Tapestry

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Leaving Las Vegas




友達に薦められて観たのだが、すべて彼女の言う通りだった。

悲しすぎる。観てる時よりも、映画が終わってからの余韻が大きすぎて、

しばらく涙が止まらなかった。


ニコラス・ケイジってあんなに素敵な俳優だったのか~。惚れたよ。


ニコラス扮する主人公ベンは、どうしようもないアル中。

そのせいで仕事も失い、酒に溺れて死ぬためだけに、ラスベガスにやって来る。

そして、そこで知り合った娼婦のセラと愛し合うようになる、と言う

ラブ・ストーリーなんだけど、決して実る事のない、悲しい愛。

そうと解っていて、ただお互いを必要とするだけの愛。なんと切ないのだろう・・・。


ニコラス・ケイジ、外見的には決してタイプでもないし、特にカッコイイ訳ではない。

(頭髪も寂しいからね。^^;)だけど、この映画に出て来る彼は、

なんでこんなに素敵なんだろう?しかもアル中だよ?どうしようもない最低の男じゃない?

惚れた女にさえ、こんな悲しい想いをさせる事しかできないんだよ?

なのにどうして?確かに、セラにしてみれば、娼婦の自分を唯一、

オリジナルとして扱ってくれた男性なのかもしれない。

それだけで心が安らいで惚れてしまうのはよく分かる。

でも、外部から第3者として見てても、すっごく素敵なんだよ~、ベンは。

優しいからか?死ぬ覚悟が出来てるからか?


答えは解らない。でも、そういった微妙な役どころを上手く演じている

ニコラス・ケイジってすごい!と感動した。


セラを演じるエリザベス・シューもいい。

ともすれば、ただの奇麗なお姉ちゃんで終わってしまいそうな風貌だけど、

心の通った娼婦と言う、これまた微妙な役柄を見事に演じていた。

顔に似合わないドスの効いた声がまたよかったなぁ。


ただ悲しいだけで、一歩間違えば退屈になりそうなテーマを、最後まで飽きることなく、

もの悲しく美しく終わらせたのはすごい。音楽の効果もかなりあると思う。

ジャズやブルースが、退廃的なラスベガスの雰囲気にとても合っていたし。

ただ豪華なラスベガスってどうしても好きにはなれなかったけど、

こういう映し方をしてくれたらいいなあ~、と思えた。

映画全体の雰囲気が、どことなく「ブレードランナー」みたいな退廃ムードがあったので、

その点も大好きな要素だといえる。


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