戸口に露の降りるまで

戸口に露の降りるまで

仕事の戸々露


ともかく3階は暑い。扇風機をかけたまま寝ていたのに汗まみれ。
どうしようこれで何日熟睡していないことか。頭が重い。
もともとボーとしている頭がますます鈍重になってきた。
むか~しは少し才気ばしっていた頃もあったんだけど、我が家の嵐の時期に考えることをやめてしまった後遺症で、記憶力が非常に落ちました。記銘力の減退は年齢による衰えでもあるのかもしれないけれど、記憶の保持力も非常に悪くなっています。あれもしかしてこれが痴呆かな。
うちのデイケアにも痴呆の方たちが居られるのだけれど、病気が選べないのと同じで、痴呆のタイプも選べない。進行するタイプだと家族や、私達の関わり方で、進行を遅らせることはあっても次第にレベルダウンされていく。
デイケアは朝から夕方までおつきあいするだけだが、その方の人生の積み上げが見えるような気がする。
愛情に包まれて子ども時代から成人までを過ごされたのだろうと思える方。
精神的な争いの中にいたと思える方。
できれば不安のないやすらかな心持ちで過ごしていただきたいのだけれど・・・・その方の魂の問題が絡むので、痴呆の方は難しい。
子ども期の魂が愛情に包まれたものであることが非常に大切だと思います。
今大人になってしまった私は、未成熟な部分の自分に、大人の部分の自分が愛情を注ぐことで、痴呆になっても寂しい人にならないよう育てているのですけれど・・・・
明日は、お風呂当番。暑いゾウ なんとか眠らなくちゃ
おやすみなさい


率直に泣く人は強い 7月25日(木)


今日は、午後出勤の半日勤務。
1時というのは、ちょうど食事後で半分のスタッフが休憩に入り、6~7人の利用者サンが臥床休憩の為に2階に上がり、フロアには2~3人のスタッフが、テレビを見たり、将棋をしたり、会話を楽しんでいる利用者の間で、話をしながら必要な状況に対応出来るように備えているといった時だ。
今日はなにから仕事しよう。女優になって、みなさんに、ご挨拶「おはようございます」それぞれの方に挨拶しながら状況を観る。
先週から利用開始されたAさんがお一人でぽつんとされていたので
隣の席に座って挨拶。
「先週バタバタしていてご挨拶もしていませんでした。○○です。よろしくお願いします」この後の返事でどういう話し方をしたほうがいいか決める。
「こちらこそ」と落ち着いた明るい表情。よし冗談通じる方と観た。最初から失礼な質問する
「ダイエットのコツ教えて」
2月に脳梗塞で入院してから、糖尿病があった為1200Kcalの食事療法を受けたためだといわれた。
Aさんは52さいとうちのデイケアではダントツに若い。脳梗塞の後遺症も右半身に軽い麻痺が残るのとろれつが少し廻りにくいがまったく会話に支障はない。杖で歩行もできる。でももっと歩けるようになりたいとうちに来られた方。
話をしているうちに、家族に申し訳なくてと涙ぐまれてこられた。
身の回りのことはほとんど自分で出来るこのかたは私達から見れば軽いほう。
どんな問題でもそうだけれど、他人との比較ではない。その人自身にとっての問題なのだ。
私は決してあなたのは軽いとは言わない。その人の涙を受け止めるだけだ。
ただ脳梗塞で倒れられた後、性格が前向きで明るくなったという家族の情報があったので、家族にとってお母さんの笑顔が何よりですよ。家族にすまないと思う分だけどんと構えて笑顔でいけますよねと話を終えた。
此の方はきっとホントに新しい自分になれる方だ。
泣くことができる人は、現状を受け入れ、進化できるというのが私の持論。
私も子どものことではしっかり泣きましたから。ず~~と以前に。

暑い(3)お風呂当番 (2) 7月26日(金)

