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2013/11/25
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『CRONOUS』 ~黙示録~




「と、いう事で…次の警戒当番までに全員のスキルアップをしたいわけだ」

朝食の済んだリビングでトゥイージーがそう言った

「具体的には?」

「そうだな…とりあえずアイナさんを今日から俺と孫さんで見るか…で目標はこのターンで葡萄かな」

カラーの質問にトゥイージーはそう答えた

「え?だって次の当番って…」

「うん…時間はないのはわかってる…ただね生粋のこのギルドだけのメンバーって言うと悠長な事を言ってられないんだよね…降格なんて事になったら死活問題だから」



「孫さんも言ってるけど…実は今まで格下だと思ってたギルドも力をつけてきてね…余裕のつもりがそう言ってられなくなってきたんで」

トゥイージーはそう言って苦笑いを浮かべる

「だから…今日からザンさんとアイナさんは俺と孫さんがついてちょっと上の狩場に行くから…他の人はそのつもりで予定を組んでほしい」

トゥイージーの言葉に全員がうなずいて答えそれぞれの予定を決め行動に移った
そして僕たちは狩場へと着いた

「ここは悪魔の平原…正直2人を連れてくるのはどうかと思ったんだけどね…」

トゥイージーはそう言って懐からタバコを出して火をつけた

「努力します」

ザンジオは煙を空に向かって吐くトゥイージーにそう答えた

「そうだな…とりあえずザンさんは途切れのない支援と忍耐力…アイナさんは俊敏さと状況判断…課題は大きいよ」

トゥイージーはそう言って煙を吐き出した



孫はそう言うと気合を入れてウォリアーへと変化する
何度見ても恐ろしい光景である

「さて…かなり奥地にはなるけど敵を引き込むのにいい場所があるんだ…が、そこまでの道のりがちょっと厄介でね…恐らく見た事ある奴ばっかり出てくると思うけど手は出さない事!見た目が同じだけで能力はけた外れだからね」

トゥイージーがそう言うとタバコの火を消して歩き出した
確かに…周囲にいるのは中級狩場にいるモンスターも多い

どれくらい歩いたか…ほどなくして僕たちは目的地へと着いた

「じゃあ…ザンさんはここ…孫さんの後ろでヒール…死ぬ気で頑張ってw」

「はい…」

「アイナさんは俺とザンさんのヒールの範囲内で移動して敵を釣っては孫さんの射程内に引き込む…これの繰り返しかな…とは言え気を抜いたら即アウトだからね」

「は、はい…」

「最終的には左右に別れたいけど…まずは俺と一緒に行きますか」

トゥイージーはそう言ってアイナの背中を叩いた
そしてアイナが先行する形で手近なモンスターに向かった

「弓があると楽なんだけどね…まぁフォローはするから攻撃したら即引いて」

「はい!」

アイナは返事をするとまっすぐ突っ込む
攻撃態勢に入った時…逆に先手を取られる
敵の振り向きざまの一撃が目の前で止まる

「はい…OUT!」

トゥイージーはそう言ってアイナの肩を叩いた
敵の攻撃が当たる寸前でトゥイージーが氷の魔法で動きを止めてくれた

「じゃあ…行ったん退こう…」

トゥイージーに言われてアイナは一旦ザンジオの位置まで引いた
魔法が解けた敵はトゥイージーを追って孫の攻撃範囲へと入ってくる
そしてそれを孫が薙ぎ払う

「これが一連の流れかな…OK?」

アイナはうなずいて返事をする

「じゃあ…もう一度いってみようか」

さっきのようにアイナを先頭にして2人が敵を釣りに行く
アイナは目標を決めると一瞬目を閉じる

「バインドテンタクル!」

アイナはそう叫んで目標に仕掛ける…
それと同時に目標の近くに居た敵にもバインドがかかる
しかも止まったのは一瞬で一気に4匹のモンスターがアイナに押し寄せる
しかもそのスピードはアイナの想像を超えていた

「OUT!」

トゥイージーはそう言ってまた敵を凍らせる

「そう来るんじゃないかと思ったんだw…確かにバインドは離れた敵を釣るのには使えるが、時として余計な物も釣ってしまう事もある…慣れた狩場ならともかく、こういった不慣れな狩場ではBAD!」

