青春のギターリペア  K2ギターファクトリー

青春のギターリペア  K2ギターファクトリー

2024年11月02日
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カテゴリ: ギターリぺアー
◆FERNANDES Precision Bass
 ギターオーナー様は、S.H様です
  ①ハイポジションのバズリ
  ②ピックガードの上の弦とのクリアランスが異常に狭い
  ③とにかく弾き難い
 と言ったオーダーで何とか普通に弾ける様にして欲しいとの事で
 お持ち頂きました。


◆画像から確認して行きます

●見事なジャパンビンテージですが、ネックポケットの加工に問題が有ります


●このFマークは石ロゴと呼ばれてます


●ハイポジションがフレットにベタ付きになってます


◆リペア開始して行きます

●ペグのトルクが強過ぎるので、緩くなるように先に調整しておきます


●弦を外しますとフレットに0.5mmの逆ゾリが有るだけで、他のフレットはほぼストレーと 
 になりますが、0.5mmの逆ゾリでは不足してます


●チューニングすると超強度の順ゾリがストレートに戻ってます
 この事から、ネック材とトラストロッドが正常に機能してますので、正攻法で調整すれば
 弾き易くなる事が確定したも同然です

◆ネックを外してロッド調整をして行きます


●二十丸の上の部分の光っているのは、洩れて固まったウレタンクリアです
 シビアな調整が要求されるネックポケットに、残っていては駄目なので取除いておきます


●更にネック側には0.5mm厚のスペーサの先客が貼られてました
 調整に難儀していた様です。
 このスペーサーは外して基本通りにリペアして行きます



●ボディ側のネックジョイントのネジ山が残ってますので、5.5mmの穴に広げてネジが
 スルーするようにしておきます


●ピックガードとネックの中央の高さが6.5mmしか有りません
 モデルで違いは有るでしょうが8.0mmは必要です


●ネックポケットに残ったウレタンクリアを取除いてから、ブリッジ駒の残りと
 ピックガードとのクリアランスを精査して2.0mmネックポケットを浅くします
 使っている材はトップ材としても使われるエゾ松を使います



●ネックポケットのサイズに切出して、見える部分を黒のペイントをしてからセットします


●ネックを仮置きして8.5mmになっている事を確認します


●ネックポケットを2.0mmかさ上げしてポジションマークがやっと見える高さに
 なってすので、かさ上げ前は見えて無かった様です
 製作の段階でネックポケットを深く削り過ぎた様です


●かさ上げしたエゾ松材とボディの間を、パテ埋めをしてませんので見える状態になってます


●チューニングをして、ストレート若しくは許容範囲の順ゾリになる様に
 ロッドを調整します



●弦を張り戻してチューニングをして確認しますと、予定通りのネックの状態に
 調整修正出来ました


●4弦は太いので数値が隠れてますが、2.80mmにセットしました


●1E12Fは2.20mmにセットしました


●セットした弦高で全てのポジションを確認しますと、マーキングしたポジションに
 バズリが出ますが、ネックを調整した直後ですから擦り合わせは、ネックの揺り戻しと
 弦高調整を確認してから、最後に必要な箇所が残るようでしたら最終手段として擦り合わせます


●1フレットは1弦だけ高く調整が必要ですが、ここは最後の最後に調整します


●弾き易いセッティングにするために、マーキングしてポジションのフレットを
 擦り合わせる必要が有ります
 弦高を高くして弾き難さを我慢するよりも、擦り合わせて弾き易くした方が良い選択で
 有る事は間違い無いです


●音出ししながら必要最小限で摺合わせて行きます


●擦り合わせたフレットクラウンを修復してコンパウンド&マイクロファインで磨いて仕上げます
 全てのフレットもマイクロファインで磨いて仕上げて有ります


●ピックアップの高さ調整のネジ山が引っ掛って、調整が出来なかったので
 ピックガードを外して高さ調整出来る様にして有ります


◆ネックが安定しているか確認作業していきます
 初回のロッド調整ではネックの順ゾリが修正仕切れませんでしたので
 2度目のロッド調整をします

●擦り合わせて良い感じになってましたが、ベース弦の張力でネックが動き再び順ゾリ状態に
 戻ってしまいましたので、ロッドを締めて再調整します


●チューニングした状態でストレートに再調整します


●ネックが安定しているか4E/12Fを2.25mmにセットして様子を見ます


●1Gも同じ目的で2.00mmにセットします


●1フレットのクリアランスも現状ではOKです


◆チューニングした状態で1日経過して状態を確認します

●ストレートに修正したネックが再々度順ゾリ状態に戻ってます。
 最大値は14フレットで0.45mmの順ゾリです。
 50年は経過してるメイプルネックなので、ある程度安定しているかと思ってましたが
 セッティング前に戻ってますのでネックの状態を測定しながら、狂いがこれ以上進まない
 事を確認してから、3回目のロッド調整をします


◆2回目ロッド調整から2日間チューニングした状態で様子を見てました

●チューニングした状態で2日間ネックを動きを見ますと 順ゾリの最大値が0.33mmに
 縮小してます。まだネックが安定したと判断出来るレベルでは有りませんので、明日の
 午前中に確認してネックの調整をします。


◆予定の翌日の午前中になりました

●昨夜の0.33mmの順ゾリから変化が有りませんので、ネックが安定したと判断しても
 良い状態です



●再々度ネックを外して、チューニングをした状態でストレートになる様に
 ロッドを調整ます


●仕上がりと同じ弦高の、4E/12Fは2.70mmにセットします


●1G/12Fも同じく2.30mmにセットします


●許容範囲【気にならないレベル】の順ゾリを残してますがネックが安定しました
 微調整の擦り合わせをしてネックが仕上がりました


●微調整したフレットをマイクロファインで磨いて仕上げました

◆弦を張り戻します

●試奏して弾き易くなった事を確認しました


●暴れていたネックも落ち着かせる事が出来ました


●リペアの完了です





  千葉県八街市 八街 に-67-3 
   代表 加藤 和久
   ☏ O8O-5376-O998 
   ⁂お車6台分の駐車場をご用意しております 





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最終更新日  2024年11月14日 05時11分24秒
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