暑い1日だったけれど、昨日までの湿った暑さではなく、幼い頃の夏休みを思い出すような深い深い青い空でしたね。
暑いけれど爽やかな空気と青空、お風呂当番の後日陰のベンチで1人寝転んで、白い雲が流れて行くのを眺めていました。
腰がぬけるような疲労感の後、過去と未来が渾然一体となるような気分でした。
1分間ほど眠りかけたのかもしれません。
さてウワサの風呂当番。
2階の風呂場は、看護師1人。ヘルパーさん6人のチームで、利用者の入浴を援助する。歩行レベルやケアの必要性によって、一般浴・特殊浴と分けられている。
金曜日は利用者が多い日。私は特殊浴担当。10人入れなければならない。
Tシャツに短パン、タオルを首に巻く。更衣室がないので、フロアにある利用者のトイレで着替える。トイレから出ると、Fさんが「ふろか、たいへんやな」とねぎらって下さる。
特殊浴はストレッチャーごと浴槽に浸かるタイプと、椅子ごと浸かるタイプがある。2人のヘルパーさんが、衣服の着脱と1階との搬送を担当し、私が体や頭を洗い、機械を操作して入浴してもらうという分担。車椅子からストレッチャーへの移動、座位から臥位など一人でする。
今日は小さな女性が多い。重くはないが、1人目から腰が痛い。座っておられる足の先を洗う時は、腰が痛いのでうんこさんずわりをしてしまう。こうして女性が7人もう11時半だ。
あと男性3人。説明が理解できないMさんには、注意深く素早く抱き上げてストレチャーに移さなければならない。
次のKさんは「ガンダム」と名づけた椅子ごと風呂。なかなか上がるといって下さらない。
ヘルパーさんに任せて、最後のMサンに。
この人は注文の多い人。独特のやり方をされる。おまけにあそこを洗わせようとされるので若いナースにはすこぶる評判が悪い。またなんでも来いの主任さえパンツの下から足を触られたとかでぞっとするという。
私は彼のタイプではないのと彼が洗ってくれと言ったとき、それが洗えなくなったれオシマイでしょ。別料金頂けるなら考えますが。「払うよ」料金を検討しておきます.といった会話を交わしてから、洗ってくれとは言われなくなった。
時々はエッチな話も仕掛けられますが、海綿体は筋肉ではありませんから大丈夫ですよ。なんて平気で切り返すものだから、平和に入浴されています。ただ此の方の入浴は長くて困る。
結局今日も風呂当番が終わったのは12時半。2時間30分。ブラジャーまでびしょびしょ。クタクタおつかれ様。


8月は 8月1日(木)


8月になりました。
八月や
思い出 平和
あふれくる 戸々露
駄作だ。土曜日に来られるKさんは私の俳句仲間。俳句だったり川柳だったり、難しいことはいいっこなしです。先週送迎担当をしていたので、彼と次回までにと題を決めた。「8月」と「せみしぐれ」まだできない。
デイケアでは、11時半頃、朝の会のようにみなさんにお話をして、体操を全員でする時間がある。今日は私が当番。といってもその時に決まるので、準備をしていない。
話をする意味は、追想してもらうということもある。たんに話を聞くだけでなく、昔のことを自分の記憶の中から掘り起こしてもらうということ。そういう意味では、今日のはなしはもう一歩です。
「8月は原爆忌、終戦、世間では記憶が薄れていくけれど、8月くらいは、戦争と平和について、考え、話したいですね。」
時間があったら利用者の人に話しを振ったりするのですが、70台から90台までの方では戦争体験が、ホントに違いすぎて、不愉快に感じる人もあったりで、短時間で全体の場で話すには難しい

恋しさも
うもれてしまう
せみしぐれ 戸々露


抱きしめて to night 8月6日(火)


きょうは、頼りになる男性ヘルパーのSさんも、たいちゃんも、ベテランのSねえさんも休み。特浴は4人と嘘のような少なさ。しかし、そのメンバーは麻痺のある人ばかり、男性3人は若い頃なら身長は170以上は絶対ある、もしかしたら180あるかという大きな人ばかり。
主任の指示で、私は「張り付き」という役。入浴する人の服を着脱する係。
普段はヘルパーさんがしてくれる。麻痺のある人の着脱は馴れてきたけれど、今日の3人は体が硬くなっているので大変難しく力も要る。終わりの2人に服を着てもらうには、おむつとズボンをあげる為に、抱き上げる必要がある。
今日のメンバーの中では戸々露が一番大きいので、私が抱き上げ、看護婦のおーchanとFちゃんがおむつとズボンをあげるという役割分担。
私の首に手をまわしてもらい、せ~のと抱き上げる。重~~~い。胸もお腹もぴったりつけないと上がらない。「え~~~い大サービス。抱きしめて TO NIGHT」大変な仕事だと実感しました。
ヘルパーさん達いつもありがとう。
あとでスナフキン(女性)に「きょうはこんなに抱きしめちゃった」と抱きついたら、「あ~いやみだ。気持ちよすぎる。私の窪みに大きなふわふわがすっぽりと」お決まりの反応をかえしてくれる。あ~すっきり。


今日は涼しいです 8月21日(水)

