さすらいの天才不良文学中年

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ヒーローも年を取る 新藤兼人

ヒーローも年を取る


 NHKテレビを見ていたら、宇崎竜童が60才を迎えたと話していた。あの加藤茶も今や63才である(本日話題の小沢一郎氏も何時の間にか64才である。なお、以下の年令表記は今年の満年令)。

 先日もこのブログで書いたが、高倉健は75才、田村正和でさえも63才だ。


イーストウッド


 海外に目を向けると、アメリカン・ヒーローも年を取っている。我らがシュワちゃんは59才(個人的にはターミネーター4を早く観たいが59ではねえ)、あのスタローンも60才(ロッキーまたやるって本当?)、ハリソン・フォードは64才、リチャード・ギアは57才、ブルース・ウイルスでさえ51才、クリント・イーストウッドに至っては76才である。もはやブラック・ユーモアである。


ハリソンフォード


スタローン


 勿論、彼らだけが年をとっているのではなく、我々も年を取っているのだが、銀幕の若いときのイメージが強いからこそ、そのギャップに躊躇せざるを得ない。

 それにしても以上のスター達は、スーパー・ヒーローである。併し、ハリウッドは依然そのスーパー・ヒーロー人気にすがっているという気がしないでもない(いまさらロッキーでもないと思うのだが・・)。

 トム・クルーズ、キアヌ・リーブス、ラッセル・クロウなどのスターも未だスーパー・スターの領域に達しきれているとは思えない。出でよ、若い世代のスーパー・ヒーロー達。




新藤兼人監督100歳記念パーティ

 先日、新宿で高校時代の同窓会を開催した。


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 そのときに聞いた友人F君の話しがあまりに面白かったので、書く。

 彼が4月の「新藤兼人監督100歳記念パーティ」に出席したのだと云う。

 おいらは不思議に思った。

 同じく友人のT君であれば野坂昭如の知り合いだから何かの関係で出席していても不思議ではない。しかし、F君は理科系出身であり、一部上場企業の大手電機メーカーを経て、現在は中規模の会社を経営する社長である。新藤兼人監督と知己を得ているとも思えない。

 真相は、何と、彼の親父さん(卒寿。数えで90歳)が広島県三原市から上京し、新藤兼人と知り合いでもなく、招待状もないのに、昔、新藤監督の息子を知っているということだけで、東京会館に行ったのだと云う。

 新藤兼人監督100歳記念パーティは、4月22日に東京会館で開催されたのである。

 息子であるF君は、仕方なく親父さんを東京会館まで連れて行ったそうである。

 彼によれば、受付で門前払いになるとは分かっている。しかし、老齢の親父さんの気持ちも大切にしなければならない。受付まで同行したのである。

 だが、関係者ばかりが集まるパーティ(当日は大竹しのぶや豊川悦司などが参加)に親父さんが入れて貰えるはずもなく、早く追い返して貰えば良いのに、と親父さんに付き添っていたのだそうだ。

 親父さんは、祝辞を述べた後、新藤監督が昔映画を撮った三原から上京したこと、新藤監督とは面識がないが息子さんは知っていることなどを述べたら、何と、三原から上京されたのであれば、どうぞお入りくださいということになったそうだ。

 泡を喰ったのはF君である。

 親父さんに帯同して、パーティの一部始終を見学したそうであるが(津川雅彦のスピーチが圧巻だったそうだ)、親父さんの老人パワー炸裂に舌を巻いたとのことである。

 う~む。

 受付も困ったろうねぇ。はるばる広島県の三原市からご老人が上京したのであれば、断るわけにもいくまい。お祝いの会だから、大目に見たのだろう。

 新藤監督およびパーティ関係者の度量の広さには感服する。

「ところで、親父さんはご祝儀を充分にはずんだのか」とF君に聞いたら、いや、一円も払っていないと苦笑いをしていた。

 いやはや、まさに老人パワー恐るべし(笑)。


(追記)

 その新藤監督が29日にお亡くなりになられた(享年百歳)。また一人、映画界から巨匠が消えた。ご冥福をお祈りする。


みんな歳を取る

 先日BS国営放送にチャネルを合わせたら、畠山みどりが「ちょうど時間となりました」を唄っていた。


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 おいらは思わず聴きほれ、録画までしてしまった。

 皆、知らねぇだろうなぁ。

 昭和37年当時の歌謡曲である。当時、畠山みどりは「恋は神代の昔から」(同じく昭和37年発表)で人気絶調であった。

 おいらが中学生になったばかりの頃、彼女がテレビに出ていたのをよく覚えている。

「ちょうど時間となりました」を最後まで聴いたのだが、この曲のことを忘れていなかったのには今更驚いてしまった。

 彼女の年齢を調べてみると、現在73歳。いや、まだ若いゎ。

 ところが、これ位で驚いてはいけない。この番組は都はるみと舟木一夫の特集をしていたので、二人の年齢を調べて再び驚いた。

都はるみ 64歳

舟木一夫 67歳

 である。

 いやぁ、皆、年を取っているのである。

 その昔、おいらたちが老人になると「平凡パンチ」は「老人パンチ」に、「朝日ジャーナル」は「老人ジャーナル」になると冗談を云っていたのだが(残念ながら両誌とも既に廃刊)、世の中は思った以上に老人化が進んでいるようである。

 これでは、日本は滝壺目がけて進んでいる舟のようなものだ。間もなく沈没するでござる。その病名は「老衰」しかないのだろうか。




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