たまこ参上(^_-)-☆

熱性ケイレン




【熱性ケイレンとは?】

乳幼児が高熱を出すと、ケイレン(ひきつけ)を起こすことがあります。
ケイレンの前後には38度以上に発熱します。この時の症状は

1.急に意識がなくなる
2.顔色が悪くなる(チアノーゼ)
3.手足を硬く突っ張ったりピクピクふるわせたりする
4.目は開いたままうつろになったり、上方または左右に片寄っている

などです。
 子供によって症状のでかたは違います。ほとんどのケイレンは5~10分以内で、意識もすぐに回復します。後遺症を残すことは、ほとんど有りません。日本では小児の10~12人に1人の割合で起こると言われており、救急外来を受診される最大の原因の一つです。

【ケイレンが起きているときはどうすれば?】

初めてケイレンを見ると相当驚きうろたえます。今にも呼吸が止まって死んでしまいそうに見えます。でも安心して下さい!ケイレン中も呼吸は少しは
出来ていますし、ほとんどは自然におさまります。従って家庭では次のことを心がけて下さい。

1.まず落ち着くこと!(なかなか難しい)
2.子供を安全な場所に移す
3.体を横向きにして寝かし、顔をやや下向きにする(口の中の唾液や吐物  が外に流れるようにします。喉の方に流れると窒息の危険があります。  無理に口をこじあけたり、物をつっこんだりしない)
4.衣服をゆるめて、体温をはかる
5.子供の状態をよく観察する(目つき、顔色、手足の状態、ケイレンの時間  など)
6.ケイレンが終わってから、高熱の時は解熱剤を入れたり腋下や鼠径部を  冷やす)
7.10分待っておさまらない時は病院で診てもらう

【次の場合は至急受診してください】

熱性ケイレンはたいて5~10分でおさまりますが、中には長く続くこともあります。また脳の病気の症状のこともあります(脳炎、脳症、脳出血など)。従って次のような症状のときは至急医師の診察を受けてください。

1.ケイレンが10分以上つづくとき
2.一度終わったケイレンが再び起こる
3.ケイレン終了後、なかなか意識が戻らない
4.ケイレン後に麻痺が残る
5.無熱性のケイレン

このような症状の時は、ケイレンを抑える処置をし、血液検査、ルンバール、脳CT、脳波などの検査をします。入院が必要なこともあります。また無熱性(熱がなくてケイレンが起こること)の原因はたくさんありますので、この場合もその時に一度診察する必要があります。

【実際にケイレンが起きているときの治療は?】

救急車で来られてもほとんどは既に治まっています。これからもわかるようにケイレンは自然に治まる性質があります。
《ケイレンの注意事項》をよく守って行動して下さい。
繰り返すケイレンや長時間のケイレンはそれ自体で脳障害の危険があります。この時はケイレンを抑える薬を注射したり坐薬を使用します。
酸素吸入や点滴が必要なこともあります。

【熱性ケイレンの長期治療は?】

熱性ケイレンを起こす人の30~50%は繰り返しケイレンを起こします。
1年に何度も起こす人もあります。成長するにつれてケイレンは起きにくくなり5~6歳頃にはみられなくなります。しかしこの原則に合わない人もあります。このため最近では熱性ケイレンを長期治療の観点から単純型と複雑型に分けています。単純型は発作の回数は少なく、発作の時間も短く、治療は必要ありません。複雑型は次のような特徴があり長期の治療が必要になります。

1.ケイレン時間の長いもの
2.局在性のケイレン
3.麻痺などの神経症状が残るもの
4.神経学的な異常があるもの(脳性麻痺、発達異常など)
5.無熱性ケイレン(熱がなくてもひきつける)の人が家族にいる
6.1歳以下で発症
7.頻回のケイレン

このような条件に合う人は普段よりケイレン攣剤を飲んだり、発熱時早めに抗痙攣剤を使用して、ケイレンの再発を予防する必要がありますので、医師に相談してください。
発熱早期に解熱剤を使用してもケイレンを予防できることはできません。

【熱性ケイレンとてんかんの違いは?】

てんかんは熱がなくても繰り返しケイレンが起こり、脳波に異常が認められます。熱性ケイレンを起こす小児全体の約3%が将来てんかんに移行するといわれています。てんかんへの移行のメカニズムはよく解明されていません。複雑型はおおよそ10倍ほどてんかんの移行率が高くなります。てんかんに移行したときも長期の薬の内服が必要になります。



© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: