国の政策に直接関わって痛感したことは?上記のような体験の延長線上にあることだった。 民間の「濃く、だけど狭く」と行政の「広くだけど、薄く」は対照的であり、またどちらにも一長一短があり、一概にどちらが優れているとはいえない。 政府の「やる気」や「意欲」の問題にするのは、安直で見せかけの回答に過ぎないと。それはちょうど生活に苦しんでいる人たちの苦しみを、やる気や意欲の問題にして、やらないのは本人にやる気がないからと言っているのと同じ。 大切なのはやるための条件をいかに整えるか。誰が整えるのかと言えば、言うまでもなく私たちだ。なぜなら、私たちが主権者だから。ここで誰が調整責任を負うべきなのかという問題と絡んで、民主主義の問題が出てくる。 世の中の九割の人が反対していることを、いくら私たちがやるべきだと言っても、そう主張する人が一割しかいなければ、一割の側につく政治家はほとんどいない。当然、九割を取る。そうでないと次の選挙に受からないし、そこで一割を取るような人は、そもそも議員に当選していない。(やるべきではないというのが「民意」)。それを「けしからん」「やらない政治が悪い」と言ったところで、一対九の構造を変えられなかったら、政治家は九を取り続ける。 それを二対八、三対七、四対六に変えて行くのが、主権者である私たち(主権者として譲れない意見を持っている私たち)のやるべき事で「やらない政治が悪い」、ですますのはほとんど「俺の言うことを聞かないお前はけしからん」と言っているのと同じだ。Q 最善を求めつつ最悪を回避するとは? に続くにほんブログ村 ← よろしければ一押しお願いします。一日一回が有効教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。)「しょう」のブログ(2) もよろしくお願いします。生活指導の歩みと吉田和子に学ぶ、『綴方教師の誕生』から・・・ (生活指導と学校の力)
2023.05.06
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この間の主な記事のPDF版 PDF版 「誰のための司法か」 『知事の真贋』の中で片山善博は、「パフォーマンスの上手な知事」に対してやや否定的に(少なくとも慎重に)その実力を見極めるべきことを主張しています。東京の小池知事や大阪の吉村知事などが念頭にあることは明らかでしょう。しかしながら、2023年春の「統一地方選挙」の結果(日本維新の会の「躍進」)を見る限り、「パフォーマンス上手な知事(党の顔ともいうべき吉村知事)」がもたらす影響力は無視できない大きなものがあると感じられます。私たちは、少し落ち着いて現状について考えていくことが必要なのではないでしょうか。この問題について考えていく良い材料として、「橋下知事」の時代に湯浅誠が著した『ヒーローを待っていても世界は変わらない』があります。その時点で湯浅誠が「危惧していた問題」は現在にも当てはまる部分が大きいように思われるのです。 以下、複数回にわたって、その内容を紹介します。 Q「ヒーロー」を待望する人々の気持ちと帰結は? 難しいことはよくわからないけど、自分が正当に報われていないという実感は確実なものとしてある。その時「世の中にこういう既得権益があります」と言われると、自分の日々の努力を踏みにじられたような気分になり、日日に余裕がない、ゆえになおさらそれを許せなく感じるという状態。 「状況を規定してしまうカリスマ性、反対意見を考慮しない大胆」を持ったヒーローや政党は、よく言えば突破力がある、悪く言えば独善的。私が気になっているのは、なぜこのような人格が待望されるのか、それを待ち望む人たちの心理、それがもたらす帰結だ。 仕事と生活に追いつめられて余裕を失う人たちが増える中。溜まりに溜まったフラストレーションがそのような、切り込み隊長を待ち望むようになるその心理が分かるような気がする。しかし、他方、私はそれが待ち望んでいる人たちに最終的に望ましい帰結をもたらすとはどうしても思えない。 どんな政策でもそれに賛成する人と反対する人は必ず出てくる。政策は基本的に全員を巻き込むもので「巻き込まれる一人ひとりに必死の生活とそこから出てくるニーズがある」以上、それは自然なこと。 Qそのときヒーローはどう振る舞うか?自分が進めたい事柄については反対する人たちを、「既得権益の為に反対しているだけだ」といい、反対意見を無視し、即断即決で物事を進めていく。それは既得権益に屈しないと表現されるものの同時に、ひとりひとりの必死の生活とそこから出てくるニーズが切り捨てられるという面も持っている。ヒーロー待望論は後者の側面を見えにくくする。Q 誰しも自分自身の必死の生活と、そこから来るニーズは尊重されるべきと思っているが、尊重されるべきものがされていないという不正義があるらしい。なぜだろうか?自分のことしか考えず、自己利益のために正義を踏みにじる「既得権益」が世の中にあるからだ。だから「切り込み隊長」頼むよ、と言うことで、ばっさばっさとやってもらうことが正義にかなうと感じられる。が、複雑な利害関係がある中でばっさばっさとやることで気がついてみたら自分が切られていたということもあり得る。 何しろ今は、生活保護受給者さえ、国会で「既得権益」と言われる時代。最低限度の生活しか保障されていないはずの生活保護が「既得権益」と呼ばれること自体、数年前までは考えられない話だった。 仮に、そのように考える人が増え、例えば(障害のある)兄から雇用先や障害年金が奪われたとすると、その決断をした政治家に対して「強い抵抗にあいながらも既得権益に切り込んだ」と喝采を浴びせる人は居るだろうが、それがどのような結果をもたらすかは、もう少し先まで考えてみる必要がある。 アメリカの批評家ノームチョムスキーは、公民権運動のヒロインだったローザ・パークスについて「ローザ・パークスは傑出した人物だが、私たちにとって重要なのは、第二のローザを探すことではなくローザを生み出した土壌を作ること」だといった趣旨のことを発言し、「魔法のボタンは存在しない」という一文で結んだ。Q 国会や政党に積極的な意味はあるのか? 周りを見回してみると、今や国会や政党は多くの人にとって嘲笑の対象でしかないことに改めて気づく。しかし、そうやって議会政治はダメだ、政党政治はもうダメと壊して行った時に、それよりマシなものが出てきたことがないというのも歴史的な事実。「壊す時には壊す前にその建物がなぜ建てられたか考えてみよ」、という格言がヨーロッパにある。 十全に機能していないから一気に取り換えてしまおう、バッサリやってしまおう、という心理には焦りを感じる。それは一つひとつ積み上げながら改善して行くことを待っていられないという焦り。その飛躍と焦りに、人類が蓄積した、してきたものに対する冒とくに似た危険性を感じ取ってしまう。〔comment〕 「早急に改善したい問題」、「切実な要求・願い」があるにも関わらず、どうにもならないと感じたとき、「強力なleader」が登場して迅速に改革を進めてほしい、という気持ちになりがちですが、それは同時に危険な面を含んでいます。「粘り強く意思表示する」、「情報も集めながら時間をかけて話し合い、合意を形成していく」という面倒な過程が「民主主義の営み」なのですが、その面倒くささを引き受けていけるような「時間と空間」をどのように生み出し保障するのか。湯浅誠とともに、それを考えていく必要があると思います。が、湯浅はまず、「とても待っていられないというあせり」の背景には何があるのか考察します。 続きは「焦りの背後にある格差貧困問題」にほんブログ村 ← よろしければ一押しお願いします。一日一回が有効教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。)「しょう」のブログ(2) もよろしくお願いします。生活指導の歩みと吉田和子に学ぶ、『綴方教師の誕生』から・・・ (生活指導と学校の力
2023.04.30
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総務省の作成・共有していた行政文書。提供者は、小西議員によると「放送法」を歪曲・破壊する解釈から放送法を取り戻してほしい、と願う総務省職員だそうです。が、高市元総務大臣は、自分の関わった部分は捏造だといまだに言い張っています。 往生際が悪すぎるという反応は多方面から出されていますが、根本的な問題は何でしょうか。 端的に言えば、高市総務大臣の発言(下記字幕)自体が放送法の精神を捻じ曲げる憲法違反であるということです。 先日〔3月11日(土)〕の『報道特集』(上記の画面もその一部)で放送された内容を紹介します。 「放送法」制定に際してつくられた想定問答集(逓信省:当時)には次のように記されている。本法(放送法)の必要性。放送は、いかなる政党政府、いかなる政府の団体・個人からも支配されない自由独立なものとしなければならない。 政府が干渉することで、放送が政府の御用機関になり、国民の思想の自由な発展を阻害し、戦争中のような恐るべき結果を生ずる。 そして1950年、成立した放送法の第一条には「放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって、放送による表現の自由を確保すること」が明記されている。 放送法に詳しい川端弁護士の言葉(放送法は)政府が放送局に対して要求する条文だという人がいるのですけれども、それは明らかな間違い。こういう「公正さ」を放送局に保障しなさいよっていうことを政府に求めているのですね。政府が放送局に求めなさいというのではなくて、ちょうどその逆なのです。政治的公平などをしるした放送法四条は、放送局側が自主的に目指すべき理想といた「倫理規範」です。その上で今のメディアのあり方についてこう投げかける。みんな萎縮して忖度して自己規制しているのではないですか。メディアというのは、国民の知る権利に奉仕するために存在しているのだということ。それを忘れないで欲しい、ということに尽きますよね。(検閲を許すことで)一番損失をこうむるのは国民ですね。しかも重要な事実を知らないまま投票権が行使されることによって、国が道を誤ることになる。 今回の行政文書から明らかになったのは、これまで政治権力と放送事業者の緊張関係の中で、実績を積み上げながら運用されてきた法律が、今回は政府内のごく少人数の内輪の議論で解釈変更されたということです。 『報道特集』pointは以上 〔重要な補足〕 法律の専門家である、宮武嶺さんの記事から学んだことを以下にまとめます。 今問題になっている放送法4条1項はこういう条文。 第4条1項 放送事業者は、国内放送及び内外放送の放送番組の編集に当たっては、次の各号の定めるところによらなければならない一 公安及び善良な風俗を害しないこと二 政治的に公平であること三 報道は事実をまげないですること四 意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること この放送事業者に「政治的公平」を求める第4条第1項第2号は、第3条の第3条 放送番組は、法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉され、または規律されることがないを前提にしている。放送番組は総務大臣を含む何人からも干渉されず、規律されないということを明記。したがって、この4条1項2号は法的規範(誰かの規制を受けるような法律上の義務)ではなく、倫理規範(道徳上の努力義務)なのだというのが通説だ。 番組内容について権力が「政治的に公平」であるかどうか判断し、時に電波停止や業務停止にできるというのは、明らかに憲法21条1項の表現の自由・報道の自由を侵害する憲法違反。 放送法4条1項2号は倫理規範でしかないという解釈は、放送法1条「この法律がなぜ作られたか」という目的条項にも表れている。 すなわち、1条2号は二 放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって、放送による表現の自由を確保すること。と規定し、放送に求められる「不偏不党」はあくまで放送による表現の自由を確保するための手段(政権政党からの干渉を許さないという意味)であることが明記されている。時の政権の顔色を窺い、総務省が求める「政治的公平」であるどうかで一喜一憂して番組を作るのでは、不偏不党とは言えず、放送による表現の自由は侵害されてしまっている。 したがって、4条1項2号に「政治的公平」が規定されていても、それは放送局に単なる道徳上の努力義務しか生じないルールであって、4条1項2号違反で総務大臣がある放送局を電波停止や業務停止にできるわけがない。(目的) この法律は、次に掲げる原則に従って、放送を公共の福祉に適合するように規律し、その健全な発達を図ることを目的とする。第1条一 放送が国民に最大限に普及されて、その効用をもたらすことを保障すること。二 放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって、放送による表現の自由を確保すること。三 放送に携わる者の職責を明らかにすることによって、放送が健全な民主主義の発達に資するようにすること。 今問題になっている放送法4条の解釈変更というのは、この4条1項2号の「政治的公平」の判断について、総務省が「ある放送局の番組全体から判断する」としていたのを、「一番組の内容からだけでも判断できる」と解釈変更し、それによって電波停止にもできるという話。 しかし、そもそも、放送局の番組全体から判断しようが一番組内容からだろうが、総務大臣が政治的に公平でないと判断したら電波停止にすることができる、という放送法解釈が憲法違反。日本国憲法21条1 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。2 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。 憲法違反を放置することは、われわれ自身、そして社会全体に重大な損失をもたらす。にほんブログ村 教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。)「しょう」のブログ(2) もよろしくお願いします。生活指導の歩みと吉田和子に学ぶ、『綴方教師の誕生』から・・・ (生活指導と学校の力 、教育をつくりかえる道すじ 教育評価1 など)
2023.03.13
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琉球新報(12月21日付)の記事を、以下に要約・紹介します。玉城デニー沖縄県知事は20日、沖縄が武力攻撃に巻き込まれる恐れが強い台湾有事を回避する一助に、県として自治体外交を展開する考えを示した。玉城知事は「沖縄から地域の緊張緩和への貢献を図っていく。具体的には知事や副知事が中国や台湾、韓国などへ訪問し、カウンターパートとしての関係構築を継続したい」などと述べた。(報道各社が参加する新春インタビューの場で表明)玉城知事は台湾海峡で有事が発生した場合、沖縄は紛争に巻き込まれるとの軍事評論家の意見も紹介。「有事とは日本国内が戦争状態になること。さまざまな資源を外国に依存している日本が果たして存立できるのか。政府は沖縄戦を再び引き起こすことはさせない、有事には絶対にさせないとしっかりと伝えるべき」などと強調。玉城知事は、米軍による過重な基地負担だけでも「異常な状況」の上、安保関連3文書の改定を受け、自衛隊の増強が見込まれることに懸念を示した。「沖縄だけに、米軍も置いて自衛隊も置いて安全保障の負担を強いる状況が当たり前という議論は不合理だ。ロシアによるウクライナ侵攻を見ても軍事施設は攻撃の対象となる」と話した。要約・紹介は以上 日本国政府が保有すべきと主張している「反撃能力」(敵基地攻撃能力)に関する私の見解は過去記事「防衛力強化と原発再稼働の矛盾」で述べました。「(例えば)北朝鮮といえども原発を直接攻撃してこないだろう」という「最低限の信頼」なしには「日本の防衛力増強」など、砂上の楼閣でしかない。戦争を防ぐための最良の道はこの「最低限の信頼」を少しでも膨らませていくための対話と努力なのではないか、と。そもそも(軍備拡大や「反撃能力」のためのミサイル設置よりも大切な)「平和のための外交」を、一国の首相が進める意思と能力を欠いているのではないか、と思われる状況ですが、そのような中、沖縄県知事が積極的に自治体外交を展開すると表明したことには大きな意義があると考えます。沖縄県知事は、沖縄が緊張の激化しやすい「緩衝地域」だとの自覚があるようですが、そもそも日本全体が「緩衝国家」だという認識を持つべきなのでしょう。紛争の舞台になりやすい「緩衝地域」「緩衝国家」。ひとたび戦争になれば、とんでもない犠牲を出しながらも、それを停めることが極めて難しいということは、ウクライナ戦争の示す通りです。〔参考:ウクライナのクーデタ・内戦への米国の関与〕さて、対立する大国と大国にはさまれた「緩衝国家」という自覚のもとに、あえて「中立政策」(軍事同盟に加盟しない政策)を長い間とっていたフィンランド、積極的に国際平和外交を展開し、ロシアとの国境付近には軍を配置しないことで緊張の激化や不測の事態を回避してきたノルウェーの事例を、私は東京外語大の伊勢崎賢治の発信から知りました。このような積極的な外交・対話の努力抜きに、「中国などの脅威」を声高に唱え、防衛費を倍増するという政策・主張はいかがなものでしょうか。そのような主張をする人たちは、「国民生活が極度に圧迫され、困窮している現実をよそに、核ミサイルの開発にはひたすら邁進している隣国の防衛政策」を賢明な政策だと判断するのでしょうか。外交努力に本気で言及さえもせず、兵器を米国から大量に購入し、敵基地攻撃能力という先制攻撃能力の保有を当然とする日本国政府は、防衛費の国民負担論議などを拙速に進めています。にもかかわらず(倍増と表明したはずの)子育て予算などの財源論議などは先送りにし、一般民衆の生活を圧迫することや、気候危機対策を遅らせるという大問題については、極めて鈍感だといわざるを得ません。そのような中、(まさしく政府の「怠慢」をよそに)沖縄県知事が積極的に自治体外交を展開すると表明したことには大きな意義があると考えます。この自治体外交が効果をあげることを心から願っています。にほんブログ村 ← よろしければ一押しお願いします教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。)「しょう」のブログ(2) もよろしくお願いします。生活指導の歩みと吉田和子に学ぶ、『綴方教師の誕生』から・・・ (生活指導と学校の力 、教育をつくりかえる道すじ 教育評価1 など)
2022.12.28
