よしなしご利根

よしなしご利根

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Calendar

Profile

ToneHide

ToneHide

Favorite Blog

Mother Earth/Father… あずあずオレゴンさん
我が家は大騒ぎ あこたママさん
Love Love Hawaii ラブラブハワイさん
バスケが好きな小心… ゴッヂさん
Y’s 発展・開発途… yumix08さん

Comments

脱国民洗脳はベンジャミン・フルフォード@ Re:「SiCKO」を観て:アメリカ医療制度の変革を呼ぶか(09/01) 国民電波洗脳による、テレビ、新聞、週刊…

Archives

2024/10
2024/09
2024/08
2024/07
2024/06

Freepage List

2004/12/05
XML
カテゴリ: おべんきょう
月曜のプレゼンテーションに向けて準備中。

テーマは、あるアメリカの健康保険会社の立場になって保険適用の判断を正当化するという実話に基づいたケーススタディ。

非常に悩ましい。


3人の子供に恵まれた平凡な夫婦に悲劇が起こる。

サンフィリッポ症候群は、7万人に1人の赤ちゃんがかかってしまう遺伝性の難病である。

ある特定の酵素を作り出すことができないことから心臓、骨、関節、呼吸器官などに障害が起こり、子供の成長とともに発声困難、呼吸困難、歩行困難などが出て、13歳になる前には亡くなってしまう恐ろしい病気だ。

こともあろうに、3人の子供全員がその病気になってしまったという診断が下されたのだ。

途方に暮れる余裕もなく必死に探し当てた病院では、その病気の手術例がほんの数件だった。

両親は残された最後の可能性に賭けようと、保険会社に治療費カバーに関する申請を行う。




保険会社からの返答は「NO」。


その理由は該当の手術が「症例も少なく安全性も確かではないため、確立された治療行為と言えない」というものだった。


この状況に対して、保険会社の立場からいかに自己正当化を行うか。

別の保険会社の関係者:「誰かが窮地に陥ってしまったのならもちろん助けたい。しかし、我々は健康保険を誰にでも手に届く価格帯に抑えるという使命もあるのです。個人は高い月額保険料を払いたくはないでしょう。1つの例外が個人に跳ね返ってしまう危険があるのです」

これが本音であろう。

ここにはビジネスとしてのドライな部分と、すこしでも多くの人にヘルスケアを提供できる環境を作りたいという使命感との交錯が見られる。


しかし、該当保険会社の建前は「金額の問題ではない。治療内容の問題だ。」である。


いわゆる「企業倫理とビジネス」に関わる課題なのだが、複数の利害関係者の立場を考えれば考えるほど頭が痛くなってくる。。。


さらに頭を悩ませることに、このケースの条件として「公正(Justice)」の解釈に際し6つの立場から1つを選んで発表しなさいという付録つきだった。

この6つとは、ジョン・スチュアート・ミルが提唱した「最大多数の最大幸福」やカトリックの教え、プロテスタントの考えなど、ひじょーに哲学&宗教チックなものばかり。

配布されたそれぞれの立場を示す論文(その名も「Perspectives from Philosophical and Theological Ethics: Six Theories of Justice」)も哲学が入りすぎていてさっぱり意味がわからない。。。




アメリカ人のチームメイト達も「これは英語じゃない」って断言してたけど、なんとかしないとなあ。


ちなみに実際に起こった流れとしては、夫婦は請求を続け、保険会社は拒否を続けるも、世論の流れに押されて保険会社がその病院に「難病の研究費」という名目で一億の寄付をすることとなった。

この結論は保険会社側の巧妙な決断であった。

保険会社としての申請拒否のポリシーを崩さずに事実上の治療費を出して世論の逆風をなだめる。



ああ、世の中には複雑で難しい決断が多いです・・・。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2004/12/05 05:52:46 PM
コメント(2) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: