フライブルク日記

2017/01/30
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今、ケアスティン・ヘンゼル(Kerstin Hensel)というドイツ人女性作家の「いつわりのウサギ」(Falscher Hase)という本を読んでいる。
東西ドイツがわかれていた時代に、歯科医の女性助手に一目惚れした主人公が、片思いのまま、この女性が住む東ベルリンへと、西ベルリンからわざわざ入って、東ベルリンで兵士から警察官になり、定年を迎えるという、かなり暗いけれど、どこか笑ってしまう話。
話の面白さもそうだけれど、なにしろ文章がとても文学的な作家。とても気に入ってしまった。日本語版に訳したいほどだけど、これは日本じゃ売れないかなあ。

この小説のタイトルである「いつわりのウサギ」は話の中でとてもひんぱんに登場する。
BFはドイツ人のくせに、いつわりのウサギが何なのか、これまで知らなかった。
いつわりのウサギとは、日本語というか英語でいうミートローフのことだ。

おかしなことに、わたしのブラウザーで日本語でミートローフと書いてグーグルすると、日本語のサイトがたくさん出てくるだけでなく、ブラウザー画面の右側にちゃんとドイツ語でFalscher Haseと出てくる。勝手に訳してくれるんだな。

この小説の主人公の母親は、家族のためにしょっちゅう、いつわりのウサギを作る。
戦争中は食糧難だったために、肉がなく、肉の代わりに雑穀や野菜を細かく切って、「二重のいつわsり」のウサギを作ったりもする。


牛肉のミンチ500gにグリーンピースや自家製パンのパン粉、いためた粗くおろした人参と刻みタマネギを入れて、真ん中にはゆで卵も入れて、オーヴンで焼いた。
このいつわりのウサギは、ハンバーグステーキよりもおいしかった。
汁が流れ出ないのでジューシーなためだろうか、何より味がメチャクチャにおいしかった。
スーパーの安い牛肉ミンチだったのに、不思議。
BFはミートローフを食べるのは長い人生ではじめてだったらしい。

安くておいしい、いつわりのウサギ、これからはしょっちゅう食卓にのぼりそう。





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Last updated  2017/01/30 02:35:38 AM
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