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少し前の話で恐縮ですが。行ってきましたネタ、三連発。まずは『 サムライたちの美学―新刀と刀装具にみる粋の心― 』@ 静嘉堂文庫美術館 。
静嘉堂文庫美術館、久しぶりに行きましたけど、やぱり遠いですね(w)。でも、あの正門から入って、てくてくと坂道をのぼって行く過程で、ここは特別な場所…という、期待がいやが上にも高まるんですよね。これも演出の妙。
もともと刀剣鑑賞というのは、あまり守備範囲ではなかったのですが、ずっと小さい頃に、今は本家筋が継承している、母方の祖母の家の代々の真剣を見せてもらって以来、「身近でないのに身近な感覚」という距離感で頭の隅に置いていました。
刀剣鑑賞のことは、またもあまりよく分からないのですが、鍔や、三所物(目貫・笄・小柄)などの小物の造形は好きで、刀剣とはあまり関係ない世界で興味を持っていたのですが、流石は静嘉堂文庫美術館、企画展の案内パンフ、質素な作りなんですけど、内容が充実していまして、刀剣の見所をまとめた挟み込みのパンフは、とても実用的かつ勉強になりました。これを片手に鑑賞しますと、その場に居ながらにして、刀剣鑑賞の面白さが体に沁み込んできます。あ、やっぱり面白い世界なんだ…。会場には、かなり気合いの入った刀剣ファンの方も数名おられ、見方そのものが全然違いました。太刀筋がいい、というのはこういうことでしょうか、お後がよろしいようで。
あわせて印籠と根付も展示されていましたが、江戸時代に入ってからの意匠というのは、鍔にせよ、根付にせよ、「町の文化」が横溢してきますから、雅致より遊び心、という粋なセンスが感じられて楽しいです。
その後は、国立新美術館(いつも書きますけど、年配の方には不親切な場所に建てた、「街の顕示欲」としか言いようのない美術館!!)にて、『 公募第52回 日本南画院展
』を観てきました。あ、入り口でイタリア人の女性団体に声をかけられまして、「ここは国立博物館じゃないの?」と訊ねられまして(汗)。そう、ネーミングもまた不親切で紛らわしいんですよね、ココ。気の毒だったなぁ。
ともあれ『募第52回 日本南画院展』。さる作家に招待状をいただきまして、はじめて、南画(つまり、江戸時代以降の画風、文人画)オンリーという展覧会に足を運びましたが、いやスゴい。こんな渋い世界があるのか、と。
出品されている作品は、意外に古典的なものだけでなく、南画という枠の中で、新しい試みをしている実験的な作品も多く散見されました。それから、なぜか仏像モチーフの絵、多かったです。仏、とかなら分かりますが、「●●寺の●●像」とか…。個人的には「?」だったなぁ。でも、時代の潮流を表していますね。そして招待くださった作家の作品は、出口付近にドーン。流石。というか、圧巻、別格ですね。この日も、受付(そう、出口受付の真正面にその絵があるのです)では、来場者がため息まじりで、黄色い声をあげていました(女性ファン多し?)。「この絵の写真、売ってないの?」という声に、平謝りの窓口、というシーンも。
その足で、地下のミュージアムショップに行ったのは、『 上出長右衛門窯の工場(こうば)展 』があったから。これは、展覧会というより販売会に近い企画展なのですが、昨年、ハイメ・アジョンの作品を求めたりしたので、「その後」を知るために立ち寄った次第。
モノ作りのバックヤード、お見せします、という内容でしたが、企画趣旨からしてあまり高望みをしてはいけないのですが、もう少し「舞台裏」を見てみたかったな、という喰い足りなさも。それでも、相変わらずインスピレーションに溢れた精力的な創作活動を続けていることに脱帽。書籍コーナーで二、三冊本を買って帰りました。
こういうアート漬けの日は、やっぱり最高に気持ちがいいですし、何よりアイディアやモチベーションのリフレッシュになります。(了)
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