青春のギターリペア  K2ギターファクトリー

青春のギターリペア  K2ギターファクトリー

2018年11月23日
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カテゴリ: ギターリぺアー
◆今回のご依頼は、Guild D55  出音調整のリペア&全体のセッテイングです

●この素晴らしいギターのオーナー様は、H/N仁道 様です

◆入念にリペアの打合せをさせて頂きましたポイントは下記の通りです

 ①購入直後の音色に戻す
  購入直後の音を知っているU様に試奏して頂き率直な評価をして頂きます

 ②7フレット付近の音詰まりの解消 
  本日入念に試奏した感触はサステーンが効かない事が原因と考えられます

 ③弦高調整とネック調整、フレットを整える



 ⑤サドル材の交換

 ⑥全体的な微調整

 ⑦最も大切な点は【ライブで良い音を届けられるように再生リペアする】
  音質に関しましては、イメージ&好みと言った、数値に表せない点がありますので
  認識を共有して進めて行きます。
   仁道様のファンとしては、カッコいいステージをギルドの音で聴きたいですから!

●トップのスプルースも目が詰まった、AAAランクの材です。ギルドの材は良質な物ばかりです



●Gマークと少し大きめのヘッドがギルドの特徴です

●ジャンボ・ローのフレットは意外と珍しくD55らしく感じます

●サドルはプロの手によって交換されてますが、ギルドのブリッジはエンドピン穴とブリッジが
 他のギターに比べて近く、弦のテンションが足りない事が低音【特に6E】が出ない要因の一つ



●プロの仕事ですが弦との接点が多すぎる感じがします

●バック材も流石にギルドです

●6E/12Fの弦高が0.5mm高いです。最も良質な音質の出るレンジを外れてます

●1Fも少し高いですが、ロッド調整後に調整します

●1E/12F は1mm高いです。ここを調整しますと格段に良くなります



●1Fは6E、5A以外は調整の必要が無くなりました

●ブリッジ付近の変形です、やはり弦を緩めて保管しないと質実剛健なギルドでも隆起は避けられない
 様です。サドルを削って弦高を下げる必要が出た主原因です。

●ロッドカバーのビス穴が割れてます、ブリッジピンが専用工具を使っても素直に抜け無いと
 思ったら変形してました、迷わずエボニーピンに交換します

●木製orエンビ板のどちらかで作り直します


◆◆何時もの様に気合を入れてリペアを開始して行きます◆◆

●昨夜お願いして、音響のプロU様に工房にお越し頂いてD55の試奏をして頂きました。
 2人で弾きながら音色を確認して行きましたところ、要点を纏めますと
 【最初に弾いた時よりも今の方がよりも良く鳴ってる様に感じる!】です。しかしながら、
 7フレットの件は最初から情報をU様に提供しないでいたのですが、7フレットは、
 んぅ~?つまってるね!
 この7フレットは最初は問題が無かった事、アンセムを入れた時には問題無かった事を確認
 してますので、処置無しのデットポイントでは有りませんので、容易に解決可能と判断してます。

  実はGENさんとも情報交換したのですが、D55はなかなか良い感じと思いませんでしたか?
 の問いに、自分もそう思う!でした。【7F除く】ですから、仁道さん必要以上にナーバスにな
 る必要は無いと思います。
 辛口の評価をお願いした、音に関して一切妥協しないお二人の感想ですから信じるに足りると
 思います。K2も全く同じ意見です。

◆最初にノックテストの異音の原因箇所を特定して行きます

①サウンドホール下

②その逆サイド 必ず反対側もチェックするようにします、構造が同じですから剥離してる
 可能性が高いです

*謎のマークです、K2はマスキングテープを貼って行きますので剥がれ箇所を特定したものの
 接着洩れかと思います。マスキングテープは目立ちますので接着忘れしません。

③Xブレーシングの右、逆サイドは無事でした

④ブリッジ下の異音の原因がバックのブレーシング剥離でした。特に珍しい事では有りません
 バックのこの付近をノックしても異音は出ませんでしたが、特に珍しい事では有りません


⑤ ④の反対側

⑥ライニングに食い込む箇所

⑦ ⑥の反対側


⑧トップのクラック2か所は貫通クラックですから、補強のためにエゾ松の薄板で補強します
 トップからライトで照らしますと画像の通り光が直接洩れくるのが判ります

⑨こちらも同じ症状ですから、エゾ松の薄板で補強します。

◆サウンドホールの貫通クラックを補強して行きます

●ネック付根のクラックは補修されてますが、内部に段差が有るので段差を無くしてから補強します


●1mm厚のエゾ松材です。ドイツ松と同じ種類で超高級クラッシクギターにも使われる材です


●接着します


●この箇所はクラックの左右に段差が生じてますので、段差を処置してから補強します
 クラックにニカワを流して下からジャッキで平らにします


●1時間待ちますと接着強度が出ますので、補強しておきます


●ニカワの強度が出るまでの時間で、エボニーでサドルを削りだしておきます。
 オクターブが取れてますので、コピーするだけですから簡単です

●トップのウェザークラック目立たない様にします。サンドペーパーは勿論の事、マイクロファインや
 コンパウンドさえも使わずにこの通りです。方法は非公開です


●フレットのエクボ凹みを整えておきます。未処理の1フレットと、済みの2フレットとの違いが
 判ると思います。現時点ではフレットの打ち変えは先の話かと思います
 最終仕上げ磨きはこれからです

