青春のギターリペア  K2ギターファクトリー

青春のギターリペア  K2ギターファクトリー

2016年07月18日
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カテゴリ: ギターリぺアー
◆ルームK2のブログに来訪されるゲストの方で、【アオキギタークラフト】さんってブランド
 ご存じですか?
 もし、ご存じ無い方で、孫子の代まで付き合あえる!ってギターをお探しの方が
 いらっしゃっいましたら、選択する仲間に入れた方が後々後悔しなくて済むと
 思います。

※ご注意 
 アコギのリペア&セッテングが不要な個体は存在しないと考えてます。
 僅か数ミリの薄板に削り出した丈夫なネックを貼り付け、簡単なブレーシング  
 のみで、頑丈なフレームも無い木工製品が、何十年も同じ状態を保てる

 弦の張力は約60kgと言われてますが、丁度私の体重が60kgです。
 アコギのボディに私が24時間ずっとぶら下がってる事を想像すれば
 弾いた後は弦を緩める方が良い が我がK2の見解ですし、リペアさせて
 頂いたクライアント様には、必ず緩める様にお願いしてます。

◆上記【垂涎の的】のギターリペアのご用命を頂いたのは、S様です。
 先日、リペアをさせて頂いた、I様のご友人で、数年前にライブで
 ご一緒させて頂いた事が事が有り、素晴らしい歌声とギターに魅了された
 事は、今も耳から抜けてません。

 立場上沢山のギターに触れて来ましたが、驚いた おったまげた~
 ギターは、I氏の愛器D45V、J45ニカワ、メリルギター、フォルヒギター

 には、驚いたなんて日本語は相応しく無く、やっぱり、おったまげた~ 
 です。
◆前置きが長く成りましたが、それ程素晴らしいギターって事なのです。
 柾目のソリッド・ブラジリアンローズウッドのバック&サイドですから驚きです。
 音量もドレッドノートと変わりません!


 アメリカメーカーでは使わない材として輸入された、廃材と言うと言い過ぎかも知れませんが
 そんな感じの材らしいです。その材を日本人の技術力でギター材とし使われた訳です。
 ローズウッドの薄板を扱ってますと、使う木目方向を間違えますと裂けてしまいます。
 ウェストーンW80は割れ止めが有りながらブラジリアンローズウッドの薄板2枚合わせなのは
 ダイナミックな木目は裂けてしまうからだと思います。

●S様とリペア打合せ事項
 1】全体的に弦高が高いので弾き易い高さに調整する

 2】サドルをエボニー&ボーン で製作する

 3】1Eのローポジションで弾くと少しビビる感じがする

 5】全体的なセッテング、音色は変化させない

●簡易的な見立て
 1】6E 12Fで4ミリを少し超えてますので、確かに高いのですが、
   高さ応分の弾きにくさは感じないのが不思議です。
   最も良いとされる高さに戻しますと弾き易く音色にも良い変化が現れる
   と思います。

 2】当初は、本象牙でと打合せしてましたが、これ以上鳴ると収拾付かない
   可能性が有りますので、現状のボーンとエボニーで製作と成りました

 3】精密な調査では無いのですが、1Eのローフレットを弾くと、2Bが共鳴
   して発生してる様に見立てました。
   弾いてますとボディからの振動が、脂肪でプロテクトされた私の腹に響いて
   来ますので、特定の振動数が2Bの開放弦を揺らして、と同時に、消耗品で有る
   サドルが起因してる様に見立てました。

 5】兎に角凄いギターですから、奏でたい音をストレス無く出る様にお手伝いする!
   に尽きます。

◆リペアの前にする事
 弾き終わった後に弦を基本緩めない、ロッドは触って無い。との事でしたので
 いきなりロッド回しは禁じ手です。
 木材の自己修正能力を見極めるために、数日間は弦を緩めた状態でネックが元の位置に
 どの位戻ろうとするか見極める必要が有ります。

◆24時間経過観察
 弦を完全に緩めた状態で測定しますと、5F~最終Fまでほぼ完全ストレート 5Fで
 ごく軽い逆ゾリです。
 この状態は特に珍しくは有りません。この状態からレギュラーチュー二ングすると
 弾き易いネックになる。つまり、逆ゾリを利用してストレートに持って行く調整です。
 リペアルームK2でもこの様な調整に持って行くことは有ります。
 チューニング中は1Eと2Bがビビりますが、チューニングが終わるとストレートに
 なるから心配有りません、と説明して送り出します。

  でも・・・経験上この状態でチューニング完了後に、12Fが4ミリになるのが合点
 が行きません。なんで?
 明日の夜にチューニングして原因を突き止め無ければ先に進みませんが、疑わしい原因が、
 ブリッジの剥がれです、チューニング後には予想を上回る程ボディから離れるのかも知れません。
 専用のクランプをブリッジセンターに掛けて、浮き上がりを押さえて見れば簡単に判明しますので、
 実際のリペア開始が楽しみです。

◆リペア開始!の前に先ずは現状のデータ取からです
 当初は4ミリ強の6E/12Fの弦高が、3.5ミリ程に下がり、
 5Fから1Fの逆ゾリは解消しましたが、自然治癒力はこれで限界かと思われます。

 ●弦高
       12F    1F
    6E  3.5   1.0マイナス 
    1E  3.0   0.5プラス


●ネックデータ
  フレットスケール 1F~最終F シクネスゲージ .015 順ゾリ
  ネックの中央で測定した値

 金属板がシクネスゲージ【隙間測定板】

●ブリッジの一部剥がれは画像の通りです

 ブリッジセンター


 ブリッジ左角

 サウンドホールから確認しましたところ、ブリッジが2本のボルトで止め補強されてます
 このまま、タイトボンド入れてクランプを掛けますと、補強ボルトが気になりますので
 クランプを掛ける際には、ボルトを軽く緩めてから掛ける様にします。

 ●サドル&ブリッジの確認

 サドルを外したところ、?マホガニーで0.5ミリ程度、スペーサーを交まして有り、
 更に、3G~1Gにプラ板で更にスペーサーを交まして有りました。
 サドルトップの【R】と指板のR405が微妙に合ってませんので、過去に 
 弦高を下げようとして削ったのは良いけど、下がり過ぎてビビリ発生!で 
 この様な対応をされたのだと推測されます。
  ※経験上、0.5ミリ程度のスペーサーで有れば音色が変わる程の影響は無いと考えてます。

 貼り付けられてましたマホガニーを外しましたところ、サドルの下面が画像の様になってました、
 サドルとブリッジの接点は【限りなく全面ベタ付き】で無いと振動が素直に伝わらず、今回の様に
 1E~3Gがベタで付いてませんと、その部分の音が小さく感じたり、全体のバランスが悪く成った 
 りしますので、加工調整する際には注意しないといけません。

※F1のフロントノーズの様な感じです、この状態で凄い音色なのだから驚きです。

◆ブリッジの張付け

●上の画像は、締付トルクを加えますと、ジワッとはみ出て来るタイトボンドを拭取る
 前の画像です。
●クランプの養生に使ってる物は、ルームK2の流用アイデア品です。この養生を使い始めて
 から、ボディ~ネック裏クランプを掛けて、キズ、陥没凹み等のトラブルは一切無く成り
 ました。コルクと違って使い捨てしないので余計な面倒も掛かりません。


◆リペア完了しました

 先ずは画像から 

●画像の通り 6弦/12Fで【2.5ミリ】弱ととても弾き易い状態に成りました

●1フレットは、理想的とされる、0.5ミリ弱に調整しました。
 ピンクの物体は、0.5ミリ厚のプラスチック板です。


●ナットの溝切が深く調整しました、完全に巻弦が溝に埋もれた状態でしたので、
 巻弦の半分がナット溝から露出する、通常のナット調整に戻しておきました。
●ナット&サドルの材質がオイル漬ボーンでした。


●リペアさせて頂いたギターは、フレット&指板をクリーニングします。
 フレットはマイクロファイン仕上げ、指板はオレンジオイルで手入れします。
 指板が綺麗ですと、とても印象が変わります、ここはギターの顔と思います。


●テールの小キズが目立たなくなりました。2枚目の画像と比較しますと判ると思います。

●ルームK2の簡単テクニックを公開します。ギターの僅かな擦れキズは【蜜蝋ワックス】
 を塗って拭取りますと、消える訳では無いのですが目立たなくなります。
 【キズの深さによっては効果が無いケースも有ります、ご自身のギターに試す際には自己責任で、お願いします】

●下地が出てしまうキズには、蜜蝋が染み込んで木部が湿度の影響を受け難く成ります。

◆本日お届けさせて頂きました。

 弾き易きなり、音色も更に良く鳴った との評価を頂きました。
 リペア中に弦を何度も、緩める~外す~張る を繰返しましたので、弦が完全に行ってしまったので
 エリクサーに交換して数時間後から、ガラッと変わって来ました、エリクサーは数時間~数日経過する
 良い変化をする事が有りますので不思議なストリングスです。
 よく研究されて製作されたギターはやっぱり凄いです。

 夜遅くまで、S様I様と3人でセッションで盛り上がったのは言うまでも有りません。
 S様の歌声I様のギターテクには毎度ながら、圧倒されます。ギターリペアでは負けないのにのに・・・

♦〆にもう一枚


🌸たいへんよくできました🌸





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最終更新日  2020年01月06日 19時39分30秒
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