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防衛省による世論誘導工作のイメージ防衛省が人工知能(AI)技術を使い、交流サイト(SNS)で国内世論を誘導する工作の研究に着手したことが9日、複数の政府関係者への取材で分かった。インターネットで影響力がある「インフルエンサー」が、無意識のうちに同省に有利な情報を発信するように仕向け、防衛政策への支持を広げたり、有事で特定国への敵対心を醸成、国民の反戦・厭戦の機運を払拭したりするネット空間でのトレンドづくりを目標としている。中国やロシアなどは「情報戦」に活発に取り組む。防衛省は、日本もこの分野の能力獲得が必要だと判断した。改定される安全保障関連3文書にも、情報戦への対処力向上を盛り込む。 © 一般社団法人共同通信社 これは一体?!「統一教会の被害者救済法」において問題となった「マインドコントロール」を防衛省という政府機関が組織的に行うということではないでしょうか。関係者は「違法ではない」と述べているようですが、法の網の目さえくぐれば何をしてもいいというのか? これでは、戦前・戦中の国家機関が「忠君愛国」、「軍国主義」へと国民を誘導するために行った「世論操作や軍国主義教育」をも肯定することになるでしょう。 ロシアのプーチン大統領は、子どもが兵士として動員された母親たちに向かって、「近親者、とりわけ息子が死ぬのは大きな悲劇だ。だが交通事故、あるいはアルコールが原因でそれぞれ年間3万人ほどが死ぬ。われわれは神の下にある。大切なのはどう生きるかだ」と出席者に説いたのだそうです。 これは、「靖国の思想」(たとえ命を失っても国家のために戦うことは尊い、国のために戦って死んだ兵士は軍神として永遠に靖国神社で祀られる、)といった考え方と相似形だと思われます。 軍国主義時代の日本や現在のロシアと同じことをやってどうするんですか? 大多数が国家主義に洗脳されてしまわないよう多様な意見表明を保障することこそが「民主主義」のめざすところでは?国家による「マインドコントロール」、戦争へと誘導するための「世論操作」、一人ひとりの命・存在の重みを踏みつけにする行為をまかり通してしてはならない。あたりまえでしょう。にほんブログ村 ← よろしければ一押しお願いします教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。)「しょう」のブログ(2) もよろしくお願いします。生活指導の歩みと吉田和子に学ぶ、『綴方教師の誕生』から・・・ (生活指導と学校の力 、教育をつくりかえる道すじ 教育評価1 など)
2022.12.11
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伊勢崎賢治が12月4日、次のようにtweetしています。 「ウクライナ戦を受けて防衛費増強のために国民の負担はやむなしで、原発が通常戦に巻き込まれるウクライナ戦を受けても国民の負担を軽減するため再稼働やむなしって。。。このへんをちゃんと言ってるのがれいわだけって」 要するに、「防衛費の大幅増額 ⇒ 防衛力強化」と「原発再稼働(推進)」は完全に矛盾する、といっているわけです。 私なりに、いくつか補足しておきます。1、現実的に防衛力を考えた場合、日本のそれは極めて脆弱である。(狭い面積に対して極めて長い海岸線。現実の防衛が困難であることは江戸幕府でさえ強く意識していた。ペリー来航を受け、江戸湾に台場を築くだけでは全く不十分であるため、老中阿部正弘は「全国の大名に『開国問題』に関する意見を聴く」ことで、わがこととして考える機会をつくろうとしたという。)2、現在は、その長い海岸線にずらりと多くの原子力発電所がつくられている。3、ミサイルが原子炉建屋に着弾すればもちろん大爆発につながる。4、のみならず海水ポンプが壊されるだけで、冷却不能となり爆発を起こす。海水ポンプは建屋から海につきだしているため、ミサイルを使わなくてもドローンでも容易に破壊できる。5、ミサイルを保有する日本の周辺国のいくつかは、原発を稼働させ核兵器を製造している。原発の危険性や脆弱性(どこが弱いか)については百も承知のはず。 と言うわけで、原発を再稼働させることは、日本の防衛力を極めて脆弱にするのです。 「(敵基地などを的にした)反撃能力を保有」という話もありますが、何百ものミサイル基地(移動式のものも含めて)を瞬時に確実に全て破壊できると考えているのでしょうか。それこそ非現実的な話です。 ともあれ日本の「防衛力強化」と「原発再稼働」が根本的に矛盾することは明らかです。「(例えば)北朝鮮といえどもさすがに原発を直接攻撃してこないだろう」、という「最低限の信頼」なしには「日本の防衛力増強」など、砂上の楼閣でしかないと考えています。だとすれば、戦争を防ぐための最良の道は上記のような「最低限の信頼」を少しでも膨らませていくための対話と努力なのではないでしょうか。にほんブログ村 ← よろしければ一押しお願いします教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。)「しょう」のブログ(2) もよろしくお願いします。生活指導の歩みと吉田和子に学ぶ、『綴方教師の誕生』から・・・ (生活指導と学校の力 、教育をつくりかえる道すじ 教育評価1 など)
2022.12.06
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中国共産党大会について、連日マスコミで報道されています。「個人独裁」、「個人崇拝」の強化など、問題点の指摘については的を得ていると考えますが、「他国の問題に照らして自国の問題を見る」という観点、「他国と比べればいくらかまし」といった発想に立つのではなく、「自国より優れた点は何か」を見出していく発想こそ大切ではないでしょうか。 そのような趣旨で、以下、遠藤誉の記事を抜粋・要約して紹介します。 ◆岸田首相長男抜擢に関する中国ネットのコメント 中国のネットではその「非民主性」に首をかしげるコメントが散見される。「選挙を経ずに政府中央に肉親を抜擢して、やがて選挙に出馬させて政治家に持って行くという、封建時代並みの日本」というコメントが多い。 たとえば、 ―日本の岸田文雄首相は、政治経験の全くない息子を首相秘書官に抜擢し、官邸で政務の業務を担当させ、政治資本を蓄えさせようとしている。福田康夫も自分の息子を首相秘書に起用した。他の行政部門ならまだしも、直接首相官邸に配置するとは。「日本は表面上、資本主義民主を掲げているが、実際は封建的世襲が慣例になっている」。問題を見る時は、表面だけを見てはならない。(・・・) アメリカの友人からは、「とんでもない話だ。あのバイデンでさえ、自分の息子を大統領秘書官にさせようとはしていないよ」というメールが来た。◆中国共産党政権においては、世襲はない 中国共産党政権には言論弾圧などさまざまな問題があるにせよ、こういった世襲のような問題はない。・毛沢東は自分の息子を後継者に考えたことはなく、一人は朝鮮戦争に参戦させて北朝鮮で戦死している。・鄧小平も息子が文化大革命で「身障者」になったので、「身障者」関係の団体の長などにはさせているが、後継者に考えたことはない。(・・・) このように中国共産党政権においては、世襲は皆無と言っていい。 中共中央のトップに立つためには基本的に少年先鋒隊隊員(2010年データで約1.3億人)、共青団(共産主義青年団)の団員(2021年12月31日データで約7371.5万人)を経て、中国共産党の党員になる。 実に20年間ほどの思想的・実践的な訓練を受け、優秀な共産党員であれば、党大会に参加するための全国的な選挙を経て、ようやく「代表」になれる(今年は代表者数約2300人)。 たとえば6歳から14歳を対象とした少年先鋒隊は、紅いネクタイを首に巻くのだが、これに入隊するだけでも厳しい審査があり、拙著『もうひとつのジェノサイド 長春の惨劇「チャーズ」』第七章に書いたように、紅いネクタイを首に巻けるのは、40人ほどのクラスで2、3名しかいなかった。共青団、党員となると、もっと厳しくなる。 日本のようにタレントで人気があったから議員に立候補するなどという生易しいものではない。何十年もかけて選び抜かれた党員の中の一部が党大会に集まるのだ。 党大会では、その中から中国共産党中央委員会委員約200人が選ばれる。岸田首相長男のような首相秘書官に相当する職位の人物は、この中央委員会委員の中から選挙で選ばれるのであって、岸田首相のように、ほぼ一存で選ぶなどということは絶対に許されない。◆中国共産党政権における「聞く力」 習近平政権は以下の図表に示したように、チャイナ・セブン(中共中央政治局常務委員)の一人一人がトップになって、それぞれ数多くのワーキンググループを担当している。※ 中共中央ワーキンググループ遠藤誉 作成(一覧表の後半は引用者が省略) このワーキンググループが行政省庁の現状と意見を取りまとめて協議し、その結果をチャイナ・セブン会議に報告して審議し、国家戦略を決定していく。◆日中の国力と戦略性の差 三期目を目指すという意味での独裁性は否めないが、その背景には『習近平 父を破滅させた鄧小平への復讐』に書いた執念があるのと、米中覇権争いの真っただ中という一歩も引けないタイミングもある。また、独裁だけでは正しい国家戦略を決定することができず、こうして、「聞く力」を実にシステマティックに形成した組織を通して発揮し、初めて方針が決定するのが中国共産党の統治の仕方だ。 言論弾圧をする共産党統治には絶対に反対だが、しかし日本の世襲的&封建的民主主義が良いのかと言ったら、そうではないだろう。 「聞く力」が、選挙を応援してくれる旧統一教会の意向や、常にそばにいる長男の危機判断では、国家戦略など無いに等しく、日本という国家の行く末が危ぶまれる。 民主主義体制の脆弱さを見せつけられる、中国の大規模な戦略性と、日本の戦略の無さをまざまざと見せつけられる思いだ。特に、世襲までが入り込むこの「聞く力」の差異は、そのまま国力の差異に直結するのではないかと憂う。にほんブログ村 ← よろしければ一押しお願いします教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。)「しょう」のブログ(2) もよろしくお願いします。生活指導の歩みと吉田和子に学ぶ、『綴方教師の誕生』から・・・ (生活指導と学校の力 、教育をつくりかえる道すじ 教育評価1 など)
2022.10.23
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10月13日付、IWJ記事の紹介(要点のみ) クリミア橋の爆破とその後のロシアによる「報復」のエスカレーションは、核戦争の危機を引き寄せている。この間、徐々にクリミア橋爆破の実態が明らかになってきた。 8日の段階で、ゼレンスキー大統領の顧問、ミハイロ・ポドリャク氏がツイート 「クリミア、橋、始まり。違法なものはすべて破壊し、盗まれたものはすべてウクライナに返還し、ロシアに占領されたものはすべて追放しなければならない」とツイートし、爆破したのがウクライナ軍であることを早々に匂わせている。 10日付『ニューヨーク・タイムズ』2人のウクライナ高官が匿名を条件に、この攻撃の背後にウクライナ情報機関が存在したと語った。ウクライナ軍高官は、今回の攻撃の成功について『素晴らしい』と評価した。 ミハイロ・ポドリャク氏の8日のツイートおよび10日付『ニューヨーク・タイムズ』に語った2人のウクライナ軍高官の証言から、クリミア橋を爆破したのがウクライナ情報機関であることは、ほぼ確実。これらの発言や証言の訂正や反論などは、ウクライナ政府から出ていない。 クリミア内部で8月中に起きていた一連の爆破事件も、当初、ウクライナ政府は関与を否定していたが、約1ヶ月後、関与を認めている。 他方、ロシア連邦保安庁は、クリミア大橋爆破のテロ首謀者を発表した。 12日付スプートニク 「爆発物は建築用ポリフィルムを巻いてカモフラージュされ、ウクライナ南部オデッサからブルガリア、グルジア、アルメニアを経由して運ばれた」、「ロシア連邦保安庁によると、テロの準備行為に共同で参加した12人が特定され、ロシア人5人、ウクライナ人とアルメニア人3人の計8人が拘束された」 10日付『グレイゾーン』の記事 キット・クラーレンバーグ記者が、クリミアのケルチ橋を爆破するという英国情報機関の極秘計画が存在したことを、内部文書と電子メールから明らかにしている。「『ザ・グレイゾーン』は、特別に訓練されたウクライナ人兵士の関与により、クリミアのケルチ橋を爆破するという精巧な計画を練り上げた2022年4月の英国情報機関の上級士官向けプレゼンテーション資料を入手した。 この計画が流布されてから約半年後、ケルチ橋は10月8日の自爆テロで攻撃され、ウクライナの情報機関SBUが監督していたことが明らかになった」 ウクライナ紛争は、英国・米国がウクライナの陰に隠れた黒子となり、一体となって、ロシアとの戦争を遂行している構図が明らかになってきた。ウクライナ自身による、ウクライナのための聖なる、大義ある戦争とみなす報道などは、米英の存在と彼らの悪意を見ようともしない「幻想」。 恐ろしいのは、黒子の米英は、民間人犠牲者も、報復のエスカレーションも、考慮していない点。戦争の拡大に責任をもつべきだが、無責任なまま戦禍は拡大し、核戦争リスクすら現実に引き寄せている。米英への、国際的な指弾が必要。 こうした米英主導の陰険な戦争に同調し、対露制裁に加わる必要があるのか、日本は本気で再考すべき。対露制裁は欧州とともに日本をも苦しめている。輸入インフレで自らの首をしめ、いたずらに国益を失っている状況は看過できない。 〔comment〕 私の印象に残っているのは、「クリミア橋爆破とロシアによるミサイル攻撃」直前のバイデン米大統領の言葉です。〔ニューヨークで行われた民主党の会合〕でアメリカのジョー・バイデン大統領は6日、ウクライナでの戦争をめぐり、核兵器による「アルマゲドン(最終戦争)」のリスクは1962年のキューバ危機以来最も高い水準にあると述べた。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がウクライナの前線で敗退を喫した後に、戦術核兵器を使用すると語った時、プーチン氏は「冗談を言っているわけではなかった」と述べた。 その上で、アメリカはプーチン氏が戦争から脱出する方法を「解明しようと」していると話した。 これは、核戦争を回避するために警戒すべきこととして、(1)「プーチン大統領を追い詰めすぎないこと」、(2)「ウクライナ軍(当局)が勢いに乗ってプーチン大統領のレッドラインを超えないこと」を意識した発言でしょう。ところが、クリミア大橋が爆破され(上記IWJ記事のとおり、ウクライナ情報機関の関与はほぼ明らか)、それへの「報復」としてロシアによる大規模なミサイル攻撃が行われ(しかもかなりの犠牲者を出した)現時点では、「代償を払わせる」としてNATOによる軍事支援の継続・強化が確認されることになりました。 ↑ クリミア大橋爆破記念切手〔上記は、ウクライナでクリミア大橋爆破の直後に発行された記念切手。これをロシアが挑発と受け取り「報復」を激化させるとは考えなかったのか。大統領がウクライナ国民の安全を本当に考えているのか、極めて疑問。:補〕 警戒していたはずの「攻撃の応酬、そのエスカレーション」に踏み込んでしまったのです。さすがに米国民も戦争の実質的当事者であることを意識してか、「対ロシア政策」に対する支持率が3割台にまで下がっているようです。 「最新の世論調査では、バイデン大統領の対ウクライナ政策を支持する人は46%だが、対ロ政策を支持する人は38%。対ロ政策を支持しない背景には戦争のエスカレートを案ずる人が65%、核戦争の可能性を懸念する人が58%にまで上昇していることがある。このままの状況が続けば、米国が核戦争に巻き込まれるという危機感が草の根レベルに急速に浸透している」というわけです。 われわれとしても、「深刻な現実」を正面から見すえ、日本がどうかかわるべきか意思表示していくことが大切だと考えています。にほんブログ村 ← よろしければ一押しお願いします教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。)「しょう」のブログ(2) もよろしくお願いします。生活指導の歩みと吉田和子に学ぶ、『綴方教師の誕生』から・・・ (生活指導と学校の力 、教育をつくりかえる道すじ 教育評価1 など)
2022.10.15
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この間、ロシアによる「ウクライナ侵攻」や、その在り方に関する記事を自分なりに情報収集しながらまとめてきました。そして、日本や「NATO諸国」の報道姿勢に対する根本的疑問を前回記事で端的に提示するとともに、9月に入ってからの新たな情勢について紹介しました。 このたびもIWJの記事(一部)を抜粋、要約して紹介します。そこで述べられている内容は、「杞憂だ」といって済ませられるものでしょうか。〔以下紹介〕常任理事国であるロシアが拒否権を行使することは予想されていたが、同じく常任理事国の中国が棄権しただけでなく、インド、ブラジルといったBRICSの大国、そしてアフリカのガボンまでもが棄権に回ったことで、国際社会が、一致結束して非難しているわけではなく、亀裂があることがわかる。※安保理、「併合」非難の決議案否決 ロシアが拒否権(ロイター、2022年10月1日) ゼレンスキー大統領は、9月30日、簡素手続きによる北大西洋条約機構(NATO)加盟の申請書に署名したという動画を公開した。ゼレンスキー大統領「私たちは、実質的に同盟者である。それはもう達成された。実質的に、私たちはもうNATOへの道を通り抜けた。実質的に、私たちはもうNATO基準との相互運用性を証明した。それらは、ウクライナにとって、戦場でも私たちの連携のあらゆる側面でも現実となっている。(中略) 今日、ウクライナは、それ(同盟)を法的なものにすべく、申請書を提出する。私たちのコミュニティ全体の防衛の重要性に合致した手続き、すなわち簡素手続きによる加盟申請だ」※ウクライナ、NATO簡素手続加盟の申請提出を発表(UKRINFORM、2022年9月30日)Q 加盟手続きの申請以上に重要なことはなにか?A ウクライナの大統領が、ロシアと交戦中の自国の軍隊が、すでにNATOと実質的に一体化している、と明らかにしたこと。 「米国を含むNATOは、ロシアと直接には戦わない」と、バイデン大統領は何度も繰り返してきた。「米軍とロシア軍が直接戦争するということは(核を用いた)第三次世界大戦となるからだ」というのがその理由。 人類全体の破局は避けたいと言いながら、実際には米軍主導のNATO軍が(作戦計画や装備提供・軍事衛星等の情報提供において:補)ウクライナ軍と一体化して、ロシア軍と戦うまでに至っている。Q ウクライナ軍の実質的なNATO軍化という「秘密」を、ゼレンスキー大統領に暴露され、バイデン大統領は困ってはいないのか。困っていないとすれば・・・ NATO軍の密かなウクライナ軍との一体化と、宣戦布告なきロシア軍との交戦が、ロシアの核兵器の使用、そしておそらくはNATO側も核兵器で反撃することまで想定しているのか? 現在の西側メディアは、「ロシアが核を使う!」と絶叫するところまでで止まっている。 しかし、ロシアの核攻撃に対して、NATO軍が反撃しない理由はない。次の段階としてはロシアが米本土へ戦略核を撃つかどうかの決断に追い込まれる、というシナリオが即座に想定されるはず。 米露、どちらかが相手国の本土に戦略核を撃てば全面核戦争となり、人類全体の存続の危機。そこまでの想定が現時点でできるのだから、すべてのメディアが、あるいは各国の政府が、この紛争を核攻撃に至る手前で停戦すべきだと求めなければならないはず。 しかし、ゼレンスキー政権も後に引けなくなっている。 同時にプーチン大統領は「西側は、攻撃的反ロシア政策においてあらゆる線を越えた」として、「わが国の領土の一体性が脅かされる場合には、ロシアとわが国民を守るため、われわれは、当然、保有するあらゆる手段を行使する。これは脅しではない」と核使用にも言及。※【演説全文】プーチン大統領 “予備役”部分的動員発表 なぜ?(NHK、2022年9月22日)〔comment〕 ロシア軍が「追い込まれている」ことは確かでしょう。ウクライナ軍とNATOとの一体化(共同での作戦計画・装備提供・軍事衛星等の情報提供)によって。そのことは、前回記事でも触れました。しかし、必ずしも喜んでいられない状況にこそ目を向け、破局的な事態の回避に全力を挙げるべきではないでしょうか。 前回も述べたとおり、このたびの戦争は「未然に防ぐことができた」、そして「トルコが仲介して協議を進めた3月の時点で停戦は可能だった」と考えています。「プーチンやバイデンの間違った判断・行為」によって、破局的な事態につき進むことは、何としても避けるべきです。双方(政治権力者)の「面子」をカッコに入れ、「軍事援助」や「ウクライナ軍とNATO軍の実質的一体化」とは別の道を早急に切り拓いていくべきであると考えるのです。 10月4日付記 去る10月1日、「ウクライナ戦争が招く核危機の世界」と題してジャーナリストの田中良紹が自身の見解を発信していました。〔3月時点で「ウクライナの中立化」を基本に精力的に仲介を行っていたトルコの外務大臣の発言(「国葬」出席の来日時、記者から質問されて回答した内容)も紹介されています。〕 わたしも、田中良紹の現状認識には、かなりの部分において賛同するものです。ただし「行きつくところまで行った場合の破局的事態」は何としても避けなければ、と考えています。にほんブログ村 ← よろしければ一押しお願いします教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。)「しょう」のブログ(2) もよろしくお願いします。生活指導の歩みと吉田和子に学ぶ、『綴方教師の誕生』から・・・ (生活指導と学校の力 、教育をつくりかえる道すじ 教育評価1 など)
