アトリエ5号星地区

アトリエ5号星地区

毒々読書ノート♪



最近読んだ本を順番に紹介してゆくコーナーです。
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書籍名:『いい加減なスケッチのすすめ』  出版社:ビジョン企画出版社
著者名:榎木孝明
感想:久しぶりの書評やが、別に何も読んでいなかったワケじゃないよ。忙しくて書けなかっただけ。(^_^;)
榎木さんはご存知、俳優の方で、美大出身やそうである。「そもそも表現するということは「こうやったほうがいい」と人に教えられて描くものではなく本人が楽しんで描くべもの。上手な絵よりもそのときの気分や、その人らしさが表現された絵のほうが魅力的だと思う。」う~む。まさにシルフちゃんの思うとおりのことを言ってくれるやんか。「つまり「いい加減」とは「良い加減」なのである。決まり切った型よりも感じた気持ちを一番に」皆さんも自分を癒すための絵を描きましょう♪
点数:★★★★☆
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書籍名:『アートの祭り』  出版社:幻冬舎
著者名:カールスモーキー石井
感想:ご存知米米フラブのボーカリストで画家でもあるカールスモーキー石井さんのエッセィ。なかなか知的な内容で結構、読めます。前半部分のアートに対する考え方(姿勢)がとりわけ面白かったですね。意外と私生活は真面目で小心な人なんですね。
点数:★★★☆☆
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書籍名:『のほほん雑記帳』  出版社:JICC出版局
著者名:大槻 ケンヂ
感想:ご存知筋肉少女帯のボーカリストでロッカーのエッセィ、もっと過激な人かと思ったら、意外にシャイで、内容も敬愛する中島らもの影響をかなり受けているのか、爆笑話が多かった。後半に読書評論のコーナーがあって、シルフも結構、読んでおった。趣味が似ているのかも(笑)
点数:★★☆☆☆
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書籍名:『京都の値段』  出版社:(株)プレジデント社
著者名:柏井 壽
感想:京都生れの筆者が語る、とっておきの京都の逸品アレコレ。染井の名水、よ~じやの油とり紙、湯波半の引き上げゆば、一保堂の番茶、麩嘉の生麩に森嘉のお豆腐。あ~ホンマ、京都ってええもんようさんおまんなぁ。
点数:☆☆★★★
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書籍名:『旅に出たくなる地図』  出版社:(株)定刻書院
著者名:帝国書院編集部
感想:昔から地図が大好きで、今日までいろんな地図を眺めてきた。発行所は学校の教科書の定番だったところ。日本のアトラスみたいなところが、実に楽しい地図の本を出している。時代は確実に変わっているな。タイトルどおり眺めているだけで、どこかへ飛び出したくなったぞ。なぜって映画のロケ地だとか絵地図とか実に豊富ですごく楽しい時間が過ごせたぞ。WTCがグランドゼロに変わっているのが淋しい限りだが。
点数:☆☆★★★
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書籍名:『ホームレス自らを語る』
出版社:((株)アストラ)
著者名:神戸幸夫
感想:実際に路上で生活している、34名のホームレスの人々にその生い立ち、日々の生活等を赤裸々に語ってもらった記録文集である。読めばわかるが望むべくしてホームレスをやっている人間など誰一人いない。構造改革を唱える政治家だが、日本社会の構造が、今日いかに歪んでいるかがわかる。建前では福祉や弱者に優しい社会だと言いつつ、現実的には多くの人間が切り捨てられ、不遇な生活を強いられているという現実を。ホームレス差別や虐待のない明るい社会が早く実現されることを望んでやまない。
点数:☆☆☆★★
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書籍名:『すぐわかる画家別幻想芸術の見方』
出版社:((株)東京美術)
著者名:監修 千足伸行
感想:62名の幻想美術家を、画家単位で年代別に丁寧に網羅してある。Evelyn de MorganやLouis Janmotなど日本ではあまり馴染みの薄い作家も取り上げているのが嬉しいな。図書館で借りて一気読みしました。
点数:☆☆☆★★
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書籍名:『異人伝』(KK.ベストセラーズ)
著者名:中島らも
感想:2004年6月に発行された著者最後のエッセィ集である。あらためて特異なええ人やったなあって思った。締めくくりの「寝言は寝てから言え」にこんな事が書かれていた。「いつかアノ世行きってことになるんだろうけどね。オレは結構、楽しみにしているんだよ。だってね、一生に一回しか死なれへんねんで」
「神は死んだ」とニーチェが言い、「ロックが死んだ」とジョニィ・ロットンが言った。「らもはもう死んでるで」と読者のみんなが言うてるで。「寝言は寝てから言え」 締めにふさわしいエッセィやった。合掌。
点数:☆☆☆★★
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書籍名:『ぼくの描いた戦争』(KK.ベストセラーズ)
著者名:手塚治虫
感想:手塚治虫が生前に描いた「戦争」をテーマにした作品をオムニバス形式で集めたもの。殆ど一度は、既に読んだものばかりやったが、なかでも蝶を獲る少年を描いた「ゼフィルス」はイイ作品だよね。「カノン」や「紙の砦」(自伝的要素アリ)など、下手な反戦映画を見るよりもずっとインパクトがあるように思えた。若い人には是非、読んで欲しいな。
点数:☆☆☆★★
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書籍名:『人間は素晴らしい』(PHP研究所)
著者名:手塚治虫
感想:手塚氏の漫画から、名言のみを抜粋して編集した、いわばゲーテ格言集手塚版みたいなもんであるが「ガラスの地球を救え」のようなメッセージ性はない。というか、言葉は手塚氏の素晴らしいマンガの絵の力があって生きているんであって、言葉だけ選りすぐったからといって、ただの金もうけにしかうつらんよ。

点数:☆★★★★
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書籍名:『老人とカメラ』(実業之日本社)
著者名:赤瀬川原平
感想:赤瀬川源平ちゅうのはヘンな人である。ヘンな人が撮る写真はやっぱりヘンなモノが多い。日常風景の中で見過ごされがちな、異世界ちゅうもんが次々とクローズアップされる。オモロいといえばオモロい。
ど~でもいいと思う人には、限りなくつまらない。そ~ゆ~本やな。筆者いわく、可愛いカメラには旅させよ。なかなか名言であるな。

点数:☆☆★★★
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書籍名:『乞食の子』(小学館)
著者名:頼東進
感想:台湾のとある人の伝記であり実話である。世の中いろんな人が様々な人生を歩むが、これほどに悲惨で、過酷な運命を歩んだ人間は初めてである。読んでいて何度も涙を流しかつ絶句した。
俺はついていない、恵まれていないとかほざいている人間は是非一読すればいい。「生きる」ことの厳しさと試練をきっと学ぶことが出来るだろう。勇気と感動を与える一冊である。

点数:☆☆☆☆★
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書籍名:『いとしさの王国へ』文学的少女漫画讀本(中央公論新社)
発行者:マーブルトロン
感想:少女漫画で育った作家9人が、自ら影響を受けたコミックを採り上げ、夢中になって読んでいた時代を懐かしむ企画モノ。樹村みのり、大島弓子、一条ゆかり、陸奥A子、田淵由美子、太刀掛秀子などなどの「りぼん」漫画の全盛時代から、さべあのま、吉田秋生そして岡崎京子のニューウェーブまで盛りだくさん。岡崎京子の「ヘルター・スケルター」がなんだか読みたくなってしまったぜぃ。

点数:☆☆☆★★
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書籍名:『北朝鮮が核を発射する日』(PHP研究所)
著者名:イ・ヨンジュン 訳者名:辺 真一
感想:平和ボケしている人間には目の覚めるようなショッキングな標題なんやが、現実は、かの国では既に核兵器はおろか、長距離弾道ミサイル果ては大量殺戮が可能な化学兵器まで保有しているのである。かつての日本がそうであったように、戦争なんてチョッとした歯車の狂いから簡単に引き起こされる。
北朝鮮の核問題が何故長引いているのか?六カ国協議が何故開かれるのか?平和的解決がなされなければどういうことが起こるか?客観的に綴られたレポートであるが内容は深刻である。いずれにしろ来年は非常に緊張した展開を迎える年だということを、ひとりひとりが自覚しておかねばならないっちゅうこっちゃ。

