青春のギターリペア  K2ギターファクトリー

青春のギターリペア  K2ギターファクトリー

2021年03月07日
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カテゴリ: ギターリぺアー
🌻2020年12月4日にアップした記事が引っ越して来ました🌻

◆全くの謎のMorris GJNW 再生リペアのご依頼を頂きました

 ギターオーナー様は、工房のレアギターアドバイザーのYosi様です
 YOSI様が調査しても全く分からないギターは、HAWAIギター以来では無い
 でしょうか?
 ギター全景の画像を撮り忘れる程に珍しいギターです

◆画像から確認して行きます

●非常に手の込んだ細工が施されてます

●メキシコ貝 かな?のロゼッタです



●ポジションマークもこの通りです。リペア中のギルドD-55と同じ感じで手が込んでます
 螺鈿細工職人の手によるものでは無いでしょうか?





●アジャスタブルブリッジも見た事が無いデザインです


●手の込んだヘッドストックです。ロッドカバーはオリジナルでは無い感じです
 旧ロゴの様ですが、少しデザインが違ってます

🌻驚く事に、この手の込んだ造りで有れば【オールソリッドボディ】なら特注品かも?
 で話を無理やり納得するのですが、これでオール合板なので謎が深まった訳です。
 ここまで手の込んだ細工をして、30,000円定価?【当時は40,000円クラスでトップソリッド 
 になる場合が多かった】無理でしょう?モデルナンバーに数字が使われて無いのもモーリス
 ギターでは初めて見ました。

 コンディションが凄い事になってまして、弾ける状態に戻せるかは初対面のチェックでは
 ハーフハーフでした。
 分解バラバラにして組み直す選択肢も視野に入る程でした。
 理由はこれからご説明して行きます。

◆修復作業の開始です

●ウエストーンのスパーネック工法に酷似してますが、決定的に違う点がリペアを
 悩ませてます。
 通常リペアのネックリセットの目的で有る、ネックを外してセット角度を変える方法と、
 外さ無いで角度を変える方法に大差が無い事に気が付きました
 何故かと言いますと、
ネックポケット自体が無いのです
 ネックとネックヒールが一体となっていて、エレキギターで言う通しネックの様な構造です
 製作手順としては、ネックヒールとエンドブロックを挟み込む様にバック材~サイド材~
 トップ材を組み付けてから、ネックを組み付けるのですが、ネックヒールにネックが
 一体と成ってる状態で製作されてる様です。

🌻本日のリペアでネックリセットに意味の無い事が判明しました。
 ネックポケットが無い事に変わりは無いのですが、ネック固定のブロックが途中で
 切断されてます。
 ネック材と👆の画像のネックブロックま一体で製作して、ボディを組み立てる時に
 ボディ側とネック側に切断して組み込込まれてました。

●画像はネックとボディトップが接着されている部分にヒーターを掛けて、接着面を
 剥離させたところです。
 この工法を使ってると言う事は、弾けるギターに戻せる見込みが出来たと言う事です。


●ネック角度を端正する治具を装着しますと、あれだけ凹んでいたネック付け根のサイド材が
 真っすぐに成ってる事が判りますね


●セット角度も通常の状態に戻す事が出来ます

🌻弦のテンションが掛かった時に、角度を保持できる様に補強する事が今後の課題ですが
 単に補強するだけなら簡単ですが、サウンドホールから見える景色を
 【最初からこうだった】って様に見える様に入れて行く事が楽しい悩みです。


●補強が必要と判断した際には、ネックヒールorフレットボードから楔を打ち込む可能性もあります

●3枚合わせのネック材がそのままボディ内部に入ってますが、👆画像のミラーで写った
 箇所を見て頂くと、線が入って入る事が判ると思います。ここで分割にして製作された
 様です。


●ヒーターで剥離させた部分にスペサーを入れてネック角度の調整をする方法が
 最も適した工法と判断しました【他に方法が有りません】ので、適正な角度になる様に
 3個のスペーサーをマホガニー材で削り出します


●この位置に正確に差し込んで接着固定します


●お辞儀したネックを元に戻しますと、ネックブロックの分割部分に隙間が出来るので
 そこに差し込むスペサーは、木材よりも金属板を差し込んだ方が、弦のテンションに対して
 耐性が高いかも知れません


●0.5mmの隙間が出来る事が確認されました



●3方向にスペーサーを差し込んで固定します


●固定した状態でセット角度を確認します、この治具の先端には1フレットのクリアランスの
 0.5mmのピンクの板を貼って有ります



●サドルが無い状態で1フレット除く、全てのフレットに治具がベタ付きになってます



●トップ側のサイドのバインディングの欠損部分ですが、ビンテーデザインのヘリーボーンは
 現在では入手不能ですので、べっ甲柄のバインディング材を使います






●タイトボンドで接着固定します

●境界の部分はパテで補修します





●予定通りにセット角度が修正出来ました
 サドルの高さも製作当時の高さにセット出来ます、後はネックセットの剛性が確保されて
 いるかだけですが、長年の変形でネックブロック周囲のバック材トップ材が弱っているので
 ブロックを囲む様に補強材が必要になるかも知れません


