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今夜、なにげなく夕刊の死亡欄をみたところ、ハレバレが大好きな作家の北森鴻先生がお亡くなりになったという記事をみつけてしまいました。新聞には心不全と書かれていましたが、北森先生って、私と同じ年なんですけど・・・(T_T)蓮丈那智シリーズなどの骨董ミステリー、また、香菜里屋シリーズなどの連作ものの世界がとっても魅力的で、つい立て続けに読んでしまう本ばかりでした。ちょうど、ここのブログを頻繁に更新していたころに北森先生に嵌まっていたので、このブログにも何度か著作の紹介をさせていただきました。まだまだ書き続けていただきたかったです。過去にこのブログで紹介した作品。『顔のない男』『闇色のソプラノ』『瑠璃の契り』『狐罠』&『狐闇』『花の下にて春死なむ』『孔雀狂想曲』『緋友禅 -旗師・冬狐堂-』『触身仏』他にも北森先生の作品はほとんど読ませていただいておりました。本当に、本当に残念です。こころよりご冥福をお祈りいたします。(合掌)
2010年01月25日
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鵜 DSC posted by (C)はればれ昨日、近畿地方もいよいよ梅雨入りしました。今日3日も、朝から雨で鬱陶しいお天気です。 さて、今回のテーマなんですが『図書ボランティア』です。双子の通う小学校で、図書ボランティアの募集があり、推進員の方にお願いされたこともあって応募してみました。(また、断れなかったとも言う。)小学校低学年を対象に、朝の読書タイムの10分間、教室で本の読み聞かせをするというボランティアです。昨日はそのボランティアの初回のミーティングがあり、10人ほどが集まって、どういう風に読むか?とかどんな本を選ぶか?などなど、教えてもらいました。集まった人数以外にも来られなかった方を合わせると15人以上いるようですが、これでは毎日できないので、この人数で毎週1回、交替ですることになりました。一応、授業中になるんですが、先生は教室外で待機されるそうです。みんなの前で本の読み聞かせ・・・といわれても・・・・。どんな本を選べばいいのか、悩むところですが、自宅にある本でもいいし、図書館で借りてもいいし、例外として「戦争」や「死」など、重い物を扱う本は、素人の図書ボランティアでは、児童に対して後々のフォローができないのでお勧めできないとのことですが、それ以外は特に何でもいいそうです。読むのは1冊でもいいし、時間が余ればもう一度読んでもいいし、別の2冊目の本を読んでもいいらしいです。10分はそこそこ長いので、1冊だと時間が余ると思うよ~とのこと。8時40分に読書タイムのチャイムが鳴ったら「おはよ~♪」と教室に入り、教壇に立って本を開いて見せながら本を読む。10分経って次の授業のチャイムが鳴ったら「さいなら~♪」と教室から出る。(笑)「さぁ、こんな感じで。 ハレバレさん、初回は6月6日の金曜日にお願いしますね(^^)」・・・・あはは・・・(^_^;)・・・はぁ・・・。(しかも、いきなり娘のクラスやし・・・)昨日集まった私以外の方たちも、ほとんどが初心者ばかり。少なからず不安はありますが、まずやってみなくちゃわからない。本は、とりあえず家にあるものを2~3冊持っていくつもりです。家で声を出して読んでみて、時間を計ってみましたが、5分ほどで終わるものばかり・・・・(^_^;) やばい?まぁ、なんとかなるか!???(ほんまか?)相変わらず、開き直りは早いのですが、今から緊張で胸がドキドキしています。(笑)ではまた~追記:図書ボランティアは、子どもたち相手の読み聞かせだけでなく、学校図書館の本の整理・修復やパネルシアターの作製などもあって、図書館や図書に関わるいろんなお手伝いをするボランティアです。学校や、集まるボランティアの人数によって、かなりの違いがあるようで、わが校では低学年(1~2年対象)のみですが、お隣の小学校は人数が多く、高学年のクラスまで読み聞かせに行っているようです。(高学年は週1)読み聞かせだけが図書ボランティアってわけではありませんので、念のため~
2008年06月03日
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特養にて、義母と散策。今日は風が強くて少し冷えました。敷地内の木々もだんだん色が変わってきました。そろそろ日中の散歩は無理になるかな。11月25日 土曜日 くもり時々晴れ 先日までネット落ちしている間に、ちょこちょこと本を読んでいました。QEDシリーズは第6弾の「竹取伝説」まで、図書館で借りた本では、「日暮らし」「明日の記憶」など島田荘司先生の新シリーズ「犬坊里美の冒険」なども面白かったです。その中でも特に印象深かったのが、『明日の記憶』映画にもなっている、有名なベストセラー小説ですが、やっと図書館の順番がまわってきて読むことができました。若年性アルツハイマーになってしまった主人公の言動に、最初は、他人事のようにハラハラしながら読み進んでいたのですが、途中から、すっかり主人公に感情移入してしまい、主人公と一緒に、もどかしい思いをしていました。(笑)最後の2ページで、うっかり涙がこぼれてしまったのですが、この涙の原因が一体何なのか、今もよくわからないままです。主人公の境遇に同情して悲しんだ涙でないことだけは確かです。なかなかに重い結末ではありましたが、不思議と、読後感は良かったです。このあたりが、ベストセラーになる所以なのでしょうか。久しぶりに、ジ~ンと心に響いた小説でした。 『明日の記憶』
2006年11月25日
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この花の名前、わかりません(^^ゞ一応調べてみたのですが、細かいところまで写せていないのでさっぱりでした・・・。(苦笑)* * * * * * * * * * * * * * *9月29日 金曜日 晴れ今日は久々に本の話です。気が付けば長い間、本や漫画の話を書いていませんでした。最近、嵌って読んでいるのが、高田崇史さんの“QEDシリーズ”です。もう7月の話ですが、「dai583さんの日記」を拝読して、読んでみたいなぁと思っていました。第一作目の『QED 百人一首の呪』を読んで、殺人事件の解決はともかく(ぇ?)、百人一首の謎解きが面白くて、一気に読んでしまいました。説の真偽はともかく、こういう歴史謎解きを読むのは大好物です。(笑)正直、現在進行形の殺人事件とその解決については、私はあまり魅力を感じなかったです。この殺人事件だけのミステリだったら、たぶんブログには書かなかったと思います。(笑)百人一首は苦手で、あまり詳しくは知らないのですが、それでも謎解きは面白かったです。引き続き、『QED 六歌仙の暗号』も読みましたが、これは前作の『百人一首の呪』より、読み応えがあり、六歌仙の謎解き以外の事件の展開もそれなりに楽しく読めました。で、このシリーズは読んでみよう・・と思い、現在第6弾の『QED 竹取物語』まで購入してみました。(すべて文庫ですが。)ポツポツと順番がまわってくる図書館の本なども読まねばならず、現在は積読(つんどく)状態ですが、QEDシリーズ、早く次を読みたいです。(笑)そうそう。謎解き&図書館の本といえば、先日、やっと『ダヴィンチ・コード』の順番がまわってきて、昨年10月末に予約して以来、実に11ヶ月目にして読むことができました。待つのは11ヶ月、読むのは2日。(爆)なるほど、評判どおり面白くて一気に読んでしまいました。これも、作者の説の真偽についてはわかりませんが、ちょうど一年ほど前にブログで紹介した「黒マリアの謎(05年09月05日付の日記)」という本で読んだようなことも少し出てきたりして、なかなか興味深かったです。昨日から 『大江戸妖怪かわら版 異界から落ち来る者あり』上・下/香月日輪 の上巻を読んでいますが、『しゃばけ』シリーズのように読みやすく、面白い妖怪ものです。(そういえば『うそうそ』の感想も書いてないような・・・(^^ゞ)ちなみに、『異界から・・・』の下巻はまだ他の人に貸出中で、手元にありません。(笑)行間も広く、あっという間に読めてしまうのに・・・下巻が借りられるのはいつだろう・・・?(^-^;Aとりあえず先に、京極夏彦先生の『邪魅の雫』も買って読まなきゃいけないし~(= ̄∇ ̄=)うふ。最近、夜はほとんど連れ合いがパソコンを使っているので、夜は少々退屈なんですが、でも、読むのが楽しみな本が目白押しの、今年の秋の夜長です(笑) QEDシリーズ、文庫本です。
2006年09月29日
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都草兵庫県・丹波篠山の篠山城跡に咲いていました。ちょっとふっくらしたカラスノエンドウの色違いみたいな感じかな?(笑)小さいけれど黄色いのでとても良く目立ちました。* * * * * * * * * * * * * * *7月29日 土曜日 晴れのち夕立 毎朝、蝉のはげしい鳴き声で目覚める今日この頃です。今日は、しばらくご無沙汰だった本の話を。名前はよく聞くものの、読んだことのなかった作家さん。伊坂幸太郎先生の本を読んでみました。『ラッシュライフ』いきなりネタバレになっちゃいますが、複数の別々の話が、最後にはそれぞれに関係しあっていましたよというお話でした。もっと面白い本か、ドラマか、なんだったか忘れたけど、似たような構成の話を読んだ覚えがあったせいか、さほどインパクトを感じなかったのと、話に少々(?)無理があるような気もして、私はあまり面白く感じませんでした。伊坂作品の最初だったのですが、ちょっと、「んん??これが??」と思ってしまいました。 * * * * * * * * * * * * * * *『チルドレン』最初に読んだ「ラッシュライフ」が、少し好みではなかったのですが、図書館の予約がまわってきたので読んでみました。読んだ感想から言うと、おもしろかったです。私は「ラッシュライフ」より「チルドレン」のほうが好きでした。軽くて読みやすい、短編が5話。実際に近くにいると、かなり鬱陶しいであろう主人公(なのか?)陣内クンが実はかなり魅力的な人物で、彼の素直さというか率直さが、なかなか痛快です。盲目の永瀬が、見知らぬ人から五千円札を握らされた(貰った)ことを、「なんでお前だけなんだよー!」と真剣に怒るところが印象に残りました。(笑)家裁調査官の武藤・盲目の永瀬というキャラクターも、いずれも魅力的です。伊坂作品は、まだ2作しか読んでいませんが、結構、結果オーライ(?)なストーリーなのかな?(意味不明)とりあえず、今回の『チルドレン』を読んで「他の作品も読んでみたいな。」と思いました。次は、『オーデュポンの祈り』という本の予約が、あと4人目くらいで回ってきます。(3×4=12週間後・・・くらいかな?)