点数:☆☆☆★★
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書籍名:『アインシュタイン日本で相対論を語る』(講談社)
訳者名:杉元賢治
感想:別に小難しい相対性理論について書かれた科学書ではありません。1922年に来日したアインシュタインの日記と当時の貴重な写真や記事で編纂された絵日記みたいな感じの本である。人間アインシュタインの素顔がかいま見れ興味深かった。当時も昨今のベッカムやヨン様と同じぐらいの熱狂的な歓迎があったらしい。女子学生にとり囲まれニンマリしたり、お辞儀する鹿にお辞儀でかえしたり、極めてハードなスケジュールの中、くまなく日本文化を探索した姿に敬意をおぼえる。偉大な科学者は偉大な人間でもあったんだなぁってことがよくわかった。

点数:☆☆☆★★
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書籍名:『中国映画の明星』(平凡社)
著者名:石子順
感想:最近目まぐるしく、面白くなった中国映画。そのなかで特に注目すべき俳優3人と1監督にスポットをあてた資料的な読み物です。シルフ的にはチャン・イーモウ(張藝謀)監督が好きなんで充分に読み応えがありました。映画に対する真摯な姿勢が実に素晴らしいです。夭折した香港の俳優、レスリーチャン(張國榮)も選ばれてます。中国大陸の映画にも結構出ていて人気があったらしい。

点数:☆☆☆★★
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書籍名:『大サービス』(集英社)
著者名:原田宗典
感想:ブック・オフの100円コーナーで立ち読みしていたら、あまりにオモロイんでついつい買って読んでみたらハマってもうた。はっはっは。コレはクセになるなぁ。やめられない止まらないカッパエビセンみたいなもんや。あんまり電車の中なんかで読まんほうがよろし。笑いを噛み殺すのに苦労する。小説家なんやがどちらかとゆ~と抱腹絶倒のエッセイのほうが有名なようやね。

点数:☆☆☆★★
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書籍名:『スバラ式世界』(主婦の友社)
著者名:原田宗典
感想:ナンデモナイ日常も少し視点を変えたらトンデモナイ世界になるように、この人のエッセイを読むと、なんでもないことが非常に面白可笑しく感じられるんで不思議だ。もっかスッカリハマってしまって、立て続けに4~5冊マトメ読みしてる最中です。アイデア、パクっちゃおうかしら(笑)

点数:☆☆☆☆★
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書籍名:『エンデュアランス号大漂流』(あすなろ書房)
著者名:エリザベス・コーディー キメル
感想:エンデュアランス(不屈の精神)号っちゅう名前の船に乗って南極大陸をめざした探検隊の記録なんやが氷山に閉じこめられ、船も沈没して脱出不能となった男達が、大胆不敵な脱出計画によって全員生還した。後世の人は「偉大なる失敗」と呼んだそうやが、実話でなおかつ写真も豊富で久しぶりに手に汗握った。いかなる困難な状況でも人間は「笑い」(ユーモア)を忘れへん不屈の精神が大切やっちゅうことやなあ。

点数:☆☆☆☆★
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書籍名:『時速8キロニッポン縦断』((株)小学館)
著者名:斉藤政喜
感想:耕運機で北海道から日本最南端の波照間島まで旅をしたシェルパ斉藤さんのロードブックの一冊である。小さい字で400ページもあるんやが、先を読むのが楽しくて夢中になって一気に読みました。
スロートラベルとは、先を急がず、道草、寄り道を楽しみ、人々と出会う心豊かな旅であるそうな。そ~ゆ~人生をシルフも歩みたいもんやな。
次は著者の「行きあたりばっ旅」でも読もうかな(笑)

点数:☆☆☆☆★
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書籍名:『ちっちゃな本がでかいことを言うじゃないか』(学陽書房)
感想:広告のコピーの選りすぐり傑作選をとりまとめた本である。
本のタイトルのコピーもなかなかイイ。キャッチコピーは、本来、商品を売るためのフレーズであったが、時代の流れとともに一概にそうとも言えない時代の格言ともいうべき名言も増えてきたように思う。
点数:☆☆☆★★
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書籍名:『幸福になるメキシコ』(祥伝社)
著者名:水木しげる・大泉実成
感想:「ゲゲゲの鬼太郎」の作者である水木しげるも既に80歳になるっちゅうのに、最近は旅行エッセイを書きながら、あちこち旅をしているみたいで、ホントこの人のヴァイタリティは見習いたいもんがあるなぁ。今回はメキシコ編で、オアハカを中心に仮面収集の旅について書かれていたけど、あまり知られていない私生活の水木しげるが知れて面白かった。
この人は妖怪ものコミックが有名だけれど、若い人には戦記ものとかを読んで欲しいんだけどな。実際に、戦地で左腕を飛ばされて、死線を越えて来た人だからね。

点数:☆☆☆★★
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書籍名:『誠の話』((株)角川書店)
著者名:和田誠・椎名誠
感想:雑誌『マルコポーロ』94/7~95/2に連載していたものに語り下ろしを追加した対談集。映画、イラスト、酒、おしゃれ等々、様々なジャンルの造詣深い話をまるで、酒の肴のような感じで軽くサクサク読めました。余談やが、和田誠の奥さんがあの、ユニークな料理おばさんで有名な平野レミやったとは全く知らんかった。(^_^;)

点数:☆☆☆★★
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書籍名:『コーネルの箱』((株)文藝春秋)
著者名:チャールズ・シミック
感想:箱の芸術家、ジョセフ・コーネルの知られざる履歴や、作品写真を、ボードレールやヴァレリィの詩や、その他散文を交えてまとめられてある。一気に読めた。エドワード・ホッパーと同じ町で生まれ、彼の妹は無名のホッパーに絵を習っていたらしい。

点数:☆☆☆★★
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書籍名:『ちいさな星通信』(ロッキング・オン社)
著者名:奈良美智
感想:毎週、地元の図書館で5冊単位で本を借りてるんやが、オモロない本はいくら時間がかかっても読み進まんもんやが逆にオモロイ本はあっという間に読み終えてしまう。この本は久しぶりに後者のほうやったな。ビジュアル的な要素の強い装丁で、作者の青年期からドイツ留学時代を含む創作ノンフィクション。ヴィジュアルが豊富で見ていて楽しいし、内容もね。「技術とは無縁のその人個人にしか表せないこと、つまり他人と比べることが出来ないものをその人がその人なりにやっていけばいいんじゃないか」(本文より抜粋)

点数:☆☆☆☆★
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書籍名:『ブルーベリー・ディクショナリー』((株)ブルース・インターアクションズ)
著者名:渚十吾
感想:シルフちゃん似合わんようなお洒落にデザイン構成された本である。内容は全体を、春・夏・秋・冬の4部に分け、どこからでも読める構成となっている。ガラクタ箱を投げてひっくり返したような、本・音楽・ショップ等々、様々なジャンルの内容が網羅されている。とにかく見て感じる。そんな内容の本です。

点数:☆☆☆★★
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書籍名:『微笑家族』(ビレッジ・プレス社)
著者名:中島らも
感想:あ~あ惜しい人をなくしたんだよな。こ~やって故人の本を読むたび思うことである。らもさんと言えば、
『ガダラの豚』だとか『今夜すべてのバーで』『永遠も半ばを過ぎて』とか傑作が多いですが、やはり「ぴあ」で連載していたカネテツデリカフーズの『微笑家族』のダークこてっちゃんがシルフ的にはインパクトが強かったな。この本は
没頭にその漫画あり~の、後半に軽妙なおバカエッセィあり~の。初心者向けには充分かつ存分に楽しめる内容となっております。表向きはアホを装っていても、灘高出身の知性が随所にちりばめられとります。この人の人間観察はホントに素晴らしいもんがあったのにな。合掌。

