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2011/07/30
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『Fantasy Earth Zero』~メルファリア大陸の物語~



アイナは自室にてフネから渡されたメイド服に着替え、かわいらしいヘッドドレスを頭につけ鏡の前に立った

「こ、これ…スカート絶対短いよぉ…胸ゆるいし…」

そして大きなため息をつく

(「ま、まさか…BARの制服がメイド服なんて…想定外だったわ」)

「でもいいじゃん!…実際に着るのは私だし…」

(「そ、それはそうだけど…」)

アイナは鏡の前で1人むくれる



そんなもう1人の自分の言葉にアイナはさらに頬を膨らめる
そしてもう一度鏡を見る…現実は変わらないのだと認識を改めアイナは部屋を出た


『ネツァワル国・BAR-ライオンハート-』

アイナが階段を降りた所で店内からフネの怒鳴り声が聞こえてくる
アイナは恐る恐る店内を覗き見る

「どうしてチャットがつながらないわけ!ちゃんと説明して!」

「ふ、フネちゃん…どうしたの?今日は一段と激しいわねぇ」

店内からは怒られてる人であろうもう1人の声が聞こえてくる

「ヤマトはいつもそう!私が困ってる時に限って連絡取れないじゃない!」

「ま、まぁまぁ…少し落ち着いて…お茶でも飲む?」

そんな相手の声にフネは愕然とした顔をする



「あはははははぁ…じゃない!洗濯物入れは全部別れてるでしょ!それをいつもいつもポイポイと適当に投げ入れて!…っていうかチャット洗濯したの?」

「そうなのよ…それでアルフォンスに言ったらさ…とちキレやがってさぁ…事故だって言ったのに男のくせにヒス起こしやがって…まったく」

「何がまたく!…よ!それは私のセリフよ!…はぁ…」

怒られているというのにヤレヤレとそんな表情をしていたポニーテールの女の子とそれを隠れるように見つめていたアイナは目が合ってしまう

「うん?…だれ?あの子…」



「ヤマト!あなたは人の話聞いてたの?新人が入ったってさっき言ったばかりでしょうが!」

フネは腰に両手をあげて今にも喰い付きそうな勢いで怒鳴る
そんなフネの状態をよそに怒られていた女の子はアイナに向かって手招きをした
アイナは苦笑いを浮かべて店内に入って行く

「あ、アイナです…よ、よろしくお願いします」

アイナはフネと一緒にいた女の子に深々とお辞儀をした

「私はミズキ…黒猫運輸の部隊長です♪」

フネから怒られていた女の子はそう名乗ってアイナにお辞儀をした

(「え?…さっき『ヤマト』…って呼ばれてなかった?…この人」)

「た、たぶん…『ヤマト ミズキ』さん…とか…かなぁ?」

アイナが小声でそうつぶやくと
フネがハッと口を押えた

「あはははは…ヤマトってのはね『あだ名』よw…まぁそう呼ぶのはフネちゃんくらいだから…ミズキとかミズミズ~とか…まぁ好きに呼んでちょうだい♪」

ミズキは笑いながらそう答えた

(「ミズキ…はともかく…ミズミズ~って…」)

もう1人のアイナのそんな声にアイナは苦笑いを浮かべる
その後、ミズキとフネから店内の事…仕事の内容などの説明を受ける
開店の時間が刻一刻と近づく
アイナは緊張と恥ずかしさで挙動がおかしい
ミズキはそんなアイナを見て優しく肩を揉んで微笑みかける

「あ、あのう…こ、このスカート…短すぎません?」

「そう?可愛いわよ♪」

「で、でもぉ…なんか見えちゃいそうで…」

「大丈夫…よっぽどじゃない限り見えたりしないわよ~w」

「そ、そうかなぁ…」

アイナはしきりにスカートを触って広がりを抑えようとする

「それにね『見えそうで見えない』…これがポイントなのよ♪…まぁ…最悪見えてもいいように可愛いパンツをはけばOK♪」

ミズキはそう言うとちょうど近くを通りかかったフネのスカートをめくる
アイナの目に白と水色のしましまパンツが飛び込んでくる

「!!!!…な、何すんのよ!…ミ・ズ・キ・さ・ん……ちょっとこっちにおいで!」

フネはそう言うとミズキの襟首を掴んで店の奥へと連れて行った

「あ、あはははは………はぁ……」

アイナは肩をガックリ落としながら大きなため息をつく
そんな事をしてるうちに開店の時間となり…
程なくして本日最初のお客様が来店した

「い、いらっしゃいませ~♪」

アイナはぎこちない笑顔で挨拶をして小首をかしげる

「ちょwwwwお前…こんなところで何やってんの?」

「Σ(´ロ`;)」

なんと最初のお客は駐屯地で世話になった流星だった
アイナはいきなりの顔見知りとの遭遇に目の前が真っ暗になる

(「スゴイ引きの強さね…そう居ない知り合いをいきなり引くんだから…」)

「へぇ…似あってんじゃんw…可愛いぜw」

流星のそんな言葉にアイナは顔を真っ赤にする

「ははははは!それじゃ…入隊祝いにボトルでも入れてやるかw」

「流星様からカルーアのボトル頂きました~ありがとうございまーす♪」

そう言ってミズキがカウンターの中から流星に頭を下げる
そして徐々に店が慌ただしくなる

「アイナちゃん…コレ8番のテーブルにね♪」

「は、はい!」

「違う違う…そっちじゃないって…8番は向こうw」

「ご、ごめんなさい…」

「アイナちゃん…3番のテーブルを片付けてきて♪」

「はーい」

「アイナちゃん…チップあちらのカウンターのお客様からよ♪」

「あ、ありがとうございます」

ゴン!!