2006年07月29日
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お亡くなりになった犯罪被害者の方たちに捧げます。* * * * * * * * * * * * * * *先週、初めてブックオフに行きました。残念ながら、ブックオフが近くになく、行く機会がなかったのですが、先週出先で、たまたま時間があるときに店の前を通りかかり、駐車場もあったので、思いつきで入ってみました。噂どおり明るくて、普通の新刊の本屋さんみたい。並んでいる本も、そんなに古い・汚れているという印象はなく、これで半額くらいだと、お買い得だな~と思いました。そこで発見してしまったのが、宮部みゆきさんの『模倣犯』上下巻セット。なんと上下セットで1000円!だったので、思わず買ってしまいました(笑)2冊で4000円近くする本が2冊で1000円!!本も綺麗で、すっごくお買い得!!これは“買い”でしょう!(^^)やっぱり古本屋さんはすごいな・・と思いながら、家に帰ってしばらく読んでみたら、以前、読んだことのある本でした・・・(ヘ;_ _)ヘ ガクッ(↑忘れてたんかい!)うっかり、その値段だけに目を奪われて、「これは読んでいないはず~!」との思い込み故でしたー( ̄ー ̄;)ゞ週末から、娘と2人で留守番などして時間も充分にあったので、せっかく買ったのでもったいないし、数年ぶりに全部読みました。たまたま読み終わった日の夕方に、7年前に山口で起こった母子殺害事件の最高裁判決が出て、被害者の遺族の痛切な訴えを聞いたのは、本当に偶然でしたが、なんだかとても重いものを感じました。事件の遺族や関係者にとって、犯人が逮捕されても、裁判でどんな判決が出ても、決して、起こってしまった事件の“解決”にはならないんだろう。事件で失われた命は、決して戻ってこない。以前読んだときよりも、ずっしりと重く心に残りました。勘違いして買って、良かったと思えました。 ボリュームのある作品ですが、ぐいぐい引き込まれて、あっという間に読めましたよ。映画をご覧になった方も多いかな。(私は映画みてません(^^ゞ)
2006年06月20日
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オイラ、みさき公園のペンギンっす。ガラスも柵もなく、すぐ間近で見られるので子ども達はかぶりつきで喜んでいました。とてもかわいかったです。* * * * * * * * * * * * * * *『顔のない男』/北森 鴻春先から、北森さんの作品をまとめ読みしたもので、またまた彼の作品の感想になります。 多摩川沿いの公園で、全身を骨折した惨殺死体が発見された。 空木精作―彼は周辺の住民との接点も交友関係もない男だった。 原口と又吉、二人の刑事は空木の自宅で、一冊の大学ノートを発見する。 ノートを調べるうちに二人は次々に新たな事件に遭遇する。 空木とは一体何者だったのか?本格長篇ミステリー。 (以上、楽天ブックスさんの紹介文より。)この殺された空木精作という人物が、かなり謎な人物。つまり、“顔のない男”あまり書くと、即ネタバレになるので難しいけれど、二人の刑事が、発見した空木のノートを上司に秘密にして独自に捜査をはじめる。(実際には許されないとは思うけれど。)空木のノートを捜査していくうちに、次々と起こる新しい事件。それらの被害者は、一見無関係のようで、実は、空木の人生や、空木ノートで繋がっている・・・。(それでも上司に内緒ってのはヤバイやろ?(苦笑))人間関係が少々複雑・・(^-^;A何度か、戻って読み直したりしました( ̄ー ̄;)ゞ最後は、やっぱりどんでん返し。(少し予想はついてしまうが、でも予想外の展開も。)途中、もう少しわかりやすく書いてもらえればずっと読みやすかったのだけれど・・・。(それだとミステリーにならない??(爆))わたし的には、この前に読んだ「闇色のソプラノ」より面白かったです。本体価格 571円 (税込 599 円) 送料別 * * * * * * * * * * * * * * * えーと、北森さんの作品は・・・あと『桜宵』をまだ書いていなかったかな。ぼちぼちと本や漫画の感想もアップしていくようにします。今日は、夫が仕事なので、私は、これから子どもを連れて実家に帰りま~す(笑)明日は母の日だし・・・。なにか感謝の意を伝えなければ~(^^)ハッ!(`ロ´;)でも、何も用意していない・・・。どうしよ。(汗)ハッ!(`ロ´;)GW中だった、甥っ子の20歳の誕生日プレゼントも渡しそびれている・・・。もう9時半!早く出かける用意しなくちゃ~ 。。。。゛(ノ‥)ノ 水が冷たくって、気持ちイイっスよ。
2006年05月13日
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カモミールの群生(河原花壇にて) * * * * * * * * * * * * * * *久しぶりに読んだ本の話など。『闇色のソプラノ』 北森 鴻 著舞台は東京都の郊外にある架空の都市、遠誉野(とよの)。夭折した童話詩人・樹来たか子の「秋ノ聲(あきのこえ)」に書かれた「しゃぼろん、しゃぼろん」という不思議な擬音の正体は?たか子の詩に魅せられた女子大生、郷土史家、刑事、末期癌に冒された男、医師、そしてたか子の遺児・静弥が神無き地・遠誉野に集まり、戦慄の事件が幕を開ける。驚愕の長篇本格ミステリー。 (一部、本の背表紙の紹介文より。)うーん・・・。最初、遠誉野(とよの)という新興都市の歴史の謎にも興味を惹かれて読み進んだけれど、途中から人間関係が複雑にからみあって・・・・。私は、たまたま「しゃぼろん」の音の正体が初期の段階でわかってしまって、最後の結末もなんとなく予想がついちゃって、残念でした(苦笑)偶然にしては出来すぎている人間関係に、「遠誉野だから・・。」みたいな、いわくありげな扱いだったのに、結局、最初に匂わせていた遠誉野の町の謎・・・というのも解明されなくて残念でした。推理するというよりは、話の複雑さや驚くべき事実!というストーリー展開を楽しむような本なのかな。(…って、失礼かしら?)* * * * * * * * * * * * * * *夏のような暑い一日。今日からわが家も普通の日常に戻りました。まだ、皆元気!というわけにはいかないけれど、会社に、幼稚園に行くことができてよかったです。私も今日は、久しぶりに河原花壇に散歩に行きました。咲いている花の数や種類が増えていて、壮観でした。
2006年05月09日
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黄桜写真ではわかりにくいかも知れませんが、ごく淡い黄緑色をしている八重桜です。造幣局の通り抜けにも植えられていて有名ですが、この黄桜は、近所の公営団地の敷地内で咲いていました。* * * * * * * * * * * * * * *久しぶりに、本の感想など 『ゴッホ殺人事件 上・下』 高橋克彦著 講談社文庫高橋克彦先生の、美術ミステリーです。自殺したとされる炎の画家ゴッホ。そのゴッホの他殺説を軸に、現代を舞台にした国際的な謀略の数々とさまざまな謎解きミステリー。フランス在住で、絵画の修復を仕事としている由梨子。兄の正樹は仙台で医者をしており、母は父の亡き後の家を守り東京に一人暮らし。そんな平和な家族にいきなり起こってしまった母の自殺。母の遺品に、兄妹も知らない貸し金庫の鍵があり、その貸し金庫の中から謎のリストが・・・。このリストを手がかりに、オルセー美術館研究員マーゴ達と調査していくうちに、由梨子は、自分の父の秘密やゴッホの死の謎、ゴッホの未発見の作品群など、さまざまな謎や、また危険にも直面し、大きな国際謀略事件にまきこまれていく・・・・。日本・フランス・オランダ・スイス等を舞台に旧ナチスの戦犯を追うイスラエルの情報機関モサド、オルセー美術館等も登場し、由梨子たちが巻き込まれる事件の謎解きと、ゴッホ他殺説の考察の両方が楽しめる、スケールの大きなミステリー作品となっています。また、高橋先生の美術ミステリーには欠かせない(?)浮世絵研究家、塔馬双太郎が登場し、大活躍します。(↑浮世絵研究家でよかったんだっけ?歌麿研究家だっけ?)塔馬センセーの推理は相変わらず冴えておりますが、今回ももったいつけて、最後の最後まで推理の真相を話してくれないのが、(推理小説としては当り前なんですが)もったいつけすぎ!みたいで勘弁してください(爆)杉原君も「さすがは塔馬さんだ・・。」とか「絶対にそうです。」とか言い過ぎ(笑)読後の感想としては、面白かったですよ。(笑)作品の長さを感じさせません。特にゴッホの死因についてのマーゴの新説にはグイグイ引きこまれてしまいました(笑)ゴッホについては何も知らないので、詳しい方に言わせるとツッコミどころが満載なのかもしれませんが、絵画や美術の素人でも充分にエンジョイできる一冊だとおもいます。実は、ゴッホと言われてもあまりよく知らなかったんですが、この本で、繰り返し説明されていくうちに、なんだかとっても興味が・・・(笑)昨年買った、ますむらひろし先生の詩画集『ゴッホ型猫の目時計』を本棚から引っぱりだして、じっくり眺めなおしてみました。「なるほど・・・・。」 (←なにが?)今度は図書館にでも行って、ゴッホの画集でも覗いてみるかな~・・・(゜-゜*)なんて気分にさせられる推理小説でした。(ちなみに、今まで浮世絵の本を買ったり借りたりしてるのも、高橋先生のせいだったり。) * * * * * * * * * * * * * * *黄桜
2006年04月18日
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『瑠璃の契り』/北森 鴻 文藝春秋 刊少し前に図書館で借りてきて、さっさと読んでさっさと返してしまったために、なんとなく、感想を書きそびれていましたが、DAIさん(dai583さん)の日記の感想を読んで、「ああ、そうやった。そうやった。」と思い出しましたので、本日2度目の日記は、本の感想を少し。4編(だったかな?)収録されていました、短編集です。(最後の「黒髪のクピド」は、少し長めだったかな。)店を持たずに骨董品を売買する旗師“冬狐堂”の宇佐見陶子が、骨董品の目利きの最大のポイントである目を患ってしまう。・・・というところからはじまります。“冬狐堂”が目を患ったという噂を聞いて、“わけあり”の人形を持ち込む同業者。その“わけあり”の人形に込められた悪意を陶子は見抜けるのか?・・・というわけで、今回の一冊は、事件を解決する推理小説というんじゃなくて、宇佐見陶子や、友人のカメラマン横尾硝子の過去の出来事などに絡んで、人の心を(それもどちらかと言うととドロドロしている部分を)描いていました。明晰推理でスカッと疑問解消!後味よし!!という感じではなかったので、なんとなく感想を書きそびれてしまった。面白くないというわけではないのですが、2話目の若かりし日の宇佐見陶子の気持ちや、3話目の横尾硝子の思いにあまり共感できなかった~( ̄ー ̄;)私の人生の経験値が不足している証拠でございます。自分の夢を断念させるほどの才能を持つライバルに気付くこともなく。(←気づけよ!)つーか、そんなに真剣な夢なんてなかったという話なんですが、いろんな事を「好きだからやってるの~♪」というレベルでやっている、お気楽な私は、他人の才能や実力に、真剣に、嫉妬したり惚れ込んだりということがなかったからかも知れません。(←もっと真剣に生きろよ!)そんな感じだったので、個人的には、読後感があまりよくなかったわけです。それでも“冬狐堂シリーズ”は好きな設定なので、これからも新しい作品を期待しております。DAIさんの日記「いろんなことを忘れないために」にトラックバックさせていただきました。 鶴見緑地 花の谷の滝(人工)
2006年04月04日