点数:☆☆☆☆★

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書籍名:『怪しいアジアの歩き方』(KKベストセラーズ)
著者名:クーロン黒沢
感想:プノンペンで現在、貸本屋を営んでいる筆者のデンジャラスで魅惑的なアジアのワイルドゾーンを描いたエッセー。この手のノンフィクションは昔から大好きで、片っ端から目を通してるんやが、まあまあ一気に読めた。2作目の『怪しいアジアの怪しい人々』のほうはフィクションぽくて、前作に比べたら読むに足りんな。

点数:☆☆☆★★

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書籍名:『スターと私の映会話』(集英社)
著者名:戸田奈津子
感想:タイトルからしてなかなか洒落た本である。映画ファンなら誰もがご存知、超有名な字幕翻訳家のエッセイ集。映画スターのナマの人柄や、映画の中のしゃれた会話の紹介やら読んでいて実に楽しかった。翻訳家って徹夜したり、ホテルにカンヅメされたりするのかと思っていたら、睡眠8時間の規則正しい生活だとか。ポリシー持った生き方をしてる人の本はヤッパリちゃうなぁって思った。
Movies are like life. you'll never know what you're gonna get!
(映画は人生と同じ。どんな世界が待ってるかお楽しみ!)

点数:☆☆☆☆★

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書籍名:『「バカ」になれる人ほど「人の心」がわかる』(大和出版)
著者名:伊吹卓
感想:世の中はバカにならないと出来ないことが多い。恥ずかしいなって思うことや、危ないこと、一銭の得にもならんようなこと。でも「バカ」になりさえすれば何だって出来る。同じ人生を楽しむならバカになるほうが得策かも。
そ~んな当たり前のことを大そうに書いてあった。

点数:☆☆★★★

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書籍名:『四日間の奇蹟』(宝島社)
著者名:浅倉卓弥
感想:ミステリー大作ちゅうことで、読みはじめたんやが、内容的にはファンタジーSFやったな。
導入からのストーリー・テリングが新人離れしてるもんやから、ぐいぐい引き込まれて400頁以上の
長編やったが一気に読破した。ある意味爽快やったな。使い古されたテーマではあるんやが、まあ読後に清涼感が残る読んで決してソンはしない作品ではありました。文庫化もされてますよん♪

点数:☆☆☆★★

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書籍名:『オタク・ジャポニカ』(河出書房)
著者名:エチエンヌ・バラール
感想:今や日本のアニメは世界の主流。日本の総理の名前は知らなくても、宮崎駿さんや、パトレイヴァー、エヴァンゲリオンは何でも知っている若者が、世界中に広がっているらしい。いわゆる「オタク」っちゅう日本独自の文化を
外国人である著者が、それこそ実に広角的に考察し、論評してある。
その鋭い洞察力には日本人であるシルフですらたじろぐほどである。(笑)
いやはや実によ~書けてるちゅうわけです。
ポルノを規制した韓国は、世界第3位のレイプ発生国で日本の8倍の発生率だとか、バルタン星人のバルタンは、アイドル、シルビー・バルタンから名づけられたとか、まぁいろいろトリビアねたも多かったなぁ。

点数:☆☆☆★★

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書籍名:『ホラー小説講義』(角川書店)
著者名:荒俣宏
感想:著者の博物学的知識は、昔からかなり敬意を表していて「ヨーロッパホラー紀行」だとか「荒俣宏の20世紀世界ミステリ遺産」だとかは何度も読み返した覚えがある。それらに比べると本書は、テーマがホラーとりわけオカルトとかに傾倒しており少し物足りなったかも。但し挿入された挿絵の豊富さは、
ビジュアル的にも大いに楽しめる内容ではあった。