●ピカピカのフレットはスポットライトが当たるとステージ栄えがします


◆フレット打替えって割と簡単に言いますけどについて
  K2の師匠のK氏から、【ギターに負担の掛かる事は、最後の最後で他に解決方法が無い場合を
 除き極力避ける事!】 と仕込まれて来ました。
  フレット打替えが必要と言われてるのですが?と宣告されていてk2ギターファクトリーにお持ち
 頂くギターの30%は実際に打替え致しますが、擦り合わせ以前の整形と擦り合わせでOKのギター
 の方が圧倒的に多いのが現実です。
  フレット打替えはギターにとっては負荷が掛かる工程だと思います。救いなのは打替えで音質が
 劣化する可能性が限りなくゼロで、音質向上する結果しか無い点です。
  師匠からは【フレット打替え出来る回数は限られているので、溝が打替えに耐えられ無く成れば
 フレットボード交換になるから、限られた回数の交換サイクルを可能な限り引き延す様に!】
  フレットボードの交換は音質の変化は避けられない事で、費用も打替え以上に掛かります。
 ですから今回も整形で充分に解決出来ると判断してリペアさせて頂きました。


◆ブレーシングの剥離を接着して行きます

●サウンドホール下のXブレーシングから貼って行きます。


●アンセムが入ってますので、3面鏡が入れられないので接着箇所には細心の注意が必要です


●Xブレーシングのブリッジ下箇所は、アンセムのマイクが入っている箇所と重なりますので
 ジャッキを掛ける場所を先に探しておきます

◆過去に接着した痕跡がありした

●画像右のブレーシングの左側を見ますと、明らかにタイトボンドorニカワのはみ出た部分を拭取った
 痕跡が残ってます。この位置はジャッキが非常に掛け難いので剥離箇所にタイトボンドを流し込んで
 外からクランプで固定したのでは無いかと思います。剥離箇所に正確に流し込んでジャッキを掛け
 ますと、経験上再接着は殆ど無い箇所です。

◆接着する前に反対側の状態も確認しておきます


◆ニカワを入れてジャッキを掛けます

●気温が下がりますとニカワの硬化時間が長くなりますので、慌てずに済むので助かります

◆ジャッキを掛け闇雲に掛けますと、内部からボディがどんどん広がってしまいますので、ある程度
 ジャッキのトルクが掛かりましたら、外からクランプを掛けます。

●クランプの下のブルーの物体は強力磁石です。これを使いますと内部でジャッキを掛けた位置が
 正確に判ります

◆7カ所剥離の7か所目です

●接着の要領は同じです

●外からクランプをジャッキの真上に掛けます

◆ニカワが完全硬化するまで2日を要しますので、ロッドカバーを削り出しておきます

●ホンジェラスローズウッドを使いましたが、エボニーと間違える様な仕上げにしました
 エボニーを知ってる方は確実に勘違いします。
  *確かホンジェラスローズウッドもワシントン●約で規制の対象になったと記憶してます。

◆エボニーのエンドピンに先端に角度を付けて於きます

●この角度を付けて於きますと、弦を張る時にエンドピンの引っ掛りが緩和されます

◆ニカワが完全硬化してからセッティングに入って行きます。

◆セッティング完了しました
 6E/12Fで2.1mmとエレキギターと同格のセッテイングに落ち着きましたので
 弾き易く全てのフレットでビビリ一切無しのコンディションに成りました。
  リペアーマンとしての感想は、これだけブレーシングが剥がれていても
 この音質を保っていた事に驚愕してます。さすがはGuild です。

◆昨夜、仁道様に工房にお越し頂きまして、入念に仕上がりの確認をして頂きました。
 K2としては仮免許の結果発表の心境で、完全合格はライブの出音を確認する事です。
  約2時間試奏して頂きまして、サステーンの出方やピックとの相性を入念にチェック
 して頂きOkサインを頂きました。
  K2が個人的に凄いと感じたのは、フィンガーピッキングでは繊細で太い音質と言う
 両立し難い音がサラッと出る事と4~6弦を強めにピッキングすると全く違う音質に成る
 と言う驚くべきギターです。
  幸いにも12月22日に東金市  でPAを一切使わないライブで演奏されるのでお邪魔
 させて頂きます。 

 仁道様にとって思い入れの強い名機D55の復活に携われた幸運に感謝致します。

🌸たいへんよくできまた





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最終更新日  2018年12月08日 00時45分10秒
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