ナックルシュート

●タバコの害●



タバコの煙には4000種以上の化学物質が含まれ、そのうち発癌性が確認されているものだけでも200種をこえています。ニコチン(依存性、神経・血管障害の発症、進展)、タール(肺癌、喉頭癌、膀胱癌をはじめとする発癌性)、一酸化炭素(細胞毒性、神経・血管障害の発症、進展)などの有害物質が含まれているため、喫煙により循環器系に対する急性影響がみられるほか、肺癌をはじめとする種々の癌、慢性気管支炎、肺気腫などの閉塞性肺疾患、虚血性心疾患、胃・十二指腸潰瘍などの消化器疾患、その他種々の疾患のリスクが増大します。また周囲の非喫煙者にもタバコの煙により不愉快、頭痛、喘息の原因などの悪影響をもたらします。
タバコに関係のある病気についていくつか紹介しましょう。

●呼吸器疾患

1)肺癌・喉頭癌
1日20本のタバコを1年間喫煙すると、コップ1杯分のタールを吸い込むことになります。長期に喫煙している人の肺は蓄積されたタールや粉塵で黒く汚れてしまいます。もっと恐ろしいのは、タールに含まれる発癌物質で、喫煙者はタバコを吸わない人の約4.5倍も肺癌にかかりやすくなり、喉頭癌は非喫煙者の32.5倍も危険性が高くなります。

2)慢性肺疾患
タバコの煙の中にあるホルムアルデヒド、アクロレインなどの刺激性物質が気管粘膜を刺激したり、気管支粘膜の繊毛を傷つけるため肺気腫や気管支拡張症などの呼吸器慢性疾患にかかりやすくなります。

●循環器疾患

1)虚血性心疾患
喫煙者では心臓の酸素の供給を低下させるため冠状動脈を収縮させたり、またタバコに含まれる有害物質が血管内皮細胞を傷害して動脈硬化を促進するため狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患にかかりやすくなります。

●消化器疾患

1)胃・十二指腸潰瘍
タバコは、粘膜の抵抗性を弱め胃・十二指腸潰瘍にかかりやすくなります。平成8年10月10日の日本癌学会での愛知県がんセンターチームの発表によると、潰瘍や胃癌との関係が注目されている細菌「ヘリコバクター・ピロリ」は喫煙者には感染率が高いことがわかりました。また、国立癌センターの疫学調査によると喫煙者の胃癌の死亡率は非喫煙者の約1.45倍という報告があります。この他食道癌や膵臓癌もタバコによって増加することが知られています

●女性への影響

わが国の女性の喫煙率は男性に比べるとかなり低いのですが、男性はすでにタバコ離れがおこっているのに、逆に若い女性では増加の傾向がみられます。特に20歳代の女性の喫煙率は、1970年~1990年で約2倍に増加しています。この年齢は結婚して妊娠する時期に当たり、赤ちゃんへのタバコの影響が心配です。妊婦がタバコを吸うと低体重児(出生時体重2500g未満)が生まれやすく、周産期死亡(妊娠28週以後の死産および生後1週未満の新生児の死亡)が高くなりなります。これはタバコの本数の影響を受けやすく、1日10本以上吸う人では特に注意が必要です。また、骨粗鬆症の発生も増加することが知られています。


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