NPOフローレンスと、マーケッターと。

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☆trinity☆

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2005.05.22
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カテゴリ: 商品開発
はじめに。

この日記は、
子育て支援業界(?笑)の実態の動向を分析したものではなく、
子育てにまつわるキーワードが世の中にどう情報発信されているかの流れ、
つまり、
メディア戦略や、
コミュニケーション戦略といった
情報戦略について、
個人的に分析してみたものなので、




■ブーム???

最近、少子化の報道が多い。
明らかに、多い。

わたしが自由研究を始めたのは、おととしの冬だけれど、
この一年半のあいだで比べてみても、
最近の報道のされかたは、圧倒的に頻度が高い。

わたしが思うに、これはブームだ。

実際、 フローレンス へのマスメディアからの問合せは多く、
4月からの3ヶ月間で(取材済み未掲載も含む)、

●雑誌 1回(いま店頭にあるとらば~ゆに載ってます☆)
●テレビ 2回

非常にありがたいのだけれど、安穏としてもいられない。
全国初の病児保育ネットワーク・モデルであったり、
経営者が25歳の独身男性であったり、

間違いなくフローレンスの強味であり誇りだけれど、

ブームに呑まれてしまうか、
ブームに勢いをかりて、そのまま王道に乗るかは、
これからのコミュニケーション戦略にかかっているのだから。


わたしは、最近のニュース・報道の傾向から、
メディアがこのままの調子で突っ走ると、
“子育て関連ネタ”がブームになってしまいつつある、、、
と感じていて、
フローレンスへの取材依頼に喜びつつも、
手放しでよろこんでる場合じゃないな、、、
とひとり危機感を抱き、
リスクヘッジを考え始めていたのだけれど、
もうひとり、
同じことを感じていた人がいて、安心した。

代表の駒崎氏 が、
「この取材攻勢を、どう思いますか?」
と聞いてきてくれたから。

そういうセンスって、ほんとにだいじ。




■キーワードの流れ

今年の元旦の日経新聞の一面は、少子化問題だった。
そして、半月に渡って特集「少子に挑む」が連載され、
『ワールドビジネスサテライト』では、四夜連続の特番を組んだ。
すでにこの事実が、多くを語っている。

もちろんそれだけではなくて、
マリー・クレール や、 ブルータス といったライフスタイル系雑誌が、
出産や子育てを特集したし、
日経系の出版社は 『Kid's +(プラス)』 という新雑誌を創刊した。

毎日新聞では、社説と特集で、少子化連載をダブルでやっていた。

今年の4月は、2年前に施行された 次世代法 の、
行動計画提出期限だったこともあり、
各企業の次世代育成支援に対する考え方や
アクションが紹介される機会が創出されたことになり、
結果的に、
子育て支援がシェアオブボイスをあげる契機になっていることは、
まちがいない。

そして、GW明けには、
政府と経済・労働界のトップが少子化対策を話し合う懇談会
なるものが、首相官邸で開かれた。
経団連も少子化対策委員会なるものを発足したらしい。

ほんとうに枚挙に暇が無い。


そういった流れの中にあって、
報道のキーワードは、少しづつ、しかし確実に変化している。

まずは、【少子化】の扱いについて。

かつては【少子高齢化】と呼ばれ、
高齢化とワンセットで語られる文脈が主流だった。
そして、
少子化は、次世代育成の問題として語られる文脈に変わり、
いまでは、【子育て支援】という言葉にまで具体化されてきた。
その舞台をお膳立てしたのは、【次世代法】である。
おそらく次は、【ワーク・ライフバランス】に注目が集まる。
つまり、【働き方そのもの】への言及である。
きっと象徴的に扱われるのは【男性の育児休業】だろうなあ。
でも【病児保育】も可能性があるし、
ほんとは【男性の育児休業】より、現実的なテーマなのだ。

           ●

ポイントは、
いまのところ【少子化】が【子育て支援】という方向に具現化されつつある、
ということ。

そのへんをちゃんと押さえておかないと、
少子化ブームに飲み込まれる。

少子化を取り巻く背景やら環境は複雑で、
ソリューションなどいくらでもあるのだ。
出産もそうだし、社会保障も、教育政策も含まれる。
それがいま、子育て支援の文脈で語られている、
ということは、大きなチャンスである。
同時に、次はどんなキーワードで来るのか、
慎重に世の中をながめておかないといけない。

厳密に言えば、
ブームで終わるか、ちゃんと根付くか、まだわからない。
でも、根付いたら根付いたで、対策が必要なのだ。

なぜなら情報は、ドーピングだから。
しかも、情報の受け手は、それに無自覚だから。




■強味

わたしが思うに、、、
フローレンスの持っている個性を最大化しながら、
効果的にコミュニケーションしていくには、
【子育て支援】というキーワードを見方にしつつ、
【21世紀をサバイバルする経営課題】としての【働き方の見直し】、
という文脈に食い込むことが出来るか、が大切だと思っている。
経営は、こまさんが得意なフィールドだから。

たぶん、、、
【子育て支援】の文脈は、
今後大きく【男性の育児参加】に引っ張られる(ような気がする)。
【男女共同参画事業】なるものもあるし、
古くは【雇均法】なるものもあったし、
ジェンダーバイアスは、なぜかマスコミが扱いたがるテーマだから。

もちろん、そこにうまく乗っかることも大切で、
【病児保育】でその土俵に乗っかることもできるけれど、
それだけじゃもったいないし、
もっとフローレンスの強味が活かしやすいフィールドも、
準備しておいた方がいい、と思うのだ。

つまり、
【子育て支援】のひとつのソリューションとして、
【病児保育】にピンを立てることは必須なのだけれど、
少子化情報の洪水のなかで一歩抜けるためには、
【子育て支援】の枠に納まってはいけない、ということ。
たとえば【21世紀をサバイバルする経営課題】のように、
よりビジネス寄りのテーマで露出するのが良さそうだと思っている。
そのとき、【NPO】という法人形態は、
フローレンスの“情報資源”として超使える。それも強味。

サブテーマとしては、
【埋もれている人材のwin-win活用】、
【地域コミュニティの再生】、
といったキーワードも意識しておいた方が良さそう。

【ソーシャル・ベンチャー】という文脈もあるけれど、
情報として“効く”相手がちょっと変わってくる。
だから、使い方を間違えないようにしないといけない。


もちろん、これがゴールじゃないけど、
まあ、いまのところ見えているのは、これくらい。

end---





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Last updated  2005.05.26 11:45:20
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