ホントに爽やかな気候でした。
高校野球が終わりました。
ほとんど興味が無くなっているんですが、職場でどちらが勝つか、皆でかけをしました。私は智ベンにかけたんですが残念ながらまけましたね。100円取られました。
野球をやっている時間はレクレーションとして今週している夏祭の時間です。利用者のみなさんに細心の注意ををはかりながらも、ざわざわと「素」の自分達をさらす事がうちのデイケアが評判がいい理由の1つかもしれない。
介護やリハビリの基本はもちろん押さえた上で、人間として存在している事が、6時間同じ部屋で過ごす利用者にとっては大変なエネルギーを与えていると思う。うちはトップの金もうけ主義で、最低な設備だ。狭い部屋に35人くらいの利用者がいて、その人生の先輩がじっと見ているんだから、肉体以上にどっか疲れるんですよね
特に、自分の中の「ワースト」タイプの利用者が来ている日はしんどいです。
私の「ワースト」は、ひがみの強い人・舌きり雀のおばあさんのように欲張りな人。今日はまさにその典型の人が来ている日。
もちろんその人にいろんな人生と、現在の背景はあるし、年を取るという事は、ある時点で、人格が下降していく事でもありそれに添うのが介護でもあるのだけれど・・・・
私にとっては日常なので疲れが違う。
でももしかして「ワースト」=「自分がなりそうで恐い」かもしれないですね
(>_<)


お誕生会は冷や汗 8月30日(金)

やっぱりおっさんはつかいもんにならん (゜ー゜=)ノ⌒゜ ホ゜イ
今日は8月の誕生会。毎月月末週にその月生まれの利用者さんの誕生会をする。
近くのお花屋さん(花曜日)の低予算に関わらず、素敵にラッピングして下さる花束と、私が作る手作りのカードをさしあげる。
時間は、最後の追い込み、3時のおやつが済んだあたり。
今日は私が仕切り。
花束とカードを持って、「さあ、8月の誕生会です。8月生まれの方はどなた?」と見渡す。手が挙がる時もあるがきょうは挙がらない。Yさんを見つめてもう1度「8月生まれの方は?」やっと「私はもうだいぶ前だから」などと話していると、背中の方で、Hさんが「Kさんも8月」・・・・・ひえ~~~~
1人だって言ったじゃないか。
Kさんは私はいいんですよと恐縮しておられる。あかんあかん、いそいでカルテをチェック。
8月26日。
隅の方でおっさんがFチャンに偉そうになんか言ってる。そんな事やってる前に今の状況を打開せんかい。
「Fチャン。急いで花たばかってきて」と指示を出し、「一緒にハッピーバースディ音頭とって」とおっさんに指示したのに私をちらっと見ただけで何かを考えている。
もう頭の中は自分の責任なのか、誰の責任なのかなぜこんな事になったのかそればかり考えているのだろう。
そんなことは後でいい。この間の悪さを始末しよう。
呆然としているおっさんを怒鳴るように(もちろん、みなさんが見ているので、顔は平然ニコニコしてるんですよ、私は。内心は怒鳴ってるんですけど)歌を歌って何とか場を収めた。
おっさんはおお急ぎで、自分の作った名簿を見、「なんででしゃろか」と副主任に揉み手し、怒られないか、責任を追及されないかばかりを気にしている。
あほらしくて誰もなにも言わない。
もし責任を追及しても言い訳を聞かされるだけで、前進が無いので不愉快なきぶんになる事は誰もが分かってるので・・・
Fちゃんが特急で帰ってきた。
さっきと同じ花束を作って下さった花屋さんに感謝しながら、Kさんに渡し、おめでとうと肩を抱く。ホントに嬉しそうにして下さる。
誕生日会みなさん楽しみにして下さっているので、間違いが無いように気をつけてるんですよ。
でも間違いは起きるもの。
その時どう対処するかが、仕事の質をきめるのに・・・・あ@@@あ


北白川の姫様登場w(゜o゜)w オオー! 9月7日(土)


