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おもしろすぎるぜ 中国で農業
つづき(2)
●上海で、安全な有機野菜を食べたい(その4)
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中国では、有機農産物のことを緑色食品といいます。
緑色食品は、中国では、いたるところにあります・・・
緑色食品は中国政府の機関である「中国緑色食品発展センター」で認証される。
緑色食品は、「安全、優良な品質、健康によい食品(原料及び加工品を含む)」
と定義されAA級とA級の2ランクに分類されています。
AA級は、
「全生産過程において、化学肥料、農薬、生長促進剤及び
遺伝子組み換え技術を使用しないこと。
すべての化学合成物質が検出されてはならない。」と厳しいモノです。
A級は、
「生産基準に基づき、特定の時期に特定の化学肥料及び農薬の使用はできる。
国際化学製品連盟に使用許可されている肥料、農薬については、
その残留は国際公認基準の2分の1以下とする。」・・・・
日本でいえば、減化学肥料・減農薬といったところでしょうか?
そこで、AA級とA級・・・をどう区別するかは・・
許可ナンバーが AA級は、偶数。緑色に白
A級は、奇数。白地に緑色。
A級のマーク
参照:
急がれる中国農業改革
肥料、農薬などの基準は、キチンと決められています。
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●上海で、安全な有機野菜を食べたい(その5)
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Kさんから、メールをいただきました。
私も有機栽培には少なからず疑問を持っています。
日本の田畑をレストランや家庭のゴミだめにしていいのでしょうか?
植物に必要な窒素は無機質でも有機質でも
土中で分解して硝酸態のかたちで吸収されます。
余分な窒素は土を汚染し、しいては地下水をも汚染します。
近年、過剰な堆肥(半生)が田畑に投下されていますが過剰有機です。
また、有機で作るとおいしいは本当でしょうか?
どこにもその科学的根拠は確立されていません。
メールありがとうございます。
レストラン、スーパーからの出る廃棄物(ゴミ)を
堆肥にすること対しては、私も疑問点を持っています。
果たして、その廃棄物が、安全なのか?という側面から見て
「食品添加物・保存料」などがどういう役割を果たすのかが、
充分な研究が、されていないような気もしています。
畑は、やはり、ゴミの捨て場ではないのです。
植物に必要な成分を適切にあたえるということは、
有機質であろうと化学肥料であろうと必要です。
堆肥が、完熟してないままに・・・畑に播かれたりしますと
悪臭は出ますし、虫がわいたり、栄養分の流出が激しく、
環境汚染につながります。
有機農法が、必ず「おいしい」ということはいえないです。
あくまでも、「おいしくつくる」栽培技術だとおもいます。
有機であれば、「安全」ともいえないことも明らかです。
使われている、水や土や有機質が安全であるといえないこともあります。
中国での栽培の難しさは、やはり、年間の降雨量が少なく、
水の問題がいつも目前にあります。
水の蒸散が激しいところは、土地が荒れ、砂漠化していきます。
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●上海で安全な有機野菜を食べたい(その6)
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いま上海で、安全な野菜を食べるならば・・
水については、水道水では、カルシウムが多くて、
植物にもよくありません。
植物の葉が、白い斑点(農薬ではなく)がつきます・・・・
上海の水道水
そのために、雨水を使います・・・
川の水などは、工場からの排水や生活排水などで、やはり心配です・・・
農場にある一般的な濾過器などで処理できるのは、ゴミ類だけですので・・・
重金属などがはいっていたら・・・やはり問題です。
土に関していえば、土を使わない栽培・・・
水耕栽培や、ピートモスを使用した人工培土がやはり安心でしょうね。
肥料に関していえば、
有機質の原料まで、吟味しないと・・・・かなり厳しいです。
中国の畜産の技術は、やはり高くありませんので、・・・・
安心した堆肥がキチンと手に入れられるかにかかっています。
土作りは、実際3年から4年かかります・・・
それだけの投資がいります。
そのために、有機にこだわることは、
コストアップを覚悟しないいけないです。
中国の肥料についてもかなりグレードがあり、
その品質が正しいかどうか・・・に疑問があるモノまであります。
やはり、純度の高い化学製品を使った方が安心できます。
問題は、農薬ですね。
ただ、上海では、高度な温室施設を使用している会社も多く、
輸出を念頭においている会社のトレーサビリティなどは、
かなりしっかりしています。
問題は、日本の登録されている農薬の情報を持っていないので、
そのことをキチンと伝える必要があります。
日本の農薬と中国の農薬の対比表などがないと・・・
やはり混乱が起こります。
これから、日本では、ポジティブリスト制がはじまりますので、
中国の農業水準は、否応なく向上するとおもいます。
中国の農薬事情
有機農業と無農薬栽培とは違う
中国の農薬成分と日本の農薬成分は、同じ・・・
しかし、中国の農薬を日本へは、輸入できない。
どう虫を駆除するか・・・
そのことが、一番農業の大きな課題です。
●中国国内の野菜に、昆虫が着いていても、
問題がないが・・
日本に輸出するものについていると植物検疫で、燻煙される。
ある意味では、農薬をしっかり使うのは・・
輸出する野菜に問題がある・・
あなたは、毒を食べていますか?