点数:☆☆★★★

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書籍名:『詩集フォークソング』(主婦の友社)
編集:日本のフォークを愛する会編
感想:何かいい詩集はないかと、地元の図書館をくまなく探したが、ない。う~むあまりにお粗末。これといったもんがないんで、仕方なく借りた。ザ・フォーク・クルセダーズの「イムジン河」その昔、政治的な理由で歌詞はおろかレコード発売も発売直前に中止となったが、2002年3月に34年ぶりに発売されたらしいね。当時「悲しくてやりきれない」(歌詞:サトウハチロー)って曲がヒットしたが、この曲は「イムジン河」のメロディーを逆回転させて、そのモチーフから生み出された曲ってこと知ってる人いるのかな。
最近じゃ「痴漢シリーズ」ビデオの主題歌に使われていて、チョット寂しかったけどな(笑)

点数:☆☆★★★

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書籍名:『デブラ・ウィンガーを探して』(河出書房新社)
著者名:ロザンナ・アークエット
感想:同名の映画があったんやがつい見逃してしまい、写真豊富なノベライズの本書を一気呵成に読み
終えた。大女優のジェーン・フォンダやメリル・ストリープですら撮影当日はガチガチに緊張するらしいとか
人生でもっとも大切な事は、仕事よりも家族や仲間と共に過ごす時間なんだとか、いろいろ勉強になりました。(^_^;)
ところで、ローラ・ダーンって『マスク』の盲目の美少女やってんてなぁ。改めて知ったわ。
点数:☆☆★★★

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書籍名:『季節風』(みすず書房)
著者名:島尾伸三
感想:みすず書房ちゅうたら、フランクルの『夜と霧』とか出してなかったっけ。シルフは随分と本は売ってしまったからなあ。さて、この著者は『中華図案見学』だとか、アジアの博物学的な本が多くて結構読んだ記憶あるけれど、これは筆者の写真付きアジアンエッセィらしいな。ちょっと哲学っぽい文章が多くて辟易したけど写真はええなあ。なかなかのもんやった。いっそ写真を前面に出して写真集にすれば良かったのに(笑)
点数:☆☆★★★

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書籍名:『大阪学世相編』(経営書院)
著者名:大谷晃一
感想:ちょっと前に紹介した『大阪学』ちゅう本は、続編も出て、これはその3弾目で、新聞掲載していたコラムのマトメやなあ。カブる話も多かった。ただ、大阪の地名で「遠里小野」(おりおの)って読むらしい。コレは知らんかったわ(笑)
点数:☆☆★★★

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書籍名:『少女たちからウザいオヤジへの手紙』(ぶんか社)
著者名:Create media
感想:コギャルから援交相手、教師、父親ほかへのホンネトークをまとめたものであるが、ヤラせっぽい文章もあったなぁ。まあ買ってまで読む本ではないわ。アウガン:「アウトオブ眼中」問題外のこと。アフガンかと思ったシルフはオヤジかもな。(笑)
点数:☆★★★★

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書籍名:『南極のペンギン』(集英社)
著者名:高倉健
感想:ご存知あの映画俳優、高倉健さんの十編のショート・エッセイが、実に素敵な挿絵と一緒に書かれています。活字も大きく一見絵本と見間違うほど。ハワイのベトナム料理人、北極のインド人ガイド、あるいは奄美の画家、田中一村のエピソードなど。知られざる人の優しさ、人間愛を綴っています。私は通勤の車内でそれこそ一気に読破しました。

点数:☆☆☆★★

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書籍名:『カラヴァッジョ灼熱の生涯』(白水社)
著者名:デズモンド・スアード
感想:カラヴァッジョが生きた歴史的な背景を、史実に基づきながら淡々と正確に描かれてある。
誇張がなく客観的な眼で洞察されてるので、彼がいかにしてその時代をたずさえ、如何なる視点で絵を
描いたのかが良くわかり面白かった。激しい感情の持ち主に捉えられがちだが、根底には優しい人間愛に
満ち溢れてる人物だったようだ。波乱に富む過酷な人生だったが、今日的なその評価の高まりぶりを見ると
決して無駄ではなかったように思える。

