9月のヨーロッパ滞在の中では4日間は東京ドイツワイン協会のドイツツアーに参加しました(ツアーの参加費は払っています)。
レポートというよりは感想を中心に書いていきます。
このツアーはエゴン・ミュラーさんに東京ドイツワイン協会の会員証を届けるというのが発端で企画が始まったツアーです。数人で行くよりは大勢で行けたらということで役員だけではなく参加者を募りツアーを催行するという形になりました。
せっかくなので他のツアーでは経験できないような内容にしようということで、ワインに特化し醸造所訪問が中心のスケジュールとすることになりました。
通訳として同行してくださった岩本さんと添乗員を加えた13名での行動で、中型バスをチャーターしての移動でした。
ツアーはドイツ滞在5日間でしたが、僕は初日の朝にフランクフルト空港で合流して、最終日は予定があったため4日目の夕方にヴィースバーデンで参加者と別れました。なので僕の感想は4日目までについてです。
どの醸造所に行ったかは ヨーロッパでのすべての日程の旅程
を書いた時に一緒に書いていますがツアーの部分を書き出します。
・ツアー1日目 ラインヘッセンWagner-Stempel アウトバーンでモーゼルに行きTrittenheimの畑の上から記念撮影 トリアーに着きBischofeliche WeingueterとSMW
・ツアー2日目 予定になかったHospitienのケラーを駆け足で見学 Egon Mueller ベルンカステルに移動しDr.Thanicsh いづれも畑散策も(Sharzhofberg Doctor)・ツアー3日目 PfalzミッテルハートのChristmann RheinhessenのGysler Bad DuerkheimのWuerstmarkt
・ツアー4日目 Hessische Bergstrasseの協同組合Bergstrasse eG ジオパークになっている畑を散策 Rheingauへ Hans Lang Hallgartenに行き畑を散策
行った場所だけを書き出すとコンパクトにまとまりますが、とても濃厚な4日間となりました。
訪問する醸造所は参加予定だった人たちの中でドイツワインのわかる人が中心となって、なるべく幅広くドイツワインを体験できるようなバランスで、限られた日程の中に収まるよう訪れる産地と醸造所決めていきました。
そして、結果的には予想以上に幅広く色々なことが体験できたツアーとなりました。ドイツワインに関するかなりの部分を体験できたのではと思っています。それには醸造所の方の話も含みます。多方面に渡ってのドイツワインに関する話を聞くことができました。
どういう体験をしたかということを書き出してみます(重複しての体験以外は順番に書いていきます。
・ドイツ基金のアジア担当のマヌエラ・リープヒェンさんから、統計やデータを交えてドイツワインに関しての様々な側面からの説明の一時間強のセミナー。
・試飲の後に醸造所内でケータリングなどでの料理による食事。
・畑の丘の上からの絶景。トリッテンハイム(モーゼル川が楕円に蛇行している有名な場所)、シャルツホーフベルク、ベルンカステラー・ドクトール、ヘッペンハイム(ヘシッシェ。ベルクシュトラッセ)、ハルガルテン(ラインガウ)など。
・由緒ある古いケラー(地下セラー)の見学。
・歴史のあるケラーを見学しながらの試飲。(ビショッフ)
・ゼクト(スパークリングワイン)の造り方の説明を聞きながらのケラー、醸造所内の見学。(SMW)
・ドイツを代表する甘口ワインを堪能、同じ等級の新しいヴィンテージと古いヴィンテージの比較も。貴重な熟成したエーデルズースも。(エゴン・ミュラー)
・シーファー土壌の下に造られたケラーの見学。(ターニッシュ)
・辛口リースリングを格付けごとに。(クリストマンなど)
・ビオを実践している生産者に触れる。実際の畑を見て説明を受ける。(ビオディナミのギースラーなど)
・ワイン祭りにてドイツ人の日常のワインの楽しみ方に触れる。(バート・デュルクハイムのヴルストマルクト)
・収穫されて運ばれてきたぶどうの圧搾の見学
・ジオパークになっているヘッペンハイムの畑にて様々な品種のぶどうの実の食べ比べ(メルローやジンファンデルなどの品種も)。
・この季節にしかないフェーダーヴァイザー(発酵途中のぶどう果汁)を飲む。詳しい説明と共に。
・チーズと極甘口ワイン。(ハンスラング)
・タンク(樽)で熟成させているワインを樽から直接試飲(ハンスラング)