今日から新規ご利用開始の☆様は87才のおばあさん。
一人暮らし。よう喋る喋る。歩けるのに車椅子。自分が1番年で若いはずと決めている。
うちには99才のしっかりさんがいると知って、その人には話しをしない。話す人毎に、「長女が津田塾を出ましてね、次女は京大を出まして・・」を繰り返している。長男はどうした?
☆さんがこんなに自慢しいの人だとわかっていたら席は違うところにしたのに・・・。
初めての時はしかたない。初めてでなくても人の組み合わせを考えて席を用意するのだが失敗することはある。
今日のテーブルは灰汁のない穏やかな人達の席にした。
☆さんは相手が誰であろうと自分が中心でしゃべりまくっている。
Tさんが86才なのに60台くらいにしか見えないとわかると今度はHさんに「きれいな手やね。何にもせんのでしょ。私は全~~~部自分でするのよ。きれいな手 以下エンドレス」
あのなあ。Hさんはやりたくても、狭い団地に娘夫婦と住んでいて、婿さんは夜勤のある人で息を殺すようにくらしているの。出来ないの。といってやりたかったけど、我慢する。
Hさんも黙ってやり過ごしておられる。
すると今度はスタッフに「津田塾・京大・オウキ高校・宮さんエンドレス攻撃」送迎車のスタッフも呆れ、疲れ果てて帰ってきた。
お金持ちでも、子どもを立派に育てても幸せじゃないという典型。
初めてだから、自分を守るための反応かもしれないし、本当に過去しかない人かもしれないし、それはわからない。
人によったら、打ち解けてこられたら、好奇心旺盛だったり、思いやりがあったりと大人としての素晴らしさを発揮されるようになる方もあるので、初回の印象だけでは決め付けられないのだけれど・・・・・
次回は自慢しいグループにいれちゃうぞ。私は自慢するものはないからよかった (゜ー゜=)ノ⌒゜ ポイ


感情を伝えるトイウコト 9月18日(水)


背中の痛みがあまりよくならないままに、少しだけ皆さんに甘えて書類整理や、あまり力の要らない仕事にまわっていました。
私はわりと甘えるの上手です。しんどい時はしんどいと言ってしまうほうです。我慢しないほうです。
(でもこれは、子ども達の事があってからまなんだことで、昔は我慢の人でした)
もちろんこういう仕事場ですから、皆それなりに痛みや辛さを抱えている訳です。だから自分がよい状態のときには、つらい人の分、やってきました。
それは同じ職場の人間として当たり前の事だと思いますから。
昨日、利用者が帰って行かれる時S姉さんが、ヘルパー少ないんだからと険のある声を私になげてきた。
なんかあるなと思っていたら、案の定、帰りのカンファの時、本人じゃなくてMさんが、「利用者さんが見送りが少ないと淋しがっておられました。看護婦さんも出て下さい。お仕事されているのはわかりますが。ちょっと手を振りに出て下さい」
は~~~~
一見もっともな理由は付いているんだけど、ヘルパー今日は3人いるじゃないですか。最も多い日。自分が動かないで人に対する不満ばかりがたまるS姉さんの悪い癖。
彼女は辛い事があると人にあたる。
もちろん利用者サンにはやさしいのだけれど、自分よりたいしたことはないのに立場は上(そういう風には私は思わないんだけど、単に職種が違うだけで、私の方が教えてもらってるのに)の私やもう一人の若い看護師に攻撃が向かってくる。
またなんか辛い事あったんだなあとは思うし、自分だって腰痛いから坐ってたでしょ。それでいいじゃないのとおもう。
彼女は感情の出し方をしらない。
というかそういう事を学んでこなかったのだろうと思う。
辛いとか、淋しいとか、悲しいとか、マイナスの感情を大切に受け止めてもらった体験がないのだろう。
嬉しい事、よく出来た事などは認めてもらえても、「あなたは悲しいのね」とそのままを受容されてこなかったから、その感情は怒りという形しか取れなくなっている。
カンファでわざわざ理屈つけて言わなくても、
「腰が痛くてしんどいです、自分の仕事だとわかってるのですが見送りしんどいので変わって下さい」っていえば
「OK」なのに
自分が怒りに駆られたら、その底に潜む感情を見つめる習慣と、伝える技術があるとよい関係持ちやすいんだけど・・・
わかってても、S姉さんには困ってしまうのです。
まあ、私も好きな男性には屈折してしますけどね


北白川の姫様絶好調w(゜o゜)w オオー! 9月21日(土)

2週間前に登場した北白川の姫様は、毎週土曜日のご利用。
初回に席順で失敗したので、先週は、自慢話グループに入れてみた。
おいちゃん「残念なことに医者が100才まで軽々だって言うんだ。おいちゃんは早く逝きたいのに」
K夫人「息子が今度Ο○の社長になりましたの嬉しくて。孫は音大を出まして○○コンクールで優勝しました」云々カンヌん。
姫様、負けてない。ますます話が大きくなり、そしてエンドレス。おいちゃんもK夫人も疲れたらしい。
おいちゃんはあの人と一緒はもう勘弁してくれと敗北宣言。
今日はどうしようと、副主任と席順を悩んだ結果、根性ありそうな、入れ歯カポカポさんのとなり、一番端。
K夫人にはもう1戦お願いして。そして話し相手にはならないSさん。
結果は・・・
K夫人は自由に歩けるので、ほとんど席に帰ってこられない。負けたな
カポカポさんはいいぞ。気が合ってる。いけず同士で会話のテンポがいいの。聞いてるとこわ~~~い。京都のいけずはかおと言葉は上品で、中身辛辣。上手く書けないけど独特の世界が広がっていた。
しかし、今日も被害が出た。
Sさんが、食事の時からあれこれ言われ続け、3時すぎた頃から、鞄の中を捜しながら訳の分からないことを口走り、恐怖で振るえはじめられた。
スタッフが付ききりになって慰安しなければならなくなった。
帰られる頃には落ち着いてこられてよかったのだけど。
来週はどうしよう。
姫様には家族からも緘口令が出ているらしいのだか、まったく聴く気はないらしい。
そりゃそうだ。姫様だから

