NPO法人CaC

NPO法人CaC

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

NPOCaC

NPOCaC

Calendar

Favorite Blog

(韓国) 2024/011/10… New! BETHESDAさん

如安 アバ7988さん
芸術を楽しもう 鋳物師さん

Comments

どぴゅ@ みんなホントにオナ鑑だけなの? 相互オナって約束だったけど、いざとなる…
らめ仙人@ 初セッ○ス大成功!! 例のミドリさん、初めて会ったのに、僕の…
もじゃもじゃ君@ 短小ち○こに興奮しすぎ(ワラ 優子ちゃんたら急に人気無い所で車を停め…
チリチリ@ 次は庭で全裸予定w http://kuri.backblack.net/jf4w7wf/ ち○…
地蔵@ 驚きのショックプライスw コウちゃんがこないだ教えてくれたやつ、…
2006.10.15
XML
カテゴリ: 反戦&平和
哀しき夕陽                         能瀬敏夫
 三 炎えるカンナ(1)

昭和二十年八月九日ソ連の参戦により, 関東軍司令部から受けた第一報は,午前〇時ニ十分であった。院内には急に緊迫感がただよった。翌朝私は早速マーチョ(馬車)を駈って満州中央銀行に走った。
正面玄関前の植込みに真紅のカンナが咲き乱れて,既に真夏の太陽が照りつけていた。あらかじめ連絡しておいたこともあって,顔見知りの中国服の少女が別室に案内してくれた。この建物はかつて馬占山がこの地を制圧した頃建築したもので,その豪華さは目を見張るものがあった。角材を敷き詰めた床は石のように重みがあり,応接間の一段高い床の間風の所には,いきいきと目を輝かした虎の剥製が空を睨んでいた。
既に用意していた風で,当時の金で三十万円という大金を受け取ると,待たせたマーチョに飛び乗って病院に向かった.市内の埃っぽい喧騒は平常と変りがないが,何か目に見えない重苦しさが,この乾いた空気いっぱいに溢れていた。
病院にやがて一キロの地点で急に街中がざわめきたち,ふと見上げると遥か稜線を飛行機雲が流れ,それを認めた瞬間,重爆発音がずしりと腹に響いた.ついに来るべきときがきた。永い年月を仮想敵との闘いに明け暮れていた私たちが,それに幾分慣れはじめた今,そんな自分の考えを根底から覆すような現実が目の前に迫ろうとする。
黒煙が上がり馬が大きく前脚を上げると,
その前の土が見事にえぐられて宙に舞った。
ソ連機が北満の古都斉々哈爾に落とした最初の爆弾であった。
病院に帰ると院内は僅か三時間前とは比較にならぬ緊張感で,廊下を小走りにすれ違う衛生兵や看護婦の顔が青白く引きつっていた。
第一回の伝達士官の報告によると,「各部隊は全力を挙げて迎撃せよ」と,いうことであった。要するにこの地にとどまってソ連軍の攻撃を阻止せよ,ということである。そして一方当病院の今後について考えると,おそらく夥しい負傷者が前線から送られてくるに違いない。その前に現在入院中の患者を後送するのが差当たりの急務であった。


    三 炎えるカンナ


 つづく⇒⇒⇒            三 炎えるカンナ(2)


哀しき夕陽.jpg
そして終戦・・・今の時代への
貴重なメッセージの一冊「哀しき夕陽」ただ今販売中

核兵器、昨今の世の中、益々危機が身近に思える。
そんな中で戦争反対・武装反対と気に為るアレコレを
コミニティーしてみようょ






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2006.10.15 02:31:23
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: