上生的幻想

上生的幻想

2007/12/16
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 写真よりはもう少し微妙な色あい、縦にとおっている白い部分が面白い。
 降りかかっている凍り餅粉は、霜の風情なのだろうか。

 種は白漉餡。コクのある、澄んだ漉餡。
 こなしは、小豆の味。ねっとり感はない。水気は少ない。といって、もちろん、パサついてはいない。
 粒餡の小豆粒の中のようなほろほろした口溶け感(ただし、小豆粒よりももっとぎゅっと押し固めてある)。あるいは、変なたとえだけど、ユーハイムのフランクフルタークランツの冷えたバタークリームがほどけていく感じ。
 先にやわらかめの白餡が溶け、その後で残ったこなしが溶けていく。

 わびすけと違って、かすかな華やぎを秘めた上生。
 そういえば、見た目も、木枯らしといいつつ、どことなく華やいでいない?

***

 原材料を確かめたわけではないので確実というわけではないけど、わびすけにも共通するこの「ふくよかさ」を演出しているのは、たぶん、和三盆糖。トレハロースが入ってくると、澄んだ、シャープさが甘みに加わってくる。典型は、俵屋吉富(甘みだけではなく、トレハロースには保湿作用もあり、俵屋のものがかなりみずみずしいのはそのため)。
 その澄んだシャープな甘みと素材の持つ風味とのバランス、それら全体のスタイルなどを感じるままに、「現代的」だとか「先鋭的」だとか、僕は表現しています。
 「老松」は和三盆で、古めかしくないスタイル(鶴寿庵や玉壽軒などの風味は、やや古めかしいスタイル)。ある意味、今っぽい。「ふくよかさ」というものがあまり「現代」っぽくない概念かも知れないけど、「ふくよかさ」として今時ふうに洗練されている、という感じ。と同時に、「老松」という響きそのものの、どこか侘びた、年(だけでなく風雪までも)を経た風情。






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Last updated  2007/12/16 06:58:44 PM
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