副主任の私へのいけず攻撃もすごかったけど、私の返しも相当だったらしい。
ひっさんに「将来はあの二人になれますえ」といわれる始末
「へえおおきに」


忙しかった 9月25日(水)

利用者さん35人は大変。

月末にはカレンダーを作ってもらう
塗り絵だったり、貼り絵だったりするのだけれど
1つは手先の作業療法、1つは創作活動をとうしての精神療法
というような意味は色々あるのだけれど
仕事としてそれをしてもらうのは大変だ。
全然どうしてよいかわからない人に栗はここに貼ってみませんかとか声をかけ、糊のつけられない人にはつけに行き、速く出来た人は退屈そうだし、・・・
カレンダーつくりの定番に、戸々露の俳句を主任が筆で書く。というのがある。
もちろん希望者だけなんだけど。
そのためにまだ先の季節の俳句を作らなければならない。
今回は考えていなかった。療養手帳の記入をしている最中に、
主任が「俳句~~」と言ってくる。
「考えてない」「トイレいってくる」「ハイはいその間に作っておきます」
10月のカレンダーは芋や栗が貼り絵になったもの。
お年寄りの部屋に張られるので、気分が明るくなったり優しくなったりするものにしたいと思って作る。
あくまでも虚構ですね

秋実る
よろこびわかつ
夕餉かな 戸々露


Nさんが亡くなった 9月27日(金)


朝のカンファの前、Nさんは今日休みだった?入院中だった?と聞かれ、
私は聞いてないよ、確かめるしかないねなどと言っているところに、ケアマネージャーのKさんが、
「Nさんが夕べ亡くなったの」と慌てて来られた。
皆びっくり。最近体調が非常に悪かったのだけれど・・・・
仕事をしながらも、Nさんの事が頭を過ぎる。もう少し出来る事はなかったのだろうか。幸せだったのだろうか。
2年の間には、たくさんの利用者さんがなくなっている。
みなから尊敬され家族からも愛されてなくなったOさん。
あざが絶えず、家族の虐待を疑いながらも、結局何も出来ないうちに、自宅のトイレで亡くなっていたoさん。
うちに来るたびに痩せていて、がっつくように必死でご飯をたべていたSさん。
歌が好きで、亡くなった妻を思いながら泣いておられたMさんは最後にお嫁さんへの怒りを口にされていた・・。
いろんな人生の終わりに関わらせていただく仕事。
日常の仕事は腹のたつ事もあるけれど(組織の上に対して)
利用者さんには、人間らしく関わりたいと思っている。
私という感情のある人間が、その上に専門家としてのお世話が出来るように。
「おはよう」の一言でも心に届くように・・・
ご冥福を祈ります。

肉体の利点も最大限に生かそうよ 09月20日(土)

今まで自分が信じてきたモラルを見直してみるのは面白いかもしれない。
私の場合
「身体や顔の美しさを利用するのは、親の七光りを利用するのと同じくらい恥ずかしく情ないこと」
そう考えてきた。
でもこの仕事をするようになって少し考え方が変わってきた。
私は看護師としてのキャリアはほとんどない。まして最新の技術もない。
しかし、利用者のお年寄りは、ご自分の生き方を肯定し、ほんの少しの安心とサジェスチョンを与えてくれる人間が欲しいのだ。
そんな時、私の肉体は役に立つ。
ふくよかな体、存在感のある身の丈、安心感のある少し目じりの下がった大きい顔。落ち着いたのんびりとした口調。
先輩方を差し置いて、利用者さんの中には「婦長さん」と私を呼ぶ方もある。
私はこれからはもう自分の全部を大切な武器にして生きる。
大きな身体も、下がった目じりものんびりした口調も、今まで自分が否定してきた全てを肯定して、武器にして残り少ない人生を楽しみたい
きっと「偶然」にも意味はあるはずだから



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