Tapestry

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SYLVIA

「シルヴィア(SYLVIA)」 2005-05-12

アメリカ人詩人、シルヴィア・プラスの半生を、グウィネス・パルトロウが熱演。

子供の頃から才能溢れた詩作で、神童と言われていたアメリカ人のシルヴィア。
大志を抱いて、イギリスのケンブリッジに入る。
そこで出遭ったイギリス人のテッド・ヒューズ(ダニエル・クレイグ)の詩に感銘を受け、
彼に会いに行くが、すぐにお互いに惹かれ合い、恋に落ちる。
卒業後、ふたりは結婚するのだが、賞を受け、次第に成功していくテッドに比べ、
詩作もままならなくなるシルヴィア・・・。
テッドを愛しつつも、作品が作れなくなっていく自分に悩み、徐々におかしくなっていく・・・。

美しくも切ない映画。
前半はとにかく映像が綺麗。海でボートに乗るシーンもいいし、
シルヴィアのドレス姿もカワイイ。
映像もさる事ながら、シルヴィアやテッドが読み上げる言葉のなんと美しいことか!
詩の意味はほとんど分からなかったけど、中部訛りで朗読するシルヴィアの声や語り口が
とても美しい。グウィネスは今までは、それほど魅力を感じなかった女優のひとりだが、
前々から声と話し方は素敵だ、と感じていた。それをこの映画で再確認。
意味はきちんと分からなくても、その響きだけで美しいと感じられる言葉が、次々と出て来る。
実際のシルヴィア・プラスの事はほとんど知らないが、
彼女の作品を、是非じっくり読んでみたくなった。

詩人として、いい作品が作れない苦悩と、成功した夫への嫉妬、
それに加えてひとりの女性として、愛する人と家庭を築くことへの喜びと不安、
子供を持つことの苦労や責任、そう言った彼女が持つ様々な悩みが、
今の私には痛いほど理解できた気がする。
これは女性にしか分かり難い気持ちかもしれないが、家に篭って子育てや家事に没頭し、
自分が無能に思えて来る気持ち。
繊細で才能ある詩人だからこそ、それが尚更、気が狂うほどに苦しいことだったのだろう・・・。
徐々に彼女がおかしくなっていく様子は、身につまされた。

インテリでお嬢様って言うのはグウィネスのハマリ役だと思うけど、
とてもいい演技をしていたと思う。段々とおかしくなっていくにつれて、
少しずつ醜く老けていく様子なんかも怖いぐらいだった。ダニエル・クレイグもいい。
最初はピンと来なかったが、段々と彼の魅力に引き込まれていく感じ。
彼にもピッタリの役だった。

あぁ~、本当はもっといろいろ書きたいと思うぐらい良かったのだけど、
うまい言葉が見付かりません。とにかく切なかったなぁ・・・。
またレビュー、書き直すかもしれません。


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