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ヤツデこれもまだ蕾です。* * * * * * * * * * * * * * *3月17日、金曜日(くもり)昨夜から今朝の未明にかけて、大阪ではものすごい強風が吹き荒れて、ちょっとした春の嵐でした。夜が明けて、ウソのように風はおさまりましたが、時折、薄日は射すものの、どんよりした曇り空の大阪です。さて、昨日の日記に引用した催花雨という言葉が思いのほか人気だったので(?)、今日はその言葉が載っていた本をご紹介します。 『雨の名前』/高橋順子(文)・佐藤秀明(写真) (小学館) (出版社 / 著者からの内容紹介) 世界中で最も「雨」の好きな人種、それは日本人だ。 短歌をはじめ、俳句、小説、民謡、はては歌謡曲まで、 雨をテーマにしたものは数え切れない。 その表現も北と南、都市と農村など生活の場の違いによって多彩な顔をみせる。 本書では、古来からの「雨の名前」をキーワードに、 詩と短文・写真で、現代日本人の暮らしのネッコに迫る。 カラー版で楽しむ「辞典+歳時記+エッセイ+写真集」。 内容(「BOOK」データベースより) 「雨の名前」422語、「雨の写真」148点、「雨の詩とエッセー」35篇。 雨の日を3倍に楽しむ本。辞典+歳時記+エッセー+写真集のアンサンブル。 (以上、Amazon.co.jpさんのサイトより引用) もともと、お天気や歳時記が好きなので、こういった本は、本屋さんで目に付けば購入しています。この『雨の名前』はシリーズで、『風の名前』『花の名前』もあります。最初に買ったのがこの『雨の名前』だったせいか、この3シリーズの中ではこの本が一番好きですが(笑)この他にも、この種の本(写真エッセー辞典のような)は数冊持っているので、折をみて、紹介しようかな(笑)今までは、眺めて読んで自分が楽しんでいただけでしたが、これからは、ブログを書くときに、ちょっと言葉を拝借するのもいいかな(笑)そういった使い方もできますね。私は自分で詩を書いたり、句を詠んだりする才能がないから、ちょっとカンニングするのにもってこいだな・・・(^^ゞ(コラ というわけで、もし本屋さんでみつけたら、一度手にとって、覗いてみてくださいね(* ̄ー ̄*)本体価格 2,400円 (税込 2,520 円)ちょっと値が張るのが玉に瑕か?カラー写真がいっぱいだからなぁ。
2006年03月17日
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昨日は少し誤解を招く日記を書いてしまいました。火曜日に行った公園は、近くなんですが、隣接市にありまして、そこの図書館の本は、市民か市で働く人でないと借りられないんです。図書館の上にある公園や、花と緑の情報センターで花の写真を撮って来ましたが、図書館を利用したわけではありませんでした。ややこしい話で申し訳ありません。* * * * * * * * * * * * * * *で・・・今日(金曜日)なんですが、借りていた本の期日がきたので、いつも行く図書館へ本を返しに行って参りました。いつも利用している図書館は、車で40分ほどかかりますが、蔵書検索がネットで出来るのと、この1月から貸出予約もネットで出来るようになり、大変便利になりました。駐車場代は30分150円なんですが・・・。図書館の正面にある大型スーパーの駐車場に車を停めて、図書館帰りに買い物をして帰ると、無料です(笑)今日も、図書館を利用するついでに、そのスーパーで買い物をして、お昼ご飯もそこのフードコートで食べてまいりましたよ(^^)ちなみに、今日返した本は「浮世絵に見る江戸の暮らし」(橋本澄子・高橋雅夫 編)「浮世絵ミステリーゾーン」(高橋克彦 著)「江戸東京の噂話」(野口純一 著)の3冊です。そして、本日借り出した本は「瑠璃の契り」(北森 鴻)「桜宵」 (北森 鴻)の2冊です。そして・・・帰宅して午後3時ごろ。図書館から「予約していた本が用意できました」とのメールが~!Σ(>_
2006年03月10日
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長居公園のこども広場横にて。もくれん?の花芽* * * * * * * * * * * * * * *先週読めたのはこの2冊。『狐罠』・『狐闇』、冬狐堂シリーズの長編です。 『狐罠』 店舗を持たず、自分の鑑定眼だけを頼りに骨董を商う「旗師」宇佐見陶子。 彼女が同業の橘董堂から仕入れた唐様切子紺碧碗は、贋作だった。 プロを騙す「目利き殺し」に陶子も意趣返しの罠を仕掛けようとするが、 橘董堂の外商・田倉俊子が殺されて、殺人事件に巻き込まれてしまう。 (Amazon紹介文より) 話のはじめから、いきなり贋作に騙された宇佐見陶子。 目利き殺しを仕掛けられ、己のプライドにかけて、報復に燃える陶子。 陶子の前夫・プロフェッサーD、天才贋作師・潮見老人の協力を得て、 無事「目利き殺し」を成功させることができるのか? 現代の殺人事件に関わり、30年前の贋作事件が影を落とす・・・ ・・・話の先が気になって、どんどん読んでいきましたが、 正直なところ、ラストは少し物足りなかったです。 途中までの綿密さが、ラストで破綻してしまったような印象がありました。 それにしても、骨董の世界はおそろしい(苦笑) ほんとうに、こんなことがあるのかどうかは知らないですが、 贋作をつかまされても、高い勉強代・・・とは。(笑) 骨董は、「なんでも鑑定団」をみて楽しむだけにしておこう(^-^) * * * * * * * * * * * * * * * 『狐闇』 魔鏡を競り市で手に入れたことで、宇佐見陶子の運命は変わった。 市に参加していた男が電車に飛び込んだのを皮切りに周囲で命を落とす者が続出。 陶子は絵画の贋作作りの汚名を着せられ、骨董業者の鑑札を剥奪されてしまう。 狡猾な罠を仕掛けたのは誰か。満身創痍の捜査行は日本の歴史の断層に迫っていく。 (背表紙紹介文より) こちらの作品は、前作よりずっと面白かったように思います。 何者かの陰謀によって、贋作事件や飲酒運転事故をでっち上げられ、 古物商の鑑札も、運転免許証もなくし、苦境に立たされる陶子。 読み進んでいくうちに、次々と主人公を襲う理不尽な展開に 私も主人公と一緒になって、悩んでいました。(笑) 汚名を晴らすにも、一体どう手をつけてよいやら・・・。 八方塞りのなかで、陶子の親友であるカメラマン・硝子だけでなく、 異端民俗学者・蓮杖那智、同業の骨董店主・雅蘭堂の越名など 北森先生の別シリーズの主人公達が勢ぞろいで知恵を出し合って、 “八咫烏の浮かび出る魔鏡”三角縁神獣鏡の謎を解いていく。 北森先生ファンにはいろいろと楽しい趣向になっています。 三軒茶屋のビアバー“香菜里屋”も出てきます。 骨董と日本の歴史を絡めたお話ですが、 予備知識がなくても充分読めると思います。 八咫烏の鏡・・・というのが出てきて、 自分的にはタイムリーな感じもあり、長編ですが楽しく読めました。「まあぼの交差点」さんの記事にトラックバックさせていただきました。「いろんなことを忘れないために」 dai583さんの日記にトラックバックさせていただきました。 本体価格:743円(税込:780円) 本体価格 762円 (税込 800 円)
2006年02月20日
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昨日の大根です。別角度から撮ってみました(笑)* * * * * * * * * * * * * * *先週の土曜日の話になりますが、「世界一受けたい授業」というTV番組を見ていました。前後の授業は良く憶えていないんですが、4時間目の歴史の授業は江戸時代ということだったので、興味深く拝見しました。江戸時代の庶民の暮らしを、わかりやすく説明した授業で、出演者の方々は、驚いたり感心したり、それなりに盛り上がっていましたが、杉浦日向子さんの愛読者である私にとっては、どれも、杉浦さんのご本で読んだことのある内容ばかりで目新しい話がなく、少しがっかり(笑)元ネタは、杉浦先生のご本で間違いないでしょう。でも、この授業を拝見していて、本を読むだけではあまり感じとれなかった、「なぜ日本に「もったいない」という言葉があるのか。」という理由が、少しわかったような気がしましたよ(笑)江戸時代(あるいはもっと昔)から、日本人の身に染みついている言葉なんですね。(番組のテーマは、江戸人のリサイクル社会について・・・という感じでしたか?) * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * このTV番組を見て思い出した本たち。「一日江戸人」 「お江戸でござる」 「大江戸美味(むま)草紙」 「お江戸風流さんぽ道」軽妙洒脱な文章、漫画家でもあった杉浦先生のわかりやすいイラスト入りで、江戸時代の人々の暮らし振りを面白おかしく紹介している本たちです。 『情もお金も溜め込まない気っ風のよさを身上に、即席グルメに、江戸前ファッション、 長屋暮らしに、色に恋。江戸の庶民の息づかいを生き生きと今に伝える江戸案内。』 (「お江戸風流さんぽ道」紹介文より抜粋。) 『江戸美人の基準、三大モテ男の職業、衣食住など、江戸の人々の暮らしや趣味趣向が これ一冊でわかる。さらには「殿さま暮らし」は楽かの考察(「将軍の一日」)、 大奥の仕組み(「ザ・大奥」)、春画の味わい方(「春画考」)まで。』 (「一日江戸人」紹介文より抜粋。)江戸人たちの、結構楽しそうで合理的な暮らしぶりが身近に感じられます。 一日江戸人 お江戸でござる 大江戸美味(むま)草紙 お江戸風流さんぽ道 (小学館文庫) (ワニブックス) (小学館文庫) (新潮文庫)shimikotoshioriさんの日記『ケルトの夢』にトラックバックさせていただきました。「一日江戸人(1月23日)」&「杉浦日向子さん(1月24日)」
2006年02月08日
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日曜日は一日寝込みました。多分、お薬の影響で、眠くて眠くて起きられないだけでしたが。頭はぼんやりしていましたが、ゴロゴロしながら本読み放題の日曜日になりました。* * * * * * * * * * * * * * *『あやかし』(上・下)/高橋克彦 双葉文庫またまた高橋克彦先生の本を読んでしまいました。内容も知らず、ただタイトルに惹かれて読んだのですが。これは、ホラーSF・・・というジャンルになるの?(あやふや)1964年。ヨーロッパ旅行に出た岡本隆司と従兄弟の良介は、ロンドンで親切な日本人と日本贔屓の大金持ちの屋敷に招待されるところから話は始まります。一方、東京で血液学の研究をしている青垣は、友人の修一から、とある交通事故にかかわる血液サンプルについての相談を受ける。その血液は、死後数ヶ月は経っているのではないかと思われるほど薄く、生きている人間の血液とはとても思えない。しかも、その血液の主(老人)は交通事故現場から消えたという。その血液の謎に惹かれた青垣と修一は、事故現場の東北のとある田舎町へと向かう・・・。冒頭からぐぐっと引き込まれました。読み出したら止まらない。ストーリーは謎・謎・謎の連続で、先が早く知りたくてたまらない・・・というあたりは、高橋先生お得意の展開ですね。話がどんどん大きく広がっていきます。吸血鬼のようなモンスターホラーかな?と思っていたら、大地震が起きたり、洪水が起きたり、バイオハザードのようにモンスターと戦ったり(?)、果ては月と神と宇宙人ですよ(笑)(いつもながら、話広がりすぎ(笑))冷静に考えたら、かなり無理があるというか、ツッコミどころ満載なのですが、読んでいる間は、あれよあれよという間にストーリーの世界に引き込まれてしまいます。民話・伝承や不老不死伝説をうまく取り入れて、高橋先生独特の解釈があり、最後まで一気に読み進めます。そう、理屈じゃなくて楽しめる。楽しまなきゃ損なスペクタクル巨編です。ああ・・・なんだか久しぶりに高橋克彦作品を読んだなぁ・・・(* ̄▽ ̄*)そんな気がする一冊でした。いろんなジャンルの小説を書かれていますが、この世界観というか、歴史観というか、高橋先生独特の世界な気がします。ホラー、SF、ファンタジー・・・何に分類すればいいのかな?えーと・・・高橋ワールド?(笑)『あやかし(上巻)』本体価格 838円 (税込 879 円) 『あやかし(下巻)』本体価格 781円 (税込 820 円) 病床で読むにはちょっと長い話でしたけどね(笑)
2006年02月06日
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飛鳥坐神社 "おんだ祭"日記の本は江戸時代なのに、飛鳥の写真です(爆)日本有数の奇祭の一つと言われているようです。写真は、昨年2月6日に行なわれた時のものです。毎年2月の第一日曜に行なわれています。毎年、竹ササラでお尻を叩いてもらっています。もちろん、今年も行く予定です。週末、雪が降ったら・・・行けないかなぁ?(汗)(写真ネタが尽きてまいりましたので、去年の写真を。)* * * * * * * * * * * * * * *『京伝怪異帖(巻の上)』/高橋克彦 講談社文庫『京伝怪異帖(巻の下)』/高橋克彦 講談社文庫ここ数日、高橋克彦先生の幕末怪異モノにすっかり嵌っております。(^^ゞ最近読んだ「だましゑ歌麿」、「完四郎 広目手控」、「天狗殺し-完四郎広目手控-」の各作品と、微妙にリンクして、面白味が増しています。どの作品も時代は同じ幕末。しかもそれぞれの作品で、実在の浮世絵師や戯作者、版元などが活躍するとなるとリンクして当然なのかもしれませんが。巻の上には、「天狗髑髏」「地獄宿」「生霊変化」の3編、巻の下には、「悪魂」「神隠し」の2編が収録されています。『京伝怪異帖』の主人公は、戯作者にあこがれる伝蔵こと若き日の山東京伝。不思議な話や怪異に目がない伝蔵が、実際に巻き込まれる怪事件の数々。最初の「天狗髑髏」を読んだ時点では、この先どういう話になっていくのか正直言って、よくわかっていませんでしたが(^^ゞ東北の山にあるという、生きては帰れぬ地獄宿には死体がゴロゴロ(>_
2006年02月02日
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『-完四郎 広目手控- 天狗殺し』/高橋克彦 集英社文庫先日読んだ、「『完四郎 広目手控』」(1月27日)の続編です。 日本大曲り 白魔王(びゃくまおう) 鬼の面 竜の穴 はぐれ独楽 首化粧 お岩怪談 冥途案内 斬魔剣 天狗殺し 広芥屋異助 白雪火事以上、12編が収録されています。前作のラスト、安政の大地震から3年後・・・。広目屋(広告代理店)「藤由」は、先の大地震の折の鮮やかな瓦版の発行で江戸に名を知らしめ、今や、瓦版の発行が主な仕事となっていた。大老・井伊直弼が日米修好通商条約を結び、政情はますます不安定に。世の中の動きをいち早く伝え、正しい情報を載せた瓦版を出すべく、「藤由」の居候で剣の達人、香冶完四郎と戯作者仮名垣魯文が、今回は尊皇攘夷の風が吹き荒れる京都へ取材の旅に出ることになる。京都の旅への道案内は、土佐藩の坂本竜馬。予知能力のある少女・お映ちゃんの断片的な予言どおり、さまざまな難事件に遭遇し、解決していく完四郎。相変わらず、鮮やかな謎解きでした。推理が鮮やか過ぎて、ちょっと物足りないのは、一話ごとのページ数の関係でしょうか(苦笑)これは前作のときも、少し感じたのですが、「だましゑ歌麿」(1月22日)のような長編でしっかり書き込まれている方が私は好みかな。とはいえ、短いお話ばかりなので、大変読みやすいです。混迷をきわめる幕末の江戸で、時代を見極める手助けになるような瓦版の発行に燃える完四郎たちの活躍が今回も面白かったです。続編『いじん幽霊』という第3弾も出ているようです。読んでみたいですが、文庫化がまだのようなのでもう少し待つかなぁ(笑)日曜日に行ったハーベストの丘の羊です。写真ネタがつきてきました・・・( ̄▽ ̄;)づ
2006年01月31日
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花の名前を控え忘れてしまいました。<咲くやこの花館・高山植物室にて>* * * * * * * * * * * * * * *『完四郎 広目手控』(かんしろう ひろめてびかえ)/高橋克彦 集英社文庫勢いに乗って、高橋克彦先生の時代推理帖です。 梅試合 かぐや御殿 花見小僧 変生男子 化け物娘 怪談茶屋 雨乞い小町 首なし武者 花火絵師 目覚まし鯰 悪玉放生 大江戸大変以上 12編収録されています。一話完結で、連作になっています。最後の解説を読んで知ったのですが、発想の源になったのは、安藤広重の『名所江戸百景』。そこから、“2点、任意の絵をとりだして、その二つの絵を結びつける物語を12話”作ったのが本書らしいです。・・・大喜利ですか?・・・・( ̄▽ ̄;)そう言われてみると、確かに一話に2枚ずつ、浮世絵の写真が挿入されています。この2枚の絵をみて、こんなストーリーが?と、凡人の私は驚くばかり(笑) 舞台は幕末の江戸。 主人公・香冶完四郎(こうやかんしろう)は、旗本の次男坊。 剣の腕前も有名なのだが、今は、古本屋「藤由」の居候をしている。 この「藤由」こと藤岡屋由蔵は、巷の噂を売り買いし、世間に広めたりする 「広目屋」をしている。(←今でいう広告代理店のようなものらしい。) この広目屋・藤由が3日に一度は拾ってくるお江戸の噂や怪事件を 完四郎がズバッと解き明かしていくというストーリー。 ストーリー自体はフィクションだけれど、やはり実在人物が活躍している。 同じく居候でまだまだ駆け出しの仮名垣魯文が文を書き、 貧乏浮世絵師・一恵斎芳幾が絵を描く。 「藤由」はそれを瓦版にして、商売になるという寸法だ。 新門辰五郎や近藤勇、土方歳三も出てきた。収録されている12話それぞれに趣向も違います。梅試合、花見小僧、かぐや御殿などの謎解き、化け物娘、変生男子は幽霊譚、花火絵師は人情話などなど。同じ謎解き推理物でもいろんな味わいがあり、雨乞い小町から時々登場する、お映ちゃんは予知能力を持っていて、安政の大地震を予知したりなんかする。最後の、目覚まし鯰・大江戸大変の2編は、その大地震前後を描いた様子がパニック映画のよう。一刻も早く震災被害や避け地(避難所)についての詳報瓦版を出して、震災後の人心を落ち着かせたいと願う登場人物達の奮闘ぶりが立派です。ふと気付いた時には、一気に読み終わっていました(笑)謎解きの鮮やかさも、鮮やかすぎてどうなん?と思うところはありましたが(笑)、黒船来航後の、落ち着きのない時代の雰囲気をうまく取りこんでいて、2枚の浮世絵から連想して作ったお話とは思えないほどよく書き込まれた、楽しみどころ満載の連作時代推理小説だと思いました。続編も出ているようなので、是非、読んでみたいと思いました。本体価格 619円 (税込 649 円)
2006年01月27日
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大空に延び傾ける冬木かな 高浜虚子* * * * * * * * * * * * * * *『私の骨』 高橋克彦 角川ノベルズホラー短編集です。 私の骨 ゆきどまり 醜骨宿(しこほねやど) 髪の森 ささやき おそれ 奇縁以上、6編収録されています。幽霊あり、妖怪(?)ありのホラーです。でも、幽霊も妖怪も出ない、人間の心が一番怖いです。短いお話ばかりなので、あっという間に読めます。読んでいる途中で、阿刀田高さんの本を読んでいるのかな?と錯覚してしまいそうでしたが、話の舞台が東北なので、「いやいや、高橋克彦さんの本やったわ。」と再確認。(←意味不明)高橋先生には申し訳ないのですが、これはお勧め!というほどの強い印象はありませんでしたが、いろんな趣向のお話が集められていて、飽きずに読めました。(感想はこれだけかいっ!)いがぐりさんの「いがぐりの読んだ本」にトラックバックさせていただきました。* * * * * * * * * * * * * * *26日は1人でコッソリ、大きな本屋さんへ行って、今まで買い逃がしていた漫画や本を仕入れてきました。交通費が往復1000円以上もかかったので、ネットで買うほうがお得なんですが、本をじかに手にとってみるのは、やっぱりいいですね。小さな本屋さんには置いてない類の本も買えました。上の枯れ葉の写真。実は、天地を逆にしているんですよ(笑)
2006年01月26日
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一時期トップに使っていたかもめの写真です。動くものの写真は苦手です。野鳥は身近でよく見かけるのですが、なかなか写せるチャンスがありません。* * * * * * * * * * * * * * *『だましゑ歌麿』/高橋克彦 (文春文庫)この話は、しっかりとその時代が書き込まれている時代小説であり、殺人事件の謎と、その謎解きでお話がどんどん展開していくミステリーでもあります。しかも、ほんのちょっぴり歴史のお勉強にもなったりしました。(笑)最後までハラハラドキドキ☆で面白く、私は一気読みしてしまいましたよ。(とはいっても3~4日かかりましたが。)高橋克彦先生は大好きな作家さんですが、最近しばらくはご無沙汰して読んでおりませんでした。この本を読んで、久しぶりに未読作をまとめ読みしたくなりました。やっぱり浮世絵がらみのお話は力はいっているように感じます(笑) * * * * * * * * * * * * * * *お話はいきなり、江戸の洪水と殺人事件で始まります。人気絵師、喜多川歌麿の女房が洪水の夜に惨殺されてしまいます。(その惨殺ぶりと歌麿の嘆きが胸にこたえて、この時点ですでに涙が・・(笑))洪水の夜、たまたまその殺人事件に出くわし、事件を調べることになった南町奉行所同心・仙波一之進。しかし、腕利きの仙波が事件を探索していくうちに、とてつもなく大きな謀略に巻き込まれ、とんでもなく大きな敵に立ち向かう羽目になってしまう・・・。 * * * * * * * * * * * * * * *この主人公がなかなかの“好漢”です。美形というのではありませんが、“よいおとこ”です。(笑)600ページを超える本ですが、ストーリーがどんどん展開してゆき、キャラクター達の魅力もあいまって、話に引き込まれました。敵の妨害や謎に悩まされながらも、主人公がどんどん核心に近づいていく。最後まで目が離せない展開で、最後には全ての謎が解き明かされる・・・。読後感は決して悪くはないのですが、事件に巻き込まれて死んでいく登場人物も当然いるわけで、その辺少しかわいそう。(このあたりは推理小説にはどうしてもついてくる部分ではありますが。)でも、読んだ後には歴史の教科書で聞いた事のある『寛政の改革』について、ほんの一面ですが、少し理解できる(?)というおまけつきです。政治による文化への規制という一面ですが、これが庶民にとっては結構キツイ。風俗本の禁止・浮世絵の色数制限などをモロに受けてしまう、版元や絵師。政治批判・武家批判が理由で筆を折られる黄表紙作家・狂歌師たち。甘すぎるお菓子もダメ、華美な着物もダメ、べっこうの櫛もダメ。お大尽の行き過ぎた贅沢を規制するだけにとどまらず、庶民達の楽しみや気持ちのはげみまで奪ってしまうことに・・・。実は、これがこの一連の事件の原因でもあるのです。主人公の仙波一之進や父・左門、小物の菊弥、柳橋芸者おこう・・・など、一部のキャラクターをのぞくと、他の登場人物はほとんど実在人物です。歌麿、春朗(のちの葛飾北斎)、蔦屋、朋誠堂喜三ニ、長谷川平蔵などなど。でも、どの登場人物もそれぞれに個性的でとても魅力的に描かれています。決して難しいお話ではありません。さああなたも!この本を読んで、幕府老中・松平定信の「寛政の改革」の渦に、主人公と一緒に巻き込まれてしまいましょう(*^^*)本体価格 762円 (税込 800 円)
2006年01月22日
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きばなあずまぎく(咲くやこの花館・高山植物室)* * * * * * * * * * * * * * *『夜市』/恒川光太郎 (角川書店)第12回日本ホラー小説大賞受賞作本体価格 1,200円 (税込 1,260 円)いきなり、本の画像を上にもってきたのは、この表紙が気に入って衝動買いしたからです。(笑)「夜市」というタイトルにも興味を惹かれ、帯裏の解説文を読んだら、諸星大二郎先生の漫画『鬼市』に通じるような内容だとわかり、即買い☆早速読んでみましたが、これが大当たり☆☆久々に、私好みの世界観に触れることができました(嬉涙)ただ怖いだけのホラーではなく、情景描写も綺麗な“ファンタジーホラー”という感じでしょうか。(注:私好みということは一般的ではないかもしれません。) 「夜市」 「風の古道」上記の中篇(かな?)2作品が収録されています。「夜市」 (こちらが“日本ホラー小説大賞”受賞作です。) 異世界が交わる所に現れ、なんでも売っている「夜市」。 小学生の時に「夜市」に迷い込み、 一緒だった弟と交換に「野球の才能」を買った主人公・裕司は、 その後、弟を売ったことに罪悪感を抱きつづけていた。 10年後のある夜、弟を買い戻すべく、同級生だったいずみを連れて 再び「夜市」へとおもむく・・・。 諸星大二郎さんの「鬼市」の設定と似ております。 人でないものたちが跋扈する夜市の世界。 ハッピーエンドでも、怖い最後でもない結末はちょっと予想外でした。「風の古道」(こちらは書き下ろしです。) 主人公が7歳の時、親とはぐれ、未舗装の不思議な道に迷い込む。 途中で出会った親切なおばさんが教えてくれた道を辿って、 無事に家まで歩いて戻れた経験があった。 5年後、12歳になった主人公「私」は、クラスメートのカズキと共に、 再び、その“道”に入ってしまう。 どこまでも続く“道”で知り合った青年・レンと同行することになるが、 「私」とカズキは無事に異世界から現世界へ戻ることができるのであろうか。 私はこの作品のほうが好きでした。(^^) やはり諸星大二郎テイストな気がしました。 ホラーの分類に入るのかなぁ?と感じた、不思議怪異譚です。 こちらの話のほうが、世界観の設定がよりしっかりしていると感じました。 「夜市」と若干リンクしているような描写もあり、 こんな世界が実際にあるかもしれないなと思えるくらい、 情景が目に浮かぶような文章&ストーリーでした。 これもハッピーエンドでも、バッドエンドでもありませんでした。 もう、一気読みです!(* ̄▽ ̄*)「永久放浪者」とか「学校蝙蝠」とか普段聞きなれない言葉も出てくるのですが、読んでいてすんなり雰囲気が伝わってきました。「風の古道」でレン青年が水牛車を使っているのも独特の叙情的雰囲気がありました。(作者は、沖縄県在住だそうなので水牛車なのかな?)恒川氏は、この本がデビュー作だそうです。新しい作品が出版されたら、また買って読みたい!・・・そう思える本・作者さんと出会えて幸いでした。七生子さんの読書感想ブログ「どこまで行ったらお茶の時間」にトラックバックさせていただきました。yokyokoさんのブログ「Natural Cafe xxx」にトラックバックさせていただきました。kayokorinさんのブログ「kayokorin日記」にトラックバックさせていただきました。