2022.10.02
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犯罪摘発も解散命令も出ず「統一教会」が存続し続けたのはナゼか 報道1730で引き続き特集していましたので紹介します。 また、宗教と政治全般の関係を問わなければならないことは当然としても、教育ジャーナリスト渡辺敦司の指摘は重要だと考えます。 (一部紹介)安倍晋三元首相の銃撃死事件を契機に、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と自民党議員との近しい関係が取り沙汰されている。一部報道では、統一協会の名称変更に下村博文・元文部科学相が関与した疑惑も持ち上がった。(・・・)何と言っても文部科学省は、教育行政のみならず宗務行政を所管している中央省庁である。自公政権の下では公明党から大臣を出さない慣例が定着しているが、これを宗教団体に支持されている者一般にまで拡張すべきだ。旧統一教会は論外としても、神道政治連盟(神政連)国会議員懇談会に名を連ねる議員は多い。先ごろ、同懇談会の会合に「同性愛は依存症」などとする冊子が配布されていたことも発覚した。学校現場でいわゆるLGBTQを含めた多様性・包摂性に配慮が求められている時に、百害あって一利ない。問題は自民党文教族を中心に、そうした宗教団体の支持が拡大していることだ。(・・・)特に小選挙区制になって以降、支持基盤の弱い候補者・議員が宗教団体の力に頼る傾向が強まっているようだ。有力派閥の長が旧統一教会の票を案配していたとの報道もある。宗務行政に関しては説明するまでもないが、教育行政に関しても影響力が行使されては問題だ。改正教育基本法で家庭教育条項が盛り込まれたのも、単なる振興策の奨励だけでなく家庭の在り方に関する「伝統的価値」と称した押し付けを許しかねない恐れがある。端々でイデオロギーをちらつかせられては文教行政をゆがめかねない。いや、その影響がじわじわと広がっているとみるべきだろう。これを機会に、少なくとも在任中は関係を断ち切るなど副大臣・政務官も含めて慣例を見直すべきではないか。にほんブログ村 ← よろしければ一押しお願いします教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。)「しょう」のブログ(2) もよろしくお願いします。生活指導の歩みと吉田和子に学ぶ、『綴方教師の誕生』から・・・ (生活指導と学校の力 、教育をつくりかえる道すじ 教育評価1 など)
2022.08.01
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安倍元首相の銃撃事件後、諸外国のmediaがいち早く統一教会の問題を報道していたのに対し、日本のmediaの対応は鈍かったわけですが、ここにきて次々にnews番組での特集が行われています。7.22の報道1930における特集は歴史的流れについても現状についても包括的にわかりやすくまとめられていました。 幸いnet上でも視聴できますので、ぜひご覧ください。〔短いもの(20分程度)がよければ、報道特集(下の画像からlink)がお勧めです。〕 TBSによる紹介記事です。 この番組に対して、「政治家と癒着することによって統一教会(宗教団体)がどのような利益を得られるのか」日刊IWJ7.25号を参考にいくつか補足をしておきます。〔以下、箇条書きで補足〕・同じ霊感商法でも、他の宗教法人に対しては、厳しい処分を下した例がある。「明覚寺」の幹部ら11人が、霊視商法詐欺事件で逮捕、起訴されたことを受け、文化庁は1999年に宗教法人明覚寺に対する解散命令を和歌山地裁に請求、2003年に最高裁で確定。※宗教法人審議会(第144回) 議事録(文部科学省、2003年3月3日)https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/shuukyo/gijiroku/1329788.htm また、同じく霊感商法で摘発された法の華三法行は、2001年に破産し、解散。 ※宗教法人審議会(第141回) 議事録(文部科学省、2001年6月20日)https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/shuukyo/gijiroku/1329784.htmQその一方で、多数の裁判で霊感商法の被害が認定されていながら、旧統一教会が摘発されていないのはなぜか?A有田芳生が「政治の力だった」という、警察幹部の証言を明らかにしている。(なぜ、そのような「政治の力」が働いたのか・上記番組を視聴すればよくわかるはず。)Q宗教団体が宗教法人格を認可されることのメリットは?元国税調査官の大村大次郎氏が、次のように指摘。・「宗教法人が『宗教活動』で得たお金には、原則として税金はかからない。霊感商法には、税金がかからない!一般の商取引ではあり得ない高額なツボなどは、通常の商取引ではなく『宗教的な寄付行為』とみなされる。・宗教法人の『収入の柱』であるお布施や寄付金というのは、普通、領収書のやり取りがない。領収書のやり取りもなく、密室で取引されている金品となると、税務当局にとってはもっとも把握しがたい。※元国税調査官が暴く、宗教団体「税制優遇」の実態と“政治の結びつき”(MAG2NEWS、2022年7月20日)https://www.mag2.com/p/news/546037報道特集(20分ほどの簡潔な「統一教会特集」)もまだ無料配信中のようです。 7.25現在にほんブログ村 ← よろしければ一押しお願いします教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。)「しょう」のブログ(2) もよろしくお願いします。生活指導の歩みと吉田和子に学ぶ、『綴方教師の誕生』から・・・ (生活指導と学校の力 、教育をつくりかえる道すじ 教育評価1 など)
2022.07.25
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安倍元総理の銃撃事件をめぐって、高村薫の文章が『日本海新聞』を含む複数の地方紙に掲載されましたので、これも全文を紹介します。 事件と功罪、分けて判断を 高村 薫 安倍晋三元首相が演説中に銃撃されて命を失うという劇的な事件に、国民は過剰反応し、興奮状態にある。日本では死者にむち打つなという風潮が強いが、民主主義を軽んじる振る舞いを繰り返した安倍氏の功罪は、冷静に判断されるべきだ。 安倍氏の国会軽視は甚だしかった。うその答弁を積み重ね、憲法に基づき野党が臨時国会召集求めてもはねつけた。憲法9条の解釈を変更し、集団的自衛権を容認する閣議決定のために、内閣法制局長官を自分にとって都合の良い人物に代えさえした。 そうした手法がもたらした最悪の形が、学校法人「森友学園」への国有地払い下げに端を発した財務省の公文書改ざん問題だった。元首相の名を冠した「アベノミクス」は進めることもやめることもできず、着地点を見失っている。 自分と考えを同じくする人と、それ以外とを区別し、多様性を認めない非民主主義的な手法は政治をゆがめた。だが、(このたびの)事件は一定の批判すら吹き飛ばしてしまった。こうした過剰反応こそ民主主義への脅威だ。事件と安倍氏の功罪を分けて考えることこそ、民主主義国家のあるべき姿のはずだ。 事件では、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と安倍氏の関係が取り沙汰されている。信者からの過剰な献金など、多くの問題を引き起こしてきた団体であり、ビデオメッセージを送るなどの行いは、あまりに無定見だったのではないか。犯行は容認できないが、信者の子ども世代の生きづらさ、苦しみを強く感じる。 恨みを持つ犯人の前に大物政治家が現れ、警備が十分にできていなかったために事件は起きた。強烈な殺意を抱き、銃を自作するなど周到な準備をしていた点は、2019年の京都アニメ―ション放火殺人事件や21年の大阪・北新地のビル放火殺人事件に通じる。 いずれの事件も、疎外されたら浮かび上がれない社会のありようが底流にあるように思える。原因がなくならない限り、同様の事件が繰り返されるリスクはある。 〔comment〕 安倍元総理の「国会軽視」「民主主義軽視」の問題点が簡潔に(小出さんよりも冷静に)述べられています。付け加えていうと「国境なき記者団」の示す報道の自由度ランキングが民主党時代の11位から安倍菅長期政権によってG7最悪の71位まで下落してしまったことも負の遺産というべきでしょう。 もちろん、直接的な圧力だけでなく、報道機関が「自主規制」する方向にうまく誘導してきた面もあると考えています。銃撃事件後の「安倍賛美報道」の大部分も集団同調的な「自主規制」というべきものでしょう。さすがに報道特集などは、参院選前日に、「モリカケ桜」を含めた罪にも触れていましたが、ほとんどの番組は観るに耐えないものでした。未来を少しでも明るいものにしていくためには、忖度や賛美ではなく「冷徹な検証」こそ必要であるにも関わらず。 確かに海外の政府関係者が哀悼の意を表するのは仕方がないでしょう。例えば、イスラエルのラピド首相も、ツイッターに「彼は、現代のイスラエルと日本の関係において、重要な立役者でした」という言葉を投稿しました。 しかし、イスラエルとの関係強化をめぐるいきさつには重大な問題がありました。当時「報道写真家の後藤さんがISに拘束されていること」を知りながら、安倍首相(当時)がイスラエルまでわざわざ行って「イスラム国と戦う国々への支援」を表明した(外務官僚の反対を押し切って何ら緊急性のない外遊を強行した)結果が、後藤さんたちの殺害だったのです。あの時のことは今でも鮮明に記憶にありますが、本当に許し難いことだったと思っています。〔(歴史修正主義者、右翼的な政治家としてオバマ大統領に嫌われていた安倍総理が)ユダヤ系ロビーの歓心を買うことによって、米議会での演説を実現しようと目論んでいたという状況証拠がある。〕 というのは、この外遊中にホロコースト記念館を見学した安倍総理(当時)は、米国のマケイン議員(ユダヤ系ロビーとのつながりが強い)に対して、「米国議会での演説を実現するよう強く要請した」ということが読売新聞(当時)の記事になっているのです。さすがにこの記事はnet上に残ってはいませんが、この外遊中にイスラエルのネタニヤフ首相だけでなく、米国のマケイン議員との会談を行ったことは外務省のHPにも明記されています。 「米議会での演説という自分の野望」のために、人質の命を危険に晒す決定的な行動をしているわけですから、「そんなことを平気でする奴は人間のクズだ!」と断言したいくらいです。 https://newsshshouron.blog.ss-blog.jp/2017-10-26-6 ただ、このような「私自身の故人への評価」とは別次元で、「国葬」にはすべきでないと考えています。前川喜平(元文科省事務次官)の文章です。にほんブログ村 ← よろしければ一押しお願いします教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。)「しょう」のブログ(2) もよろしくお願いします。生活指導の歩みと吉田和子に学ぶ、『綴方教師の誕生』から・・・ (生活指導と学校の力 、教育をつくりかえる道すじ 教育評価1 など)
2022.07.17
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世界を驚かせた銃撃事件後の報道を見ると、「過去を水に流して元総理を賛美する」類のものがあまりにも多いことに大きな違和感を覚えます。この社会をよくしていくためには、彼のもたらした様々な問題、残した負の遺産についての冷徹な評価こそが大切ではないか、と考えるものです。 銃撃した「犯人」が憎んでいた統一教会ですが、この団体との安倍元総理や多くの政治家の関わりも極めて大きな問題を生み出しています。参議院選挙翌日の「クロ現」で、家庭を壊されるなど被害を受けた当事者の発言とともに団体の責任ある人物の「弁明」(近年では以前のような問題は起こしていない)が紹介されていましたが、調べてみると「弁明」は全く事実に反するもので、近年においても多くの被害者が生み出されています。(今は献金の強要はないというのは嘘) 裁判でも繰り返し違法性が確認された「いかがわしい団体」に連帯のmessageを送っていた安倍元総理の動画は、「首相も認める信用ある団体」として繰り返し信者の勧誘などに利用され被害を拡大してきたことは疑いありません。 「恨みを持っていた団体を応援していた」から殺す、という行為が是認されるはずはありませんが、そもそも元総理をはじめとする政治家が「多くの被害者を生み出すような団体と積極的に関わっていたこと」自体は大きな問題でしょう。 いずれにせよ、安倍元総理が生み出してきた問題というのは、統一教会との関わりも含めて数え上げればきりがないほどですが、それらを冷徹に振り返っていく材料として小出裕章の文章(2022年7月9日執筆)をそのまま紹介いたします。アベさんに対する銃撃について思うこと 小出 裕章 アベさんが銃撃を受けて死んだ。悲しくはない。アベさんは私が最も嫌う、少なくとも片手で数えられる5人に入る人だった。アベさんがやったことは特定秘密保護法制定、集団的自衛権を認めた戦争法制定、共謀罪創設、フクシマ事故を忘れさせるための東京オリンピック誘致、そしてさらに憲法改悪まで進めようとしていた。彼のしたこと、しようとしてきたことはただただカネ儲け、戦争ができる国への道づくりだった。アベさんは弱い立場の国・人達に対しては居丈高になり、強い国・人達に対してはとことん卑屈になる最低の人だった。朝鮮を徹底的にバッシングし、トランプさんにはこびへつらって、彼の言いなりに膨大な武器を購入した。彼は息をするかのように嘘をついた。森友学園、加計学園、桜を観る会、アベノマスク・・・彼とその取り巻きの利権集団で、国民のカネを、あたかも自分のカネでもあるかのように使い放題にした。それがばれそうになると、丸ごと抱え込んだ官僚組織を使って証拠の隠ぺい、改ざん、廃棄をして自分の罪を逃れた。 その中で、自死を強いられる人まで出たが、彼は何の責任も取らないまま逃げおおせた。私は彼の悪行を一つひとつ明らかにし、処罰したいと思ってきた。 私は私は一人ひとりの人間は、他にかけがえのないその人であり、殺していい命も、殺されていい命も、一つとして存在していないと公言してきた。アベさんにはこれ以上の悪行を積む前に死んでほしいとは思ったが、殺していいとは思っていなかった。悪行についての責任を取らせることができないまま彼が殺されてしまったことをむしろ残念に思う。多くの人が「民主主義社会では許されない蛮行」と言うが、私はその意見に与しない。すべての行為、出来事は歴史の大河の中で生まれる。歴史と切り離して、個々の行為を評価することはもともと誤っている。そもそも日本というこの国が民主主義的であると本気で思っている人がいるとすれば、それこそ不思議である。 国民、特に若い人たちを貧困に落とし、政治に関して考える力すら奪った。民主主義の根幹は選挙だなどと言いながら、自分に都合のいい小選挙区制を敷き、どんなに低投票率であっても、選挙に勝てば後は好き放題。国民の血税をあたかも自分のカネでもあるかのように、自分と身内にばらまいた。原子力など、どれほどの血税をつぎ込んで 無駄にしたか考えるだけでもばかばかしい。日本で作られた57基の原発は全て自由民主党が政権をとっている時に安全だと言って認可された。もちろん福島第一原発だって、安全だとして認可された。その福島原発が事故を起こし、膨大な被害と被害者が出、事故後11年経った今も「原子力緊急事態宣言」が解除できないまま被害者たちが苦難にあえいでいる。それでも、アベさんを含め自民党の誰一人として、そして自民党を支えて原発を推進してきた官僚たちも誰一人として責任を取らない。もちろん裁判所すら原発を許してきた国の組織であり、その裁判所は国の責任を認めないし、東京電力の会長・社長以下の責任も認めない。どんな悲惨な事故を起こしても誰も責任を取らずに済むということをフクシマ事故から学んだ彼らはこれからもまた原子力を推進すると言っている。さらに、これからは軍事費を倍増させ、日本を戦争ができる国にしようとする。 愚かな国民には愚かな政府。それが民主主義であるというのであれば、そうかもしれない。しかし、それなら、虐げられた人々、抑圧された人々の悲しみはいつの日か爆発する。今回、アベさんを銃撃した人の思いは分からない。でも、何度も言うが、はじめから「許しがたい蛮行」として非難する意見には私は与さない。 心配なことは、投票日を目前にした参議院選挙に、アベさんが可哀想とかいう意見が反映されてしまわないかということだ。さらに、今回の出来事を理由に、治安維持法※、共謀罪などがこれまで以上に強化され、この国がますます非民主主義的で息苦しい国にされてしまうのではないかと私は危惧する。※治安維持法というのはおそらく誤記だと思われますが、「共謀罪」が「現代の治安維持法」といわれる内容を含んでいることは確かです。にほんブログ村 ← よろしければ一押しお願いします教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。)「しょう」のブログ(2) もよろしくお願いします。生活指導の歩みと吉田和子に学ぶ、『綴方教師の誕生』から・・・ (生活指導と学校の力 、教育をつくりかえる道すじ 教育評価1 など)
2022.07.13
