温故知新

2009.05.30
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洗濯しようと娘のランドセルを開けたら、給食当番の白い上着と帽子、
それらを入れてある白い袋が出てきた。

そういえば…娘が給食当番では着替えられず誰かにお当番の格好をさせてもらっている、と、
昨日、担任が言っていたことを思いだした。
娘を呼んで着替えさせてみたら、あらビックリ、着替えられるではないか。
それも、結構早く。
もちろん1番早くはないだろうけど、ダントツでビリ…ってことはなさそうだ。

「ねぇ。△△(娘の名前)はさぁ…こんなに上手に着替えられるのに、
どうしてみんなに手伝ってもらうの?」

「△△は手伝ってもらいたくて着替えないの?」
「ちがうよ。じぶんできがえたいにきまってるじゃん。」
「…じゃあ、なんで…。」

娘が黙っている間、私は給食の風景を想像してみた。

4時間目が終わって、給食になって。
おそらく、娘は疲れているわ、ぼんやりしているわ、チャイムが人より聞こえづらいわ、
で、すぐには動かないだろう。
きっと、担任が声をかけるだろうなぁ。
「△△さん。給食当番ですよ。△△さんがお当番をしないとみんなが困ります。」
とか、なんとか言うかな。
…そうか、担任の声で動かないのか。

娘の手伝いをしにくるのだろう。

「みんなさぁ…。△△が『てつだわないで』っていったら、きらいになるでしょ?」
娘がポツンと言った。
「それはさ。言い方次第でしょう。『さわらないで!』とか言ったら、
相手は△△のためにしてくれているんだし気分を害するかもしれないけど、


正直、驚いた。
ここまで考えているとは思わなかった。

確かに保育園時代、みんなと上手く関われなかった。
娘は一緒に遊びたくても、どうせダメだと言われる、と、思って、
「入れて」と言う前に、いきなりみんなが遊んでいるものを壊し、
みんなは娘が来ると壊されることを恐れ、娘が何か言う前に「△△はダメ。」と、
言われてしまう、悪循環にはまっていた。
保育士が見ている前でも何回かあったのだ。
見ていないところでは、もっとあっただろう。
それでも、所詮、就学前の子供のこと、と、たかをくくっていた。
まさか、ここまで心に傷を負い、こんなに気を使っていたとは…。

なんとなく…核心が見えてきた。

娘が友だちと遊んだり、良いことも悪いことも自分の気持ちを伝えることができたり、
きちんとしたケンカをすることができたり、するのは、一朝一夕には無理だろう。
例えば、今回。
ことちゃんに「自分でやるから」と伝えていったり。
こういう機会に少しづつ経験を積んで、ということになる。

耳のことがある以上、娘が自分で誰よりも早く動きだす、ということも不可能。
能力が高くない娘には、人より遅く着替えはじめて早く着替え終わる、ということも不可能。

だとしたら…そう、担任。
娘はなぜ、担任の声で動こうとしないのだろう。
ぼんやりしていても担任の声でやり始めればいいのだし、
帰りの支度だって、担任の指示通りにやれば、そこそこ出来るはずだ。
そもそも、家ではタイマーを使って3分で着替えて脱いだものを洗濯機に入れることさえ
出来るのだ。
やり始めさえ遅くなければ、そんなに遅くなるハズはないのだ。

とりあえず私は娘に、数日前した同じことをまた話した。
△△は子どもだから、大人に助けてもらうのは当たり前。
出来なくて当たり前。
特に△△は今まで着替えや給食当番をやってこなかったし、病院ばかりで保育園さえ
あんまり行けなかったのだから、みんなより出来なくて当たり前。
それでも、子どもに言われたり手伝ってもらうのが悔しくてイヤなら、
大人に助けてもらえばいい。
そうやって少しづつ、素敵な△△になっていこうね。

娘は、うんうん、と何度もうなずき、
「せんせいにきがえさせてもらおう~っと。」
「それじゃあ、いつまでたっても自分で着替えられるようにならないでしょ…」
と、突っ込んだら、あっそっか~と笑った。

…それにしても、どうして、娘は担任に逆らうんだろう。
昨日、担任と娘と3人で少しの時間、立ち話したときの様子が思いだされた。
月曜日から先生と1ページづつやろうね、と、担任が膝を折り、
娘と視線を合わせて言った途端、娘はプイっと後ろに走りだした。
とっさに私が捕まえると振り払おうとし、私が名前を強く呼ぶと泣きだしそうになっていた。
先生が何度も視線を合わせようとしていたが、娘は居心地悪そうに、身をよじっていた。
あの姿も、今、思えば、あまり見たことがない…。
何を思っていたのか…何を考えていたのか…。

確かに、今までも20代くらいの女の人…は、娘を制することが出来ないなぁ。
年中までの担任、言語療法士…。
30代40代の女性だと結構、従うかなぁ。
障碍児によくあるパターンで、娘も人をみるのが上手く…。
どこまで甘えることができるのか距離をはかってるのかなぁ。
それとも、ただ単に甘えてるのかなぁ。
被虐待児の特徴で、荒れることで人を試しているのかなぁ。。

担任に逆らいさえしなければ、結構、大部分のことは乗り越えられそうな気がするのだが、
それをどうやって、あの若くて一生懸命な担任に伝えたらいいのか…。
そっちも難題になりそうだなぁ。






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Last updated  2009.05.30 23:01:47
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