2006年01月16日
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写真は、1月10日午前7時過ぎの東の空です。この空の色を見て思い出した本がありますので、今日はその本を紹介したいと思います。(本の表紙が上の写真のような色合いだったので。)* * * * * * * * * * * * * * *『色の名前』(角川書店)監修:近江源太郎構成・文:ネイチャー・プロ編集室自然にまつわる多彩な色の名前を、その由来となった自然風景の写真とともに紹介。橙色、狐色、ミスト・グリーン、アクアなど、微妙な色を色名と事物との関係を通してまとめる。内容(「MARC」データベースより) 序章 虹の章 1 空や水や火の章 2 鳥や獣や虫の章 3 花の章 4 草や木の章 5 実と実りの章 6 染め色の章 7 土や石の章 * * * * * * * * * * * * * * *日本古来の色名から、外国の色彩名まで、たくさんの写真と共に紹介されています。色の名前って、動植物や自然を表す言葉がそのまま使われているのが多いんですね。それら動植物や自然現象、染色・陶芸の色、天然石の色にいたるまで、写真をふんだんに使い、さまざまな色が網羅されています。ただ写真を眺めているだけでも楽しい一冊です。ちなみに、この本によると、上の写真の色は、曙色東雲色というのに近いようです。本体価格 2,500円 (税込 2,625 円)
2006年01月14日
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お正月用フラワーアレンジの梅の枝に、一輪だけ花が咲きました。ちょっと嬉しいです。(* ̄▽ ̄*)* * * * * * * * * * * * * * * * * * *『おまけのこ』/畠中恵 新潮社長崎屋の病弱若旦那・一太郎シリーズ第4弾です。 こわい 畳紙 動く影 ありんすこく おまけのこの5作品が収録されています。例によって、カバーのイラストがかわいい。(←またそこかっ!)狐者異・飛縁魔・影女など有名な(どこで?)妖怪の名前も出てきますよ。どのお話も相変わらず軽妙で、ほんわか。鳴家・屏風のぞきなどのレギュラー妖怪への愛着もひとしおになってきます。(笑)先月読んで、もう1ヶ月ちかく経っているのですが、一番印象にのこっているのが、「動く影」かな。若旦那が5歳のときのお話なんですが、自分の息子(5歳)と比べて、なんとまぁ、おりこうさんなこと!(比べるなって!)で、周囲の大人はちょっとのんびりしすぎ。(子ども時代の一太郎の視線で書かれているので、 大人たちの世界はあえて省略しているのかもしれない。)近所のガキどもも、みんな良い子じゃないか~(^-^)いじめっこなんて誰もいないのね~(^-^)・・・というあたりがこのシリーズらしいところ。このお話のほかにも、厚化粧のお雛さんと屏風のぞきのお話や、鳴家の大冒険のお話(やや違?)など、今回は推理よりも普通の時代物のような感じがありましたか?(何故に疑問形、誰に同意を求めてるん?)話の辻褄に若干、無理がありましたかねぇ?登場人物はみんなききわけが良い。普通、こんなにあっさりと話はすすまんやろ?と突っ込んではいけません(笑)ちょっとしたことにでも目くじらをたてて、毎日セカセカと生活している私などにとっては、とてもうらやましい、のんびりとした情緒の世界です。・・・てゆーか、この雰囲気は主人公がセレブだから?(笑)第5弾もそのうちでるのかな。出たらやっぱり、間違いなく買います(笑)(←結局好きなんやん☆)「まあぼの交差点」さんの記事とトラックバックさせてもらいました。本体価格 1,300円 (税込 1,365 円)
2006年01月10日
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オンシジューム・パピリオ 花名 オンジジューム・パピリオ(ラン科 オンキディウム属) 学名 Oncidium papilio Lindl. 原産地 ベネズエラ 特徴 長い花梗の先端に1輪しか花が付きません。 パピリオとは蝶々の意です。手元に纏まった記載のある本がなく、あちこちのサイトから引用させていただきましたとても大きな花で、色鮮やか。熱帯雨林植物室の中でも特に目を惹きました。(咲くやこの花館にて)* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *さて、最近は写真に凝ってしまって、読んだ本の感想を書くことをすっかり忘れていました。( ̄ー ̄;)ゞあんまり読めていないんですが、忘れないうちに少し書いておきたいと思います。『怪奇の国ニッポン』 著者:荒俣宏 (集英社文庫)「日本妖怪巡礼団」の第二弾になります。妖怪・怪神・地獄・UFO・・・さまざまな怪異を求めて日本のあちこちの神社仏閣を訪ねております(笑)どこかのTV番組の大袈裟なナレーションを思い出す口語文に、ちょっと胡散臭い内容(笑)人魚のミイラ等の怪物標本写真や、あやしい絵もたいへん豊富ですが、その豊富な写真の中に、著者自らもそこかしこに写っております(爆)著者独特の雰囲気にのまれしまうと「ほぉほぉ。」と読み進めますが、うっかり冷静にってしまうと置いていかれてしまいます。まぁ・・・好きな人でないと「何言ってるんだか。」と一蹴されそうな( ̄ー ̄;)ゞ私は、この本で取り上げられている場所を、旅行などで訪れる時にもし時間があれば寄ってみたいような気がしますが。『怪を訊く日々-怪談随筆集』 著者:福澤徹三 (幻冬社文庫)ホラー作家さんとして有名な方らしいですが、初めて読む作家さんです。でもこの本は、創作の物語ではなく、著者がいろんな人から聞き集めた怪談を一冊にまとめたものでした。一話が1ページから、長くても5ページほど。それほど怖い内容ではない話も、怖くないかわりにリアルさがありました。今まで読んだ聞き書き怪談集(松谷みよ子さんや高田寅彦さんの本)のようにとても心に響く・・ということは、私にはなかったですが、読みやすい本でしたよ。読んですぐに書かないと、文章にするの難しいですね。特に、あまり印象に残らなかった本は(爆)今日のところは、とりあえず2冊で~(笑)
2005年12月28日
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大好きな杉浦日名子さんの一冊。これは面白かったですよ。私の好きな江戸川柳の解説エッセイです。しかも、テーマが食べ物♪ 杉浦さんらしい明快な文章でとても楽しい一冊です。ちょっとブラックユーモアがお好きな方は、より楽しめるのではないでしょうか。同じく杉浦日向子さんの『風流江戸雀』という漫画をご存知の方は、あれの文章版・・・と思ってくださるとわかりやすいでしょうか。逆に言うと『風流江戸雀』という漫画は、こういった江戸川柳のおかしみを漫画にしたものです。こういう江戸情緒の世界は杉浦先生の独壇場でしたね。 「三日喰う 雑煮で知れる 飯の恩」 『元旦、二日、三日、の「三箇日」、江戸市民はそろって「雑煮碗」を食べるならわしだった。 これが、天下の米喰い虫、銀シャリ大好きの江戸ッ子にとっては、三日にわたる餅責め イコール、初辛抱のしどころだったのである。・・・』(本文10Pより抜粋)今では正月三が日ずっとお餅攻め・・ということはないですが、それでも、おせち料理やご馳走が続くと、白いご飯が恋しくなりますよね(笑)お正月が終わると・・お次は河豚です。 「死なぬかと 雪の夕べに さげて行き」これは雪の降る夜に、魚屋で買った「河豚」をぶら下げて、朋友の家を訪ねるの図(笑)これが、運が悪ければ、「片棒を 担ぐゆうべの ふぐ仲間」と相成るそうな(涙)どれも面白い川柳ばかりなのですが、どじょうシリーズも面白かったです。 「ささがしの 牛蒡のそばで 皆ごろし」 「なべぶたへ 力を入れる どじやう汁」 「念仏も 四五へん入れる どじやう汁」・・・などなど。こういった、おもしろ川柳を楽しんで読みすすんでいくうちに、江戸当時の人々の食生活や日常生活の様子を垣間見つつ、昔の事についても、ちょっぴり物知りになれますよ(笑)これは、一度読んで終わりじゃなく、ときどき読み返しても面白いと思います。年末・年始、日本情緒に浸りたい方にはお勧めで~す!本体価格 400円 (税込 420 円) カメラを持って近所を歩いていたら、季節はずれなコスモス発見!筒型花弁のコスモスです。もう12月なのに・・・・(^-^;)
2005年12月02日
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ビアバー“香菜里屋”のマスター、工藤氏が主人公の連作集「花の下にて春死なむ」読了いたしました。6編収録されています。第52回日本推理作家協会賞短編および連作短編集部門受賞作なんだそうです。賞を受賞しているだけあって、なかなか面白かったです。東京のとある街の路地をはいったところにある、ビアバー“香菜里屋”。カウンターとテーブル席が二つばかりの小さなお店なんですが、そこのマスターは、とても美味しい料理とともに、お客の気分や体調に合わせて、アルコール度数の違うビールを出してくれたり、居心地の良さそうなお店です。そこのお店の常連客やお客さんが、いろんな謎を持ち込んで来るのですが、カウンターの中にいるマスターが、黙ってそのお客の話を聞きながら、謎を解いていく・・・というか、解決していく・・・というか・・・。主人公は、普通の探偵小説によくあるように、みんなの前に出て(@_@)/ズバリ、犯人はあなたですっ!というような、派手なキャラクターではありません(笑)口数も少なく、お客にそれとなく示唆するだけの時もあります。短編集ですが、相談をもちかけるお客の目を主体に書かれているので、マスターがどう考えているのか、よくわからないときもあり、マスターとの会話をもとに、お客自らが答えを導いていくようなお話なので、話を読みながら、そのお客と一緒になって考えていくのも楽しいです。それと、他の方のブログでも良く書かれているんですが、香菜里屋でマスターが出してくる料理のおいしそうなこと・・・( ̄▽、 ̄ )ホントに、読んでいるだけで食べたくなってきます(笑)推理の展開については「どうなんかな??」と感じるようなところもありましたが、作品の持っている雰囲気は、とっても良かったです。主人公がひかえめなのがいいのかな。マスター・工藤氏がとても上品です。こんなお店があったら行ってみたい(笑)北森鴻さんの他のシリーズ物、“民俗学・蓮杖那智”・“旗師・冬狐堂”・“骨董店・雅蘭堂”と読んできましたが、どれもそれぞれに特長があって良かったと思います。強いて好みをあげるなら、この“香菜里屋”シリーズが好きです。シリーズはあと2冊あるらしいので、そのうち読んでみたいと思います。本体価格 533円 (税込 559 円) --------------------------修理見積もりに出していたカメラ、やはり修理することにしました。メーカーで調べたところ、私が伝えたようなトラブル症状は一切出なかったらしいのですが、“見込み修理”というかたちで、操作スイッチや電源回りの部品を交換して10500円でできるということでした。症状が出ないと言われても、ここ数ヶ月、間違いなく挙動不審で、どんどん状態が悪くなってきていたので、この際、部品交換してもらうことにしました。・・・どうして、こういった器械の故障って、修理に出すと症状がでないんでしょうね?( ̄▽ ̄;)下の写真は、11月半ばに撮った秋雲の写真です。
2005年11月28日
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河原花壇に咲いていたピンクの小菊です。たくさんの花をつけていました(^^)----------------------『孔雀狂想曲』東京・下北沢というところにある雅蘭堂(がらんどう)という骨董品店。お客が少なく、いつも暇な古道具屋の店主が主人公のミステリ連作集です。表題作をはじめ、8編収録されています。一番の感想・・・。・・・骨董品業者の世界って・・・油断も隙もありませんのね・・・( ̄▽ ̄;)ジッポーライター、古九谷、鉱物標本、江戸切り子、根付けなどなど、さまざまな古道具を小道具に、雅蘭堂に持ち込まれるさまざまな謎、ひいては詐欺事件や殺人事件なども解き明かしていく物語です。骨董や古道具関係にくわしい方にはどうかわかりませんが、もしかして私のように、古美術品や古道具に詳しくない人間ほど、この作品を楽しめるのではないでしょうか?(笑)雅蘭堂店主の謎解きに「へぇ~。」「ほぉ~。」と感心することしきりでした(笑)(表題の孔雀というのはマラカイトのことでした(^-^)・・・って、ネタバレかしら。)作者・北森鴻さんの別シリーズにも、旗師<冬狐堂>宇佐見陶子という古美術・骨董品を扱う主人公が登場しています。旗師である<冬狐堂>は店を持たずに骨董品を商売する女性ブローカー、一方この作品の<雅蘭堂>は店を持ち商売をしている暇な古道具屋ということで、作品の雰囲気が違ったものになっています。巻末の解説を読むと、雅蘭堂は冬狐堂シリーズで脇役として登場しているようです。私がまだ未読の『狐罠』か『狐闇』なんでしょう。読みたい・・・けれど身体は1つしかないし。。。(~~。)トホホ今月の後半は勝手に“北森鴻さんの作品月間”と決めて現在『花の下にて春死なむ』を読んでいます(* ̄ー ̄*)これがまた、これまでの作品以上に面白いのですが・・・・。読了してから感想書きますね♪本体価格 514円 (税込 539 円)