●ネックがお辞儀してボディに食い込んだ影響と思われますが、ライニングが無くなってます
 食い込みが凄かった事が判りますが、関心している場合では有りませんので、補強方法と最も
 適した位置を考えます


●右側のライニングは無事でした


●ネックブロックにも接着して1番のブレーシングにおっぺして接着する方法



 超小型のパイレンを使うと簡単に外れました、リペアはやっぱり工具次第です


●ネックが食い込んで破壊されていたサイドバインディングの残った部品を貼り付けます


●アジャスタブルブリッジを現行のままでセットして、弦高を測定して見ます


●無残と言う程高かった弦高が、6E/12Fで1.0です
 後は弦のテンションションが掛かった時に、ネックの順ゾリだけ済めば良い訳です



●トップ側には補強板が入ってますが、ライニング&ブレーシングにもピッタリ付いてません
 時代を感じる瞬間です・・・補強材の意味判ってるの?と言いたのは我慢する事にします


●トップ側のネックブロックとブレーシングの間に10mmの隙間を発見しました


●10mm角のマホガニー材を隙間に接着固定し、ネックがボディめり込んで来る力をブレーシンと
 協力して受ける様にします   


●隙間にマホ材を押し込み接着固定を待ちます
 画像の角材の上に見える補強材の横に、5mm厚のマホガニーの平板を新たな補強材として
 追加する事にします


●バック側にも同じく5mm厚のマホガニーの平板を新たな補強材として
 追加する事にします
 画像の平板はウオールナット材で、厚さ巾ともに強度不足なので参考として下さい  
 補強方法が決まれば後は簡単で、リペアには気分転換が必要です


●ブロックの横に補強材を貼り付けます



●マホガニーの薄板を貼り付けます



●トップ側にも補強板を貼り付けます


●考えられる補強が済みましたので、オリジナルのサドルをマウントして弦を張り戻します

●レギュラーチューニングはしてませんが、軽く弦を張って弦高を確認します
 6E/12Fで1.0mmです、リペア前は7.0mm有りましたので正常な状態に戻りました

◆ネックのセット強度をテストします

●サドルはそのままでアジャスタブルを上げて弦高を調整します



●ビビらない限界の弦高にセットして、レギュラーチューニングします
 強度不足でしたら秒殺で変形しますが、なかなかチューニングが合わない事が有りませんので
 ネック取付の強度は保たれていると判断出来ます


●ネックがめり込んだサイドバインディングの補修後です


●同梱されていた【S/H社のプレミアム弦】をセッティング用に使ってますが、弦との相性が此処まで
 合わないケースも珍しいです、ボリュームは出ますがボディを全く鳴らす気が無いのか
 弦だけ勝手に鳴ってる感じです。ダダリオに交換したらギターの本来の音が出るはずです
 サウンドホールの口径が大きい事が関係してるのでしょうか?知ってる限りのギターでは
 最大級の直径です

 ◆正確にサドルの高さを出して、音出しテストで感じた相性が良いと思われる
  エボニーサドルを削り出せばリペアの完了と相成ります

◆ここの部分の修復に納得が行きませんので、材料を変えてやり直します

●接着したべっ甲柄は、高さ/厚み共に足りませんので、マホガニーに交換します

●ズレ無い様に固定します


●厚さ/高さ共にピッタリにサンディングします


●オリーブカラーで着色してからクリアラッカーで仕上げました


●ピンホールの周囲を面取りしておきます


●予定の弦高になる様にサドルを削り出しました


●6E/12Fは2.25mmです


●1E/12Fは1.80mmです


●1フレットのクリアランスも調整済ですが、ナットが美しく無いので整形が必要です


●ナットが必要以上に高いと弦高まで高く感じてしまいます
 ボーンナットでしたのでそのまま使います


●ロッドカバーも1点止めですと、ビビリ音の原因に成りますので、3点止めにして有ります


●ヘッドストックの仕上がりです


●サイドバインディングの仕上がりです


●ブリッジ周りの仕上がりです



●ネックの回りの仕上がりです


●ネックがボディの付け根にめり込んでましたが、とても弾き易いギターに生まれ変わりました

◆試奏タイムです 
 某SHさんのプレミアム弦をそのまま張って有りますが、調整前よりも良く成りましたが
 プレミアム弦で此処まで鳴るよね!って感じです 
 この状態から察すると長期間弾ける状態では無かったと思いますが、それでも爆音です
 完全に覚醒した時と弦をダダリオの交換すると本来の音が出て来ると思います
 最初の状態は凄かったですけど、🎯のギターに間違い有りません


🌸たのしいりぺあをたんのうさせていただきました🌸





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最終更新日  2021年04月03日 07時11分28秒
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