おもしろすぎるぜ 中国で農業

おもしろすぎるぜ 中国で農業

上海で安全な野菜を食べたい


●上海で、安全な有機野菜を食べたい(その1)
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                       2006年3月12日
ブログは、いろいろな出逢いをつくります。
「上海で、安全な有機野菜を食べたい。」という方と
一緒に、上海の静安寺で、鴨鍋をつつきながら話をしました・・・

上海に、駐在員として派遣されて、
家族も一緒にくらしているので、・・・
「子供のためにも安全な有機野菜を食べたい」といわれました。

結局は、私は、脅かしまわるだけです・・・
土は、よくなくて、何が蓄積されているいるかわからない
ひょっとしたら、重金属汚染されているかもいれない
水は、ほとんど絶望的です・・・
水道水は、殺菌されまくりで、カルシウムが多くて、
胆石の原因にもなります。
上海人であることの証拠は、胆嚢が切除された人です
空気は、濁っていて・・・自動車の排気ガスが、蔓延しています。
日本人が駐在を2年もすれば、日本に帰れば、花粉症になります。
幸い、上海では、森林がないから発症しないだけです。

農業の基本は、土、水、空気ですから、絶望的です。

ところで、有機野菜といいますが・・・
食べながら、話してすいませんが・・・
結局は、ニワトリや豚、牛のクソを使います・・・
ニワトリは、トリインフルエンザ・・・
豚は、口蹄疫の病気があります・・・
そのために、病気を抑えるクスリを使いますが・・・
そういうのが、消化されずに・・・
混じったものが、堆肥で使われたら、大変なことになります。

日本は、昔は、人間のクソを使いました・・・
それは、「金肥」といって、非常に高価なモノでした・・・
畑には、クソ壺があって、
それを、発酵させて、肥料に使用しました。
敗戦後、アメリカ軍が、日本を占領して、日本に駐在したときに、
自分たちが食べるように栽培したのですが、それは化学肥料を使いました。
それが、「清浄野菜」といわれて、みんなは驚いたモノです。
その当時は、日本は、いわゆる有機栽培だったのです。
化学肥料と農薬は、日本の農業を急速に進展させました。

昨年2005年韓国産キムチに寄生虫のタマゴがあるということで、
話題になりましたが・・・その後中国産キムチにも見つかりました。
クソを使うというのは、確かに発酵させれば・・・
70℃くらいになりますから、
微生物などは、死んだりするモノがありますが・・
胞子をつくる細菌や寄生虫のタマゴは死にません・・・・
それを食べちゃうと・・・やっぱり問題ですよね。

何が安全なのか、わからない部分があります・・・

たとえば、スーパーでのゴミなどの廃棄物をコンポストにして、
畑に還元するという話があります・・・
しかし、日本の弁当やおにぎりって、簡単に腐りませんよね。
保存剤があるからですが・・・
法律上では、安全といっています・・・
しかし、腐らないものが、廃棄物になり、肥料となって、
それが、畑にはいっていきます。
そういうことが、おこなわれているんです・・・
これは、問題を起こしかねないところがあります。

中国の食品は、腐りやすいです・・・
パンなんかも、すぐにカビが生えていたりします・・・
腐ったり、カビが生えたりするのが実際は自然です。

ホントに安全って・・どう考えたりしたらいいんでしょう
日本では、直売所や農家のインターネット販売がはやっています・・・
やっぱり、農家がつくり、農家が販売するって安心できますね。
日本では、その点 情報開示が進んでいる分少し安全な気がします。
中国は、まだまだ情報開示が進んでいないので、不安になりますよね。
(つづく)


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●上海で 安全な有機野菜を食べたい(その2)
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日本の農業は、わずかな面積で、栽培し、
その土を大切にしないといけない。
農業の基本は、「土つくり」といわれています。

中国にいて、一番感じることは、
土をあまり重視していないことです。
雲南の花の生産農家を見ても・・・・
土には、塩基成分が析出していて、
(土の表面に、白い物質が浮きでていたりします。
日本では、そんな土は使わないのですが・・・
(いいものができないので、普通は改善して栽培する。
中国では、平気で使います。
それで、病気が出たり、虫が多く発生したりします。

上海でグリーンサービスをやっていて
よくいわれるのは、中国で生産された「観葉植物の鉢」については
ショウジョウバエなどの虫が発生するということです。
あまり、中国の農家は、気にしていなくて、
土や肥料使えば、そういうものはでるもんだ・・・
という返事が返ってくる。
(もともと、鉢も汚れたままで出荷したりしますから、
 美的な感覚も違ったりします

雲南で、オランダの技術者が指導しているところを見たのですが、
やはり、土に有機質をいれるという考え方は、ありませんでした。
徹底して、ミネラルも含めて土壌分析をして、
足りない栄養分を補うという考え方をしていました。

そういう意味では、日本の農業は、土にこだわりを持ち、
土壌分析をキチンとして、
土をキチンとつくることに、全力を挙げます。
そして、化学肥料を減らし、農薬を減らすのです。
・・・・
中国では、まだまだそういうところがうまく認識されていないし、
土に対するこだわりが少ないです。

