Flying Dutchman 年を挟んでずいぶん力作が並びましたね。二十歳になられて一区切り、という気持ちがおありだったのでしょうか。「パイレーツ」といえば、言わずと知れたaskaさんの最初のメルクマール。それを「再演」ではなく、まったく違った音楽世界で描いて見せるというところに、並々でない決意というか強い意欲を感じてしまいます。 multi taskingという言葉がありますが、askaさんの演奏はまさしく複数作業の同時進行、なにも手足が別々に自在に動かせる(ように見える)ということでありません。マルチタスクとは音楽で言えば、錯綜する複数のリズムやサウンドが驚くほど高いレベルで統合されていて、寸刻の乱れもない響きということなのです。これを聴いていてテンポの同期性は言うまでもないのですが、ハーモニーやディナーミクにも、たぶん意図されざる統合された響きが感じられて、改めて彼女のキャパシティの凄味を感じてしまいました。