蘇芳色(SUOUIRO)~耽美な時間~

「ひと月百冊読み、三百枚書く私の方法」






書籍名:「ひと月百冊読んで、三百枚書く私の方法」

著者:福田和也

出版社:PHP研究所

どうやら私は、知識の深い人に興味を持つクセ?があるらしい。
以前は立花隆氏に惹かれ、何冊か彼の著書を購入した。
今回は「作家の値打ち」が話題になった評論家の福田和也氏。
多岐にわたって評論活動をし、とにかく数多くの著書がある。
一体どういう風にすれば、あのように精力的に活動できるのか知りたかった。
それで購入したのが「ひと月百冊読み、三百枚書く私の方法」

物を書くためには、さまざまな資料を集めなければならない。
たとえそれが小説でも、例外ではない。
評論ならば、なおのこと、きちんとした資料や情報を数多く集める必要があるだろう。
私もたまに人の目に触れるモノを書くので、この資料集めの重要さは、身にしみてわかっているつもりだ。
以前に比べたらパソコンがあるのだから、情報集めなんて簡単・・・とはいえない。
ネット上に存在する数多くの情報の中から、自分が欲しい情報を見つけ出すのは、至難の業なのだ。
プラス信頼性が高いものでないといけない。
必然的に、情報集めは書物や新聞に頼ることになる。
この資料集めのための読書は、趣味の読書と違い、かなりの忍耐力を必要とする。
特に私は。
新聞のスクラップもどんどん溜まってきて、定期的に整理をしないとゴミ同然になってしまう。
本書第1部は「どう読むか」と題して、「役立つ本の選び方」「本のあたりのつけ方」「抜書きの大きな効用」など、福田氏の実践する効率的な情報集めの方法が紹介されている。
私も本の選び方などは、似たようなことをしていたので、目からうろこ・・・とはいかなかったのだが、福田氏が実践していると聞くと、今までの方法でよいのだと安心した。

情報を集めた後は、書く作業がある。
第2部は「どう書くか」
情報整理したあと、どのようにして表現していくかを、文章上達のヒントを与えつつ指南。
難しいことが書いてあるのか、と警戒しつつ読み始めたのだが、見事に裏切られ?サクサクと読めた。
濃い内容なのだが、わかりやすく書いているところは、やはり一流の評論家だと感心した。





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