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自民党議員中心の「神道政治連盟国会議員懇談会」で司会者が「同性愛は精神障害」「家庭と社会を崩壊させる」など偏見と差別に満ちた冊子を配布したことへの抗議の speech です。 元総理の親戚ということですが、勇気ある発言だと思います。〔以下、7月8日付記〕7月7日、上記の記事を公開した翌日に、元首相が演説中に銃撃を受け死亡するという、ありえないような事件が起きました。複数の新聞によれば、「平和なはずの戦後日本」においても、政治家へのテロ事件(あるときは報道機関へのテロ事件)が何度となく起こっています。・1960年10月、浅沼稲次郎社会党委員長が日比谷公会堂で、衆院選に向けた3党首演説会で演説中、壇上に上がってきた右翼の少年に刃物で刺され、死亡。・1990年1月18日、当時長崎市長であった本島等が右翼団体幹部に銃撃され、全治1か月の重傷を負った。・2002年10月には、民主党の石井紘基・衆院議員が、東京都世田谷区の自宅前で右翼団体の男に刺されて死亡。・2007年4月17日には長崎市長選の期間中、4選を目指していた伊藤一長市長が選挙事務所前で、暴力団幹部の男に拳銃で撃たれ、翌日に死亡。〔1992年3月には、金丸信・自民党副総裁が栃木県足利市で右翼団体の男に発砲された。1994年には、総理大臣を辞任した直後の細川護煕元首相が、都内のホテルで右翼団体の元幹部の男に銃撃された。いずれもケガはなかった。〕・その他、言論の自由に対するテロ行為としては「赤報隊」事件(1987年1月から88年3月にかけて朝日新聞社が襲撃された一連の事件。東京本社に向かって散弾が発射,阪神支局が散弾銃を持った何者かに襲われ記者 1人が死亡,続いて名古屋本社の社員寮が銃撃を受け,静岡支局には時限式爆弾が仕掛けられた事件)などがあります。 それぞれの事件に異なる背景があったとはいえ、いずれのテロ行為も断じて許されることではありません。いかなることがあっても!ただ、上記動画で紹介されている青年(元首相の親戚)の訴えは切実なものであり、「神道政治連盟国会議員懇談会」で配布された冊子が極めて重要な問題点を含んでいることには変わりありません。当然の判断として、本記事は削除することなく公開したままにします。 なお、「元首相」に関する私の見解は、link先の村瀬さんとほぼ同じです。※7月9日付記 上記(8日)の付記では「テロ行為」という趣旨で書きましたが、実際は「宗教団体」への恨みを背景にした「殺人事件」というべきで、政治的な意味(政治的自己主張)を持つ「テロ」とは別物のようです。(この宗教団体は統一教会) なお別件ですが、このたびの通常国会で自民党案にすべて賛成したといわれる「日本維新の会」。前回の総選挙での宣伝内容と現実との落差(維新がついていたウソ)に関して分かりやすいtweetを見つけました。よろしければ・・・。にほんブログ村 ← よろしければ一押しお願いします教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。)「しょう」のブログ(2) もよろしくお願いします。生活指導の歩みと吉田和子に学ぶ、『綴方教師の誕生』から・・・ (生活指導と学校の力 、教育をつくりかえる道すじ 教育評価1 など)
2022.07.07
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遠藤誉が注目すべき記事を連続して公開していますので、抜粋・紹介します。 「西側諸国の『常識』が世界の常識であるという見方を相対化」し、歴史的文脈に目を向けることで、「ウクライナ侵略も事前に止められた」、「もっと早い段階(トルコの仲介)で停められた」、「現在、困難であっても停めるためにこそ『国際社会』は力を尽くすべき」、「今後の戦争を未然に防ぐためには軍拡競争以外の道を選択する必要がある」といった視点も見えてくると考えるのですが、いかがでしょうか。 遠藤誉の記事、抜粋だけでもかなり長くなったので、このたびは紹介にとどめますが、ぜひ全文をご一読ください。 ロシアが「新世界G8」を提唱_日本人には見えてない世界 1、6月15日から18日にかけて、ロシアのサンクトペテルブルクで第25回国際経済フォーラムが開催された。ウクライナ侵攻などで多くの国が対露制裁をしているので、閑散としているものと思ったところ、なんと「127ヵ国も!」参加している。 2、国連加盟国は現在193ヵ国だが、193-48=145(ヵ国)は、対露制裁をしていないのだ。この世界の約75%の国々の「視点」を日本は知っているだろうか? 彼らはアメリカがどれだけ残忍な形で捏造事実(例えばベトナム戦争ではトンキン湾事件、イラク戦争では「大量破壊兵器」)をでっちあげて他国を侵略したか、ベトナムでは100万人以上の、幼児や胎児を含めた一般庶民が残虐無比な形で殺され、イラクでも他の地域でも同様のことをアメリカが繰り返してきたかを知っている。 なぜアメリカだけは他国をいきなり攻撃しても許されるのか、どんなに残虐な形で他国の一般庶民を殺してもアメリカだけは非難されないのか、こういった対露制裁をしていない75%の国々は「アメリカへの怒り」を共有しているのである。 それは日本では絶対に見えない世界だ。アメリカに追随する西側諸国だけで世界は成り立っているわけではない。 ロシアの侵略行動を誰も許してはいないが、アメリカだけは何をやっても許される理不尽さを共有している国々が、人口数的に計算すれば、人類の約85%(84.82%)もいるという事実を日本人は知らない。見ようともしない。 逆に言えば、人類の15%だけを「世界」と思っているのが日本なのだ。 米ノーベル賞学者が「アメリカは新冷戦に負ける」 6月22日、米ノーベル経済学賞受賞者でコロンビア大学の教授でもあるジョセフ・スティグリッツは、米メディアで「アメリカはいかにして新冷戦に負けるのか」と述べている。彼の論理は、おおむね以下のようなものである。1.ソ連崩壊後20年近く、アメリカは「ナンバーワンだった」が、中国とロシアを覇権争いの相手とした「新冷戦」では、アメリカに勝ち目はない。2.米国はソ連崩壊後、中東での悲惨な誤った戦争、2008年の金融危機、(米国内における)不平等の拡大など、その他の危機が起きたからだ。さらに、大統領選挙期間におけるクーデターの試み(米議会議事堂乱入事件)などがあった。アメリカの政治的・社会的生活が深く病的になったことを示唆するに十分な証拠だ。3.アメリカが「新冷戦」に乗り出すのであれば、勝つために何が必要かを理解しなければならない。冷戦は最終的には「魅力と説得力のソフトパワー」によって勝つ。世界のトップに立つには、「残りの人々」を説得しなければならない。 4.トップに立つには米国の製品(爆撃機とミサイル・システム等々)だけでなく、開発途上国や新興市場国の人々への社会的、政治的あるいは経済的システムをも考慮しなければならない。5.中国が経済的に米国を凌駕することは、どのような公式指標を使用しても避けられない。中国の人口は米国の4倍であるだけでなく、その経済はまた、長年にわたって3倍の速さで成長し、実際、2015年にはすでに購買力平価の面でアメリカを上回っている。6.「新冷戦」構造は、ロシアがウクライナに侵攻するずっと前から始まっていた。だから米国高官は戦争が長引くことの脅威に注意せよ。中国から注意をそらしてはならない。7.米国はまた、世界の発展途上国や新興市場の何十億人もの人々の心と精神を勝ち取らなければならない。他の国々を搾取してきたその長い歴史は米国の役に立たず、深く根付いた人種差別主義も役に立たない。 8.気候変動に関しては、信頼性の低下はさらに大きく、主要な新興市場が温室効果ガス排出の主要な発生源となっているが、米国自身の累積排出量は依然として圧倒的に大きい。 9.ヨーロッパとアメリカは、道徳的に正しく、経済的に賢明なことについて、他人に講義しようとする。しかし、米国はもはや、助言を分配する信頼性を持っていない。同時に、中国は講義を行っておらず、貧しい国々にハード・インフラを提供することに優れている。これらの国々はしばしば多額の借金を負っているが、発展途上国における債権者としての欧米銀行自身の行動を考えると、欧米諸国が偉そうに他国に指をさす立場にはない。10.米国はたとえば銃による暴力、環境規制、不平等と人種差別など、多くのことを改善しなければならない。米国が世界のリーダーたる資格があることを証明できるまでは、米国が中国やロシアを相手に「新冷戦」に突進するのは賢明ではない。 以上、実に示唆に富む指摘だ。◆スティグリッツ博士の指摘に関する解釈A:人類の85%(「3」と「4」と「7」に関して) これはまさに、6月19日のコラム<ロシアが「新世界G8」を提唱_日本人には見えてない世界>に書いた内容を、言葉を変えて言っているようなものだ。 習近平国家主席が6月17日にロシアのサンクトペテルブルク国際経済フォーラムのビデオ演説で言っていた「新興国と発展途上国の声を広め、その発展を促進する必要がある」とロシア側が6月11日に提唱した「新世界G8」を提唱する論理と同じだ。 特にスティグリッツ論の「3」に書いてある「残りの人々」とは筆者が当該コラムで分析した「人類の85%」に相当する。 アメリカを筆頭とする西側先進諸国は、この「人類の85%」を「下等人種」とみなす傾向にある。 日本もその例外ではない。 先進7ヵ国「G7」に入っている「アジアの国は日本だけだ」と岸田首相も何かにつけて「豪語」しており、遥か昔の「脱亜入欧」から出発した「欧米崇拝アジア蔑視」から抜け出していない。これは即ち、筆者がコラムに書いた言葉を使えば、「わが日本国は、残り85%とは違います!」と宣言しているようなものなのだが、日本はこのことにも気が付いていない。〔紹介は以上〕 関連して、ウクライナ東部(ドンバス、現在の激戦地リシチャンスク)の住民の多くがロシア軍を支持していることなども全く見えていなかったのですが、NHKのBSのワールドニュース(6月24日)でフランスの放送局が制作した動画(「私たちを攻撃し、子どもたちを殺しているのはウクライナ軍です」という住民の証言)がついに流されました。※註 やはり急がれるのは、停戦。東部問題の解決も含め、これ以上の殺戮が起こらないような話し合い・仲介を「国連を中心とする国際社会」が進めることでしょう。〔※linkの先は「世に倦む日日」のTwitterでしたが、このNHKニュースの紹介がツイッター社による統制を受けたことが過日判明しました。(7月3日付記)〕 にほんブログ村 ← よろしければ一押しお願いします教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。)「しょう」のブログ(2) もよろしくお願いします。生活指導の歩みと吉田和子に学ぶ、『綴方教師の誕生』から・・・ (生活指導と学校の力 、教育をつくりかえる道すじ 教育評価1 など)
2022.06.26
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半月以上経ちましたが、東京新聞の記事を一部紹介します。 防衛費倍増に必要な「5兆円」教育や医療に向ければ何ができる? 自民提言受け考えた 2022年6月3日 自民党は国内総生産(GDP)比2%以上を念頭に防衛費の大幅増を政府に提言し、岸田文雄首相も「相当な増額」を表明した。2022年度の防衛費はGDP比1%程度の約5兆4000億円で、2%以上への増額には5兆円規模の予算が必要となる。自民党は、厳しさを増す安全保障環境の下、国民を守るために防衛費の増額が必要と説明するが、5兆円の予算を教育や年金、医療など暮らしのために振り向ければ、どのようなことができるのか、考えてみた。(村上一樹)【関連記事】「結論ありきではない」岸田首相、防衛費「相当な増額」の財源は明言せず 「コロナで国民の生活は萎縮し、物価高で生活苦に沈む年金生活者やワーキングプアはあふれている」「防衛装備より環境問題や貧困・格差問題に充てるべきだ」。政府や自民党が防衛費の大幅増を打ち出して以降、本紙には読者から切実な訴えが寄せられている。(抜粋・紹介は以上 後略) ウクライナ戦争に関する一連の記事で、これは未然に防ぐことのできた戦争であり、歴史的文脈をしっかり踏まえれば、停戦・解決への道、今後どうすべきかも見えてくる、ということを述べてきました。「ウクライナ戦争」は「プーチンの戦争」であると同時に「バイデンの戦争」であり、実質「米国-NATO対ロシアの代理戦争」であるという視点で私は事態を見ています。 当然、一刻も早い停戦・解決を主張するものですが、アジアにおける今後の問題として、「台湾海峡」でも同様の代理戦争(台湾が「独立宣言」をするよう米国がそそのかして戦争を引き起こす⇒台湾や韓国・日本に戦争をさせ米国は「兵器の援助」だけで軍需産業を潤す)は起こりうる事態であり、そのような「謀略」にのせられるべきではないと考えています。 そもそも「中国は一つ」という基本的立場を了承し「中華人民共和国だけを常任理事国として国連に加盟させる」という政策をとってきたのはほかならぬ米国なのです。すでに、「中国は一つ」という立場を堅持している中華人民共和国は、台湾が明確に独立を宣言しない限り「統一のために台湾への武力侵攻をおこなう」ことはないでしょう。「台湾有事の危機を煽り立てる米国」に乗せられて、日本が中国との「軍拡競争」にのめりこむこと、ましてや自衛隊を台湾海峡に派遣することなど絶対避けるべき愚かなことであると考えています。 むしろ日本はノルウェーの政策(軍事的緊張を引き起こさないために、ロシアとの国境付近には国軍を配置せず軍事演習も行わない)に学びつつ、緊張の緩和と外交による平和構築を模索するべきでしょう。防衛費の倍額をめざし沖縄・南西諸島の軍事要塞化によって緊張を激化させることは一番避けるべきではないでしょうか。 例えば、ロシアとの戦争の危機に備えて自衛隊の大部分を北海道に集中させ、米国製のミサイルを大量に配備することで北海道における敵基地攻撃暴力を高め、米軍との大規模な軍事演習を北方で展開すれば安心が得られるなどと考える人がいるとすれば、国際関係の現実がよほど見えていないといわざるを得ません。(なお、「ウクライナ戦争」前の12月、米軍・NATO軍とウクライナ軍の大規模な合同軍事演習が黒海で行われ、米国から兵器を大量に購入しつつウクライナ政府軍による「ドンバス(ロシア語話者を中心に独立を宣言していた地域)」へのトルコ製ドローンによる攻撃をおこない、2月16日からはさらに砲撃を激化させていましたが、そのような「積極的な軍事演習や軍備の充実等」が戦争を未然に防がなかったことは事実によって証明されています。) 以上のような判断も踏まえ、私自身は東京新聞と同様の立場(「大軍拡に走るべきではない」、「もっと急がなければならないことは山ほどあるだろう」という立場)です。参議院議員選挙も迫っていますが、防衛費増額についての見解も含め、各党の立ち位置も明確になっていますので、ご覧ください。 6月18日付「日本海新聞」よりにほんブログ村 ← よろしければ一押しお願いします教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。)「しょう」のブログ(2) もよろしくお願いします。生活指導の歩みと吉田和子に学ぶ、『綴方教師の誕生』から・・・ (生活指導と学校の力 、教育をつくりかえる道すじ 教育評価1 など)
2022.06.18
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佐藤優(元外務省主任分析官)が第三次世界大戦の可能性について具体的に考察・発信しています。 私も過去記事で「ロシア・NATO間の全面戦争に突入する危険性、さらには核戦争にも拡大しうる危険性」について考えてみました。そして、「鍵を握るのはポーランドとロシアとの関係だ」という結論は佐藤優と共通しています。 ウクライナの反撃が、国境を超えて大規模にロシア領内へ及んだとき、ロシアが「自衛権」を行使して、武器供与国を攻撃する可能性はないか。〔特に、NATO加盟国であり武器支援の“前線基地”であるポーランドに対してロシアが戦端を切る可能性(現在NATOの兵器の多くはポーランド経由で送られており、ウクライナ兵の訓練所もポーランドにある)といった不安要素、危惧を(伊勢崎賢治を引きながら)指摘しました。〕 それでは、佐藤優の見解を要約・紹介します。(できれば全文をご一読ください。)〇フィンランド、スウェーデンがNATOに加盟しても、さし当たって大きな変化はない。Q なぜか?A(両国はアメリカの「傀儡政権」ではないから)スウェーデンとフィンランドに米軍が常駐する巨大基地が建設され、核兵器が配備される可能性は低いとロシアが考えているから。対してウクライナがNATOに加盟すれば直ちに基地が米軍に提供され、核配備がなされるとプーチン大統領やロシアの政治・軍事エリートは考えている。Q この間の大きな問題は?A 戦争が始まって以来、アメリカとロシアの間で対話が途絶えていたこと。しかし、5月13日、アメリカのオースティン国防長官とロシアのショイグ国防相が電話会談を行った。〔停戦に向けた進展はなかったが、対話の窓口は常に開けておくことが大切。外交channelがあれば直接電話をかけ、大使館を通したやり取りができる。また両国に対話継続の意思があれば、CIAとSVR(ロシア対外情報庁)が、水面下で連絡を取り合うことも可能。〕Q 対話が成立する直前の状況は? A ラブロフ外相は、核戦争を起こさないことがロシアの基本的な立場だが、現状は1962年のキューバ危機よりも緊張していると述べた。 キューバ危機の時期には、行動上ルールは明確で、モスクワはワシントンがどう行動するかを理解し、ワシントンもモスクワがどういう振る舞いをするかを理解していた。現在はルールがほとんど残っていない。(ただし、そのあと、前述したオースティン国防長官とショイグ国防相の電話会談が実現したので、この時点での緊張は少し緩和された。)〇「問題はポーランド」とロシアが警戒 ラブロフ外相が強調したのは、アメリカもNATOもロシアも、(全面的な)戦争はしたくないと思っている。問題はポーランドだ、という点。ポーランドは3月半ばに、ウクライナに平和維持部隊を派遣するようNATO加盟国に要請する意向を示した。アメリカやNATO本部はウクライナ派兵を完全に否定している中での提案であり、その点では急進的だ。Q なぜか?A 歴史を振り返ると、ポーランドは第2次世界大戦時にはソ連とドイツから侵攻され、分割占領された。その苦い経験からロシアの脅威を強く感じ、断固たる対応を取りたいと考えているのだろう。だが、ことはそれだけにはとどまらない可能性がある。 同国は4月28現時点でジョー・バイデン米政権と今後の作業について議論。暫定的合意によれば、ポーランドはNATOの委任ではなく「有志国」の参加=有志国を募って、独自の判断でウクライナに平和維持部隊(軍隊)を派遣するという計画。 ウクライナ西部のガリツィア地方は歴史的にポーランド領。SVR(ロシア対外情報庁)は、ポーランドの狙いはウクライナ支援にとどまらず、第2次世界大戦で失った領土を回復することだと捉えている。 〇ポーランドが「平和維持軍」を派兵すれば、第3次世界大戦に – ポーランドが「平和維持軍」の名目でウクライナに派兵すれば、ロシアは敵対行動と見なしてポーランドへの攻撃を検討する。 要約・紹介は以上です。 上記の事態は第3次世界大戦に発展しうるというラブロフ外相の警告を、ただの脅しと考えるのは危険ではないでしょうか。前回指摘したように、ロシアとポーランドの関係は穏やかならざる現状があります。にほんブログ村 ← よろしければ一押しお願いします教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。)「しょう」のブログ(2) もよろしくお願いします。生活指導の歩みと吉田和子に学ぶ、『綴方教師の誕生』から・・・ (生活指導と学校の力 、教育をつくりかえる道すじ 教育評価1 など)
