スノーソード

スノーソード

GT3二話




「今日も良い日だ。」
木々の隙間から入り込んでくる光を感じとった俺は薄目を開けてそう思った。
ディープフォレスト生活も早2日目になる。
ここはレース場なのだが、昔からある登山道もまだ残されているため、
レースの無い日はこうして山歩きや、キャンプをする事が出来るのだ。
「…しかし」
あまりうかうかしている事はできない。
ある古文書による伝説にはこの地に施された封印がもうすぐ解けてしまうというのだ。

古文書にはこう記されている。

「やあ、元気だったか?俺は相変わらずだ。だが最近はすこぶる調子が良い。
おかげで電波を受信する事に成功した。まあ聞いてくれ。

夢。
楽しかった頃の夢。
お互いどんどん強くなっていくのがとても楽しかった。
ずっとずっと、良い勝負を繰り広げられると思っていた。
でも…、
倒されるのは一瞬だった…。
本当の強さを手にした彼は真の必殺技を習得していた。
声が聞こえる。
「どうやらこの勝負、剣を錆び付かせるだけの茶番にすぎぬようだな」
それは誰の勝台詞だっただろう…。
ああ、そうか…。
ぶおぶおバルガ255ヒットオーバーにやられたんだ…。
遠のく意識の中、
ボクも必殺技が欲しいと思った。
「ハメ技はあるよ」
彼女は言った。
「ここにあるよ」
確かに、彼女はそう言った。
ニコレ…。
そうか、そうだったんだ…。
ハメ技を持つキャラ。
…それをいま、ボクは使っていた。

ps
ごめんよ…。
僕は君を使いこなすことはできなかったよ…。
でもたまには使ってあげるから安心しておくれ…。


…どうだ?面白かったか?
…そうか。
じゃあ本題に移ろうか。

僕は…君に…
おとぎ話を…してあげよう…。

遥か昔、深い森に四方を囲まれた所に
ヴァーダイトと呼ばれる小さな国があった。
その地にはこんな伝説が伝えられている。
そのまた昔、多くの民が倒れ、傷ついた戦いがあった。
もはや死を待つのみとなった人々は絶望していた。
だがそんな時、奇跡は起きた。
「奇跡ってそう簡単に起こるものじゃないだろ…」
そう思った人もいたかもしれない。
でもそこには光の剣を携えた勇者が現れたのだ。
「…私は魔物を討つ者だから」
本当にそう言ったかは定かではないが、
「私は勇者じゃない」
と言いつつも国を救ってくれたあいつはとても良い奴だ、と。
そして忘れてはいけないのはその人の無二の親友である魔法使いのことを。
マジカルさゆりんとその名を伝える者の正体は既に
森に漂う霧の中に消えてしまった。
それを『ゴ○ストバスターズ』と呼んだかは知らないが、
神殿を築いた者達だけが言い伝え、崇拝してきた。
だが、今ではその伝説すらも忘れ去られる程の物となってしまった。

その者達は魔物がいなくなくなるまで戦ったと聞く。
だが一匹だけ倒すことが出来なかった魔物がいた。
あまりにも強すぎるため、魔法使いはそれを封印することにした。
場所は祈りの丘。
この丘は古くから儀式の場所として使われているため魔力が宿っているのだ。
その魔力を合わせることによって強力な結界を作るのである。
作戦は魔物をおびき出すことから始まった。
強力無比な攻撃に苦戦しつつも丘に魔物をおびき出すことに成功した。
そして待ち構えていた魔法使いが封印の儀式を行った。
だが、封印中にアクシデントは起こった。
最後の足掻きとして魔物はその魔法使いも引きずり込んでしまったのだ。
それでも封印は何とか成功したが、その代償はあまりにも大きかった。
残った人々はそれを称えその場所に神殿を築き、シースの像と勇者の像が祀られた。
そして封印がけして解けぬよう皆祈りつづけたのである。

しかし最近はその祈りをささげる人はいなく神殿も荒れ果てているらしいのだ。
…そしてこれらの伝説をまとめると、
恐るべき事実が浮上してくる。
それはヴァーダイト(現在のディープフォレスト)にあった
神殿には恐るべき力を持つモノが封印されており、
そして今、その封印は解けつつあるというのだ」


完全な封印をまた施すことはできないだろうが、
これでも実体化したカードを元のカードに戻したり、
杖の封印を解くことなどはちゃんと勉強したつもりだから、
絶対大丈夫だと思う。
何よりそこまでして封印されたものがどんなモノなのかを
知ってみたいという気持ちもあったからだ。

既に登山道を外れ、道無き道を歩き早3時間になる。
古文書によるとこの先に森が開けた所があり、
そこには巨大な切り株があるという…。
俺はリュックの中を確認する。
そこには天使の人形が入っていた。
これは奇跡を起こすための触媒となる物だ。
しかし、問題は意思の力がどれだけ大きいかということだ。
どこかの世界でそんなことを聞いたのを思い出す。
最もその制度も今では廃止されたらしいが。
「意思の力か…」
この時自分は何を思っただろうか。
中途半端な気持ちでこんな所に来てしまったのではないのか?
そんなことが頭を過ぎる。
「いや、そんなことはない!」
ふと出たマイナス思考を振り払うように否定の言葉をあげる。
そして俺は歩いていく。
真実を知るために…。


つづき



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