農業って、総合力がいるんですね・・・
どのようなリスクを背負って、農業をやるのか・・
その判断が、現場ではつねにいります・・
問題は、それが正確に情報開示できるかにありますね。
今回は、長々と話をしましたが・・・
また、次回も・・・あって、どうしたらいいのかなどを
話をしましょうね。
食事しながら、かなり堅い話を聞いていただいて、
ありがとうございます。(おしまい)
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●話を終わっての感想
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中国で、「安全なものを食べたい」という願い
この願いに、こたえることは、かなりむつかしい。
率直に言って、正確に答えることができないというのが本心だ。
私も 毎日中国で食事をしている。
そのことを考えたら、・・・・??である。
地球環境がさまざまな要因で、汚染されていく・・・
空気、水そして土地・・・
地球は、いつの間にか、住みにくい世の中になっているが、
それは、人間がつくりだしたものだ・・・
経済成長著しい中国は、とにかく生産につぐ生産
「世界の工場」といわれる・・・
そのことから工場からどれだけの廃液が出るかを考えただけでもわかる
つまり、「世界の工場」から環境汚染がすすむのは当たり前だ。
火力発電所からの環境汚染の増加・・・
河川の環境汚染の増加・・・・
畜産からの糞尿の垂れ流し・・・
そして、あまりにも多い人間の食べ残しと糞尿・・・・
中国は、ある意味では、「環境汚染大国」ともいえる。
世界の工場となろうとした宿命である・・・
日本もその道を歩んできて、解決してきた課題もあり
中国のとって日本の技術は今一番必要な時だろう
その分 中国は、日本から学べばいいので、開発リスクは少ない。
しかし、この巨大な中国、
日本とはスケールが違う大きな環境問題を持っているとおもわれる。
この中国にいて、「安全」というテーマで、考えてみると
さまざまな情報が流れていて、ホントにどこまで安全なのか?
を、日々考えざるこまざるをえないことが現実だ・・・
農家の食べるものは安全だといっても・・・
肥料の成分がいい加減だったり・・・
農家の知識が足りなすぎたりして・・・
私も、中国に来た当初、農薬を手でかき回すのを見て、びっくりしたのだ。
単なる「クスリ」と見ているのだ・・・
農薬を散布したとき自分に降りかかっても気にしない・・・
そんなところが、キチンと注意されていない・・・
農薬の誤用や、農薬被害も報道されていないが多い・・
農業のえらい技師と実際農業をやる人の乖離が激しい・・
決定的に農業の現場において、実践的な農業技術指導者が足りない・・・
中国では、出稼ぎ農民は、温室の中で生活している人もいる・・・
そういうのを見て、安心と言う人がいるが・・
あまりにも貧しすぎて、
そこまでの配慮をしているといえない場合もある・・
自分の目でたしかめて、自分でやるしかないというのが、・・・・
実際のところだが・・・
検査機関(水分析や土壌分析)の遅れも大きな問題だ。
農業の周辺的技術の充実が急がれると思う・・・
農業は、本当に、人間の生命を支えている産業だ。
その自覚をキチンともって取り組む必要がある。
では・・・(つづくへ)
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