2022.05.31
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「ウクライナ戦争」の長期化は当然であるかのような報道ばかりですが、「ますます多くの命が失われる」、「核戦争の危機や気候危機への無策は世界終末時計を破滅に近づける」といった意味において問題が大きすぎます。私は、即時停戦を主張する伊勢崎賢治に賛同するものですが、停戦の条件を生み出すためには現在の報道機関の姿勢には大きな問題があります。 「一方的にアゾフ連隊を美化し、ロシア軍を悪魔化する西側を中心とする報道」は、大量の武器を援助し、長期戦の火に油を注ぎ続ける欧米の行為を正当化するだけです。しかし、事実はどうなのでしょうか。 ロシア側が制圧したといわれるマリウポリから脱出した市民の証言動画は多数ありますが、「ロシア側と欧米側とのそれを丁寧に比較検証したHP」がありました。本来は、報道機関がしなければならない検証だと思いますが、ぜひご一読ください。 https://ameblo.jp/cargoofficial/entry-12742032826.html また、人道支援を目的にウクライナへ赴き滞在した元フランス兵の証言も視聴していただければと思います。にほんブログ村 ← よろしければ一押しお願いします教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。)「しょう」のブログ(2) もよろしくお願いします。生活指導の歩みと吉田和子に学ぶ、『綴方教師の誕生』から・・・ (生活指導と学校の力 、教育をつくりかえる道すじ 教育評価1 など)
2022.05.20
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伊勢崎賢治が重要な発言をしています。 ロシア・NATO間の全面戦争に突入する危険性、さらには核戦争にも拡大しうる危険性についてです。一部抜粋・紹介します。 ・戦前のハーグ条約では、他国の戦争からの「中立」を定義する条項があり、紛争当事国は武器の移動を含めて中立国を侵害してはならないとする。では、①中立国は紛争当事国の一方を応援した時点で、国際法上の中立性を失い、紛争当事国の一つになるのか? そして、②中立性を失った中立国は、もう一方の紛争当事国から、交戦法規上の攻撃対象となるのか? (・・・)グレーな部分だ。 その中で現在、アメリカやNATO諸国の武器供与が、個人携帯武器から重火器にシフトする中、上記②の問いはどうなるのか。このままウクライナとロシア間の戦闘能力の均衡化が進み、すでに小規模だが始まったように、ウクライナの反撃が、国境を超えて大規模にロシア領内へ及んだとき、はたしてロシアには、国連憲章で認められた自衛権を行使して、そういう武器供与国を攻撃する根拠が生まれるのか。特に、NATO加盟国であり武器支援の“前線基地”であるポーランドに対してロシアが戦端を切る戦況の出現だ。(現在NATOの兵器の多くはポーランド経由でウクライナに送られており、ウクライナ兵に兵器の扱い方を教える訓練所もポーランドにある。:補) こうなると、軍事同盟であるNATOが集団防衛を連動する可能性が高まる。結果的にすべての加盟国が紛争当事国になる可能性が生まれる。(核戦争の危険性も高まる:補)だからこそ、即時停戦を実現しなければならないのだ。 停戦形成の現実と課題 必要となる緩衝地帯 人道的措置(人道回廊の設置)は、停戦の“とっかかり”をつくるための初期目的(口実)と捉えるべきだ。今回の戦争では、開戦二週間目からそれを目的として停戦協議がおこなわれたことは、他のケースに比べれば一つのいいサインである。避難民の救出や人道援助を入れるというのが人道回廊の考え方だが、これをいかに保護して定着させ、そして“拡大”させるか。「定着」とは、外部の目の介入だ。現在、マリウポリで進むように国連関連団体と国際赤十字などが主体となる。一般論として、こういう「人道停戦」は必ず破られる。しかし、やり続けるしかない。このマインドセットが重要だ。 この戦争においては、初期目的として人道回廊の設置のほかにも、原発と原発周辺地域の「非武装緩衝化」が考えられる。チェルノブイリについてはすでにIAEA(国際原子力機関)が入っているが、南東部にあと二つの原発(ザポリージャ、南ウクライナ)がある。原発周辺半径何キロというように非武装緩衝地帯をつくり、国連監視団を常駐させることも、停戦の醸成に向けてのもう一つの初期目的になり得る。(以下略)〔comment〕 ポーランド経由で大量の武器が運び込まれ、ウクライナ兵に兵器操作の訓練を行っているのがポーランド。しかも、その兵器(例えば軍事用ドローン)によるロシア本土への本格的攻撃が始まれば、ロシアによるポーランド攻撃はありうると考えなければなりません。 その場合、ロシア軍は地上部隊や戦車をさらに分散させて戦うのではなく、ミサイル(場合によっては核ミサイル)を使うでしょう。〔小泉悠も5月17日のNHKニュース9で「ロシアが戦術核を用いる可能性」について触れていました。(末尾註:5月18日付記)〕ポーランドに攻撃がなされれば、NATOは集団的自衛権を発動して全面的に戦争当事国となる。6000発の核ミサイル保有しているロシアとの全面核戦争の可能性も・・・。 米国をはじめとするNATO諸国は、ウクライナに大量の武器を提供することで、長期戦をあおる行動に出ています。しかしながら、どこからどこまでが「プーチンのレッドライン」かを把握しているのでしょうか。世界終末時計を破滅の24時に限りなく近づける危険な賭け!それをエスカレートさせているとしか思えません。 あらゆる努力・方策を尽くして「即時停戦を!」という伊勢崎の主張に賛同します。(ロシア領内へのミサイル攻撃がなされたとする映像がウクライナmediaで公開されました。いよいよ私の危惧した状況が進みつつあります。ロシア本土のへの攻撃がこのままエスカレートすれば、「核ミサイル使用などこけおどしだ」という話で済まなくなるのでは・・・:16日付記)註『男子国民は片っ端から動けるやつから軍隊に招集します』ということをやって、軍隊の規模を今の2倍、3倍にする。でなければ、核兵器を使って暴力の烈度を一気に上げるか。このいずれか、あるいはその両方の合わせ技が今後考えられると思いますし、その2つが両方とも排除されない可能性もあると思う」にほんブログ村 ← よろしければ一押しお願いします教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。)「しょう」のブログ(2) もよろしくお願いします。生活指導の歩みと吉田和子に学ぶ、『綴方教師の誕生』から・・・ (生活指導と学校の力 、教育をつくりかえる道すじ 教育評価1 など)
2022.05.15
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本日は憲法記念日。ロシアによるウクライナ侵攻を機に、憲法9条改正の動きが勢いづいています。 「1945年への道」で新たに公開されている動画、しっかりとした事実確認にもとづいて簡潔・明解にまとめられたものです。是非、ご視聴ください。にほんブログ村 ← よろしければ一押しお願いします教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。)「しょう」のブログ(2) もよろしくお願いします。生活指導の歩みと吉田和子に学ぶ、『綴方教師の誕生』から・・・ (生活指導と学校の力 、教育をつくりかえる道すじ 教育評価1 など)
2022.05.03
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ウクライナで政府による圧迫に抗しつつ活動している平和運動家ユリイ・シェリアジェンコの発言を紹介します。(やや時機を逸した感はありますが、基本的な立場・見解を簡潔に述べたものです。) 「ウクライナにいま必要なのは包括的な和平協議をすることだ」という主張は全く当然のことではないでしょうか。 我々にいま必要なのはさらなる武器でもなく、さらなる制裁でもなく、ロシアと中国に対するさらなる憎悪によって紛争を激化させることでもありません。包括的な和平協議をすることです。アメリカはこの紛争に関わりのない当事者ではありません。逆に、この紛争はウクライナを超えるものです。この紛争には二つの側面があります。西と東の対立。そしてロシアとウクライナの対立です。NATOの拡大が先にあって、そのあと2014年にキーウでウクライナ民族主義者らによる暴力的な権力奪取-そのスポンサーが西側-※そして同じ年にロシア民族主義者らとロシア軍によるクリミアとドンバスにおける暴力的な権力奪取が起きました。〔※「親ロ派」のヤヌーコヴィチ大統領を追放した革命。なお2015年1月31日、オバマ大統領(当時)はCNNのインタビューに答えて米国がこの政権転覆のためのクーデターに関与したことを認めている。欧米や日本のmediaでは「親ロ派=ロシアの傀儡」のように描かれるが、実際はNATOにもロシアを中心とする軍事同盟にも加盟しない「中立政策」(フィンランドやスウェーデンと同じ)をとっていた。:引用者註〕ですから、もちろん2014年から、政府と分離独立派の暴力的な紛争が始まっていたのです。そしてそのあと、大きな戦闘があって、和平が結ばれて、しかしこのミンスク合意は双方が遵守せず、OSCE(欧州安全保障協力機構)の客観的な報告書でも双方に停戦合意違反が報告されています。そしてそれらの停戦合意違反が激しくなったあと、ロシアの侵略-ウクライナへのこの違法な侵略が起きたのです。問題は、このときの平和的な解決策-国連安保理も承認した国際的なものですが、それが守られなかったというところにあります。ですから今、バイデン、ゼレンスキー、プーチン、習近平が交渉のテーブルに着いてこの世界をいかにしてより良いものにするか、覇権を排除し、調和を確立するかということを論じ合うというのではなく、アメリカからロシアへの脅迫、アメリカから中国への脅迫という政策がなされ、さらには、戦争を求めるウクライナ市民社会から飛行禁止空域を設置せよといった要求がなされているの(が問題)です。ところで、いまウクライナにはロシア人に対する物凄い憎悪があります。そしてこの憎悪が世界中に広がっていって、それは戦争をやりたがる人たちだけにだけでなく、ロシア人にも向けられています。しかしロシア人にもこの戦争に反対している人は少なくありません。そして私が感謝したいのは-非暴力的なやり方で戦争に反対し、戦争したがることに反対する全ての勇気ある人々に、そして、ウクライナのケルソンの町でロシア軍の占領に抗議した人たちに、私は感謝しています。そして軍は、侵略してきたロシア軍は彼らに発砲しました。残念なことです。(中略) ここで「ロシア良心的兵役拒否運動」の声明をEBCO(欧州良心的兵役拒否協会)年次報告書から引用したいと思います。「ウクライナでいま起きているのはロシアが口火を切った戦争である。良心的兵役拒否運動はロシア軍の侵略を非難し、ロシアに戦争を止めるよう求める。良心的兵役拒否運動はロシア軍兵士に対し敵対行為に加わらないよう求める。戦争犯罪人にならないこと。良心的兵役拒否運動はすべての召集兵に対し兵役を拒否するよう呼びかけるものである。その替わりとなる社会奉活動を申請すること、あるいは医学的な根拠に基づき兵役免除の道をさぐること。」そしてもちろん、ウクライナの平和運動はウクライナの軍事的な対応を非難し、交渉の停滞を非難するものです。交渉が停滞しているのは軍事的な解決を求めた結果であると私たちは考えます。紛争の激化は軍需産業の求めに応じるものです。私たちはアメリカの国防長官ロイド・オースティンがレイセオン社とつながることを知っています。※彼は以前、この会社の重役でした。そしてレイセオンの株がニューヨーク証券取引所で6%上昇していることを私たちは知っています。彼らはウクライナにスティンガー・ミサイルを提供しています。ジャヴェリン・ミサイルの製造元(レイセオンとロッキード・マーチンの合弁)は38%の上昇です。そしてもちろんロッキード・マーチンです。F35型戦闘機を提供しています。株価は14%の上昇。〔※停戦交渉の仲介に入ったトルコ(NATO加盟国)の外相はNATOのいくつかの加盟国がウクライナ戦争の継続を望んでいると証言している。:引用者註〕 彼らは戦争で儲けます。そして戦争をやりたがります。そして流血から、破壊から、もっと儲けを得たいと思っています。そして核兵器まではなんとか拡大しないでほしいと。人々は政府に対し戦争をする代わりに交渉をしろと要求すべきです。今、戦争を求める動きに反対する行動がアメリカとヨーロッパでいろいろ起きようとしています。デモクラシー・ナウ!のインタビュー動画:https://www.democracynow.org/.../yurii_sheliazhenko... ユリイ・シェリアジェンコは、これまで平和運動家、兵役拒否者、「徴兵に批判的なジャーナリスト」に対してウクライナ政府が行ってきた弾圧についても告発しています。 平和への結集第2ブログ: ウクライナのすさまじい軍国主義と反戦運動弾圧:ウクライナの政治家・左翼数百人が誘拐・拘束され行方不明か (seesaa.net)にほんブログ村教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。)「しょう」のブログ(2) もよろしくお願いします。生活指導の歩みと吉田和子に学ぶ、『綴方教師の誕生』から・・・ (生活指導と学校の力 、教育をつくりかえる道すじ 教育評価1 など)
2022.05.01
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4月23日の報道特集「ロシアによるプロパガンダの検証」に対して意見を述べました。(述べた意見に多少の加筆をしています。) 以下の1と2は、批判だけでなく期待を込めて送信したのですが、別の人の指摘をうけて確認したところ、重大な問題があると判断し、猛省を促す意見を述べました。(それが3) 私の基本的な考えは2で述べたとおりですが、それを実現していくためにもしっかりした検証が必要で、「アゾフ連隊のプロパガンダを後押しする共犯行為」をmediaが続けているようでは話にならない、と考えるものです。 1,住民虐殺があったということについては、二週間前の特集でも明らかにされていましたが、「全くフェイクだ」としてロシア大使が示した根拠が破綻していたということはよくわかりました。(先週の特集もよかったです。)ただ、この間の流れで気になるのは、トルコの仲介で停戦交渉が大きく前進した矢先にバイデン大統領が戦車の提供を言明、「ブチャの虐殺等」を(「第三者による検証」というロシアの主張を米英が却下した上で)大規模な武器援助に突き進む契機として「利用した」かに見える点です。特集されていたように、民間人の殺戮があったことは明らかであるにしても、本当に何百もの死体を路上に放置したままロシア軍は引き上げたのでしょうか? NBCニュースの報道‐「米国政府が現在のところ公式には、ブチャの虐殺をロシアのジェノサイドとは認めていない」(4月16日の記事)のはご存知ですか。 ロシア軍撤退直後に、解放を喜ぶ市長が全く虐殺に言及していないことも、腑に落ちない点です。また、多くの軍事衛星を飛ばしている米国防総省こそが、路上の死体を放置したのがロシア軍であるかどうか証明できるはずなのに、いまだにそれをしていないのはなぜでしょうか。すべて捏造というロシア大使の主張が破綻していることは明らかにされていますが、ロシア軍撤退直後に国家警察の部隊や極右部隊による「協力者狩りの殺害」が遂行された可能性は本当にないのか、国内での両組織の振る舞いについての検証を期待しています。 2,アゾフ連隊の性格に関する検証については、残念ながら不十分です。当事者や住民の証言に意味はないとは言えないでしょうが、国連難民高等弁務官事務所の報告や、amnestyの報告だけでも極右部隊であるアゾフ連隊が様々な残虐行為にかかわっていたことは明らかでしょう。動画(24分40秒あたりから)で確認できます。もちろん、仮に東部二州でアゾフをはじめとする右翼部隊による住民虐殺があったとしても、ロシアによるウクライナ侵略は断じて正当化できません。しかしながら、大切なことは停戦(さらには終戦)を実現し、その後も殺戮などが起こらない安定した社会に戻していくことであり、そのためには、2014年以降に東部で起こった事実の検証と、問題解決に向けた話し合いを国際的に後押ししていくことが必要でしょう。戦争の事実を検証・報道することの大切さは金平さんが言われる通りですが、2014年以降、西側があまり目を向けようとしてこなかったドンバスの実態の検証も必要であると考えます。いったい何が起こっていたのか、フランスのジャーナリストが取材・制作したdocument(「ドンバス」)はぜひ視聴したうえで、引き続き事実の検証がなされることを期待しています。3,23日の特集について、別の人による指摘を受け、愕然としました。 確認すると、流れている映像では、アゾフ連隊旗、隊員の腕のワッペン、アゾフ連隊基地入り口に掲げられた連隊のマークの、ネオナチの象徴である「ヴォルフスアンゲル」にぼかしが入れられています。インタビューを受けるアゾフ連隊ジョリン司令官の背後には、「ヴォルフスアンゲル」のはっきり描かれた連隊旗が掲げられていますが、金平キャスターが連隊旗に使われているマークの意味(ナチスの親衛隊の紋章)について一切触れなかったのはなぜですか。 しかも、同キャスターは「アゾフ連隊は極右団体だったというような情報は、フェイクニュースだっていうふうに思っているんですね?」 ジョリン司令官「もちろん、ロシアの真っ赤な嘘です・・・」という形で「アゾフが極右というのはフェイクニュース」と言わせるために、誘導する質問をしています。そもそも編集に際してナチスのシンボルにぼかしを入れたのは誰のどのような判断によるものですか。意図的にしているとすれば、「ロシアによるプロパガンダの検証」ではなくアゾフのプロパガンダの「共犯」行為と言わざるを得ません。「真実を伝える」というキャスターの言葉を空文化する重大な問題ではないでしょうか。これまで評価・期待してきた報道特集ですが、この件に対しては猛省を促すものです。〔1に関する付記:特集を見て素直にロシア大使の主張の破綻を納得していたのですが、そうとも言えないようです。大使のいう虐殺現場は衛星画像により遺体があったことはニューヨークタイムズが報道。3月19日の衛星画像として伝えた。この検証が一切なされていない、ということです。〕にほんブログ村教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。)「しょう」のブログ(2) もよろしくお願いします。生活指導の歩みと吉田和子に学ぶ、『綴方教師の誕生』から・・・ (生活指導と学校の力 、教育をつくりかえる道すじ 教育評価1 など)
2022.04.26