アイナは慌ててお辞儀をしたため近くの棚におでこをぶつける

「い、いったぁ……」

「ち、ちょっと…すごい音がしたけど大丈夫?」

「は、はい…大丈夫です…」

「お嬢ちゃーん…これと同じのをもう一杯頼むよ!」

「は、はーい」

ガン!!

今度は空いた椅子にすねをぶつける

「あう…」

「お、お嬢ちゃん…大丈夫?」

「は、はい………」

アイナは目に涙をためて笑顔で答える

「み、ミズキさん…オーダーいただきましたぁ」

アイナがそう言って振り返った時

ドン!!

「ご、ごめんなさい!」

アイナはぶつかった相手に頭を下げる

「あ、アイナちゃん………それ…柱だから^^;」

「Σ(´ロ`;)」

ミズキのそんな言葉に店内が爆笑に包まれる
アイナは恥ずかしそうに縮こまってカウンターの内側に入って行く
その後も…

ガン!!バシャーン!!

とバケツをひっくり返したり
何にもないところで躓いて転んだりと1人で大奮闘…
そして慌ただしく時間が過ぎ…あっという間に閉店の時間となる

「アイナちゃん…お疲れ様~♪」

ヘトヘトになってカウンターの椅子にすがり付くように座り込むアイナにミズキがやさしく声をかけた

「うわぁ…久々にハードだったなぁ…オーダー凄かったねぇ」

フネもそう言って近くの椅子に座る

「フフフ…アイナちゃんのご祝儀オーダーいっぱいだったからねぇ」

ミズキはアイナの頭をなでる

「さて…アイナちゃんの歓迎会を開きますか~♪」

大きく伸びをしながらミズキがそう言うと

「み、ミズキ…」

とフネがアイナを指さして苦笑いを浮かべる

「ふえ?…あ!あらららら…w」

よほど疲れたのだろう…アイナは椅子にしがみついたままの体制で寝息を立てていた

「初日だからね~仕方ないか^^;」

「うん…大奮闘だったしねぇw」

アイナの寝顔を覗き込みながらミズキとフネがクスクス笑う
するとそこにスラッとした細身の男が入ってくる

「いやぁ~…よく寝たぜ!朝から連戦だったからな…さすがにキツかった…あれ?新人は?」

男が首を鳴らしながら店内を見回す
ミズキとフネが揃って口に人差し指を当てて「しーーー!」とジェスチャーを送る

「はははは!そりゃそうだ…この街でたった1軒のBARだからね…初日はそうなるわな…」

男はそう言って苦笑いを浮かべながらアイナの寝顔を覗き込む
そしてアイナを寝かしたままミズキとフネは近くのテーブルに席を移し食事の用意をする

「人生でたった1度しかない今日という日に…かんぱ~い♪」

ミズキのそんな音頭で3人はグラスを当てあった

「そして…新たにうちの部隊に加わったアイナちゃんに…」

ミズキがそう言って寝息を立てるアイナに向けてグラスを掲げた

「ところで…リア…他のは?」

ミズキは空いた椅子に片足をのせてグラスの酒を飲む男にそう聞いた

「うん?…あぁ…大谷っちとゴンは夜警だね…で、マドとシロは…最近見てねぇなぁ」

「そっか…こっちの仕事があるから夜警任せっきりだね…」

「いいんじゃねぇの…やれる事をやれる奴がやる…それがチームだからねw」

リアはそう言ってグラスの酒を揉みほして料理を食べ始める

「今日の情勢はどうだったの?」

今度はフネがリアにそう質問する

「ふぇ?ぼうっべぼどはばがっだべ…ばぁびびでぶべば…」

「ご、ゴメン…食べてからでいいや…^^;」

めいっぱい頬張りながら答えるリアにフネが苦笑いでそう告げた
そして食べ物を飲み込んでから

「悪かったね…腹空いてたもんでw…どうって事はなかったな…しいて言えば最前線はエルに押され気味だが…まぁ気にするほどでも…あとはゲブがウェンズデイを抑えてカセに対してやや優勢って感じかなホルは…わかんねぇなぁ相変わらずきっちり守って攻める気が有るのかないのか…!!!!!」

リアとミズキがおそらく一番大きいであろう肉に同時にフォークを付き立てて奪い合いを開始する

「そっかぁ…今回の安定期…長いねぇ」

「まぁ…そうやってずっと続くんだろうな…きっと」

リアはそうつぶやきながら左手でもう1本フォークを取り狙った肉に突き立てて無理やり引き寄せる

「罪なのよ…汚れた魂のね…せいっ!」

そんな意味不明な事を言いながらミズキも負けじと肉を引き寄せる
ミズキの発した言葉の意味が理解できずフネは眉間にシワを寄せる

「はぁぅあ!!!………」

リアは突然そんな言葉を発してフォークから手を放す
そしてミズキは奪い合っていた大きな肉を自分の皿に乗せる

「ミズキ!てめぇ!!蹴りは反則だろ!いってぇ…チクショウ!」

リアはテーブルを叩いてミズキを怒鳴る

「しーーーー!!アイナちゃんが起きちゃうでしょ!」

「あ…スマン…」

リアはフネに怒られてそう謝りながらも『覚えてろよ!』と言わんばかりにミズキに中指を付き立てる
そして食事が終わりミズキとフネが片づけを済ます

「さて…歓迎会は仕切り直しね♪」

ミズキはそう言うといとも簡単に寝ているアイナを抱きかかえた

「そうね…アイナちゃんオヤスミなさい♪」

フネはぐっすりと眠るアイナにそう告げた



…『To Be Continued♪』





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Last updated  2011/07/31 04:51:09 AM
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