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2012/06/28
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『CRONOUS』 ~黙示録~



僕はなぜここにいるのか…
今までそんな事を考えた事など一度もなかった
かつて自分が作ったギルドだから?
気心の知れた仲間がいるから?
他に行くあてがないから?

なぜ今になってそんな事を考えたのかというと

「俺は彼女を守るためにここに存在る…」




『黙示録アジト』

今日は朝から小雨が降り続く気分もどこか晴れ晴れとしない天気
アジトの憩いの場でもある長テーブルではいつもと変わらない景色があった
僕はいつもと同じテーブルの隅を陣取り
アイナ、トゥイージーそして孫とでお茶を飲んでいる
テーブルの反対の端はカラーの定位置
彼女は例によって爪の手入れをしているその表情は真剣そのものである
ただ…ちょっとイライラしている…まぁその理由は明白なのだが、それはのちほど
その隣では八咫がソファーに逆向きに座り窓の外をボケーっと眺めていた
八咫の向かいの席では時折クスクスと笑いながらアデレードが読書をしている
読んでる本はというと…真っ黒い表紙に赤い字で「斬殺と解体」とだけ書いてある

ゼロの定位置はというとソファーに座っているよりテーブルを挟んだ窓と反対側の壁にもたれかかり腕組みをして居る事が多い
その前のフロアーではうほほいが数を数えながら腹筋をしている
「18765…18766…18767…18768…」
いつもの事だが桁がおかしい…
そういえば…僕が寝る時数えてる数は忘れたが

ちなみに夜明け前にトイレに起きた時には
「19912…19913…19914…19915…」
と数えながら腕立て伏せをしていた
彼はいつ寝てるのだろうか…ふとそんな事を思ったがすぐに考えるのはやめた
そしてその隣では白魔童が時折意味不明な奇声を発しながら怪しげな踊り(?)を踊っている
なぜ(?)これを付けたかというと正直この動きについて踊りというべきか…とにかく表現ができないからである
僕が奇怪な動きをする白魔童を呆然と見ていると隣に座っていたトゥイージーが肩を叩いてきた
振り向くと彼は首を横に振って大きくため息を付きうなだれた
おそらくは「関わるな…」とでも言いたいのだろう
あとはいまだに寝室から出てこないメンバーが珍しく居たり
出かけたまま戻って来ない者の顔があったりする時もあるが
これが日常的なこのアジトの光景である
特に会話があるわけでもなく…かと言って殺伐としているわけでもない
それぞれがそれぞれのやりたい事をやっている
ゆるやかな時間がこの場に流れている

ギルドは個々のギルドを束ねるユニオンギルドから任務を依頼されない限り基本自由である
それぞれがそれぞれの判断の元に行動する
黙示録の場合は特に今日のように天気の悪い日は誰一人率先して出かけようとはしない
たまにはこんな日があっても良いのかと…そんな風にも思う
その時…突然カラーがテーブルを叩いて立ち上った
全員がびっくりした顔でカラーを見る

「さっきから人の視界で…チョロチョロと………集中できないわ!!」

そういってカラーはマニキュアの瓶を白魔童めがけて投げつけた
白魔童は奇怪な動きを止めることなくその瓶を躱す
カラーはテーブルに残った3つの瓶を取ると連続で投げつける
しかし白魔童はそのすべてを避ける

「ほぉ…」

カラーはそう言葉を漏らすと不敵な笑みを浮かべ脇にあったバゥルを手に取り白魔童に狙いを定める
さすがにこの状況は止めねばならないだろう
そう思い立ち上がろうとした僕の腕をトゥイージーがつかんで止める
白魔童もさすがに奇怪な動きを止める

「カラーさん…」

緊迫感で静まり返ったリビングにトゥイージーの言葉が響く

「壁に穴が開くんで外さないでね…」

トゥイージーはそう言って何食わぬ顔でお茶をすする
皆が呆然とトゥイージーを見る

「ちょwwwおま!違うだろ!」

白魔童がトゥイージーに向かってそう叫ぶと
トゥイージーはなるほど…と手を叩く

「カラーさん…のたうち回られると掃除が大変なんで一撃でお願い…以上」

トゥイージーはそう言ってカラーに親指を立てる

「ここは止める場面だろ!」

白魔童がトゥイージーにまたも叫ぶ

「なんで?」

トゥイージーは真顔でそう聞き返す

「なんでって…そりゃ…痛いじゃんあんなのが刺さったら!」

「じゃあもう少し自嘲するように…」

「……………うっす」

そんなやり取りを聞いたカラーはため息をついてバゥルを元の位置に戻した
おそらく僕にはできない仲裁の仕方だろう…
まてよ…ほんとに仲裁だったのか?
もしも仲裁でなかったのだとしたら…
僕は恐ろしくなり考えるのをやめた

「雨あがったよ♪」

こんなやり取りがあった中…ずっと窓の外を眺めていた八咫が満面の笑みで皆にそう言う

「よし…出かけるか…孫さん予定は?もし予定がないなら…ちっと手伝って欲しい事があるんだけど…」

トゥイージーに聞かれた孫は笑顔でうなずく
その後それぞれが相談しあいながら行先を決めた
僕はアイナさんの訓練を兼ねて素材探しに行くというカラーとゼロに同行する事にした
そしてエンタイスにて狩りが始まる
幸いにも周囲に他のパーティーは出てないようだ
カラーはアイナについて教えながら狩りを続ける
僕とゼロは支援をしつつ2人を見守る
とうぜん僕自身もリハビリを兼ねているのでゼロの行動を観察する
人それぞれ動き方考え方が違うので「これが正解」というものはない
が…彼動きは明らかに今まで自分が見たパターンと違う
さっきも言ったが「正解」というものは存在しない…しかしある程度のセオリーみたいなものはある
しかし彼の動きはそのセオリーみたいな物よりも視野というか行動範囲が広い
言い換えれば過剰に近い範囲をカバーしようとしている
まるでその動きは「支援」というよりも「盾」と言っても過言ではないそんな動きである
僕はその動きをカバーしつつ支援を続ける
結果…効率は上がっている
しかし僕には理解ができない…そこで休憩の折に僕は彼に聞いてみる事にした

「今日の狩りは…指導も兼ねている…だから少しでも余裕ができるように守備範囲を広く取りました」

彼はそう答えた
僕はなるほど…とうなずくと

「というのは建前かな…」

彼はそう付け加えた
僕はその言葉に首をかしげる
そして冒頭の言葉に戻る

「俺は彼女を守るためにここに存在る…」

ゼロはそう言って笑いカラーを見つめた
僕はその言葉をどうとって良いかわからず返答に詰まった

「あ!変に勘ぐらないでくれよ…そういう理由じゃないからね…それに彼女は僕なんかより数段強いからその必要性がどれだけあるかはわからないけどね」

ゼロはそう言ってカラーを見つめたまま苦笑いを浮かべる
それぞれにそれぞれの思いがあり…理由があって現在がある
つまりはそういう事なんだろうが…
僕がそんなことを考えていると

「狩りを再開するみたいだ…行こう」

ゼロはそう言って僕の肩を叩いた


…『To Be Continued♪』





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Last updated  2012/06/29 02:29:39 AM
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