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上記の動画は欧州議会におけるクレア・デイリーさん(アイルランド)のスピーチです。ウクライナ戦争に対する「西側」の対応に見られる大きな問題点・その本質をついた勇気ある発言で、実に素晴らしいと感じましたが、いかがでしょうか。にほんブログ村教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。)「しょう」のブログ(2) もよろしくお願いします。生活指導の歩みと吉田和子に学ぶ、『綴方教師の誕生』から・・・ (生活指導と学校の力 、教育をつくりかえる道すじ 教育評価1 など)
2022.04.23
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鮫島浩が共産党志位委員長の発言を受けて、共産党は「自衛戦争」に国民を総動員するのか? という記事を公開しています。 「ロシアという悪魔に打撃を与えよう」、「武器援助・経済制裁でウクライナを支援しよう」という名分のもと、多くの人命の犠牲をいとわず長期戦をあおる「欧米および日本のmedia」の中で、勇気ある発信をし続けている数少ない論者の一人(伊勢崎賢治もそうですが)だと考えています。 「志位委員長への批判」もさることながら、「今世紀の戦争とその大義」に対する見解も非常に説得力のあるものでした。「集団的自衛権が繰り返し悪用され、多くの殺戮の口実になってきた事実」に向き合うことが必要でしょう。とりわけ、「核兵器の共有」「敵基地攻撃能力」「防衛費2%以上への増額」などが声高に叫ばれる中においては。 日本海側に多くの原発を並べている日本の脆弱さ(ミサイルどころかレーダーにかからないドローンでも原発の爆発は引き起こせる)を考えても、何より大切なのは「戦争を未然に防ぐ努力」であることは、いくら強調してもしすぎることはないと考えます。 なお、志位委員長の意図が「防衛戦争に向けて国民を総動員すること」ではないと私は考えるのですが、ゼレンスキー演説に対する「スタンディングオベーション」に加わったことは残念な事実です。 〔以下、鮫島の記事を抜粋・紹介〕1,ロシアのウクライナ侵攻を受けて、共産党の志位和夫委員長が日本国憲法9条に関連し「無抵抗主義ではなく、個別的自衛権は存在している。万が一、急迫不正の主権侵害が起こった場合には、自衛隊を含めてあらゆる手段を行使して、国民の命と日本の主権を守りぬくのが党の立場だ」と述べた(NHK参照)。2,祖国防衛のために「あらゆる手段を行使」することを是認する志位氏の立場からすると、祖国を守るという大義を掲げてロシアの侵攻に対抗し、国民総動員令を発令して成年男子の出国を禁じて「戦いたくない自由」を剥奪し、国内の民間人や海外からの義勇兵ら(白人至上主義を掲げる過激な極右武装勢力を含む)に武器を渡して戦闘に動員し、ウクライナの民衆の命を犠牲にしながら徹底抗戦を続けているゼレンスキー大統領は、まさに「正義の人」であり、スタンディングオベーションで称賛すべき政治指導者なのであろう。 3,私は権力者が掲げる「正義」の実現や「祖国」の防衛のために、自分の命を落としたくはないし、武器を持って他人の命を奪いたくもない。権力者が掲げる「正義」や「祖国」のために、多くの民衆が戦争に巻き込まれて犠牲になることも容認できない。 そして、国家権力が「正義」や「祖国」を掲げて戦争を遂行し国民の命を犠牲にすることを防ぐために権力者の手足を縛っているのが日本国憲法9条だと私は思っている。国家が自衛権を持つことと、国民を自衛戦争に総動員することは別である。日本国憲法が国家による自衛権の発動を禁じていないとしても、それは必要最小限の範囲にとどまり、徴兵制などで国民に戦闘を強要することなど「あらゆる手段を行使」することまで容認しているとは私には思えない。志位氏にとっての憲法9条はそのようなものではなかったようだ。もし、私の認識が違っているとしたら、少なくとも「あらゆる手段を行使」の部分は発言を撤回し、徴兵制などで国民に戦闘を強要することは絶対にないと宣言すべきである。 4,「自衛戦争」についての考察。 人類の歩みは戦争の歴史でもある。・・・過去に奪われた領土を取り戻すため、独裁者の圧政から民衆を解き放つため、敵国の先制攻撃に報復するため、他国への侵略を許さないため…人類はさまざまな「正義」(大義)を掲げて戦争を遂行してきた。その結果は悲惨だった。報復は報復を呼び、戦闘はエスカレートし、殺戮が繰り返され、国土は焦土と化し、憎悪が世代を超えて蓄積され、何も良いことはなかったのである。人類は反省した。そこで「戦争=悪」と定義し、国際法によって原則禁止としたのである。そのうえで、やむをえず戦争をする場合の厳格なルールを定めたのだった。そのルールは、国連安全保障理事会の承認(決議)を得ることである。・・・(国連が主導する安全保障体制を「集団安全保障」という)。国連は、第二次世界大戦の戦勝国である米国、英国、フランス、ロシア、中国の5大国に「拒否権」を付与・・・これは5大国が軍事的に対立して第三次世界大戦に発展することを防ぐ目的がある半面、5大国の利害が一致しない限り国連安保理は機能しないことになった。これではある国家が「違法な戦争」を仕掛けた場合、5大国のうち1カ国でも反対すれば「違法な戦争」に対抗することができない。一方的に侵略された国はただ降伏するしかないことになる。国際法はこのような不条理を解消するため、国連による集団安全保障が機能するまでの間、国家が自らを守るために応戦する「個別的自衛権」と、同盟国が攻撃された時に他の同盟国が応戦する「集団的自衛権」を、必要かつ相当な限度で行使する「自衛戦争」を例外的に認めた。現代世界において国際法に違反しない戦争は、①国連決議を踏まえた集団安全保障に基づく戦争、②個別的自衛権を行使した戦争、③集団的自衛権を行使した戦争ーーの3つ。 Q では、今世紀の大きな戦争はどうだったか。まずは2001年のアフガニスタン戦争。米国は・・・反米テロ組織アルカイダによる同時多発テロを受け、アフガニスタンのタリバン政権がアルカイダを庇護していると主張して「テロとの戦い」を宣言。自国の「個別的自衛権」の行使にあわせ、英国やフランスなどの同盟国とともに「集団的自衛権」の行使を法的根拠としてアフガニスタンへの攻撃を開始した。「私的集団によるテロに反撃するため、国家が自衛権を発動して戦争を遂行することは、必要かつ相当な反撃を超える自衛権の濫用ではないか」という重大な国際法上の疑念が指摘されたが、米国は戦争を続行。数えきれないほどの民間人が戦争に巻き込まれて犠牲になったうえ、アフガン国内は海外からの義勇兵や武器が溢れ返り、諸勢力による内戦が延々と続き、国土は荒れ果てたのだ。開戦から20年たった昨年、米軍は混乱のつづくアフガンを見捨てて撤退したのは記憶に新しいところである(何と身勝手な国家であることか!)。次に、米国を中心とする多国籍軍がイラクを攻撃した2003年のイラク戦争。米国は・・・国際法上根拠が乏しい「先制的自衛権」の行使を法的根拠にあげたが、開戦当初から世界中で国際法に反しているのではないかという疑問が噴出した。結局、多国籍軍圧勝でフセイン政権が倒れた後も大量破壊兵器は発見されず、米国が掲げた「戦争の大義」への疑念はますます膨れ上がった。イラクでは大量の民間人が犠牲となったうえ、内戦が延々と続いて泥沼化し国土は焦土と化したのだが、米国の「戦争責任」は今もあいまいなままだ。米国が遂行した二つの戦争で、米国が当初掲げた「正義」に熱狂した人々は少なくない。それらの「正義」は欧米メディアのプロパガンダで世界中に拡散した。しかし、現在から見ると、どちらの戦争の「正義」も極めていかがわしいものになった。 人間が信じる「正義」など、所詮はその程度のものなのだ。「正義を掲げた戦争」ほど怪しいものはない。その「正義」に基づく戦争に巻き込まれて犠牲になった人々の命は戻ってこない。国連や国際法は・・・米国の「力の横暴」を食い止めることができなかったのである。常に「強い者ばかりが得をする」かたちでルールが歪められてきたのが、国際政治の理不尽な現実だ。 Q今回のロシアのウクライナ侵攻はどうか。 ウクライナは2014年の騒乱(米国が水面下で介入した疑いが濃厚)で親露政権が倒れ、親米政権が誕生した後、ロシア系住民の多い東部ドンバス地域で内戦が続いた。ウクライナ政府は米国から軍事支援を受けながら、白人至上主義を掲げる極右武装勢力(ネオナチ)に武器を与え、ドンバスでの内戦を遂行。この極右武装勢力によるロシア系住民への虐殺などの蛮行に対し、NGOや欧米メディアは繰り返し警鐘を鳴らしてきたのである。こうした中、ドンバス地域の二つの共和国は独立を宣言。ロシアは二つの共和国の独立を承認したうえで、ウクライナ政府の武力行使から両国を守るという「集団的自衛権」の行使を法的根拠としてウクライナへの軍事侵攻に踏み切ったのである。 問題はロシア軍の侵攻が集団的自衛権の行使の条件となる「必要かつ相当な限度」といえるのかどうかである。限度を超えるのなら「集団的自衛権の濫用」として国際法違反となる。私は、①ロシアが二つの共和国の独立を承認してただちにウクライナに侵攻したこと、②ロシアは国連常任理事国として国際秩序を率先して遵守する立場にあることーーにかんがみ、今回のウクライナ侵攻は「集団的自衛権の濫用」にあたる可能性が高く、少なくとも政治的には暴挙だと判断している。しかし、・・・国際法の解釈を十分に検討しない限り、「国際法違反」と断定するのは簡単ではないとも思う。まして過去に米国がアフガンとイラクで仕掛けた戦争と比べて、今回のロシアの侵攻が突出して国際法違反にあたるとは思えない・・・。米国が過去の戦争責任を放置してロシアを一方的に批判するのは説得力に欠ける。これが欧米を除く世界の大多数の国に「ロシア制裁」への支持が広がらないゆえんであろう。もちろん、国際法上の論争に決着がつくまで戦争状態を放置するわけにはいかず、戦争に巻き込まれるウクライナの人々の命を守るため、政治的にただちに対応することが必要なのは事実だ。だがそれは「ロシア=悪」「ウクライナ=正義」という善悪二元論に基づいてウクライナ政府に全面的に加担することではなく、「戦争=悪」「戦争は原則禁止」という国際法の大原則にのっとり、戦争当事国の双方に即時停戦を迫る外交努力を重ねることを優先すべきであろう。軍事侵攻してきた他国に「自衛戦争」で応じれば、国際法上は戦争当事者となる。民間人を自衛戦争に動員すれば、戦闘員とみなされる。民間人が武器を持って応戦していたら、命を失っても「民間人虐殺」とは言えない。だからこそ、民間人を戦闘に駆り出してはいけないのだ。・・・法的論争はさておき、即時停戦に全力をあげる国際政治・外交努力が何よりも優先されるべきなのだ。いま、即時停戦に最も後ろ向きなのは米国のバイデン政権であろう。バイデンはウクライナの人々の命を守る即時停戦よりも、ウクライナの人々に武器を渡して盾とし、戦争を長引かせてロシアへの経済制裁を強化することで、プーチン体制を転覆させることを優先しているようにみえる。国民を総動員して戦争を続行するゼレンスキー政権は米国の国益に利用されている。それがウクライナの「自衛戦争」の実態であろう。にほんブログ村教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。)「しょう」のブログ(2) もよろしくお願いします。生活指導の歩みと吉田和子に学ぶ、『綴方教師の誕生』から・・・ (生活指導と学校の力 、教育をつくりかえる道すじ 教育評価1 など)
2022.04.17
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報道特集による「ブチャの住民虐殺」に関しても意見を送りました。(以下の内容だけでは誤解されるかもしれませんので、先行する複数の拙ブログ記事も併せてご一読されることを希望します。) 〔出した意見(二回に分けたものに少し加筆)〕 力の入った特集だったと思います。ウクライナ北部での虐殺は、ロシア軍による侵略なしにはあり得ないことで到底許されることではありません。番組では、戦闘員と民間人を区別しようという「良心的な」ロシア兵だけではなく、「大統領による総動員令」が出されている中「区別なんかしていられるか」とばかり民間人の虐殺に及んだロシア部隊も存在したことがうかがえます。明らかに、民間人の殺害はあったと考えられますが、それにしてもロシア大使と金平さんとはなぜあれほど話がかみ合わなかったのでしょうか。 大使は、「撤退後、道端に転がっていた死体がロシア兵の虐殺によるものだ」という報道には根拠をもって反論できると考えているからでしょう。大使が示した「証拠」はロシア軍撤退の時点で、道端に死体など存在しないという映像です。もちろんそれでもって「ロシア軍による虐殺」が捏造だったなどとは言えません。が、ロシアとウクライナの両方から独立した中立な第三者組織の現地調査を、というロシアの申し入れを英米が却下したことについてどう考えるべきでしょうか。 「世に倦む日々」のwriterも指摘するようにロシア軍が侵攻してきた時、住民には (1)村を脱出して南へ逃げる、(2)村に残って占領軍に抵抗する、(3)村に残って占領軍の協力者となる、という3つの選択肢があったわけですが、実際には (3)を選んだ人もいたと考えられます。私は、民間人殺戮の主体はロシア軍だけでなく、ロシア軍撤退直後に国家警察の部隊や極右部隊による「協力者狩りの殺害」が遂行された可能性は否定できないと考えます。遺体の多くには白い腕章(ロシア軍が、非戦闘員である場合は白い腕章をつけるよう住民に指示)がついていたといわれるからです。https://www.rt.com/russia/553274-bucha-war-crimes-allegations/ 仮にそうであれば、少なくともロシア軍撤退後の殺戮について住民が本当のことを証言すれば身に危険が及ぶでしょう。路上に放置された数百の遺体と証言だけではロシア軍による虐殺の結果だという確定的証拠とは言えないのです。田中宇の以下の文章、その主張は全面的に肯定できませんが、考えるべき問題を提起していると考えます。「ロシア側の発表は100%ウソと決めつけるのではなく、事実の検証を進める必要性を感じさせます。 https://tanakanews.com/220408bucha.htm〔ちなみに、米の複数の情報機関、「ウクライナでの露によるジェノサイドは確認できず」 - Pars Todayという新たな報道もあります。〔4月18日付記〕。米国は「悪魔のようなロシア兵による虐殺事件」を強調しながら数年の戦争は覚悟すべきだといっています。しかし、長期戦をあおる宣伝、今後も武器を大量に送ってウクライナを応援するなどという宣伝に加担すべきではありません。(このような犠牲者を何年も出し続けろというのでしょうか!)大切なのは、東部で続いている「内戦」の解決(ミンスク合意の履行等)も含めた「話し合い」を成立させ、一刻も早く停戦を実現することだと考えます。〔ともすれば、「ゼレンスキー=正義」という図式にされがちですが、国民総動員令による「非戦の権利の圧殺」は言うに及ばず、野党の活動停止も含めて問題ありすぎです。また、マリウポリで武器を持たず「降伏手順書」を手にした上官が後ろから射殺された遺体の映像がnet上に公開されています。アゾフ連隊であればやりかねないと考えますが、そもそもゼレンスキーはマリウポリの兵士が白旗を掲げるという基本的人権を認めていないのです。:4月22日付記。〕〔公開されていた遺体の動画はなぜか削除されたようなので、そのscreen shotを一枚。〕にほんブログ村教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。)「しょう」のブログ(2) もよろしくお願いします。生活指導の歩みと吉田和子に学ぶ、『綴方教師の誕生』から・・・ (生活指導と学校の力 、教育をつくりかえる道すじ 教育評価1 など)
2022.04.10
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最近の「サンデーモーニング」と「報道特集」について、以下のような意見を出しました。よろしければ、ご一読ください。〔サンデーモーニングについて〕 前回(3月27日)も今回(4月3日)も、戦争をまるでゲームのように報じ「スポーツのように応援」しているかに見える場面があって不愉快でした。ウクライナは、対戦車砲でロシア軍を苦戦させ、一般市民もドローンを駆使して軍に情報を提供し「善戦」している。ウクライナ頑張れ!という報じ方です。 ゲームではないのです。日々おびただしい数の犠牲者を出しており、一日でも一時間でも早い停戦こそ求められているにもかかわらず、その視点が薄いのではないですか。 欧米諸国は仲介の努力をするどころか大量の武器を提供し、長期戦もいとわず勇敢に戦い続けることをあおっているように見えます。米国の軍需産業は大儲け。欧州はウクライナを「多数の犠牲を出しながらもロシアに大きな損害を与える盾」にしているように見えます。(「出血持久戦」を強いられ、事実上「捨て石」にされたあの沖縄戦を思わせるものがある。)それに対する批判的な視点はないのです? 長期戦をあおる欧米に加担するのではなく、停める視点をもっと重視すべきと考えます。〔報道特集について〕 「ロシアによるプロパガンダ特集」にからみ、金平さんは同時に「足元を見つめる」べきことを強調されました。賛成ですが、とりわけ戦争中は双方がプロパガンダ合戦をしているという視点こそが大切で、特集自体が欧米のプロパガンダに加担している可能性について、もっと敏感になるべきと考えます。 欧米諸国は仲介の努力をするどころか大量の武器を提供し、ロシアを悪魔化することで、長期戦を勇敢に戦い続けることをあおっているように見えるのです。例えば、特集でも取り上げられた情報-1、「マリウポリでロシア軍は学校や劇場も含めて無差別に非人道的な攻撃をしている」という発表と、2、「ウクライナ軍(アゾフ連隊‐マリウポリを拠点とする極右連隊)は、攻撃されにくい建造物として学校や劇場を戦いの拠点としつつ、住民を人間の盾にしている」というロシアの主張について客観的に言えることは「双方の発表が食い違っている」ということだけです。 どちらが事実であるか十分検証することなく、ロシアの発表の方が捏造だと頭から決めつけていませんか?東部の紛争においてアゾフ連隊は住民を人間の盾にした「前科」があるともいわれます。顔も見たくない山口敬之ですが、以下の論考は考慮すべき点を含んでいると考えるのです。https://web-willmagazine.com/international/0ZN90〔追記〕 「ご意見」には入れていませんが、ブチャの事件について、元外交官の浅井基文は次のように述べています。ぜひご一読ください。 https://www.ne.jp/asahi/nd4m-asi/jiwen/thoughts/2022/1450.html「世に倦む日々」のつぶやきも参考になります。にほんブログ村教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。)「しょう」のブログ(2) もよろしくお願いします。生活指導の歩みと吉田和子に学ぶ、『綴方教師の誕生』から・・・ (生活指導と学校の力 、教育をつくりかえる道すじ 教育評価1 など)
2022.04.06
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不定例記者会見で山本が述べた見解をわたしなりにまとめてみました。この政党の主張、中には同意できないものもありますが、「ウクライナ侵略」の問題解決の基本的な考え方については賛成します。 1、ウクライナへの軍事侵略・侵攻の責任は圧倒的にロシアにある。最も強い言葉で非難しなければならない。2、しかし、日々多くの犠牲者が出ていることを考えると、一刻も早い停戦、戦闘の終結を目指す必要がある。Q 経済制裁やウクライナへの武器援助(米国等による)でロシアを追い詰めていけばいいのではないか?A そもそも、長期戦を後押しするのかという問題がある。武器援助や経済制裁は、短期での解決につながらない。米国の側からみて経済制裁が一応「紛争終結」につながった例は、全体の36%。仮に当初の目的は達成しても、長期的な安定にはつながっていない。また、一応紛争が停止した場合を見ても相当な時間(多くの場合10年以上)かかっている。 このように、経済制裁は、戦争の早期終結をむしろ妨げる。のみならず、制裁によって苦しむのは戦争を始めた責任者というよりも、庶民(ロシア国内で反戦運動をしている人も含め)である。しかも、穀物の輸出国・資源energy大国であるロシアへの経済制裁の悪影響は、制裁する側の「最も困窮している人々」を直撃する。何年もデフレが続き、加えてコロナの打撃を受け、それに対する手当も十分行われていない日本で本当に経済制裁を続けていくべきなのか、も含め考えていく必要がある。3、一刻でも早く停戦を実現するためには、まず双方がテーブルについて話し合うことが必要で、本来日本はその仲介をすべきだ。もちろん圧倒的な責任はロシアにあるが、停戦を実現するためには、「ロシアの側からどのような光景が見えているのか」ということも踏まえて話し合う必要がある。4,そこで、ロシア(プーチン)の主張=「東部のロシア系住民がウクライナ政府内のネオナチ勢力によって迫害、拷問、殺害(虐殺)等の被害を受けている」は、何らかの事実が含まれているのか、なぜそのようなことを主張しているのかを調べてみた。5、その結果、2014年以降(「親ロ政権」崩壊後)における多くの人権侵害の実態が、欧州安全協力機構(OSCE)、国連難民高等弁務官事務所などの公的機関、amnestyなどの人権NGO、西側の報道機関であるイギリスのガーディガン紙などによって、報告・報道されていることがわかった。内容は、ウクライナ国内(含、政府内)における民族主義的極右団体(ネオナチと呼ばれる)の実態、そのような勢力によるロシア系住民の監禁・拷問・殺害などの実態である。6、大切なことは、一刻も早い停戦に向けて、双方の話し合いを成立させ、多くの人々の命を守ることである。〔要約は以上〕 なお、ジャーナリストの鮫島浩も山本太郎の会見で気づいたことをまとめています。 ウクライナ侵略停止はもちろん、東部二州の問題も早急に解決すべき課題だと私も考えています。関連してフランス人ジャーナリストの取材・作成したdocument(53分の映画)を紹介します。現地の人々だけでなく、ウクライナ兵へのインタビューも含まれた映画です。にほんブログ村教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。)「しょう」のブログ(2) もよろしくお願いします。生活指導の歩みと吉田和子に学ぶ、『綴方教師の誕生』から・・・ (生活指導と学校の力 、教育をつくりかえる道すじ 教育評価1 など)
2022.04.02
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本日、以下のような「ご意見」を「日本で最も歴史の長い党」に届けました。(前略) このたびの「ロシアによるウクライナ侵略」に関する貴党の姿勢は「欧米発」の情報を十分検証したうえでのことだろうか、と疑問を感じています。赤旗の社説を一部引用しながら意見を述べたいと思います。 「プーチン政権が戦争批判を厳罰で禁止したことはいかに世論に追い詰められているかを示しています。侵略反対の声で世界を覆うことが戦争を止める最大の力です。(3月9日赤旗社説)」について。 主張/ロシアの言論弾圧/侵略の事実隠蔽は許されない (jcp.or.jp)1、「世論の力」だけで止めようとするのではなく、即時停戦に向けて「具体的な仲介」を進めることが急務。 「憲法第9条」を掲げる日本の役割は、「戦争当事者」に国会でアジ演説させることではなく、政府・国会ともにロシア-ウクライナに停戦交渉を呼びかけ、徹底的に尽力することです。トルコ、中国、さらにはイスラエルなどが、その停戦交渉(平和交渉)にあたり始めているというのに、情けない事態です。その停戦交渉の仲介に名乗り出ている国(例えば、トルコ)が国会でゼレンスキーに演説をさせますか? 平和主義を掲げる政党・国会議員の皆さんは停戦交渉に向けて行動すべきです。〔以上、1に関しては、小西誠の主張をほぼ引用。〕2、停戦に向けての交渉仲介を成功させるためには、聴きたくない・理解したくない相手であっても、その話を聴かなければならない。 ロシアのいかなる主張(例えばNATO拡大阻止)も、軍事侵攻・侵略を正当化することはできません。しかし、ロシアの主張を頭から捏造と決めつける姿勢は、問題解決を遠ざけるものです。例えば、「ウクライナの政権指導者をネオナチと中傷し非ナチ化を要求するのも、デマ宣伝の上に政権転覆を狙っているからです。(上記赤旗社説)」とありますが、それは本当でしょうか。十分事実確認・検証された見解ですか?2016年8月、ウクライナの首都キエフに、OUN-UPA(ウクライナ民族主義者組織-ウクライナ蜂起軍)の指導者の名を冠したステパン・バンデラ通りが誕生しました。しかしながらポーランドは、大戦期におけるバンデラの組織の行為を「ポーランド人に対する虐殺」認定し、不快感を露わにしています。https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/47668第二次大戦中、ウクライナの領土内におけるポーランド人とユダヤ人の虐殺が民族主義者組織(OUN)を中心とする「軍事グループ」によって行われたこと、そして、この民族運動の指導者がステパン・バンデラだったこと、そして、現在(2014年以降)ウクライナ政府によって「ステパン・バンデラ」は民族独立の英雄とされているという事実があります。また、キャノングローバル戦略研究所の小手川大助も「クリミア併合」に関わって、2014年以降のウクライナ議会・政府の状況、および「ネオナチ」の現在の政権との関係について次のようにまとめています。https://cigs.canon/article/20140513_2563.html「ネオナチの政権からの排除」は停戦交渉の具体的な対象としてあがっており(トルコの仲介を受けたウクライナ政府も検討しつつあり)、この件は荒唐無稽の捏造というものではないのです。ゼレンスキー自身「ネオナチ」に属していませんが、2014年のクーデタ以降、ウクライナ政府は「ネオナチ」の影響を無視できない状況(政府内に入れざるを得ない状況)があり、多数の犠牲者を出した東部への(政府軍による)軍事攻撃の背景にもそのような現実があります。3、ウクライナ政府のやり方(問題あり!)を支持することと、同国民への支援は分けて考えるべき。 国際法では戦闘員と民間人を区別し、無差別虐殺を禁止しています。だからこそ、民間人を多数殺害しているロシアは当然強く非難されるべきなのですが、ゼレンスキー政権は軍事行動開始と同時に「火炎瓶のつくり方を教示し、武器を配布する」など一般市民に対してロシア軍に立ち向かうことを推奨、それだけでなく国民総動員令によって成年男性の国外脱出を禁止することで、「非戦の権利」を事実上奪っています。伊勢崎賢治もいうとおり、一般市民に対して政府が呼びかけるとすれば「非暴力抵抗」であり、「すべての民間人を戦闘員にすること」ではないはずです。〔『「みんなトラウマになる」「この臆病者を見ろ」「どこの国境でも人種差別」…ウクライナ難民ルポ』〕 出国しようとしたウクライナの男性が「非国民」としてウクライナ兵に「連行」されている事態、これはまさに、戦時中共産党員が受けた弾圧・人権侵害と類似したものではありませんか? 「防衛戦争」ではあるとはいえ、事実上全国民に戦闘を強制することは許されないと考えます。以下の、鮫島浩の主張に賛同するものです。https://samejimahiroshi.com/politics-riken-20220321/https://samejimahiroshi.com/politics-russia-20220322/※「ご意見」には入れませんでしたが、国際民主法律家協会の声明 rinkを張り付けておきます。ぜひ、ご一読ください。にほんブログ村教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。)「しょう」のブログ(2) もよろしくお願いします。生活指導の歩みと吉田和子に学ぶ、『綴方教師の誕生』から・・・ (生活指導と学校の力 、教育をつくりかえる道すじ 教育評価1 など)
2022.03.23
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ジャーナリストの鮫島浩がウクライナ問題に関する発信をしています。一部要約しながら紹介し、彼の危惧や現状の問題点に触れたいと思います。〔前半部分の紹介〕ウクライナ政府が日本に対して、ゼレンスキー大統領のオンライン国会演説の実施を要請してきた。(・・・)与野党の主要政党には前向きな声が広がっており、実現する可能性が強まっている。〔実現されることになった(3月20日現在):補〕マスコミも歓迎ムードに覆われている。でも、ちょっと待ってほしい。ゼレンスキー大統領が「ウクライナは自国の領土を守るため国民を総動員し、武器を持ってロシア軍と最後まで戦い抜きます」「日本がロシア軍と戦うウクライナ軍とウクライナ国民を全力で支援することを望みます」と演説し(・・・)、国会議員たちは満場一致の拍手で称賛したら、日本はロシアと戦争中のウクライナに加担する姿勢を世界に向かってこれまで以上に鮮明に表明することになる。これは日本列島の北に広がる核保有国・軍事大国のロシアに対する「宣戦布告」の政治的意味合いを持つ。プーチン大統領はすでに欧米や日本がロシアに対し経済制裁に踏み切ったことを「宣戦布告」とみなし、対抗措置として核兵器使用をほのめかしている。敵国認定された日本が核攻撃の対象になる可能性はゼロではない。そのとき米国は日米同盟を理由に日本を守るために全面参戦するのか? 第三次世界大戦に発展すると言って武器を送りつけてくるだけということはないのか?ゼレンスキー大統領の演説に賛意を示す国会議員たちに自力でロシアと戦争する覚悟はあるのか? 安全保障へのリアリティーを持っているのか? 本気で「参戦」するのか? これは戦争なのだ。日本はすでにウクライナ政府に対し防弾チョッキやヘルメットなど防衛装備品を支援している。米軍機に載せてウクライナに送るのである。ロシアは武器を支援するためウクライナ上空に入った欧米の輸送機への攻撃を警告している。防衛装備品の支援といえどもロシア軍との戦闘に使う以上は武器支援だ。当初はヘルメットを支援していたドイツはウクライナ側からの不満を受けてミサイル供与に踏み切った。日本の武器支援もずるずる拡大していく恐れは強い。米国の軍需産業はウクライナへの武器輸出で潤ってきた。(・・・)欧州は自らの軍隊を派遣せずウクライナを「盾」にしてロシアの西方拡大を食い止める安全保障上の利益がある。だからウクライナ政府に武器を支援してウクライナの人々を戦わせているのだ。そこへ「参戦」するメリットが、日本にどのくらいあるのだろう。単に欧米に追従してロシアを敵に回し軍事的脅威を高めるだけではないのか?日本が武器支援をふくめて一気にウクライナ政府への加担に傾いたきっかけは、ロシア軍のウクライナ侵攻を非難するとともに、「ウクライナ及びウクライナ国民と共にある」と宣言した国会決議だった。ロシア軍のウクライナ侵攻を政治的に非難するのはいい。当然である。しかし「ウクライナと共にある」というのは戦争当事国の一方のウクライナ政府に全面的に加担するという国際的宣言である。(・・・)ロシアとの戦争を遂行するウクライナ政府を支持・支援することと、戦争に巻き込まれて生命の危険にさらされているウクライナの人々に寄り添うことは、まったく別の話だ。国民総動員令を出して18歳〜60歳の男性の出国を禁止し戦争に駆り出すゼレンスキー大統領への支持・支援と、ウクライナで戦争に巻き込まれる人々(とりわけ武器を持って戦いたくないのに国民総動員令によって国外脱出の自由を奪われている人々)への支持・支援は明確に区別しなければならない。日本がウクライナ政府に届ける防弾チョッキは、愛国心に燃え武器を手にロシア軍に立ち向かうウクライナ青年だけではなく、武器を持って戦いたくないのにウクライナ政府に命じられ、「お前は戦わないのか」という戦時下の同調圧力に抗えず、泣く泣くロシア軍に向かっていくウクライナ青年にも、機関銃と共に配給される。そこへ思いが至らないのは、戦時社会に対する想像力をあまりに欠いている。(・・・)そしてこの国会決議に反対したのは、衆院3人・参院2人の新興勢力であるれいわ新選組だけだった。自民党も公明党も日本維新の会も国民民主党も立憲民主党も共産党も戦争当事者の一方に全面的に肩入れする国会決議に賛成したのである。そしてれいわ新選組は右翼からも左翼からもリベラル勢力からも「ロシアの味方をするのか」と批判が殺到しバッシングされたのだった。「ロシア軍の侵攻は断固非難する」「それでも人道支援に徹し、戦争当事者の一方に与するべきではない」との説明は黙殺され、一方的に「ロシアの味方」のレッテルを貼られ、叩きまくられたのである。遠く離れたウクライナの地を舞台とした戦争でこれほど全体主義が広がるのだから、日本周辺を主戦場とした戦争が勃発したら、いったいどうなることだろう。想像するだけでおそろしい。〔前半部分の紹介は以上、後半も含めた全文はこちら〕 大切な論点が提示されていると思いますが、私が特に気になった部分を赤字にしました。国会決議に対する「れいわ新撰組の声明」はまっとうなものと受け止めたのですが、それに対してあらゆる方向から攻撃がかけられるというのは恐ろしいことだ、という鮫島の主張に賛同します。後半部分で、日本における戦時体制の状況とも比較しながら鮫島は論考を続けます。確かにそこには共通点だけでなく大きな違いもあるでしょう。戦時中の日本は国境を越えて他国の領土・領域で戦争していたのに対して、現在のウクライナは国内に侵入してきたロシア軍とむきあっており、侵略軍との戦いを支援するのは当然だ、と思われる多くの人がいることも理解できます。しかし、国際法では戦闘員と民間人を区別し、無差別虐殺を禁止しています。だからこそ、民間人を多数殺害しているロシアは当然強く非難されるべきなのですが、ゼレンスキー政権は軍事行動開始と同時に「火炎瓶のつくり方を教示する」など一般市民に対してロシア軍に立ち向かうことを推奨、それだけでなく国民総動員令によって成年男性の国外脱出を禁止することで、「非戦の権利」を事実上奪っているのです。伊勢崎賢治もいうとおり、一般市民に対して政府が呼びかけるとすれば「非暴力抵抗」であり、「すべての民間人を戦闘員にすること」ではないはずです。欧米各国(および日本)もなすべきことは大量の兵器(「防衛装備品」)を送り、民間人の犠牲者を拡大する持久戦を勧めることではなく、この度の侵略の背景・原因に正面から向き合い、一刻でも早く停戦させるための仲介を行うことだと考えます。 3月21日付記: 小西誠(元自衛官)の見解を以下に紹介しておきます。 「憲法第9条」を掲げる日本の役割は、「戦争当事者」に国会で演説(アジ演説)させることではなく、政府・国会ともに、ロシアーウクライナに停戦交渉を呼びかけ、徹底的に尽力することです。トルコ、中国、さらにはイスラエル(戦争国家!)などという国が、その停戦交渉(平和交渉)にあたり始めているというのに、情けない事態です。―その停戦交渉の仲介に名乗り出ている、例えば、トルコ国会で、ゼレンスキーに演説をさせますか?―平和主義を掲げる、社民党を始めとする国会議員の皆さん、停戦交渉の出番ですよ!(紹介は以上)なお、ロシアによる武力侵略の背景(原因)に関連する私の考えはこちらです。にほんブログ村教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。)「しょう」のブログ(2) もよろしくお願いします。生活指導の歩みと吉田和子に学ぶ、『綴方教師の誕生』から・・・ (生活指導と学校の力 、教育をつくりかえる道すじ 教育評価1 など)
2022.03.20
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紛争請負人=伊勢崎賢治さんは語る ロシアによるウクライナの侵攻について、毎日新聞のインタビュー(=「プーチン悪玉論」で済ませていいのか:後述)のなかで伊勢崎さんは「反プーチンに熱狂しているヒマはない」と言い切ります。それではどうしろというのでしょうか。上記インタビューとは別の場(下の動画)で述べていることを端的にまとめると次のようになります。Q 最優先すべきことは? とにかく、一日でも一時間でも早く戦闘状態を停め、市民の命を救うこと。1、臨時停戦lineを引き、たとえ一日であっても停戦をする⇒繰り返し会いながら「臨時停戦」状態をなるべく引き延ばす。 最初から、「プーチンは犯罪者」などと大声をあげていると、臨時停戦lineも引けない。2、停戦違反状態は生じうる(現実には頻発する、しばしば侵略された側が攻撃を再開・違反する)ので、何とか中に入って撃ち合いを止めさせる。3、第三者(例えば、トルコ、中国、国連など)が入って話し合いを行う。 具体的条件を話し合う(兵力を一部引くのか、自治を認めるのか、併合された地域を国家として承認するのか、軍事同盟をどうするか等々・・・。)いきりたって、プーチンを非難攻撃していても、停戦・話し合いは決して実現しない。4、国連総会でロシアへの非難決議に賛成する国は多かったが、35の国が棄権。その一つである南アフリカは棄権の理由として「無辜な市民を犠牲にし続ける暴力の連鎖を一刻も早くやめさせるために対話の必要性」を説き、「このような非難決議は、対話に必要となる環境を作らない」と発言した。 その通りだと思う。話を聴きたくない相手、理解したくない相手であっても何を一番求めているか聴いて理解・交渉しなければならない。そうでなければ多くの犠牲者を生み出す戦闘は終わることがない。 以下は、毎日新聞による伊勢崎さんへのインタビュー記事ですが、上記の内容も含めて私自身、納得のいく見解だと考えています。 ●伊勢崎賢治さんの知見 毎日新聞 2022/3/5 17:28苦り切っていた。東京外大教授の伊勢崎賢治さん。国連メンバーなどとして世界各地で民兵の武装解除などを進めてきた国際法と紛争解決のプロである。今回のロシアのウクライナ侵攻、さぞプーチン大統領にお怒りかと思いきや、ちょっと違った。むしろその矛先は「プーチン悪玉論」が覆う日本などに向けられていた。【吉井理記/デジタル報道センター】「善悪」で語れるか?――今回のロシアの侵攻に、2月26日にはJR渋谷駅前で侵攻に反対する数百人の群衆が集まってデモをするなど、日本でも批判が高まっています。2001年のアフガニスタン侵攻や03年のイラク侵攻の時にも街の反応を取材しましたが、当時は侵攻した北大西洋条約機構(NATO)や米国などへの批判は一般にはあまり見られませんでした。◆米国やNATOを中心とする欧州は「善」で旧ソ連だったロシアは「悪」、プーチン大統領による侵略戦争だ、という雰囲気でメディアも報じていますからね。私たちはついつい善と悪の役割をいずれかに当てはめて物事を見がちですが、戦争はそういうものではありません。