2005年11月20日
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若旦那シリーズの第3弾。やっと読了しました。『ねこのばば』面白かったです。やはり読みはじめると、一気に読んじゃいますね。勢いがありました。短編5編が収録されていますが、そのなかの「産土(うぶすな)」という話が、特に印象に残りました。若旦那のお守り役の妖、犬神(佐助)が主役のお話。読み進みながら、どうなるんだろう?と、ちょっとどきどきしました(笑)同じくお守り役の白沢(仁吉)より、人間くさい部分が感じられて、佐助に好感が持てました(笑)若旦那は、あいかわらず病弱でしたが、「このままじゃいけないね。」という気持ちが強くなってきているようです。今後、どういう展開になるのか?第4弾も楽しみです。「しゃばけ(10月05日)」の日記。「ぬしさまへ(10月11日)」の日記。本体価格 1,300円 (税込 1,365 円)
2005年11月15日
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『心に残った幽霊供養』-全国のお坊さんがこっそり明かす-表紙のイラストや帯の文言をみてほんわか系かな?と思い込んでいました。しかし、読んでみるとこれが怖かったです…( ̄▽ ̄;)読後感は悪くないし、ドロドロしてる趣味の悪い怪談ではありません。すごくリアルなんです。現代の怪談・・・というか、そもそも、作者が作者自身の友人や知人の僧侶に取材した話なのです。お坊さんがこっそり明かす・・・というサブタイトルですが、全然説教くさい話ではなく、我々から見ると恐ろしい体験を当り前のことのように淡々と、そして霊に敬意を持って対応しています。本のカバーの紹介文を引用しますと、 怖い - けれども - 幽霊現象という非日常的な世界をまっすぐに見据えたとき、 そこには人間のもつ限りない悲しみと怖さと、温かさが、 逆に、くっきりと浮かび上がってくるのがわかります。・・・とあります。怖いけれども、面白半分の軽薄な怪談ではない、しっかりと読み応えのある13話の怪談集でした。 本体価格 1,600円 (税込 1,680 円) この本は昨年の7月に出版された新しい本なのですが、某ショッピングセンターの『新本バーゲンセール』のワゴンにあり、なんと、670円で売られていたので買いました。正札だったら・・・買ってなかったかも( ̄ー ̄;)ゞ
2005年11月15日
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前に読んだ北森さんの『触身仏』(蓮丈那智シリーズ)が面白かったので、引き続き同じ作家さんの本を図書館で借りてきました。これは“旗師”という、お店をもたない骨董業者“冬狐堂”こと宇佐見陶子が主人公の古美術ミステリーです。はっきりいって、面白かったです!まず主人公の宇佐見陶子が蓮丈那智よりもイイ!(好みもあると思います。)それに、陶子が扱う様々な古美術品やその成り立ちが、この作品に独特の雰囲気をもたせていて、古美術品と事件とのからみについても、あまり無理を感じずに読み進められました。ストーリーとしては、それほど奇抜なものではありませんが、読み始めるとグイグイと最後まで読まされてしまう面白さがありました。「陶鬼」「『永久笑み』の少女」「緋友禅」「奇縁円空」以上の一話完結、4話が収録されています。陶器・埴輪・染物・仏像、さまざまな古美術にからむ事件。一匹狼の冬狐堂が、自分の目と美意識を信じて、海千山千の駆け引きの世界=骨董業界でどう立ち回っていくのか。久しぶりに、読んでいてとてもワクワクしたミステリーでした。本体価格 1,476円(税込 1,549 円) このシリーズの他の作品も読みたくなり、『狐闇』という文庫本を購入しました。ところが!読み始めるとこれが、一話完結ではあるものの、時系列的に別の本の続きであるらしく、冬狐堂がいきなり骨董業者の許可証(資格?)を喪失している話から始まり、ちょっとガックリ(笑)前作を読むまで、しばらく封印しておくことにしました。『狐罠』という長編があるらしいけれど、それの続きなのかしら?このシリーズがどういった順番で書かれているのか調べなくては(笑)(↑あわてずに!まず、よく調べてから買いましょう(^-^;A)というわけで、この『緋友禅』もシリーズの最初の作品ではありません。
2005年11月01日
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今住んでいる場所に引っ越してくるまでは、ずっと大阪市内繁華街の駅近くにばかり住んでいたので、かなり自然とは縁遠い生活をしていました。その反動なのかもしれませんが、古き良き日本の風景や生活にとても憧れがあります。俳句をするわけでもないのですが、歳時記は好きで、辞典とエッセイを何冊か持っています。カラー写真つきの『日本大歳時記』を時々引っ張り出してきては眺めるのが好きです。(これは全5巻のうちなぜか夏の巻だけ行方不明になっています。)で、今ごろの季節になるとなぜか、歳時記エッセイを読みたくなったりするのです。さて、タイトルの『やじうま歳時記』は、仏教者であるひろさちやさんがお書きになったエッセイ集です。といっても難しくなく、宗教色も濃くはありませんのでご心配なく。当然ですが、歳時記ですので春夏秋冬の4章からなっています。ひとつの季語で、見開き1ページなので、どこから読んでも可。好きな言葉を選んで読んでもいいです。昨日、子ども達をショッピングセンターの時間制お遊び広場で遊ばせている間(40分=ちなみに1人550円也)の時間つぶしに、半分位読めました。子どもを遊ばせている間も、親はその場を離れてはいけない決まりなので、お遊び広場用に、よくこのようなエッセイ集をかばんに入れていきます。読む本もなく、その場を離れることなく、40分もの時間をつぶせる自信はありません。この本はもう何年も、時々引っ張り出しては読んでいるのですが、何度読んでも、それなりに面白く読めます。文庫本の裏の紹介文を引用しますと、 -季節感の薄れゆく現代生活の中で、ちょっとノスタルジックな四季折々の風物を 宗教学者の著者が雑学を加えて軽妙に語るエッセイ集。-まさにその通りの本です。付け加えることはなにもありません。(笑)血液型とか目の愛護デーとか、一見季語には関係ないように思える言葉もあるやじうま歳時記なのです(笑)植物の血液型・・・なんかも載ってましたよ(^^)いわゆる暇つぶしにちょうど良い、しかも面白く時間を忘れられる一冊です。ちょっとわかりにくい写真ですが、いちじくの木です。小さくて青い実がついています。
2005年10月24日
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一時期話題になった(と思う)寄生虫博士によるサイエンスエッセイ、『笑うカイチュウ』の第2弾、『空飛ぶ寄生虫』(講談社文庫)です。今日は本棚を整理していたのですが、そこで見つけてしまいました。療育時代に知人に貸した『笑うカイチュウ』は戻らなかったのか探しても見つかりませんでした(涙)で・・この本どうしようと思いつつ、パラパラと・・・読み始めてしまいました。本書は寄生虫博士の寄生虫エッセイなのですが、決して難しいものではなく、たいへん読みやすく、大好きな一冊です。おそらく、一気に読んでしまえる内容の面白さだと思います。わたし達が知らないだけで、けっこう身近にいる寄生虫。海外へよく行かれる方は、読んでおいた方がいいかも(笑)面白いだけじゃなく、実際に藤田先生の知人M氏がマラリヤで亡くなるくだりは、読んでいてもとても残念でした。無害な寄生虫(無害どころか、先生によると有益虫らしい)もいる反面、命にかかわる寄生虫もいます。第2弾ということで、『笑うカイチュウ』を読んだ時ほどのインパクトは受けませんでしたが、それでも、たいへん興味深く、読んでためになる科学エッセイです。写真は、河原花壇でたくさんみかけた蝶々です。せわしなく飛び回っては吸蜜していました。朝夕は涼しくなり、蝶たちの姿を見かけるのもあとしばらくの間でしょうか。
2005年10月20日
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今日が期限だったので、前回借りた2冊を図書館に返しに行きました。 前回借りていた『怪奇・怪談傑作集』 縄田一男 編については、 短編集だったので、油断していたら、読破できませんでした(T_T) 家に、購入済み待機中の本が増えてきたので、今回は一冊のみ借りてきました。(それなら借りてくるなというツッコミはナシの方向で。)『緋友禅 -旗師・冬狐堂-』/北森鴻返却まで三週間あるので、他の本に浮気しても充分に読めるのではないかと(笑)読了しましたら、また感想など書きたいと思います。それと2ヶ月くらいかかると言われましたが『浦島太郎はどこへ行ったのか?』/高橋大輔を予約してきました。「天翔鳥船」さんの9月21日の日記で紹介されていて、興味を持ちました。12月くらいには連絡が来る予定です。以前から予約しそびれている『ダヴィンチ・コード』は今日も67人待ち。司書の方も「間違いなく一年以上…いつになるかわからない。」と仰るので断念。手持ちの本が片付いて、お小遣いに余裕が出来たら買うことにします。(早く文庫本にならないかなー…って、なるのか?(笑))
2005年10月19日
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本格民俗学ミステリー集という文言に惹かれて買いました、『触身仏-蓮丈那智フィールドファイルII-』(北森鴻 著)新潮文庫よく見たら“蓮丈那智フィールドファイルII”となっておりましたが、最近ひどくなってきた老眼のせいで“I”に見えておりました。( ̄ー ̄;) まぁ、一話完結の短編集なのでさほど問題は感じませんでしたが。(自分の視力が問題なのね。メガネかけてても小さい字が見えない今日この頃。)ちなみに本の帯にはしっかり「本格民俗学ミステリ 第二弾」と明記されていました。しかも前作がドラマ化されてる?(放映はもう終わっているようですが。)女優さんの顔写真が印刷されていたので、なんとなくその方の顔を思い浮かべつつ本編を読みすすみました。「秘供養」 「大黒闇」 「死満瓊」 「触身仏」 「御蔭講」 の5編が収録されています。感想といたしましては・・・。まず、女優さんの顔写真のイメージと主人公蓮丈那智のイメージが違いすぎた(爆)まぁ、これは小説の面白さとは関係ないんだけれど、ドラマを見てなくてよかったという感じ(笑)美しいけれど男言葉を使う異端の女性民俗学者、蓮丈那智。ほとんど感情を表に出さないところが、森博嗣さんの犀川先生&萌絵シリーズにでてくる国枝桃子っぽいイメージに近いかな?美貌だし刈り上げじゃありませんけど(笑)そんな印象で読んでいたので、帯の女優さんのイメージとは違ったわけで。話の内容的には、どの短編もまぁまぁ面白かったです。民俗学的なネタを彼らの周囲で起こった事件(ミステリー)とうまくシンクロさせていました。“三種の神器”の話や“わらしべ長者”の話など、蓮丈那智の仮説はそれなりに理路整然としており、そこそこの説得力はがあったと思います。星野之宣さんの漫画『宗像教授伝奇考』(今は『宗像教授異考録』になりましたが)の小説版というとわかり易いかな。(北森さんのファンの方に怒られるかな。)登場人物は主人公の民俗学者のほかに、彼女の助手の“内藤三國”、大学の教務課担当の狐目の男(この第二弾では氏名が不明でした。)がレギュラー(?)な模様。お話は、ちょっと気が弱く女性上司に押されっぱなしの助手、ミクニ君の視点で進みます。教務課の狐目の男の名前が何故出てこなかったのか、第一弾を読んでいないのでわからないのですが、蓮丈那智の同窓生(?)という設定で、興味深いキャラクターでした。(これはもしかして第一弾のネタバレなのだろうか?)第一弾の文庫本『凶笑面』&第三弾の単行本『写楽・考』も発刊されているようなので、読んでみたいです。特に『写楽・考』というタイトルは、高橋克彦さんの『写楽殺人事件』のような謎解きがあるのか?写楽についての新しい仮説が展開されるのか、ちょっと楽しみです。(写真は南阪奈道を走行中に撮影した二上山(大阪側)です。)
