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ELECTION

「ハイスクール白書 優等生ギャルに気をつけろ(ELECTION)」2005-06-17


★★★☆☆

はちゃめちゃなコメディだと思ってたけど(だって邦題がこれだしなぁ。苦笑)
予想していたより、深いモノがあった。
馬鹿馬鹿しさは十分あって笑えたのだけれども、絶対に有り得ない様な馬鹿馬鹿しさではなく、
ブラックユーモアたっぷりで、かえってリアリティを感じる話だと思う。

高校教師のジム(マシュー・ブロデリック)は、生徒からも人気がある優秀な先生だ。
ハイアチーバーで典型的な優等生、トレーシー(リース・ウィザースプーン)がある時、
キャリアのために生徒会の会長選挙に立候補した事を知り、
危機感を感じたジムは、彼女を妨害しようと、
フットボールプレイヤーで人気者のポールをけしかけ立候補させる。
物語は、その選挙運動を通してジムを始めとする4人の主人公、
トレイシー・ポール・ポールの妹でレズビアンのタミーの独白を交えながら進んでいくのだが、
彼らのそれぞれ違った考えや思いが面白いし、
そういう呟きがあるからこそ、リアルに感じたのだろう。

鼻持ちならない優等生のトレーシーが可笑しい。可愛いのに、可愛く見えない。
頭がいいのに、馬鹿みたいだし。
誠実そうな人気教師のジムも、心の中では結構いやらしい事を考えたり
計画したりするところがリアル。
最後はすべてを無くしてしまって、ホンマにあほやなぁ・・・と哀れに思うのだが、
憎めないし彼の気持ちもよぉく分かるのだ。
ワタシには、人間なんてこんなモノだよなぁ・・・と実感できた。
自己中で情けなくて、でも可愛くて。

一番純粋で可愛いのはポールだ。
やっぱり高校生ぐらいでも、オンナよりオトコの方が子供で純粋で可愛いなぁ、
なんて考えると可笑しかった。
妹のタミーは、ポールや両親からも心配される問題児とも言えるが、
彼女の生き方もまた素晴らしいんじゃない?

「アメリカン・ビューティ」とちょっと雰囲気が似たところがあるが、ワタシはこちらの方が好きだな。
全体的なイメージが明るくて、結末もまだ前向きだからだろう。

それにしても、邦題はちょっとねぇ・・・。


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