ただ、農作物の作り方でいいますと
日本の食材は、「素材そのもの」が重要なんで・・・
完熟トマトなど、畑で、充分甘さがのるようにつくります・・・
そのため、木が疲れるので、あまりたくさんとれないのです。
中国は、炒めたり、スープにしたりするので、
完熟しない状態でとります・・・
ある程度収量も上がりますが、中国の技術は未熟なところがあり、
ヨーロッパやイスラエルでの収量からは、落ちます・・

そしてあまり、ナマで食べることもしません・・・
トマトも、サラダで食べる場合には、
たっぷり・・・砂糖をかけたりします。
そういう食習慣の違いも農業のやり方に大きく影響してきます。

・・・・・おやおや。
はなしをしている間に 鴨鍋が塩辛くなって来ちゃいましたね。
お湯でも入れましょうか・・・


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●上海で安全な有機野菜を食べたい(その3)
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(上海で、安全な有機野菜を食べたいという
 話をしている最中ですが・・
 有機農業ってナンダ・・・ということを、
 すこし説明させていただきます)

有機農業には、栽培基準が必要ですが・・・
国によって、栽培基準が違っていることもあり、
単純に有機といっても、同じとは限らないことで混乱してしまいます。

日本有機農業研究会

日本においては、有機農業は1970年代の初めころから始まりました。
そして、小売店などで、実際大きく取りあげられるようになったのは、
1987年ころからといわれます。

有機農産物の定義は・・・
「有機農産物とは、生産から消費までの過程を通じて
化学肥料、農薬等の人工的な化学物質や生物薬剤、放射性物質、
遺伝子組換え種子および生産物などをまったく使用せず、
その地域の資源を出来るだけ活用し、
自然が本来有する生産力を尊重した方法で生産されたものをいう」
日本有機農法研究会

ここでは、化学肥料や農薬を使用しないことが栽培基準になっています。
問題は、実践的な意味で、この農法で、農産物を確実につくること
は、かなりむつかしいです。まさに、こだわりの農業です・・・

植物にあたえる栄養を化学肥料をつかわないで、有機質で補うには、
畜産との連携がどうしても必要となってきています。

「地域の自然と資源と文化を活かした
小農有畜複合型の多品目栽培による農家自身の自給を基礎にした地域自給」
というのが、基本的なスタンスになります。

畜産から出る廃棄物(いわゆるクソ;有機質)が、
安全でなくては、いけないという前提で、
地鶏方式などの放し飼いなどによるやり方が求められています・・
(カルガモ農法も雑草を食べてくれるだけでなく、
 クソも肥料になることを期待しています・・・
渡り鳥やカラスによるトリインフルエンザの伝染問題から
そのことも実現が困難になってきています。

畜産と農業は、分業しないかぎり量的な生産と経済効率は
望むべくでもないことも大きな問題となります。
大量飼育による畜産は、病気の発生を如何に抑えるのか?
ということからも、薬剤使用は避けられません。
飼料を有機質だけでおこなうことも、困難であり・・・
その時点から、有機農業の連鎖ははずれることになります。

化学肥料そのものを否定するのか?
化学肥料の過剰な投与を否定するのか?
といえば、本来的には、後者のことであり、
植物に必要な化学肥料を適切にあたえることが重要なことです。

その化学肥料が、環境への流出を防ぐシステムを
キチンと作り上げていくことが、環境に対する保全ともなります。
河や湖が、緑色になるいわゆる富養化現象には、
生活排水も原因ですが・・農業も荷担しているのです。

化学肥料ばかりにたよっていると
作物が粗朶たたなくなるという連作障害が起こるので、
有機質を使わなくてはいけない・・・・という意見がありますが・・・
土壌分析をキチンとすることで・・・
それに対応することができます。
多くは、塩基分 カリウムの残留が大きな問題です。
ある程度栽培したら、違う土地で栽培するという輪作体系も
連作障害を避ける工夫ともいえます。
まだ、充分に土つくりができないときは、土をまるごと変える
ということをやったりしていました・・・

有機質を使うことによって、土が団粒構造になり、
フカフカになり、植物にとってもよい・・・といわれています。
確かに、有機質をいれると土がフカフカになります。
微生物が旺盛に増殖して、多く存在します。
必ずしも、無菌的な状態ではないのです・・

土つくりは、団粒構造をつくることですが・・
それは、手段であって、目的ではないのです・・・
土が団粒構造になることによって、土の中に、空気が入り
気相が増えることになります・・・
つまり、フカフカなのは、土の中に、空気が入ったことなんです。

植物の根にとって、実は、酸素はとても必要なんです。
根が酸欠状態になったら、植物は、枯れてしまいます。
つまり、土に如何に空気を入れるのかが、重要なんですが、
団粒構造が主目的のように言われているので、
混乱してしまっているのです・・・(つづくへ)


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