2005年10月14日
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先日、9月5日の日記に書きました、『しゃばけ』の続編です。帯の言葉を借りますと、「身体が弱くて繊細で力もないけど、どんな事件もたちまち解決! それは強い味方がついているから!? 健気な若だんなと妖怪たちが繰り広げる洒落っ気たっぷりの痛快人情推理帖。」 「史上最弱だけど、最強の味方が憑いてる若だんなの名推理。」・・・・ということです(笑)『しゃばけ』と違い、こちらは短編集で、下記の6編です。 「ぬしさまへ」 「栄吉の菓子」 「空のビードロ」 「四布の布団」 「仁吉の思い人」 「虹を見し事」私にはこちらの方が、『しゃばけ』より読みやすく楽しめました。短編集で、チョコチョコ読みが出来るので、なかなかまとまった読書時間がとれない主婦には良いかも(笑)『しゃばけ』で若だんなの境遇や妖怪たちとの関係などの記述に割かれていた部分が、今回は続編ということでかなり省略されていたり、いきなり前作のネタバレもあり、その分、一話一話のストーリーは簡潔でよく纏まっていました。前作のネタバレがあるので、もし読むのなら『しゃばけ』のあと『ぬしさまへ』の順にどうぞ(笑)続編『ねこのばば』『おまけのこ』も購入済みなので、近いうちに読みます(笑)「まあぼの交差点」さんの日記にトラックバックしています。 また、まあぼさんの8月10日の日記に、 若だんなのお守り妖怪「白沢」「犬神」について書かれており、 彼らの絵姿がリンクされています。 若だんなシリーズの表装にも、白沢や犬神その他の妖怪達が描かれています。 だいたいどの妖怪かわかったのですが、 白い牛みたいなのはなんだろう?と思っていたんです。 まあぼさんのおかげでわかりました。ありがとうございます。(笑)
2005年10月11日
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妖怪のいる日常を暮らす、 病弱な大店の若だんなが主人公の、 大江戸妖怪がらみ推理事件簿です。 日本ファンタジーノベル大賞の 優秀賞(2001年度)受賞作です。妖怪がらみといっても、おどろおどろした雰囲気は全くありません。本の表装の絵(妖怪たち)がまずとてもかわいい(笑)出てくる妖(あやかし)たちも、そんな感じで、愛嬌があります。文章も軽くて、スラスラと楽しく読めました。後半、いろんな謎が解決していくあたりから、途中でやめられず、深夜2時半までかかって、一気に読んでしまいました。江戸でも有数の大店(廻船問屋&薬種問屋)の跡取り息子である、一太郎若だんな。(←男前らしい)幼い頃から病弱で、17歳になった今も、外出もままならない。そんな若だんなの周囲には、彼を守る約束をしている「白沢」「犬神」をはじめ、たくさんの妖たちが一緒に暮らしている(笑)そんな若だんなが、偶然、殺人事件を目撃し、しかも後日、理解不能な理由をつけられて、自分も襲われてしまい、その後も、同業の薬種問屋ばかりが連続して殺されて・・・。また、それから後は、ネタバレになるのでここでは書けません(笑)読後感も良かったです。殺人事件はあったのですが、最後はほのぼのしています。病弱な若だんなは、幼い頃から家人に大事にされ、廻船問屋だった店が、別に薬種問屋をひらけるようになるほどに、両親からも手を尽くした看病を受けていましたが、そんな長患い中に、「そんなにしてもらっているのに、死んだらいけないのではないか。」などと考えてしまうような御仁です。若だんな、いいキャラクターです(^^)また、この本にはたくさんの妖たちが出てきます。「鳴家(やなり)」「屏風のぞき」「野寺坊」「鈴彦姫」などなどなどなど…。そんな妖怪たちは、若だんなのために、事件の情報を集めたり、また、幼い頃からの遊び相手であったり、危ないところを助けてくれたり。波津彬子さんの「雨柳堂夢咄」に登場するもののけたちや、今市子さんの「百鬼夜行抄」の青嵐、尾白、尾黒たちのような・・・こういう漫画を小説にしたような感じというのかな。もののけ、つくも神などがいて当り前な生活をしている主人公です。雨柳堂シリーズや百鬼シリーズがお好きな方は、充分楽しめるかもしれません。この一太郎若だんなの事件簿はシリーズになっています。次作「ぬしさまへ」もすでに購入済みです(笑)この「しゃばけ」は文庫本になっていますが、それ以降のシリーズはまだ文庫になっていませんでした。図書館で借りてみようと思って調べてみたら、人気があるのか、府立図書館でも市立図書館でもたくさんの予約が入っていたので諦めて、購入しました(笑)表装がとてもかわいいので、気に入っています(^-^)写真のお花、またしても名前がわかりません(^^ゞとても綺麗でかわいいお花でした。お花の名前ですが・・・「ようこそ お越しやす」のko7さんに教えていただきました、都忘れ(別名:野春菊)ではないか、ということです。お教えくださりありがとうございました。確かに言われてみれば、都忘れだと思うのですが、5~6月頃の花がどうして今ごろ咲いているのか、ちょっと不思議ですね。(写真は10月初旬に下の公園で撮りました。) この日記は「まあぼの交差点」さんの日記 「酔いどれ雑記」さんの日記にトラックバックしています。
2005年10月05日
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「影踏み鬼」「藁屋の怪」「虫酸」「血みどろ絵」「奈落闇恋道行」の5話が収録されています。表題作の「影踏み鬼」は小説推理新人賞を受賞しているそうです。どのお話も、人の生死や殺人事件にかかわったりした人が、それを忘れることができずに人生を狂わせていく話・・・と言うと省略しすぎですが(笑)江戸時代の出来事を、何年も経た後に思い出として語る・・・という体で、すでに事件は解決しているのですが、本当の理由は…というお話です。謎解きといえば謎解きなんですが。作品の雰囲気が重いです。うまく書けないのですが、人を殺めたいと思い、殺めてしまう人の心、それを忘れることが出来ずに幸せを遠ざけた人生を送る人の心、その殺めた人を、気付かぬふりをして苦しめ続ける人の心、などなど・・・。謎を解きをしながらも、作者の視線は常にそちらにあると思います。5つの話のをひっくるめた感想としては「おしい・・・。」と言う感じでした。(えらそうにすみませんが( ̄ー ̄;)ゞ)状況の描写などで、一度読んだだけでは、すっと頭に入ってこない感じといいますか。一話一話の話のスジとしては面白かったのですが、話の展開の仕方で、若干わかりにくく感じた部分があって残念に思いました。江戸時代末期~明治時代のお話だったのですが、そういう時代色があまり感じられなかった気もしました。しかし、どの話も独特の雰囲気があって、テンポは良かったと思います。読んで良かったなと思える一冊でした。私的には、5つの話のなかでは「藁屋の怪」のお話が一番気味悪く、印象に残りました。 この日記は「まあぼの交差点」さんの記事とトラックバックしています。
2005年10月03日
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買い物ついでに、本屋に入ってしまったのが間違いでした(笑)昨日、図書館で本を借りたばかりなのに。『陰陽師 13』 (岡野玲子・夢枕獏)は、先日12巻を読んだばかり。ところが、私の理解が及ばないおかげで、数巻前からお話が良くわからないままだったりする。13巻が、・・・・これまた分厚い・・・( ̄▽ ̄;Aこれは・・・あとまわしでもいいかな~( ̄ー ̄;)ゞ発見したので、とりあえず買い!(笑)『セント・ニコラスの、ダイヤモンドの靴』 (島田荘司)これは、短そうなので(笑)、数年ぶりに御手洗ものを買った。島田さんの本に、最初に嵌ったのは御手洗モノ(『異邦の騎士』だったか?)で、御手洗モノの新作が出るのを楽しみにしていた時期もあったけど。(^^ゞ最終的には吉敷シリーズにどっぷり嵌ってしまった。今思うと、御手洗モノは『龍臥亭事件』以来、新作を買っていないかもしれない( ̄▽ ̄;) <新作が出てたのさえ知らない(汗)プロフィールに島田荘司さんの名前を入れているのに、これはいかんぞ( ̄▽ ̄;A借り本『影踏み鬼』の次に読まないと~(汗) (上の写真は、30分ほど前の今日の夕焼けです(* ̄ー ̄*) 今は六甲山からやや西方に沈みます。夕映えがとても赤く綺麗でした。 六甲山といえば、阪神は今日優勝がきまるのかな?)
2005年09月29日
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『影踏み鬼』 翔田寛 著『怪奇・怪談傑作集』 縄田一男 編以上、2冊です。『影踏み鬼』は本屋さんで見つからなくて、結局、図書館で借りることに。読後に、感想を日記に書きたいと思っています。 写真は堤防に咲いていたカンナ(だと思う)です。 正面から撮ったので、何の花だかわかりにくくなりました(^^ゞ
2005年09月29日
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タイトル通り、京極夏彦さんと15人の方々の対談集です。とても読みやすく、一気に読めました。特に、宮部みゆきさんとの対談では、『幽霊というのは、死後の自己保存なわけです。』(p132)というあたり、『結局今の幽霊、心霊現象の背景には、近代個人主義を背骨に持った「人間が一番偉い」的な意識があるんだと思うんです。』(p134)という言葉に、妙に納得してしまった。「呪いと祝いは同じだけれど、機能が違う・・・。」(p139)これは京極さんのお話に同意して、宮部さんが仰った言葉なんですが、京極さんの本のどこかに書かれていたと思うのですが・・・。わかりやすかったです。15人の方々との対談は、それぞれに興味深いく、京極さんは話も上手なんだなぁと思いました。それと、本の内容からは少しそれますが、対談の中で、宮部みゆきさんが、安倍晴明や陰陽師を最初に知ったのは『奇談の時代』(百目鬼恭三郎 著)・・・というくだりを読んで、私も、このジャンルの最初の本がそうだったので、勝手に親近感でした(笑)(やはり同世代ですな(笑))え~と・・・ちなみに、対談のお相手は、(敬称略で)水木しげる、養老孟司、中沢新一、夢枕獏、アダム・ガバット、宮部みゆき山田野里夫、大塚英志、手塚眞、高田衛、保坂正康、唐沢なをき、小松和彦西山克、荒俣宏・・・の15名です。こうして眺めると、夢枕獏さん、アダム・ガバットさん、小松和彦さんとの対談も印象に残っているかなぁ。いやいや・・・どの方とのお話も、新しい視点や違った角度のヒントがあって面白かったです。(下の写真は我が家の窓からみた夕焼けです。)
2005年09月26日
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買った本、手持ちの本のカテゴリとは別に、図書館で借りている本のことも書いてみようと思います。これらの本は返しちゃうので、思い出してすぐに読み返すことが出来ません。過去に読んだかどうか、はっきり憶えてなかったりする場合もあるので、ブログに記録として残しておくのもいいかなと(笑)まぁ、メモですね。(!Σ( ̄□ ̄;)ぇ?)今回は3冊借りています。『日本昔話類話集 1(猿神退治・天人女房)』 小澤俊夫編(古今社) タイトル通り、猿神退治の神話(13話)と天人女房の民話(8話)です。 東北から九州にかけての猿神退治系の民話をまとめて読んでみて、 その類似性に驚きます。(ほかの民話も大抵そうなんだけれど。) 基本的に、猿神を退治するのは多くは“犬”です。 その犬の名前もそっくりだったり。しかもすごく変わった名前 青森では「すっぺ太郎」新潟では「しっぺい太郎」 群馬では「白坂三平」福島では「めっかい」京都では「しんぺいとうざ」など ・・・これみんな犬の名前。物語の舞台からすごく遠方の犬だったりします。 退治されるのは、年老いた猿であったり、おおかみであったり、 あるいはむじなだったり。 人身御供の家の屋根に白羽の矢が刺さるの話も多い。 あ・・すでに長文になってる。そんなこと書いてるとキリがありませんね~( ̄▽ ̄;A『子どもに語ってみたい日本の古典怪談』 野火 迅(草思社) 日本のポピュラー&マイナーな怪談がたくさん集められています。 「日本霊異記」や「甲子夜話」など、出典は多岐にわたり、 その古典怪談の趣を失うことなく、子ども(小学校高学年くらい?)には 充分、その怖さや状況が理解できるようにうまく口語訳されています。 もちろん大人でも充分に面白かったです。『妖怪伝説奇聞』 東 雅夫(学習研究社<学研>) この本は、写真やイラストなどをたくさん織り交ぜてあり、 内容もかなり多いので、いずれ購入したいなと思いました。 日本各地に伝わる、主に妖怪、化け物がらみの伝説の地を訪ねて、 写真、祭り、関連本などを駆使して解説されています。 この本はまだ、さわりしか読んでいないのですが~( ̄ー ̄;)ゞ10月4日に返さなければならないので、早いうちに読みきりたいのですが、明日あたり、京極さんの新作が発売されるようなので、ピンチです(苦笑)京極さんの新作を買うの、来週にしようかしら。どうしよう。(写真の花は公園に咲いていましたが何でしょう?すごくカラフルなんですが。) 追記:たけぽ2001さんに教えていただきました。ありがとうございました。 この花の名前はランタナだそうです(^^)
