☆心の中には宝物がいっぱい☆

心の強さ

    《心の強さ》

今回は「イジメ問題」について。

いろんな人が集まれば子どもであれ大人であれ、意見が合わなかったりたった一言が気に障ったり
何かと問題は起こるものです。仲間ハズレになってしまうことが辛いと感じる人も、
仲間ハズレになっていることにすら気づかない人もたまにいますよね。
イジメられる側にも原因が全くないとは思いません。
知らない間に人を傷つけていたり、嫌がられることをしていたりってことは、
誰にでもあり得ることだと思います。

私が一番問題だと思うのは、間違っていると思っているのに「見ない振り、気づかない振り」を
して済ませてしまうこと。まわりに流され、同意はしていないけど主張もしない。
それはとてもズルイことだと思うのです。

私が中学生のとき、同じクラスのKくんがいじめられていました。おとなしい暗いタイプの子で、
学校で笑うこともしゃべることもしない子だったから、それをからかわれているうちに
いじめに発展してしまったのです。
Kくんへのいじめだと気づいたときから私はたまらなくみんなのことが嫌いに
なりました。
別にKくんのことが好きだったわけではありません。むしろKくんに対しても
「嫌なことは嫌ってちゃんと言えよ」って思いました。

何が嫌かと言うと、Kくんが困っているのを見て楽しんでいるみんなと、自分も同じだと思われること。
そこから私はKくんをかばい続けました。
私の正義感は半端じゃないから、先生にも助けを求めず、
ただ「みんなと同じなんて思われるのはごめんやで」って気持ちで、Kくんを守りました。

そのうちに今度は私がいじめの標的にされました。
イスに画鋲をビッチリ並べられても、平気な顔をして座っては休み時間にトイレで
血だらけのお尻で泣きました。
「絶対あんたらと同じにはならへんで!」「みんなのしてることは人間として最低や!」って
心の中でみんなを見下して自分を奮い立たせていました。
母が私がターゲットになっていることに気づき「嫌やったら学校行かんでもええんやで」って
言ってくれたけど「私が休んだらまたKくんがされるだけや」って意地になって登校しました。
それでも他のクラスには友達もいたし、私はいじめるみんなのこと適当にあしらっている
つもりだったので耐えることができました。

大人になり、同窓会でチラッとその話しに触れたけど、いじめた側は何も覚えていませんでした。
「みんなと一緒」だから罪悪感がなかったんでしょうね。そのことがショックだったし悔しかったけど
私は正しいことをしたんだ、って自分で慰めました。

ひとりで大勢に向かっていくのは、ほんとうに勇気がいります。
もし命に関わるようなことになったら・・・・
と思うと、自分の子どもに同じことをさせられるのだろうか、とも考えてしまいます。
それでもやっぱり、もし、あのときKくんをかばうのが自分ひとりじゃなく、3人でも5人でも
強い心を持った子がいてくれたら、私はもっと楽しく中学時代を過ごせただろうと思います。

そしてあのとき、私がもう少し勇気を出してみんなのことを見下すだけじゃなく、
「みんなのしてることは間違ってる」と伝えられていたら、流されて見て見ぬ振りをしていた子の
心も強くしてあげられたかもしれないのに、と思います。
子ども達のひとりひとりが相手の気持ちを考えて痛みの理解できる人間になってほしい、
人間として正しいことを胸を張ってできる強い心になってほしいと思います。



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