点数:☆☆☆★★

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書籍名:『ヨーコ・オノ 人と作品』(水声社)
著者名:飯村隆彦
感想:一部では、ジョン・レノンの奥さんとしてしか知られていないようだが、日本の現代美術では
草分け的な存在。ハプニングの創始者とも言われている。彼女のテーマは常にピース(平和)それに愛。
「ライティング・ピース」(マッチの火をつけて消えるまで見つめる)「カッティング・ピース」(彼女の服を
一片づつ観客がハサミで切り抜いて行く)「ラーフィング・ピース」(1週間笑い続ける)等々、どれも
ユニーク。彼女にとっては、ビートルズの活動そのものにも意義を感じなかったとか。(なるほど!)
「空の美しさにかなうアートなんてあるのだろうか-オノ・ヨーコ」

点数:☆☆☆★★

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書籍名:『京都のススメ』(双葉社)
著者名:仲村清司+京都そぞろ歩き隊
感想:一般に京都の旅行ガイドといえばそれこそ無数に出ているが、それとは
違った別の観点から眺めたガイド書。装丁のコラージュに釣られて一気に読破したが、欲を言えば、もう少し文化的な掘り下げが欲しいよね。

点数:☆☆★★★

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書籍名:『大阪学』(経営書院)
著者名:大谷晃一
感想:同名著作は他にもあるんだが、表紙のいしいひさいちの漫画に釣られて読みました。
大坂の坂は「土に帰る」と死を意味して縁起が悪いから、阪に変えたとか、大衆文学のハシリ井原西鶴が
もともとは俳人で、ギネスブックに載るぐらい、一日で二万三千五百句(3.7秒に1句)作った
とか、いろんな意味でいい勉強させてもらいました。(笑)

点数:☆☆☆★★

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書籍名:『のはらのテレビジョン』(偕成社)
著者名:五味太郎
感想:相変わらず、この人の絵本はスゴイねえ。個人的には『さる・るるる』『ばく・くくく』とかが
ベストなんだけれど、どれを読んでも面白いね。それこそストーリィから本の装丁、それに挿絵まで
すべてワンマンでやっちゃうんだものね。かなり頭がイイ人だと思います。
熱狂的な阪神ファンでもあられるし…。(笑)

点数:☆☆☆☆★

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書籍名:『露西亜人形殺人事件上・下』(講談社KC)
著者名:さとうふみや
感想:ご存知コミック本『金田一少年の事件簿』の新シリーズである。
   たまには、マンガも取り上げないと、日本が世界に誇る文化だからね。
   正月にブック・○○っていう中古書店で全27巻をたったの500円で買って
   やみつきになりました。(笑)主人公のライバル地獄の傀儡師こと
   高遠遙一の登場するエピソードで、シルフちゃんは昔からこの手の
   キャラが大好きなのだ。ホームズよりモリアーティ教授という風に
   いっそ彼らが主人公のビカレスク・ロマンがあれば最高なんやけどなぁ

点数:☆☆☆★★

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書籍名:『国宝阿呆』(学習研究社)
著者名:アホの坂田利夫

感想:著者名にアホの…とついている本は初めて見たよ(笑)それだけ
   でもスゴいことだよね。「アホの坂田」ってほんとにアホなのかって
   誰もが一度は考えたことがある素朴な疑問が読み終えたらわかります。
   「お客さんは僕を見て、自分の中の『アホの坂田』を笑ってはるん
   やろうね」読者への結びの言葉「小さなおりこうさんよりも、大きな
   アホになれ」なかなか名言やった。  

点数:☆☆☆★★

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書籍名:『手探る・宇宙・美術家たち』(樹芸書房)
著者名:ヨシダ・ヨシエ

感想:アーティストが喜びそうな素敵な装丁です。27人の日本の美術家を
   解説してある。どちらかといえば、正統より異端(失礼)知ってる人
   は野中ユリぐらいだろうか。余談だが、この本、流行の中古本チェーン
   店で¥105で買いました。いいものを安く手に入れる関西人のお手本?