アイナはトゥイージーに肩を叩かれまたザンジオの位置まで下がった

「孫さん…次は4匹ね」

「ほほほほほ」

こうして2回目も孫は難なく倒し終了する

「OUT!」

3回目…気負い過ぎたのか攻撃を当てたのちバランスを崩し逃げ遅れる

「OUT!」

4回目…うまく行きかけたが退く時に石につまずいて転倒

「OUT!」

「OUT!」

「OUT!」

狩場にトゥイージーのそんな声が響く
そろそろ昼になる頃だろうか
アイナは肩で大きく息をしながらその場に座り込んだ

「けっこう死んだねw…まぁ、ここの敵はそんなに優しくないって事だね…ザンさんは大丈夫?」

「このペースならなんとか…」

「じゃあOUT!だね…今はこんなペースだけど引き込みの人数が増えた時とかは支援が余裕無いと全滅だからね」

「はい」

「じゃあメシかな…アイナさんは………走れそうにないねw」

「ほほほほほ…駆け抜けますかw」

孫はそう言って笑うとひょいっとアイナを肩に担ぎ狩場を駆け抜けた
トゥイージーとザンジオもそれを追うように駆け抜ける
4人はウーノス城まで戻ってきた

「はぁぁぁ…」

席に着くなりアイナは大きなため息をついた
それを見て孫が笑いながらアイナの頭を撫でる

「まぁ、初めてあの場所に連れてこられたら…あんなものかな」

トゥイージーはそう言いながらタバコに火をつける
そして誰もいない方に向かって煙をはいたのち

「むしろ…上出来…かな?」

トゥイージーのそんな言葉に孫もうなずいた

「戦っていればおのずとコツやテクニックが身に付き生き残る術を覚える事が出来る…だがそれはあくまでもソロの話…もちろんそれは重要な事なんだけどね…ソロには限界がある…まぁ世の中には『化け物』と呼びたくなるようなソロもいるけどね…」

「まぁ…思い当たらなくもないですが…」

僕はトゥイージーの言葉を聞いて思わず苦笑いを浮かべる

「正直、カラーさんから聞いてはいたが…確かに目がいい…判断力も悪くは無い、速さだって…そうだね同等クラスの敵を相手にするなら死ぬ事は無いだろう…現時点での評価で言えば100点を上げてもいい」

トゥイージーはアイナにそう言った
アイナは思わず照れて小さくなる

「だが…俺たちが本当に相手にしなきゃいけないのはフィールドをうろつく同等の雑魚なんかじゃない…1人ではけして勝てないような相手にどう挑みどう勝ち抜き…そして生き残るかが重用さ…もちろん『自分が』ではなく共に戦う全ての仲間全員がね」

トゥイージーはそこまで言うと言葉を止めてタバコをふかす
僕はチラッとアイナの方を見る…彼女も気が付いているのだろう真剣な眼差しでその言葉を受け止めていた

「ソロって奴は存外楽なんだよ…だって最終的にその場で倒れても自己責任…己が力の無さの結果だからね…ところが団体戦となればそうも言っていられない、1人の判断ミスがその場にいる全員の命を奪い去る事もある…故に自分に出来る事、自分がやらなきゃいけない事…それを理解して実行する…それが出来て50点」

「え?50点?」

僕は思わず聞き返した

「当然だよ…その上でプラス出来る事を見つけ行動する…それで一人前の入り口だね」

「きついなぁ…」

僕は苦笑いでそうつぶやいた

「そりゃそうさ…俺たちがこれから戦わなきゃいけない相手はそういう敵なんだよ…あいつとの戦いはそうだったろ?」

僕はトゥイージーの言葉を聞いてデュフォン戦を思い出した
あの戦いは本当に悲惨だった…目の前で何人もの仲間が次々と命を落とした…己が力の無さを呪いもした

「まぁ…そうは言うが俺だってまだまだだけどね…」

トゥイージーはいつもの表情に戻って新しいタバコを咥えピコピコと動かす

「ほほほほほ…予期せぬ相手にタゲられて慌てふためき…後ずさりしてぶつかった木を敵と思い込んで本気の一撃を加えてなぎ倒し…倒れた木が白さんを襲撃、それを避けた白さんが遊撃してたカラーさんを押し倒す…見る見るうちに狩場は大混乱…あれは笑えましたからね」

「え?」

「ザンさんが戻ってくる…ちょっと前の出来事ですよ…ほほほほほ」

僕は思わずトゥイージーを見てしまった

「そう言う孫さんだってココ一番ってところで腰を痛めて変身が解けてえらいことになりませんでしたっけ?一歩間違えたら全滅でしたよ…アレは」

「ほほほほほ…つまり私たちが目指すところに上限は無い…そういう事ですよ、100点がどこなのか未だに誰も知りません…故に50点というポジションがいかに重要かって事ですね」

孫はそう言っていつも通りニコニコと笑う

「さあ…余談はここまでだ、午後もビシバシ行くからガツっと食おうぜ…休憩や食事も戦術の1つ」

僕とアイナはうなずいて返事をした



…『To Be Continued♪』





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Last updated  2013/11/25 06:38:26 PM
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