旅の途中、寄り道の日々

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魔法少女「藤崎 歩」第4章「戦闘」



無断転記禁止です。

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では、「魔法少女『藤崎 歩』第4章『戦闘』」始まります。





ああ、もうわけが解らない。

朝から魔法少女に会うし、先生は喰われてて、しかも、変わりに来た先生はマンイーターだし。訳分からないことばかりだ。どこだよここは。って日本だよ。

という一人ノリツッコミをしてる間に屋上に着いた。

「ここで喰べられたいのね。うふふ」

『逢沢 時恵』もやって来た。

逢沢先生と歩が対面する。

「そんなことを言ってられるのも今のうちよ!」

「あんたなんか私の『下僕第3号』にしてやるんだから!」

えっ?歩さん、今、あなたなんと言いました?

「おい、歩、正気か」

俺は確認する。

「えぇ、正気よ!」

どうやら正気なようだ。

「さぁ、行きなさい!下僕2号!」

ん?『2号』それは誰だ?

「何してるのよ!行きなさい、『明』!」

『下僕2号=俺』そんな数式が浮かんだ瞬間だった。

「行けって言っても、ごく普通の高校生の俺に何をしろっていうんだよ!」

「大丈夫よ、私が何とかするから。あんたは普通に戦いなさい」

普通ってケンカもしたことの無い俺に『普通に戦え』というのかこいつは。

「ほら!来てるわよ!」

前を向くと逢沢先生が常識外の速度でこっちに向かってきていた。

あの鋭い爪で引っかかれたら痛いだろうな~

俺が危機に直面してる今思ったことである。

「ぼさっとしないで、明!死ぬわよ!」

死ぬという言葉に我に返った俺は避ける準備をした。

「何、避けようとしてるのよ!私に当たるじゃない!」

避けることすら否定された。

逢沢先生の攻撃はおそらく後1秒も掛からないで当たるだろう。

歩はさっきから後ろでぶつぶつ何か言ってる。

さよなら、父さん、母さん。何も親孝行してあげれなくてゴメン。俺の人生は女の子を助けて終わります。先に死に行く息子を許してください。

俺がこの世に別れを告げた瞬間だった。

逢沢先生の鋭い爪が胸に刺る。

『地味に』痛い。

ん?『地味に』?あの長さ10cmはありそうだった爪が『地味に』な訳ないじゃないか。

「だから言ったでしょ。私が何とかするって」

「くっ!私の爪を防ぐなんてやるじゃないかお嬢ちゃん!」

どうやら俺は助かったみたいだ。

「さて、そろそろこっちも攻めるかしらね」

「どうせ戦うのは俺だけどな」

攻撃がそんなに痛くないなら戦えるかもしれないと思った。

「いや、あんた、もういいわよ」

「えっ?」

戦う心さえも否定された。

落ち込んだ俺など知る由も無く、歩は叫んだ。

「下僕『セラ』に命じる!アイツを倒しなさい!」

「了解したニャ。ご主人様」

「ちっ!まだ他にも下僕がいたのか!」

その瞬間どこからとも無く『セラ』が現れた。

「黒猫?たかが猫1匹増えたからって、なんだって言うのよ!アッハッハ」

笑う、逢沢先生。

確かに俺もこの小さな黒猫に何ができるのだろうと、疑問に思ってしまう。

「ニャ!」

セラが飛んだ。

まだ笑ってる逢沢先生の顔を蹴った。後ろ足で。

「グフッ!」

「猫だからって馬鹿にするニャよ」

やばい、セラがかっこよく見える。

「生意気なネコちゃんね・・・」

顔をやられた逢沢先生は爆発寸前のようだ。

「猫は生意気だから可愛いんだニャン」

そう言って、尻尾と後ろ足の2連撃を逢沢先生にあたえた。場所はまたしても顔だ。

「この、カスがぁぁぁ!」

逢沢先生がとうとうブチ切れた。

そうして猛スピードで近づきセラを捕まえた。

「うふふ、捕まえたわよ。ネコちゃん」

「ちょっとお痛が過ぎた・・・・・・わ・・・ね」

言い終わる前にセラは逢沢先生の顔を引掻いた。何回も。セラが始めて見せたネコらしい行動だった。

「ぎゃぁぁぁぁー!」

どうやら精神的にも肉体的にも効いているようだ。

逢沢先生は顔を押さえて絶叫している。

セラがこっちにやって来て言った。

「じゃ、後よろしくニャ」

「えっ、お前よろしくって・・・・・・」

セラは朝の様に姿を消した。今度は驚いたのは俺だけのようだ。

歩も言う。

「じゃ、行ってらっしゃい」

「とりあえず蹴ればいいわ。ほら!アイツをボールだと思って!」

どうやら行くしかないらしい。

俺はアイツに向かって走る。体が軽い。

「私の顔をよくも台無しにしてくれたわね!八つ裂きにしてや・・・」

なんか言ってるが関係ない。アイツはただのボールだ。

「る・・・グフッ!」

ドンピシャ。顎狙いのシュートは一直線にゴールへ飛んだ。同時に逢沢先生の意識も飛んだ。

父さん、母さん。俺は生き残ることができました。

『人はいつ死ぬか分からない』そのことをこんなことで実感するとは思いもしなかった。思いたくなかった。俺は心底そう思った。


                        続く?




あとがき^^;

新学期早々、死に掛けた明君でした。

セラや明が強かった秘密などは次章ですかね。

死なないで明君。それは作者も同じ気持ちです。

「魔法少女『藤崎 歩』第5章『強弱』」に進む

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