青春のギターリペア  K2ギターファクトリー

青春のギターリペア  K2ギターファクトリー

2016年09月19日
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カテゴリ: ギターリぺアー
◆今回のご依頼品は モーリス F18です
  素晴らしいギターを多数所有されてます、S様の正に青春のギターです。
 【青春のギターリペア】がブログのタイトルですから何時もの通り気合が入ります。

●画像から




●ご依頼の内容は
 1フレットに1~3弦がベタ付きで1カポしないと弾けない状態です。
 ・・・プラスチックナットは日常のチューニングだけで、ナットがここまで減る事は
 あまり無いと思いますので・・・何かした?んだろうなぁ~ と思ったら
 ナット外し工具一式を用意して弦を緩めたら、ありゃ?ナットが無事外れましたと言うか




弦を緩めたらナットも外れました、接着剤を取ろうした後が無いのは好都合です。
専用のヤスリorスペースにピッタリの当木を使わないで接着剤を取ろうとされますと
仕事が増えるだけです。
ロッドカバーのビスがを舐めちゃってます。サイズの合わないドライバーを使うと
この様になりますのでご注意下さい。

●ナットは交換しますか?
 実はナット自体が音色に影響する割合は思ったよりも少なく、リペア予算をサドルに
 使った方が良いですよ、のアドバイスでナットには1ミリのエゾ松を履かせて高さ
 調整で済ませる事に決定しました。

1フレットの高さに合わせて最後に調整します

●サドルを外したら・・・ 

 が仕込んで有るタイプ】を流用したのかな?って感じで、更にスペサーが噛まして有りました
 この工夫には脱帽です。
  それにしてもブリッジから出てるナット高さが極端に低いので、これ以上はサドルを削った
 調整が出来ないため、ブリッジを1ミリ削ってサドル露出部分を増やしましょう。



画像にしますと3~5弦のカーブが不自然なのが良く判ります、フレットボードに有った

事が有ります。サドルは作り変えないと駄目です。

●毎度の余談に入ります
 ボディサイズと音量は比例しないのでは?
 通常はドレッドノートタイプの方が音量が大きいと思うのですが、今回のモーリスと言い
 同時進行リペアさせて頂いてます、ヤマキは共に000タイプですが、音がデカいのです。
 しかも無駄にデカいのでは無く、音質もなかなか良く個性的な音質なのです。
 ボディの厚みは約100ミリくらいですから、ボディ体積はとても少ないのです。
 そう言えばマーチンの000も大音量で鳴ってました。
 このタイプは歴史も有りもしかしたらアコースチィックギターの究極の形なのかも知れません。
 そういえば、21世紀になってもニカワを超える接着剤って開発されて無いから、ドレッド好き
 のK2は考えさせられるリペアになりました。

●話を元に戻します。この画像は・・・

●フィンガーボードはトップ板の上っ面から貼って行きますので、ネック付根にスケールを当てると
 その延長は、フィンガーボードの下面と一致するはずですが、画像の通り5ミリ程度下がってます。
 これが何を意味するかは【ネックの元起き】って事ですが、これだけ起きてますと12フレットで
 7~8ミリの弦高になるのですが、そうなって無いのが不思議です。
 それとナットが密着してませんので、弦高調整の時に修正して行きます。

3ミリ強なのです・・・ネックの仕込み角度が違うのか?ブリッジが薄いタイプなので
この程度で済んでいるのかも知れません。
 以前にもこのケースで???の個体が有った事を思い出しました、ヘッドウェーの
廉価版モデルで、横から見ると【く】の字に成ってるのに、とても弾き易い調整が出来た
ので、理由を探ろうと色々測定したのですが、これだ!って結論が出せなかったケースが
有りました。

●ノックテストをしてましたら何か変です。
 1弦側のネック付根~右方向に叩いて行きますと、~?なんか変な振動音が返って来ます
 内部を新兵器のLED付きミラーで確認しても、内部には剥がれ箇所が無いようです。
 原因が判りました・・・


ボフィンガーボードが剥がれ掛けてます、この部分が振れて変な音が出てた様です。
ルームK2に、この症状のリペアの依頼が入りますが、フィンガーボードとネックの収縮率の
違いでなるケースと、極希にトラストロッドの回し過ぎによるものが有ります。
貼りつける時は、ロッドを完全フリーにしてから貼りつけて行きます。接着剤はニカワを
使います。

●フィンガーボードも元通り貼り直しましたが、外れてから時間が経過してるため、接着部分
 に跡が残りますので、パテで隙間を補修した後にマホカラー~ラッカー仕上げしておきます。




●ペグ取付がユルユルでしかもチューニングがちゃんと出来るか怪しいです。

●広がってしまったネジ穴はマホ丸棒で埋めておきます。
●ペグが限界ですね

●このブッシュタイプのペグは本体を2本のネジで止め、ペグのギヤ部分を支軸で支えるので、
 ペグがガタガタ&チューニング狂い放題で、交換しないとNGです。
 とりあえず、メインで弾くギターでは無いので、キクタニ製にします。
 キクタニは価格的にはリーズナブルですが、どうしてどうして自宅で弾く分には問題無い
 ペグで価格も1800円程度ですから、ルームK2でも採用してるメーカーです。
  本当はグロバーと言いたいところですが・・・・

●ペグ交換は途中の画像を撮り忘れてましたので、文字で説明します
 キクタニのペグ取付穴は、10ミリですから広げないと入りませんので、リーマーで
 広げて行きます。
 現行のビス穴は全く合いませんので、ヘッド裏はクリアーウレタンで補修して、水研ぎ
 ~コンパウンド~鏡面仕上げワックスで仕上げました。



●こんな塩梅です。

●ここまで来ましたら最終的なセッテングを残すだけになります。

●ロッドが完全フリーで調整前の12フレットは、3ミリ弱です。
 少し高いかな?って感じですから、ロッドに軽くテンションが掛かる程度まで
 締めておきます。完全フリーですと糸の切れた凧状態でネックが何処に行ってしまうか
 心配です。

●ストリングガイドが中途半端でしたので、整形をしておきます。

 ●ドルメルでも良いのですが、いつもこれを使ってしまいます。カットソーの刃を
  彫刻刀の柄に無理やり仕込んだ道具です。


●ナットは何時もの通り、1フレット0.5ミリ弱に調整しておきます。

●最終調整がこれです

●12フレット2.5ミリ強で弾き易いセッテングになりました

●全体の仕上がり画像です



●超微粒コンパウンド&鏡面仕上げのワックスの組合せで磨き上げますと本当に綺麗に
 なります。


 試奏した感想は、頑張って鳴ってくれてます!
 最近のリペアさせて頂いたギターが特別な存在ばっかりだったので、それと比較したら
 可哀想かも知れませんが、弾き込んで行けば期待に応える様に鳴って来ると思います。
 忘れてました、貼って有る弦が限界を超えてますし、弦自体が同じ種類で無く、3個1
 の様です。この弦でこれだけ鳴ってるのですから、褒めてあげても良いと思います。

🌸たいへんよくできました🌸

10/9にお届けしました。
張って有るダダリオが限界を超えてますが、中程度の力で弾くととても心地よい音色です。
エリクサーに張り替えると更にパワーアップすると思います。
 I氏のD45Vとセッションされましたが、互角! は言い過ぎですが、良い味が出てる
が満場一致の感想です。
 この頃のモーリスは良いギターを作ってましたと思います。

🌸たいへんよくできました🌸





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最終更新日  2020年01月06日 19時43分35秒
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