南トルコ・アンタルヤの12ヶ月*** 地中海は今日も青し

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2006/01/01
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自分好みのヒューマニスティックなドラマやラブコメディなど、もう長らく観たことがないというのに、子供にせがまれるままに、今では「違う世界」の映画ばかり観るようになってしまった。

いつも通り何の予備知識もなく、まっさらの状態でスクリーンに向かう。
最初に目を見張ったのは、これもひとつの主人公といえる、この「家」の不思議な魅力である。鬱蒼と茂った木々と花々に囲まれた庭。至るところ板張りの重厚で古めかしい室内。弟ダニーが隠れ家にしているサービス用の小さなリフト。

いつでもどこでも始まる兄弟喧嘩。これには、思わず頬が緩んだ。いや、あまりのリアリティに、笑いが抑えられなかった。まったく我が家の姉妹エミとナナの間で、毎日朝から晩まで繰り返される姉妹喧嘩に瓜二つなのだから。
兄のウォルターが10歳、弟ダニーが6歳半。一方、我が家のエミが9歳、ナナが7歳と、ちょうど同じ頃合だ。

弟は兄にかまって欲しくて、繰り返しちょっかいを出す。兄は「赤ちゃんみたいなマネはやめろよ」と怒り出す。弟は「僕は赤ちゃんなんかじゃないぞ。赤ちゃんなんかじゃないんだから」と反論する。
兄弟は、父親のところへ行き、それぞれ自分の正当性を訴える。仕事で忙しく、大事な会議を控えた父親は、「私を少しは一人にしてくれ」と声を荒げる。兄には「お兄ちゃんらしく振舞いなさい」と忠告する。
こんな兄弟間の喧嘩、交わされる会話、父親の発する言葉・・・すべてが、まるきり我が家のコピーのようなのだ。


兄は怒りに任せて、リフトで弟を地下室に下ろしてしまう。そこでは、巨大なセントラルヒーティング用のボイラーが、業火のような炎を不気味に燃やし続けている。
恐ろしさに地下室から逃げだした弟は、階段の隙間に、古ぼけたブリキ製のボードゲームを見つける。
一緒に遊びたくて兄を誘ったのに、一向に相手にしてもらえない弟は一人、とうとうぜんまいを巻き、赤いスタートボタンを押してしまった・・・・。

****

兄弟役のふたりの男の子が秀逸。ウォルター役の男の子は、繊細さと気難しさと責任感と若干の弱さを併せ持つ、いかにも長男らしい風貌をしているし、ダニー役の男の子は、飄々のんびりとして、負けん気があり、いざとなると結構しぶとく大胆な次男のイメージそのまま。
実際には、このふたりの上に少々ルーズで能天気な姉がいるのだが、この兄弟の力関係にはなんの影響も持ちえないことをストーリーでも表現している。この映画は男きょうだいの物語であって、女きょうだいと男きょうだいの世界の間には、理解不可能な根本的な溝が広がっているかのようだ。

私には、この映画を手掛けた監督、脚本家、演出家に関する知識は全くないが、間違いなく「兄弟喧嘩の機微に長けた」人たちが製作したに違いないと思っている。
宇宙からのサバイバル&アドベンチャー映画でもあるのだが、誰しも思い当たりのある兄弟間の愛憎をテーマとした人間ドラマと言ってもよい。
7歳以上指定。私の見た感想でも、7~12歳くらいの、まさに少年・少女期にあたるお子さんたちにうってつけである。
が、現役のお子さんだけでなく、子供時代のほろ苦い記憶を今に引きずる、あるいはその年齢のお子さんたちの兄弟姉妹喧嘩に日頃頭を抱えていらっしゃる親御さんたちにも、もちろんお勧めしたい映画である。

クラシックなお屋敷と、そこで発見されるレトロなブリキのオモチャの世界そのままに、兄弟が次々直面させられる恐怖の数々も、いつかどこかで見たような昔懐かしさに満ちたものばかり。



*ZATHURA公式サイト







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最終更新日  2006/01/03 08:03:13 AM
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