――え……。僕も侵略行為だと思いますが。国連でも侵略を「国家による他の国家の主権、領土保全もしくは政治的独立に対する、または国際連合の憲章と両立しないその他の方法による武力の行使」と定義すると決議(1974年)していますし……。◆戦火に巻き込まれた人のことを思えば、そりゃ僕だってプーチン氏はひどいと思う。早く権力の座を去ってほしい。ですが、国際法上ではそう単純には割り切れません。「集団的自衛権の行使」論――どういうことですか。◆ロシアが侵攻前、ウクライナとの国境周辺に大規模に軍を集中させたと報じられました。これは国連憲章2条が禁じる「武力による威嚇」にあたるのは間違いない。つまり国連憲章違反です。では侵攻はどうか。やはり2条は「武力の行使」も禁じていますが、それには例外がある。個別的あるいは集団的自衛権の行使の時です。――補足すると、個別的自衛権は自分の国が攻撃を受けた時にその攻撃を阻止する権利、集団的自衛権は例えば同盟国が攻撃を受けた時、その攻撃を自国への攻撃とみなして反撃する権利、などと説明されますね。いずれも国連憲章51条に記されています。日本でも集団的自衛権は安倍晋三政権が15年に憲法解釈を変え、行使容認にかじを切りました。◆その集団的自衛権が問題なんです。今回、ロシアはウクライナからの独立を主張する「ドネツク人民共和国」「ルガンスク人民共和国」(ウクライナ東部の武装勢力が14年にウクライナから「独立」を宣言した政権。ロシアは22年2月に国家として承認し、同盟を結んだ)の要請に応じ、ウクライナの攻撃からこれらの政権を守るために武力を行使した、と言っている。つまり侵略ではなく、国連憲章が認めた集団的自衛権の行使だ、という主張です。集団的自衛権の「悪用」――うーん。ロシアは地球上で最も強大な軍事大国の一つですし、「独立」を主張する両政権もロシアのかいらい政権と言われています。「自衛」だなんて、こじつけではないですか。◆そう。あくまでプーチン氏の理屈です。民間人に犠牲者が出るなど、弁解のない蛮行だと思う。ですがいくらこじつけであっても、集団的自衛権の行使、つまり自衛のためであって侵略ではないという理屈は成り立ち得る。今の国際法ではそういう枠組みになっているんです。こういうことを言うと、「プーチンの肩を持つのか」「ロシア寄りだ」などと言われますが、そういう話ではありません。――歴史を振り返れば、集団的自衛権はずいぶんむちゃくちゃな主張で大国に利用されてきた気がします。◆利用どころか悪用です。米国などNATO諸国による01年のアフガニスタン侵攻も集団的自衛権の行使を名目に行われましたし、米国が化学兵器を使ってまで軍事介入したベトナム戦争ですら、南ベトナムへの集団的自衛権行使を理由になされました。侵略というなら、国連決議はもちろん、結果的に大量破壊兵器を保持していた物証が見つからず、大義名分すらなかった03年のイラク侵攻こそ文字通りの侵略です。――集団的自衛権の大国による悪用を防ぐことはできないのでしょうか。◆今の国連や国連憲章をはじめとする国際法では無理です。限界がある。でもだからといって国際法がダメだ、というわけではない。限界があれば修正すればいい。――具体的には?◆国連憲章に集団的自衛権が記されていることが問題ですが、改正は現実的ではない。米英仏露中といったそれこそ集団的自衛権を悪用してきた常任理事国の賛成が必要ですから。だから、まず協定を作る。今回のように独立運動や民族紛争で争うすべての国や勢力に対しては、集団的自衛権行使の対象にすることはもちろん、あらゆる軍事支援や介入を禁止する、というものです。協定でスタートし、批准国を増やしていく。まずはそこから始めないと。市民、軍人「一緒くた」の愚――侵攻やプーチン氏に対する批判はすべきですが、それで済ませてはダメだ、と。◆そういうことです。何も解決なんかしません。ウクライナを善玉、ロシアを悪玉に当てはめてロシアを糾弾するだけでは停戦はできません。そういう意味で、ウクライナのゼレンスキー大統領も、僕は責められるべき点はあると思う。――なぜですか。軍事侵攻された被害者のように見えますが……。◆ロシアの侵攻後は、ゼレンスキー氏は国民に武器を与え、火炎瓶の作り方まで教えて「徹底抗戦」を呼びかけました。市民をロシア軍に立ち向かわせるというのです。これは一番やってはいけないことです。ロシア軍に市民を敵として攻撃する口実を与えることになりかねない。戦闘は軍人の領域であって、一般市民を戦闘に巻き込んではなりません。市民に呼びかけるのなら、非暴力の抵抗運動です。――確かに国際法は犠牲者を増やさないよう、軍人と民間人を区別するのが大原則です。◆あえて付け加えるなら、ロシアもひどいですが、ウクライナも純真無垢(むく)の国などではありません。民主派を弾圧するミャンマーの軍事政権に多くの武器を売却してきたのはウクライナですし、日本が脅威とする中国初の空母「遼寧」は、もともとウクライナの中古空母を改装したものです。――こうした側面は、あまりメディアで報じられませんね。フィンランドに学ぶ緩衝国家の「宿命」◆もう一つ言わねばならないのは、ウクライナは米中露のはざまにある日本や韓国と同じように、NATO陣営とロシアに挟まれた「緩衝国家」(大国間のクッション役の国家)としての役割を担っている、ということです。これはその国の国民の意思や善悪を超えた宿命です。ウクライナは緩衝国家として振る舞うしかない。繰り返しますが、これは宿命です。――つまり?◆ゼレンスキー氏が本当に平和や国民の生命の安全を望むのなら、ロシアとの対立の火種となっていた「ドネツク」「ルガンスク」の両勢力と和解すべきでした。でも19年の大統領就任以来、彼は両勢力との対立を深め、ロシアとの関係を悪化させるNATO加盟を公言してきました。国内の反ロシア感情をバックにした人気取りを優先したとしか思えません。――でもウクライナはロシアの属国ではありません。NATOに加盟する権利はあります。◆そうです。主権国家です。権利も選択肢もある。しかし、欧州連合(EU)やNATOにこだわらず、加盟しない選択肢だってあるんです。やはり前近代からロシアと戦争を繰り返し、緩衝国家でもあるフィンランドのように、自由や民主主義、人権、民族自決という価値を大切にしてEUに加盟し、それでいてNATOには加わらずに、ロシアとうまくやってきた国もあるのですから。そういう意味で、緩衝国家の日本も人ごとではありません。――でも米国などNATO諸国がウクライナを後押ししています。◆NATOが本当に平和を求めるのなら、ロシアとの関係を慎重に考えるべきでしたが、ロシアの反対を押し切り、次々に東欧諸国を加盟させて拡大を続け、例えばロシアと接するバルト3国をNATOに加盟させ、さらに駐留軍まで置きました。これはロシアにとっては「挑発」でしょう。なぜならNATOは冷戦が生んだ軍事同盟です。冷戦終結後の30年間、ずっと自分の存在意義、つまり「危機」の喪失感にさいなまれてきた。今回のようにロシアとの対立と危機が深まれば、その存在意義は揺るぎないものになる。そういう思惑もあったと私は考えています。ロシアの一連の行動は、そのNATOに対する「反動」と捉えざるを得ないのです。――こうした背景を踏まえた上で、今必要なのは……。◆ウクライナとロシアの一刻も早い停戦交渉とその結実なのは間違いありません。現在、戦争はもはやEU対ロシアという体をなしつつありますが、ウクライナはNATOに加盟していない。つまりEUにできるのは派兵なしの軍備支援だけ。つまり結局はウクライナだけが緩衝国家として戦うしかない。そして犠牲になるのは市民です。EUや米国、日本は「反プーチン」の団結に高揚し、熱狂していますが、熱狂などしても停戦はできません。――どうすれば?◆プーチン氏はウクライナの非武装化やクリミア半島での主権承認など「無理筋」な条件を突きつけています。これをどう譲歩させるか。先ほども言いましたが、この戦争はEU対ロシアの構図になっている。例えば米国のバイデン大統領が一言「NATOのこれ以上の東方拡大には興味がない」と表明するだけで、プーチン氏を譲歩させる引き金になるはずです。ウクライナ市民の犠牲をこれ以上増やさないためには戦争の原因に目をこらし、一日、いや一時間でも早い停戦を実現するしかないんです。「反プーチン」に熱狂しているヒマはありません。にほんブログ村教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。)「しょう」のブログ(2) もよろしくお願いします。生活指導の歩みと吉田和子に学ぶ、『綴方教師の誕生』から・・・ (生活指導と学校の力 、教育をつくりかえる道すじ 教育評価1 など)
2022.03.10
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恐れていた軍事行動(ロシアによるウクライナ侵略・侵攻)が始まって一週間になります。民間人も対象とするこの侵略・殺戮-ロシアの軍事行動は絶対に許されることではありません。何としても止めなければならない、その方策が緊急に求められていますが、同時にこのような最悪の事態に突入する前に何とか止められなかったのか、と思わずにはいられません。 確かに、国連の立場に立っても集団的自衛権はそれぞれの国家に認められるわけですから、ウクライナがNATOに加盟する権利は当然ある。ただ、実は「キューバ危機」もこれと似かよった「事件」だったのではないか。世界一の軍事大国である米国(ミサイル基地も無数に保有している米国)から国を守るために(ソ連製の)ミサイルを設置することは「キューバの正当な権利」だと主張することは当時においても可能だったのです。 しかし、それを強行すれば「核戦争も辞さぬ」とケネディー米大統領は強い態度を示していた。全世界が核戦争の恐怖を味わったこの事件、最終的にはソ連とキューバが譲歩してミサイルの設置をとりやめた結果、核戦争を回避することができました。確かに「国家の権利」は大切ですが、破滅的な戦争を避ける現実的な方策はもっと大切でしょう。(仮に、ケネディー大統領が核ミサイルのボタンを押したら全世界から非難されたでしょうが、そうなってからでは遅いのです。)※註 また、歴史の教訓という点では「冷戦の奇跡」とも言われたオーストリアの独立も取り上げたいと思います。第二次大戦後、西側を米国に、東側をソ連に占領されたオーストリアは、ドイツと同じように分断される危険があったのですが、「永世中立国」の道を選ぶことによって統一国家として独立することに成功したのです。命を大切にしながら自立する道を模索することは過去においても現在から未来にかけても大切でしょう。 もう一つ気がかりなのは、「さすがにないのでは」と思われた軍事行動が始まったことで、核兵器も含めた軍備拡大競争が急速に進み、ますます国際関係が不安定化し、壊滅的な紛争を引き起こす可能性が高まっていくのではないか、ということです。そもそも、「東西冷戦」が終わった時点でNATOという軍事同盟(ソ連を仮想敵国とする)も巨大な「軍産複合体」も過去のものとすべきだったにもかかわらず、そうなっていないのはなぜなのか。 この問題について、英国のデヴィッド・ハーヴェイによるすぐれた論説が公開されています。「ロシア-NATOの根本的問題」が提起されていますので、ぜひご一読ください。 また、オリバーストーン監督による「ウクライナ・オン・ファイアー」という映画も見ることができます。不毛で危険な駆け引き・軍拡競争・軍事同盟は何としても過去のものにしていかなければならない、と考えるのです。 ただし、この動画については、様々な誤解や間違いが含まれている、という指摘もあります。(3月13日付記)ただ、その指摘自体妥当なのか疑問を感じています。※こと核戦争の危機ということになれば、ウクライナの大統領のみならず、NATO諸国も「戦争」を防ぐため最善の道を選択したでしょう。「経済制裁の脅し」でロシアが引きさがらないことは、100も承知だったはず。(このことは、「ロシアは軍事侵攻を行う」とバイデン大統領が事前に発言していたことからも明らか。)なぜ、ウクライナの「NATO加盟」の方向ではなく、「中立化」の方向を模索しなかったのか。軍事侵攻程度ならいいと考えたのでしょうか。しかも、軍事侵攻が始まったら、「世界大戦の可能性があるから軍は派遣しない」というのですから、いったい何がしたかったのか?という疑問を感じています。〔3月6日付記〕にほんブログ村教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。)「しょう」のブログ(2) もよろしくお願いします。生活指導の歩みと吉田和子に学ぶ、『綴方教師の誕生』から・・・ (生活指導と学校の力 、教育をつくりかえる道すじ 教育評価1 など)
2022.03.04
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「Dappi」問題に関する拙ブログ記事 野党に対する誹謗中傷やdemaを発信していたTwitterアカウントのDappiについて質問された山本太郎議員。「TVもDappi・・・、だって、大阪のTVってとっくにDappiでしょ。維新のお尻ばかり舐めてるじゃないですか。ウィッシュレットですよ。Dappiは特別じゃないですよ」と発言して話題になりましたが、TVだけではなく読売新聞がさらに暴走しているようです。 1月5日追記 早速「お尻をなめる」ような記事をあげていますね。 読売新聞大阪本社と大阪府が12月27日、情報発信など8分野で連携・協働を進める「包括連携協定」を結んだのです。それに対する抗議の声がジャーナリスト有志の会からあがっています。抜粋・紹介しますが、ぜひ全文をご一読ください。 2021年12月27日 ジャーナリスト有志の会一同 読売新聞大阪本社と大阪府が12月27日、情報発信など8分野で連携・協働を進める「包括連携協定」を結びました。「府民サービス向上」と「府域の成長・発展」を目的にして、教育・人材育成、情報発信、安全・安心、子ども・福祉、地域活性化、産業振興・雇用、健康、環境などの9つの連携事項を掲げていますが、そこには「その他協定の目的に沿うこと」という項目もあり、結局すべてが解釈次第で対象に含まれてしまう危険性があります。 報道機関が公権力と領域・分野を横断して「包括的」な協力関係を結ぶのは極めて異常な事態であるだけでなく、取材される側の権力と取材する側の報道機関の「一体化」は、知る権利を歪め、民主主義を危うくする行為に他なりません。私たちジャーナリスト有志は今回の包括連携協定の締結に抗議し、速やかに協定を解消することを求めます。 27日に示された「今後の主な取組み」には、「生活情報紙などの読売新聞が展開する媒体や、各種 SNS などを活用して、大阪府の情報発信に協力します」という内容が盛り込まれています。(・・・) 連携の主な取り組みには、「地域活性化」として税金の使い道として正しく監視されるべき「万博の開催に向けた協力」も含まれています。万博の開催については賛否両論があり、賛成の立場からも計画の整合性や土壌汚染などに厳しい視線が向けられているなかで、「開催に向けた協力」を打ち出している読売新聞が「主体的に読売新聞が判断し、望ましいと思えば望ましいと書くし、おかしいと思えばおかしいと書く」(柴田社長)ことが果たして可能なのか、疑問が残ります。 我が国における戦後の報道の公正さの担保はこれまで、権力との十分な距離にあったはずです。その距離を見誤り、独立性を失えば、報道は多かれ少なかれ、権力側の情報を流すだけの「広報」になってしまいます。 また大阪府は西日本最大の自治体であるとともに、国政政党「日本維新の会」の副代表がトップを務め、特定政党の影響力も強い自治体でもあります。今回の協定が悪しき前例となり、全国に波及することを危惧します。 読売新聞も加盟する日本新聞協会の「新聞倫理綱領」の前文には、次のように記されています。 「国民の『知る権利』は民主主義社会をささえる普遍の原理である。この権利は、言論・表現の自由のもと、高い倫理意識を備え、あらゆる権力から独立したメディアが存在して初めて保障される」 「公正な言論のために独立を確保する。あらゆる勢力からの干渉を排するとともに、利用されないよう自戒しなければならない」 (・・・) 読売新聞大阪本社にはかつて、大阪社会部を中心に、反権力・反差別のジャーナリズムの気風がありました。現在の読売新聞内にも、今回の協定締結に心を痛めている記者が数多くいます。志を持った記者が心折れることなく、尊厳を持ってジャーナリズムに専念できる環境を取り戻す必要があります。 報道機関の存立基盤は公権力ではなく、市民の信頼です。現場で取材を続けている私たちは、疑念を持たれている今回の協定を一刻も早く解消し、報道機関の原点に立ち戻ることを強く求めます。 ジャーナリスト有志の会一同にほんブログ村教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。)「しょう」のブログ(2) もよろしくお願いします。生活指導の歩みと吉田和子に学ぶ、『綴方教師の誕生』から・・・ (生活指導と学校の力 、教育をつくりかえる道すじ 教育評価1 など)
2021.12.28
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12月1日、立憲民主党(とりわけ泉代表)に対して、「ご意見」を出しておきました。少し迷いましたが、以下に公開します。 昨日(11月30日)、泉新代表の記者会見を視聴して唖然としました。衆院選が終わった現在、他党の間に何らかの合意が存在しているとは考えない、とのこと。ちょっと待ってください。選挙前に四野党の公約として「共通政策」(立憲民主党代表も「上記政策を共有し、その実現に全力を尽くします」という文書に署名!)を掲げ、候補者一本化に協力した以上、そして、それを受けて立憲民主党候補者に投票した有権者が存在する以上、当選した議員を中心に貴党が(四野党で協力して)「共通政策」という公約実現に努力することは当然のことではないですか。このままでは立憲民主党には二度と投票できないという有権者も多いでしょう。公約を掲げて選挙戦に向かいながら、選挙が終わったら何も存在しないのですか? 現在の与党よりひどい、ありえない見解です。 「共産党べったり」といったネガキャンを意識してのことでしょうが、同党と距離を置こうとすればするほど貴党への信頼は低下していくでしょう。「選挙に向けて候補者調整には協力させたい」が「立憲民主党の票だけを考えて他党をコケにし」「共通政策という公約さえも選挙が終われば白紙に戻す」?? どうしてそんな党を信頼できるでしょうか。 過日、私は「共通政策実現のために直接民主主義的な催しを行い、そこで形成された意見・公論を協力して法案化していく」というやり方を提言いたしました。例えばそのような方法で「人々の願いを協力して実現していこうとする真剣さ」を見て初めて有権者の信頼が得られるのだと考えます。「選挙目当ての消極的連携」の姿勢が表に出れば出るほど、貴党の信頼は地に落ちていくでしょう。新代表には猛省と再考を強く求めるものです。にほんブログ村教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。)「しょう」のブログ(2) もよろしくお願いします。生活指導の歩みと吉田和子に学ぶ、『綴方教師の誕生』から・・・ (生活指導と学校の力 、教育をつくりかえる道すじ 教育評価1 など)
2021.12.02
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