返り咲き・狂い咲き


本来咲くべき時期以外に花が咲くときに使うその呼び名について、
文献からそれらに関する内容を拾ってみました。
参考にしてみてください。

ちなみに、上記に示した全ての言葉は同一のものを指しています。
以下をお読みいただければ、お分かりになります。


かへりざき

1 時節を違えて草木の花が咲くこと。
  通常、春咲くべき花が、小春日和に咲くことなどをいう。 二度咲き 狂い咲き 。季語、冬。

2 転じて、いったん衰えたものが、思いがけず再び栄えること。


かへりざく

 花期が終わった後に再び花が咲くことをいう。
主に、桜、梅、桃、山吹など春の花が初冬に再び咲くのにいう。

【以上、角川書店 古語大辞典】


かへりざき

 花の時節でないのに咲くこと。 狂い咲き
多く、春の花が、初冬小春日和のころ咲くのにいう。「 かへりばな 」とも。

【以上、小学館 古語大辞典 コンパクト版】



返り咲き(現象)  reflorescence

 春に咲く花木が秋に咲くこと。
夏に花芽が分化し、その発達、完成が早いサクラやフジなどで見られる。
夏の異常な日照りによる干ばつ、高温のほか、病害虫、薬害、風害で落葉したときに起こりやすい。
しかも、その後の天候が温暖な場合によく見られる。
干ばつではリンゴ、ミカンで見られ、翌年以降の 結果 (注釈:果実を結ぶことの意)状態に悪影響を与える。

正常な花に比べると返り咲きの花は形がやや小さく、
ときには形態的に異常であったり、花色も一般に淡い場合が普通である。
しかし、毎年決まって花芽の約3分の1が10~12月に、残りの花芽が4月に開花する
フユザクラ、ジュウガツザクラ、コブクザクラなどのような種類もある。


狂い咲き  unseasonable blooming、unseasonable flowering、unseasonable reflorescence

 植物の花が季節外れに咲くこと。
多くは春咲いた植物が、秋に再び咲くことを 狂い咲き unseasonable blooming )といい、
二度咲き 返り咲き (帰り咲き)ともいう。
初夏に分化した花芽が、秋、台風や虫害によって落葉することで休眠が解除された状態となり、
不時開花に至る現象を指す。
また、花芽が正常に配列しないため、本来の花形でなく、
不規則な姿に乱れ咲くことも 狂い咲き irregular type、fantasy type )という。

【以上、朝倉書店 園芸事典】

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