2005年09月21日
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今日は風もあり、爽やかな朝です。日中はまだ32~3度まで気温が上がる大阪なのですが、近頃、朝夕は涼しいようです。今朝は風がやや強いので、部屋の中を空気がさっと通り、澱んだ空気も綺麗さっぱり入れ替えてくれます。昨日と今日は、子どもの療育外来があり、なかなかゆっくりとPCに向かう時間がとれません。本もなかなか集中して読めないです。そんな時に読みやすいのが、見開き1ページで1話題くらいのコラム集。今は、本棚にあった『大阪弁のある風景』三田純市というこれもまた15年以上前の本をパラパラと読み返しています。たくさんのなつかしい大阪弁が一語一語解説されているのですが、これをわざわざ買って手元においてあるのは、この本が、巷の解説にくらべて、大阪弁の微妙なニュアンスが懐かしさを伴って伝わってくるからです。大阪市の中心近くで、母も私も同じ小学校出身という、ややディープな大阪人の私ですが、それでも「ふ~ん、こんなことばもあるんや。」と思ったり、標準語だと思っていたのに「あれ、これ大阪でしか言わんのや。」と思ったり。今でもよく使われる大阪弁やメディアを通じてメジャーになった大阪弁から、今は聞かれなくなった、古き良き大阪のことばの宝庫でもあります。現代より“ちょっと昔”の方が好きな私が、地続きに“ちょっと昔”を感じとれる本でもあります。私は物覚えが悪いので、元来、解説本やHOW TO本などは読まないのですが(笑)この本は大阪弁の解説というより、古き良きナニワ文化の理解に役立ちそうな一冊。昭和59年~61年にかけ毎日新聞大阪版に連載されていたコラムだそうです。写真は窓から見た今の大阪北西部の空です。著者紹介をみると、筆者は吹田市にお住まいのようですがちょうどそちらの方向になります。あらら、義父と同じ年生まれだわ。住所も義父の現在の住まいに激しく近い。お元気ならもう80歳を超えておられるのか・・・。生まれは大阪市内の道頓堀らしく、これは私の母や私に近い。当り前ですけど、著者も地続きのバリバリ大阪人でした(笑)
2005年09月14日
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-わたしの遠野物語-という副題がついています。作者の松谷みよ子さんが、集められたごく短い62のお話がまとめられています。主に、人の死にまつわる不思議な話のあれこれがつづられています。そして、現代の(明治・大正・昭和の頃の)民話とも言える不思議な話の数々。一話一話が短く、簡潔で、あれこれ飾りがない分、リアリティがあります。解説をみると、西日本新聞に連載されていたようで、なるほど、短いお話ばかりです。この本を買った15年くらい前には、単なる興味本位で、この本のだいぶん後に出版されたメディアファクトリーの「新耳袋」のようなコワイ話集のつもりで読みました。当時も興味深く読んだのですが、それ以上の事はよく憶えていませんでした。本をしっかり置いてあったので、気に入った本であったのは間違いないのですが。今日、ふと目に付いたので本棚から手にとってパラパラと読み返してみると、単に不思議な話を集めた本と言うんじゃなく、人と人との関わり、死に行く人の人の思い・・・うまく表現できませんが、死してなお、身近な人の前に姿をあらわしたり、合図をおくったりする、残された人の病気を持っていってくれたりもする。そういった人の思いが無性にせつなく感じました。15年前に比べたら、私もそれなりに歳もとったし、最近、友人の不幸があったので、この本を読み返して「どんな思いだったんだろう。」「なぜ、知らせのひとつも寄越さないんだ~(苦笑)」なんて思ったりもしました(笑)私にはいわゆる霊感などはまったくないので、知らせたのに気付かなかっただけかも知れませんが(笑)現代には、もうこんな話はなくなってしまったのでしょうか。私は経験がありません。(母は昔に、ちょっとそれらしい事を経験しています。)何かと便利な世の中になって、人の思いも変わってきたのでしょうか。こういった不思議な話が少なくなっていくのは、正直、淋しいなぁと思います。(単に私が感じないだけなのかも知れません。)この本は、筑摩書房さんからでています。「新耳袋」は、単にコワイ話なので未だに読み返せないのですが、「あの世からのことづて」はコワイ話ではないです。不思議な話なのです。写真はわが家の窓から見える南(南西かな?)の夜空です。うまく写せませんでしたが、黄色い半月が綺麗です。
2005年09月12日
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今日はまた、すこぶる良い天気です。日中、陽なたはまだまだ暑いのですが、日陰だとやや涼しく感じられ、風が通ると過ごしやすくなってきました。朝夕は虫の声と共に、秋を感じられるようになってきました。 今年の秋は少し早いのかしら。そんな気がする今日この頃です。さて、宮部みゆきさんの『ぼんくら 上・下』やっと読了しました。上巻の途中までは、長屋を舞台にした短編集のような印象で、のんびりと読み進んでいたのですが、やはりというか、途中から、それらの別々の話(同じ長屋の話なので実はそうでもないが)かと思っていた出来事が、奥のほうで繋がっている・・という構成です。途中から、結末が見えてくるのですが、それでも、ついつい先が気になって読んでしまうのは、主な登場人物が生き生きしていて、気に入ってしまったので、その先行きが気になるからでした(笑)奥の奥、裏の裏を知らなくていい人は、何も知らずに暮らしていく。利用されたとか、踊らされた、騙されたじゃなくて、毎日、真面目にしっかりと生きている長屋の人達が、とても良かったです。主人公の八丁堀同心ものんびりしていて好きでしたが(笑)、周囲をとりまく人達もそれぞれにすごく好ましく、殺人やら根深い恨みやらのおどろおどろしい出来事が根底にあるのに、それらに無縁の人達が多数巻き込まれ・・・・。読後に「これでよかったんだろうなぁ~。」と思わせてくれるような、そんな世界でした。 上の写真は今日のお昼頃の南の空です。 写真では小さく写ってしまうのでわかりにくいのですが、 高低・厚薄いろんな形の雲が出ていました。 下の写真は、今日、下の公園で一輪だけ咲いていた彼岸花です。 周囲にはニョキニョキと蕾が出ていたので、近日中には たくさんの花が咲きそうです。 トラックバック日記 『まあぼの交差点』(donmaboさん)更新しました。 「いがぐりの読んだ本。」いがぐりさんの日記にトラックバックしました。 「玉葱の本棚」さんの日記にトラックバックしました。
2005年09月12日
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ずいぶん昔に読んだ本ですが。図書館でたまたま手にとった本です。大変面白い本でした。好奇心をかき立てられるというんでしょうか(笑)『フランス各地に今日もなお残存し,聖母マリアとして信仰の篤い対象となってい る黒いマリア像.キリスト教成立以前のヨーロッパの古層にその起源を求めた著 者は,キリスト教によって隠された古代信仰の存在を確認した.』 (上記の説明文は岩波書店さんのサイトより引用しました。)私は宗教のことはあまり深く知らないのですが、そういうことは知らなくても(知っていた方がより楽しめたかもしれませんが)、伝説や歴史、民俗学が好きなら・・・いや単に野次馬でも充分に面白い本だと思います。図書館の蔵書検索で「在籍中・貸出可」となっていました。また借りて読み直してみようと思います。ちなみにこの本は「品切重版未定」だそうです・・・il||li _| ̄|○ il||li黒いマリアに関した本は他にも数冊出版されているようです。なんで今ごろこの本を思い出したかというと、昨夜『絡新婦の理』の一部分を読み返したからです。この小説に黒いマリアが出てくるんですが、事前に『黒マリアの謎』を読んでいたので京極堂の説明もちょっとだけ理解しやすかったのです(笑)世の中に、興味深いことってたくさんありますね^^
2005年09月03日
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やっと読了(笑)もう半年くらいかかりましたか。いやいや、誤解のないように申しますが、そんな難解な話ではなく、充分に面白いお話なのですよ。こんなに時間がかかってしまったのは、読んだ方はご存知と思いますが、これは京極堂シリーズのサイドストーリーであの大きなお話の裏にはこんなことがあったのか~…という類のお話なのです。10篇ほどの短編からなっているんですが、それぞれに不思議なお話になっています。1つ読むごとに、「えっと、この人は・・・。」と京極堂のメインシリーズを読みたくなります(笑)1篇1篇が本編へ続く・・というような感じかな(笑)なので、ゆっくりよんでも大丈夫(笑)まだお読みでない方・・・。これは是非、京極堂の本編を読んでからお読みくださいませ。そんなこんなを繰り返し・・・。待ち時間のあるお出掛けの時などにチョコチョコ読んでいたので、すっかり時間がかかってしまいました。(一時、放ったらかしにしてたし。)読み終わって、持ち歩くこともなくなるのでカバンが少し軽くなるかな。 写真はこの本を読み始めた頃(春)に咲いていたクロッカスです。 今はもうすっかり枯れて、土だけになってます(爆)『まあぼの交差点』さんの日記をトラックバックしています(^▽^)(9/15) 「百鬼夜行-陰」(京極夏彦)/「百鬼解読」(多田克己)-その1- テーマ「京極堂」をみつけた
2005年08月31日
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ふぅ~やっと読み終えました。前半の盛り上がりはすごく引き込まれましたが、解決があっさりと終わって、お話としては少し盛り上がりに欠ける気がしました。それでも面白くて、早く最後まで読みたい!と出先でも寸暇を見つけてはチョコチョコ読みました。それがいけなかったのかな?後半、はいり込めなかったのはそのせいかも?昨夜のうちに一気に読んだ方がよかったのかなぁ(苦笑)顔に目立つ傷やら痣やらがある者・・・の扱いが月並みな感じがしたし。やっぱり、そういうことってきっかけになるのかな?心の隙が生じやすいような・・・?そうじゃない人からみれば、そんな風に思えるのかな?そのあたりも、後半、共感がもてなかった理由の一つかも知れないです。さて、明日は琵琶湖方面まで遊びに行く予定なので本や漫画はやめて(PCもやめて(笑))早く寝ることにします。
2005年08月27日
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『続巷説百物語』 京極夏彦先日、久しぶりに読み返してみました。私はこの小説の主人公、山岡百介が他人のように思えません(笑)できることなら・・・彼のように、世の中の奇談を集める旅に出たいくらいです(笑)若い頃はよく奈良県や大阪府南部のあたりをウロウロしました。古代史が好きだったので、歴史の本に載っているような場所をあちこち見て廻りました。桃太郎の伝説にひかれて岡山県あたりまでならうろついたこともあります。それ以上遠くには・・・行きたくても先立つものがなかったりするわけです(苦笑)近畿に住んでいて良かったと思います(T▽T)閑話休題しかし残念ながら、私はこの本の主人公のように、旅先で怪しい事件などに巻き込まれはしませんでしたので、私の場合は、それから怪しい話(小説などですね)にどんどん嵌っていくことになってしまいました。このお話は『絡新婦の理』のように、ずっと繋がっているお話なのですが、そのあたりが徐々にハッキリしてくる展開で、読み返すたびに各キャラクターへの思い入れが強くなり、最後に涙してしまうのです( ̄ー ̄;)ゞそして『後巷説百物語』のラストを読みたくなってしまうのです。『まあぼの交差点』さんの日記とトラックバックしています(^▽^)(9/15更新) 「続巷説百物語」(京極夏彦) とても内容の濃いブログで、書評が大変参考になります。
2005年08月20日
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