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2011/04/17
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『Fantasy Earth Zero』~メルファリア大陸の物語~



『カセドリア連邦国家・首都付近』

赤い髪の青年…焔はカセドリアの首都であるアズルウッドの近辺に居た

「1人…のようだな」

焔は辺りを警戒しつつそうつぶやいた
実はカセドリアの領土に入ってからずっと何者かの気配を感じていた

「なんとか振り切ったみたいだが…どうだろう…」

焔はそうつぶやいてため息をついた

連邦国家ならでは多種多様な文化から生まれる独特な強さがある
しかし反面、その結束が崩れると脆いという危うさも持っている
焔は懐からタバコを取り出して咥えた…その時
何かが真横から咥えたタバコを吹き飛ばした
焔は身構えながら足元を見る…

「矢か…振り切れては居なかったみたいだな…しかも気配は感じなかった」

タバコを狙ったのか…それとも外れてタバコに当たったのか
どちらにしても歓迎されて無い事だけははっきりした

「林か…」

気配がわからない以上、焔は弓にとって不利な林に向かった
しかし1歩踏み出した足先に矢が突き刺さる



焔はため息をついて両手を挙げて1歩前に進んだ
次の瞬間背後で弓を引き絞る音がする

「武器は持ってない!…といって俺は殺せないと思うけど」

焔は背後の気配にそう言葉を投げかけた
背後の気配は弓を引き絞ったまま回り込んで焔の正面に立った

そしてその姿を見た焔は愕然として声を漏らす

「あ、アル…さん?…まさか…そんな事…」

「!!!」

焔のつぶやきを聞いた女性は眉間にしわを寄せてさっきよりも鋭い視線で焔を睨み返した

(「堕ちた魂が集まる場所ならば…アルさんの魂がここに居ても不思議ではない…しかし姿までこうも似てるとは…」)

「お前は誰だ?」

弓を構えた女性は焔にそう質問した

「焔」

焔は名前を名乗ったが反応は無かった…しかし確実に『アル』という言葉には反応があった

「あなたは…アルテミスさんでは?」

焔がそう口にすると女性は矢を放ち矢が頬をかすめる

「立場を考えろ…無駄口を叩けば次は外さない」

女性は強い口調で焔にそう言った
焔は手を上げたままうなずいて返事をした

「お前は…なぜ私の名を知っている?…私の名を知る者は将軍ウィンビーン卿と私をこの地に召喚したティファリス様だけのはずだが?」

女性は焔にそう告げた

「し、召喚?…そんなバカな!」

「信じようと信じまいが構わない…だが、真実は私がここに居るという事実だけだ」

(「確かに…召喚ともなれば姿は変わらなくても不思議は無い…しかし『ヒト』を召喚したなんて話は聞いたことが無い」)

焔が思案しながら黙ったままで居ると

「さぁ答えよ!なぜお前は私の名を知っている?」

「俺がこの地に来る前に居た世界にあなたは居た…我が師匠、悲魔のよき理解者であり片腕…そして我が母アイナの友にして憧れの人…」

焔がそう話すとアルテミスは笑い出した

「人?…私が人だと言うか?戦神であるこの私を?」

「戦神…ならば合点がいく…どういう経緯かはわからないがあなたの魂はそうなったのでしょう…そしてこの地に呼ばれた…俺や悲魔、アイナ…そしてクロノスという名に覚えが無いのも理解できる…俺の目的はこの国の統治者であるティファリス様に会い真意を問う事…お目通りが叶わないならば今日は退きます。この場で貴女と対峙しても構いませんがそれでは事が進みません…この地の創造主が会いたいと申していたとお伝えください」

焔は挙げていた両手を下ろしてアルテミスにそう言った

「創造主?…お前が?だが…今日はお前をこの先に進ませるわけにはいかない…今の言葉、主に伝えよう…」

アルテミスの返答を聞いた焔はうなずいて返事をすると羽織を翻してその場から消えた
アルテミスは焔の気配が消えたのを確認してから弓を下ろし首都へと帰還した


『カセドリア連邦国家・王城』

「アルテミス…どちらに行っていたのですか?」

戻ってきたアルテミスに玉座に座った細身の少女がか細い声でたずねた
この少女が現カセドリア連邦国家を束ねる女王ティファリスである
腰まである金色に輝く美しい髪、種族独特のとがった耳…そう、ティファリスはエルフの女王でもあった
さらに、かつて世界が五つの国に分かれる遥か前…「支配の指輪」のもとに世界を統一したと言われるマルクティス王の後継と称されている

「ティファリス様…勝手な行動をとって申し訳ありませんでした…ただならぬ気を感じたものですから」

「ただならぬ気?」

ティファリスの横に仕えていた大柄な男がアルテミスの言葉を聞いて顔をしかませ聞き返した

「いや、問題は解決しました…時にビーン卿、ホムラと言う名に聞き覚えは?」

アルテミスは質問をしてきた大柄な男に逆に聞き返す
アルテミスにビーン卿と呼ばれた大柄な男が手であごを触りながら考える
この男こそ世界一の弓の使い手と言われ語られるウィンビーンである
ゲブランドからの独立戦争の折、獅子奮迅の活躍をした功績から人は彼の事を「傭兵将軍」と呼んでいる

「心当たりは無いが…その者が何か?」

「いえ、ティファリス様に謁見を願い出ておりまして…そう伝えてくれ…と」

アルテミスはなぜかこの時、焔の口から出た『創造主』や自分の知らない自分を知っている者といった事は口にしなかった

「それが『ただならぬ気』の正体だったのか?」

「ええ」

「わかりました…その名、記憶しておきましょう」

ティファリスはアルテミスに微笑んでそう答えた

「では、アルテミス殿が戻られたので私は兵の訓練に戻ります」

ウィンビーンはそう言ってティファリスとアルテミスにお辞儀をして部屋を立ち去った

「で…その方は他になんと申していたのですか?」

ティファリスはアルテミスにそうたずねた
そう、まるでウィンビーンが部屋を去ったのを確認したかのようなタイミングだった

「なぜそのような事を聞かれるのですか?」

アルテミスはティファリスにそう聞き返した

「うふふ…だってあなたの心が『この事は伏せておこう…』そう言ってる気がしましたので」

ティファリスは屈託の無い笑顔でアルテミスにそう答えた
アルテミスは見透かされている事に苦笑いを浮かべると先程の話を全てティファリスに話した

「創造主…その方はそう言われたのですか?…私の真意が聞きたいと…」

「はい」

「わかりました…次にその方がこの地に参られた際はお会いする事にしましょう」

「よ、よろしいのですか?一存で決められてしまわれて」

「ええ…その方は私に会いたいと申しているのですから…私にはアルテミス…あなたが付いています」

ティファリスはそう言って微笑んだ

「かしこまりました…その際は身命をとしてティファリス様をお護りします」

「はい、よろしくお願いします」

ティファリスはアルテミスにそう微笑んで告げた

「でも…正直驚きました…まったく躊躇されなかったので」

あまりに決断が早く…恐れを微塵も感じさせないティファリスにアルテミスが苦笑を浮かべた

「あら…だってあなたの心が私に安全だと言ってますから」

「隠し事も出来ないとは…困った物ですね」

いたずらっぽく笑うティファリスにアルテミスはそう言ってため息をついた



…『To Be Continued♪』





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Last updated  2011/04/17 06:36:29 AM
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