というように本当に色々と経験しました。
圧搾の場に立ち会えたりというのは計算していたわけではなくたまたまそのタイミングになっただけの偶然だったりするわけで、意図していない部分もけっこうあり結果的にこれだけのことが経験できたということになります。収穫したぶどうの工程やぶどうの実を食べるなどということはこの時期しかできないことですしタイミングも良かったです。
ワインは味わいのタイプがそれぞれ違い、試飲のラインナップの仕方もそれぞれ特色がありました。ほとんどの醸造所ではケラーを見学させてくださり、建物が古いところ、木樽しかないところ、最新鋭のところ、大きい樽があるところ、などどこも同じようなところはなくそれも良い経験でした。
ツアーに参加された方の多くはワインに関して知識として詳しい方ではなかったので、説明などの大部分は理解できていないかもしれませんが、実際にふれて経験したというのはこれからドイツワインを飲む時の愉しみを増大させたことになっていると思います。思い入れが深くなったとも言えます。そして色々と気にしながら飲むようになり、より深くドイツワインの世界に入っていくことになるのではと思います。今回のツアーでは、勉強、知識のために現場を経験するのではない、そういった方の経験も意味のあることだと思うことができました。
5日間でモーゼル、ファルツ、ヘシッツェ・ベルクシュトラッセ、ラインヘッセン、ラインガウと巡っているので移動距離がけっこうありかなりハードなスケジュールになってしまっていました。
そのことによって、ほとんどお店でのショッピングをする時間がなかったのですが(夜に着いたら閉店していますし)、それはせっかくドイツに来た方に申し訳ないかなーと思っていたのですが、他のツアーでは体験できないようなことばかり体験できていたのでそのことに関してはそんなに不満はなかったようです。
ビールを飲んだ時もありますし、シェニツェルなどのドイツ飯も食べましたし(季節もののシュタインピルツの料理も)、ワイン祭りでは身近に日常のドイツ人にふれましたし、ローカルの電車にも乗ったし、色々な街並みを見ていますし、ドイツに来て経験するべきことはある程度クリアできているので、初めてドイツに来た方もワイン以外のことでもドイツを感じることができたのではないかと思います。
どういったワインを飲んだかなどはここで書いてもあまり意味がないような気がするので省きます。多種多様なドイツワインを体感できたのは間違いないです。
最高品質のリースリング辛口と甘口、世界でトップの甘口の熟成ワイン、庶民的な辛口ワイン、ビオ製法のワイン、など味わいも価格帯もさまざまなものを体感できました。
個人的にも、ケラー見学や醸造家の話によって色々な収穫がありました。醸造家の話では、その醸造所の歴史、ヴィンテージによる違いの話(地域によって同じ年の印象が違っていたのも興味深い話でした)、ハンスラングの現当首はVDPの事務局長を勤めていた方なのでVDPの新しい格付けができる時の過程の話、などというのが聞けたのが良かったです。自分からも気になったことを色々と質問しまして、真摯に答えていただけました。
個人で行くだけではできない体験もたくさんしているので、このツアーに参加して良かったと思っています。
以下は写真を載せながらその時のことを軽く書きます。
ビショッフ醸造所の地下ケラー。この長いケラーの奥にはさらに古いケラーが。その途中にワインが置いてあり立ち止まり説明を受けながら試飲、というのを繰り返しながら進んでいきました。
SMW醸造所にて。トリアー市内のレストランからのケータリング。おいしいものがたくさんありました。90年代の果汁から造られた物を含めたゼクトを中心に6種類を飲みながら当主のシュミットさんと共に夕食でした。
このようなテーブルで、試飲の後はハムなどの軽食と共に試飲したワインを再び飲みながらの食事、というのが数回ありました。この時にフェーダーヴァイザーも出していただきました。
エゴン・ミュラー宅にて。カビネット、シュペートレーゼと新旧2種類ずつ試飲しながら進んでいき11種類。最後は20年以上前の貴腐ワインでした。
壁に囲まれていて鍵がないと入れないドクトールの畑の上からベルンカステルの街を一望。この景色は本当に素晴らしかったです。
9月のヨーロッパ滞在時の旅程 2014.10.09
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