雨トキドキ、月。

雨トキドキ、月。

和&智×緑←心,翔(1)



「んー?」

キッチンで夕飯を作っているまいが智の方を向いて耳を傾けた。

「魚、こげてない?」

「…あーっ!!忘れてたっ!!」

そう。

さっきからリビングにただよっているこげくさい臭いは、今日、智が釣ってきたあじの臭いだった。

まいが風邪で寝ていると聞いて、急遽釣りを切り上げて見舞いに来たというのに、

結局まいに夕飯まで作らせてしまっている。

悪い気持ちでいっぱいだった。

「俺、代わる…」







今日、まいちゃんが風邪で寝ているらしい。

智くん、もう着いた頃だろうな。

親友の彼女だなんて、絶対に好きになれないと思っていた。

ってゆーかあの子、アホだし。

届かないモノこそ欲しくなる。

人生なんてそんなものだ。

…と俺は思う。

好きな娘の為に走る事の出来ない自分がもどかしい。

でも、恋愛と親友どちらを取るかと回答を迫られたら、

俺は”親友”と言うだろう。

恋愛なんてその場しのぎのようなものだ。

そもそも、恋と愛という二文字をくっつけるとはどういうことなんだろう?

恋は自分の欲望、

愛は…俺にはまだ分からない。

とりあえずこの話は置いといて、

「櫻井さーんスタンバイお願いしまーすっ」

…仕事だ。







まいが風邪だって聞いた。

どーしよ?俺。

まいのこと、めちゃくちゃ好きだけど、まいには彼氏がいる。

告白しようとした時に、丁度その事実を知った。

夏に沢山一緒の仕事をして、俺とまい…や。

俺ら6人はすっげー仲良くなって。

気づいたら俺はまいの事好きになってて。

あたってくだけろ的な感じで告白しよーとした。

けど、なんか出来なかった。

まいにはほかに誰か好きな奴がいるっつー事がなんとなく分かっちゃったから。

それでも告白しとけば良かったなって今は思う。

今じゃ、何も出来ないから。

まい、心配だな…







「ごめん、大ちゃん…結局作らせちゃって…」

申し訳なさそうにうなだれるまい。

「大丈夫大丈夫」

いつもと同じ能天気な高めの声で智が言った。

(風邪なのにこんな魚食うつもりだったのかな、そういえば)

最後の最後までまいからの電話に気付かずに釣りをしていた事に後悔した。

「はいっ出来たー」

まいは頭の上に“?”を浮かばせた。

智がまいと自分の所に置いたメニューは明らかに違う。

「まいちゃんはおじや。アジもちょっと入ってる」

「ありがと、大ちゃん、わざわざ…」

いただきます、と一人で食べ始めてしまう智。

するとまいが何か言いたげに智の方を見た。

「?」

「…ね、一緒にいただきますしよ?」

智はとっさにくわえていたはしをおいた。

「ごめん、じゃあいただきますしよう」

まいが笑う。

二人は目を合わせると同時に少し息を吸った。

『いただきます!』

智も笑った。

「なんか、子供みたいだね」





仕事も一段落ついたとこだし…

リーダーに電話して飲みにでも行きますか。

今日は一日中舞台の稽古だった為か、

いつもより疲れている。

ストレス解消の方法の一つとして、

自分には誰かと飲む、というのがあった。

それで今日はリーダーに付き合ってもらおうと考えたのだ。





智の携帯電話の着信音が鳴った。

なんの飾り気もない、着信音1。

おそらく最初に設定されたのをそのまま使っているのだろう。

ごめん、と智が謝りつつ電話に出た。

「はい大野です…あ、ニノ?どうしたの…え?今から…」

まいの方を見やる。

「今、まいちゃん家にいるからさ…え?来る?
 ダメダメ…今まいちゃん風邪ひいてるんだって…あ、うん分かった
 じゃあ近くなったら電話か空メールしてよ。…じゃあね」

智が電話を切った。

「二宮くん?」

「ん。そう、今ねぇ風邪薬買ってきてくれるって」

まいが少し顔を曇らせた。

「そーなんだ…悪いなぁ」

智は気付かない。





今日の仕事は全部終わった。

「…行くか!」

雄輔は完全装備で楽屋を出た。

後先なんて考えない。

今思ったことを今やらなければ絶対後悔する。

そう思った。

外に出ると丁度タクシーが見えた。

手をあげた雄輔の前にゆったりと止まるタクシーに素早く乗り込む。

「あれ?お客さん、あの…」

「どーでもいーですけど上地です。
 あの、すっげー早めにお願いします、杉並3丁目のセブンイレブンの前まで!」





「まいちゃんは寝てた方がいいって!」

智の横でつらそうにテレビを見ているまい。

「やだ…これ、おもしろいし」

「これ、ニュースだよ?ただの…」

智にはまいが寝るのを嫌がる理由がわかっていない。

(二宮くん来ちゃうんだから、それまでは二人でいたいよ…)

心配そうに智はまいを見つめる。

「本当に、寝て」

まいが泣きそうになりながらやだ、と言った。

(たまにしか、会えないんだから…)

「寝てくれないんだったら俺、帰るよ?」

「やだ…ダメ」

智のTシャツの裾を掴む。

「何がしたいの?寝ても大丈夫だって…
 俺、帰らないからテレビだったら録画しといてあげるよ?」

的外れな事を言う智。

「…大ちゃんと、二人でいたいんだよ…
 寝てる時、隣にいて?」

智がやっと納得した。

「ごめん、まいちゃん…じゃあいいよ、ずっと隣にいる。
 だから、お願いだから寝て…心配なんだよ」

まいが頷く。

そしてとりあえず寝室に向かった。

その後に冷えピタの代えを持った智が続く。

身長差のない恋人というのはこの二人のことを言っているようだった。





とりあえず夏休み最終日!

レポートが終わってないので再び少々お待ちを。

まぁ読んでる人なんていないでしょーけどね。

自己満足です。

なくす前にパソでバックアップしちゃえ!的な。




次は再びZEROが出てきますよー☆

あんず。

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