その弐

「マプッペ誕生の一日」その2



10時過ぎになって陣痛も次第に強くなってきた頃、分娩室に入る前の準備室に通され、そこでお風

呂に入りながらリラックスするように言われる。この日の病院は早朝3時くらいから出産ラッシュ

で、助産婦さんの数も一杯一杯になっていたらしい。11時半までお風呂、モニタリングを繰り返し

て、助産婦さんの内診を待つ。やっと手の空いた助産婦さんが来たのは12時過ぎ。このとき子宮口

はすでに4cm開いていて、もう麻酔を打つことが出来る、と。

しかし、出産ラッシュだったこの日、私の前に既に8人もの妊婦が出産または出産準備に入ってお

り、現時点で分娩室の空きがないとのこと。分娩室でないと麻酔は打てないので、申し訳ないが午

後2時まで待ってもらえないか、との話。お腹が空いたと訴えるが、今のあなたは食べることも飲

むこともできないんですよ、と言われてしまう。そして、このあとに来る陣痛がどれだけのもの

だったか、この時はまだ知る由もなかった…



→その参へ


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