点数:☆☆☆★★

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書籍名:『青春放浪』(ほるぷ出版)
著者名:立松和平

感想:旅のエッセイが多い筆者の珍しい自伝風エッセイ。文字が大きかった
   ので一気に読めた。「ぼくは、学ぶべきことは常に路上にある」
   と思いますっていう姿勢が好きです。種々雑多な生き物がいて、
   全体ができていく。ことなったものを排除してはいけない。
   そういう社会でなければならない。   

点数:☆☆☆★★

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書籍名:『池田満寿夫・愛のありか』(二玄社)
著者名:池田満寿夫・佐藤陽子

感想:早いもので既に没後7年の歳月が過ぎ去ったんだよなあ。
   その間のこの国の凋落ぶりといったら…。
   -芸術家は相互に連結して社会を変えねばならない。
   故人の残したことばです。   

点数:☆☆☆★★

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書籍名:『蹴りたい背中』(河出書房新社)
著者名:綿矢りさ

感想:前作に比べると確かに技巧は各段に上手くはなってるが…。でも、まだ
   まだこんなかたちで成熟して欲しくはないんだよな。もっともっと可能性を
   秘めてるだけに。コレじゃあまるで『蹴りたい佳作』だよ。

点数:☆☆★★★

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書籍名:『20世紀の美術家500』(美術出版社)
著者名: 木下 哲夫(訳)

感想:今世紀に活躍した500人の芸術家をピックアップして、作品1点づつ
   丹念に掲載し寸評してある。芸術の多様性をパノラマで見ることが
   出来て壮観。姉妹編として『世界の美術家500』もありこちらは、古典
   が中心である。

点数:☆☆☆★★

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書籍名:『蛇にピアス』(集英社)
著者名:金原ひとみ

感想:名物にうまいもんなし。芥川賞作に傑作なし。
   う~むむ。ブルータスお前もか。
   もうちっと斬新な文体でサラッと書けたらなぁ~。(若いんやから)
   思弁的になりすぎちゅうか媚びを売りすぎだよ。
   次回作が「豚に真珠」「猫に小判」とか開き直れば期待しちゃうが。

点数:☆☆★★★

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書籍名:『つめたいセックス』(新潮社)
著者名:真中優多

感想:主人公はヘルス嬢、おまけに舞台は大阪。映画『タクシー・ドライ
   バー』を彷彿させる淫靡で猥雑な世界が次から次へと展開。
   唸った。但し、最後の3行あれさえなければなあ…。

点数:☆☆☆☆★

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書籍名:『牛への道』(新潮文庫)
著者名:宮沢章夫

感想:何でもない日常を、ちょっと違った角度で眺めるだけで
   「人生って、かくも面白くなるよ」っていうお手本だね。
   『なくともやはり払いたまえ』なんてもうサイコー。声を出して
   笑えることうけあい。同著者の『わからなくなってきました』もオススメ。

点数:☆☆☆☆★

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書籍名:『インストール』
著者名:綿矢りさ

感想:最年少芥川賞受賞者の名に恥じぬ傑作。もっともこれは文芸賞だが。
   最近はつまらない小説が多かったが、コレにはやられたって思った。
   女子高生と小学生が風俗チャットでひと儲け?いやいや奥が深いよ。

点数:☆☆☆☆★

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書籍名:『言い難き嘆きもて』
著者名:大江健三郎

感想:大江健三郎さんて故伊丹十三さんの義兄弟だったんですね。
   知らなかった。

点数:☆☆☆★★

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書籍名:『これは餡パンではない』(再読)
著者名:三浦俊彦

感想:現代美術について、これほど面白おかしくかつシニカルに描いた
   小説は他にないのでは…。筒井康隆ファンなら必読。

小説の点数:☆☆☆☆★

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書籍名:『転がる日本にバカ満ち足りて』
著者名:大黒秀一
感想:ここ数年読んだ本の中でもベストに入る部類。著者は自称退屈愛好家
   らしいが、とんでもない。見方を変えることで見えてくる真実、確かな
   眼と人生を楽しむ術を知っている。

小説の点数:☆☆☆☆☆

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