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不妊症検査について(2)


☆卵管疎通性検査


 卵管疎通性検査は女性の不妊原因を調べる上で非常に大切な
検査であり、子宮卵管造影と卵管通気検査があります。
 より精度の高い主に子宮卵管造影を行います。しかし、通気も
治療として行うことがあります。

『子宮卵管造影』
 検査時期は月経終了後、次の排卵日までの間に行います。
検査日が高温期になっても、避妊をしておけば検査は出来ます。
 検査方法は、子宮の入り口よりゴムの管を入れ造影剤を注入し
レントゲンテレビカメラを見ながら、卵管閉塞の有無と
その閉塞部位・卵管腔の状態・卵管の走行・子宮腔の状態を
検査します。油性造影剤を使用した場合は検査後約30分の写真を
撮影することにより、腹腔内の癒着の有無を推定することが
出来ます。また子宮卵管造影検査で異常所見を認めた場合には、
特殊検査として必要に応じ腹腔鏡検査や子宮鏡検査を行います。
検査当日は激しい運動・入浴(シャワーは結構です)・夫婦生活は
出来ません。検査後に抗生物質が処方されます。

『卵管通気検査』
 検査時期は、子宮卵管造影と同じく月経終了後、次の排卵日までの
間に行います。
 検査方法は、子宮の入り口よりゴムの管を入れ炭酸ガスを
子宮の中に入れて行います。そして、子宮内圧の変化・ガスが
卵管より腹腔内に流入する音の状態により卵管の通過性を
推定します。両方の卵管に通過性があるのか、もしくは片方の
卵管だけに通過性があるのかを判別することは難しいという
欠点があります。(片方が通っていれば70%くらい妊娠が
可能となります)。



☆精液検査


 不妊症の中で男性因子、特に精液の性状が不良(数が少ない・
元気な精子が少ない)である場合は、考えている以上に多く、
精液検査は不妊症の一般検査として欠かせないものです。
 精液検査は、3~4日間程度の禁欲後(必要以上に禁欲期間が
長いと精子の状態はよくありません)、自宅で用手法にて
(コンドームは使用しないこと)、外来で渡された滅菌容器に
摂取して出来るだけ早く提出してください。出来れば病院で
採取することが1番、良いでしょう。

  *通院している病院での境界値*
 ・精液量     2ml
 ・精子濃度    4000万/ml 
 ・精子運動率   60%

 境界値よりも少ない場合は再検査をします。
 ただし、この検査はあくまでも精子の数と運動率だけを
見たものであり、精子の機能(受精する能力)を詳しく見た
ものではありません。



☆フーナー検査


 フーナー検査は膣の中に射精されたご主人の精子が、
頚管粘液の中で良好に動いているかまた子宮まで
達しているかを検査するものです。  
 精液検査と同様にあらかじめ3~4日間の禁欲の後、
基礎体温・超音波検査・頚管粘液検査により排卵日を推定し、
外来で指定された日の朝に自宅で夫婦生活をして、
その後外来で受診します。性交後できれば3時間以内に検査が
出来るように受診しましょう。フーナー検査は時間が経つと
結果が悪くなります。



☆超音波検査・頚管粘液検査


 膣からの超音波を用いて、子宮の形・子宮の大きさ・
卵巣嚢腫の有無などがわかります。また卵胞の大きさや
子宮内膜の厚さを測定することによって排卵の時期を
推定することが出来ます。
 頚管粘液は子宮の入り口から分泌される粘液で、その量や
性状は体内の女性ホルモン(エストロゲン)の量を反映します。
排卵前になると頚管粘液は多くなり、粘り気がなくなり水っぽく
なります。頚管粘液を乾かすとシダ状の結晶が顕微鏡で
観察されます。従って頚管粘液検査することにより排卵の時期を
推定することが出来ます。
 これらの検査は排卵前に何回も検査することがあります。


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