Kai -改 解 会 快…

Aug 9, 2008
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久々にマンガギアが入ってしまって、
数日前にもコミックレンタルを立て続けにしてしまった…のです。

その中でもいちばん面白かったのは
よしながふみさんの「大奥」。

コミック本第1巻だけ立ち読みさせてくれる
本屋さんが近所にあったのですが(今は廃業)
そこで立ち読みして、「これは(私にとって)絶対面白い…」という感触があって
しばらくは忘れていました。

でも、そうです、コミックレンタルにて続きを発見。


よしながふみさんの「大奥」の設定の
非常にユニークなところは
徳川歴代将軍が、「女性」
そして大奥で将軍様のためにはべっているのが「男性」
という男女逆転の設定なのです。

しかもそうなった理由と言うのが、病気です。
江戸の治世の折に
若い男性が主に死んでしまう「赤面(あかづら)疱瘡」という病気が流行、
「男性」が激減してしまった徳川時代、ということになっているのです。

その流行り病のせいで
全人口のうちの半分近くだった「男性」が激減、


各藩の藩主の後取りも、商家の跡継ぎも、
そして農家の働き手からはては魚売りや飛脚まで
「女性」が多くなり、
男性も居ないわけではありませんが、
特に若い男性はごく少ない時代になっているのです。


第1巻で出てくる「徳川八代将軍吉宗」は史実の通りに書かれているそうで、
例えば、史実では幕府の財政を圧迫する「大奥」のリストラのために、
器量の良い女性から50人を先に「大奥」からリストラしたという有名な話があります。

これは理由としては、器量があれば嫁にとってくれる人もあるが、
そこまでではない女性はなかなか貰い手がつかないからといった、
ものすごーく「今ある現実を受け入れた判断」をされたことが理由なんだそうですが、
よしながふみさんの美男子ぞろいの「大奥」でも、同じ裁定を下す場面があります。

詳しく書くとネタばれになるので書きませんが、
そこには「女将軍吉宗」の、
男性とはまた違った「漢(おとこ)気」を感じるのです。
そしてそうした「女将軍吉宗」を描く事で、
吉宗の「漢(おとこ)気」もまた感じるという…不思議な味わいです。

ここだけ書いてしまうと、
少し堅苦しい歴史物なのかなと思ってしまうかもしれませんが、
ところどころにウィットに富んだ話もありますし、
色恋も多少は絡んできますし、
将軍とはいえ女性なのねえと感じさせるお話もあります。

私はこの作者の方は本当にいい意味で「賢い」のだと思います。

「賢い」というのは、
人間が生きていくうえでどうしてもどこかで付きまとってくる、
本質的な濁りや、痛みを「引き受けて」、
その上でそれをどのように折り合いをつけ、
またより良くするために何が必要かを取捨選択するということ
だと私自身はとらえているのですが、
この物語の中には、
そんなシビアな痛みをもがいたり苦しんだりしながら、
引き受けて前に進んでいく人がきちんと描かれています。

そして、この物語の根本設定である、「女徳川将軍」たちも
実はそのようにして、「現状を引き受けざるをえない事情」から誕生し、
そして形は違えど「日本」というものを守らんとしながらも
「徳川幕府をどう延命させていくのか(それがいいのか悪いのかはまた別として)」
「戦いの無い治世を行うにはどのようにすればよいのか」を考えているのです。

フィクションですが本当に良くできています。
で、こういう物語のプロットを思いつく時点で、
すごいなあと感じるわけでして。

これまでは第2巻を読んでいませんでしたので
今出ている3巻までを何度も読み返して、
ため息をついています。

早く続きが読みたいです。





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最終更新日  Aug 9, 2008 10:27:24 AM
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