FEVRIER
ナント
0 － 0 (PK 5 - 4)
オセール 
（2/3 リーグカップ準決勝）
この試合の個人的な興味はオセールのシセである。
オリンピック代表の試合で相手の選手を蹴ったため、出場停止をくらい今度のヨーロッパ選手権の
フランス代表からは漏れるようだ。しかし現在フランスリーグ得点王で、来シーズンのリバプール
入りが濃厚であり次のＷ杯に代表入りするのは間違いない選手だと思われる。彼の試合をちゃん
と見るのは初めてだが、ダイジェストでゴールシーンなどを見た印象ではクライフェルトに似てい
ると思った。
いざ試合が始まるとシセは全くの期待外れ。やる気があるのかないのか分からないプレーの連続で
運動量も少ないため、ＤＦのマークも外せずシュートも1本ぐらいだったかと思う。これでは評価の
しようがない。プレーにムラの多い選手なのかもしれない。ただし蹴ったり、止めたりという基本的
なプレーでは実力の片鱗を見たように思う。特にトラップは柔らかくうまい。このチームでは王様的
な感じがしたので、移籍後に真価が問われる事になると思う。オセールはFWとDFにいい選手がいる
と思うが、中盤が今ひとつと感じた。中盤を整備すればチャンピオンズリーグに出るようなチームに
なるのではないだろうか。ナントはリーグ中位のチーム。固い守備を持つなかなかバランスのいい
チームだと思った。
ソショー 3 － 2 (延長 1 - 0) サンテチエンヌ
（2/4 リーグカップ準決勝）
リーグで上位につけるソショーと2部リーグの上位で来年の1部昇格が濃厚なサンテチエンヌの試合。
特に知っている選手がいるわけではなかったが、試合は結構おもしろかった。サンテチエンヌが前半
2点を先制したが、自力で勝るソショーが追いつき、延長で試合を決めた。サンテチエンヌは2部だが、
中々小気味良い攻撃を見せてくれた。中盤も互角とは言えないが、特に前半は結構いい勝負をしてい
たと思う。ソショーは昔ジュビロがやってた名波を中心にしたNボックスとかいうのと同じようなシス
テムを使っていた。名波の所に代表にも選ばれたことがあるペドレッティが入り彼を中心に多彩な
攻撃をしかけていた。いい選手が多いと思うが、リーグで優勝争いをするためにはもう少し何かがない
とつらいかなと思う。
（注：ソショーのエンブレムは見つかりませんでした）
ベルギー
0 － 2
フランス 
（2/18 国際Ａマッチ）
テストマッチと言ってもまだEUROは先なので、何となく練習試合のような雰囲気があった。フランスは
怪我人が多く、初代表が結構入っていた。試合は後半しか見られなかったが、フランスがベルギー
に胸を貸しているというような内容だった。ジダンがかなり自由に好きなことをやって、ボールを取ら
れて危ないかなと思うと、ビエラとマケレレがしっかりと仕事をしていた。ジダンは自由にやっては
いても、しっかりサハの代表初ゴールをお膳立てしていた。左サイドにフリーでモナコのロタンがいた
が、わざわざDFの股を通すラストパスをサハに出すところなどは、ジダンじゃないと出来ないなという
プレーだった。フランスの横綱相撲だったが、DFにちょっと危うさを感じた。マークの受け渡しが2回
ほどずれて危ない場面を作っていた。この日のセンターはデサイーとテュラム。長年やっている割には
コンビネーションは今いちだと思う。
ボローニャ
0 － 1
ユベントス 
（2/22 セリエＡ）
復活したとの噂を聞き、中田を見にボローニャに。個人的にはローマにいた時までは可能性を感じていた
が、パルマに移ってからそれが感じられなくなってしまった。Ｗ杯も平均やや上ぐらいの出来だったと思
っている。また雑誌で最近イマジネーションが沸かないと言っていたのもとても気になるところである。
この週は日本でオマーンとの試合に出て、とんぼ帰りで試合に臨むハードな日程。対戦相手はユベントス。
中田が出ない場合の保険としてユベントスを選んだ。チームは今シーズンイマイチだが、デルピエロのプ
レーを生で見たかったのである。
試合前のゴール裏 キックオフ
中田もデルピエロもスタメンにいてほっと一安心。ユベントスはチャンピオンズリーグに備えて、主力を
若干温存した模様。中田のポジションは3-3-2-2の右の攻撃的ＭＦのように見えた。ボランチではなかっ
たと思う。序盤、中田がドリブルを2度ほどしかけるが、簡単につぶされてしまう。スピード、切れとも
感じられず、強行日程の影響が少なくないなと思った。途中から左のロカテッリとポジションチェンジし
たが見せ場は一度ぐらいだった。対するユベントスはディバイオが左右のスペースに飛び出してチャンス
メイク。デルピエロは真中にいてあまり動いていなかった。ユベントスではカモラネージが目立っていた。
プレーを初めて見たが、スピードがありサイド突破が有効だった。ボローニャはサイドの上がりが中途半端
で攻撃に厚みがなかった。とりあえずターレの頭に当ててサイドに開いてという形を狙っていたと思うが、
コンビネーションも悪かった。
前半終了後の中田
後半は3-4-1-2の真中右のボランチに中田がいた。おそらくこれがやり慣れたフォーメーションだと思う
が、結局そこに下がった中田がデルピエロゾーンでファウルをしてしまい、そのＦＫから点が入ってしま
った。ファウルの前にデルピエロが持ったとき、遠目にもファウルを誘っているのが分かったので、やば
いと思ったら案の上だった。その後のFKで点が入ったのは結果論だが、ボランチとしてはあのエリアでファ
ウルを犯すのはいただけない。あういうプレーをなくさないとトップのチームでプレーするのは難しいと
感じた。後半途中からトップ下に入っていくつかいいスルーパスを出したが、シニョーリには反応できな
いものだった。そのまま試合は終了、正直言って内容的にはイマイチだった。観戦に行っていい試合に当
たるのは難しいと改めて感じた。
ユベントスはパッとしなかった。怪我人が多いというのもあるけど、チームに何か沈滞ムードがあるような
気がした。デルピエロも得点に絡むFKとその前のファウルを取ったあたりはさすがと思ったが、全体的には
出来はよくなかった。ネドベドもいつも通り動き回っていたがから回り気味で、コンビネーションで崩すよ
り個人技で作るチャンスの方が多く、チームとしてうまく機能していなかったように思う。この試合後、チ
ャンピオンズリーグは敗退、カップ戦、スクデットもほぼ絶望になってしまった。前日にミラノダービーを
見たが、ミランとの勢いの差は明らかだった。オフにはいろいろ動きがありそうである。
中田はハードな日程で決して調子は良くなかったと思うが、フル出場したということは監督の信頼がかなり
高いのだと思う。まあだからこそシーズン途中で獲得したのだろうが・・・チームとしては戦術がよく見え
なかった。ターレの頭に当てるのはいいが、そこからどうしようとしているのかが動きに表れてこなかった。
試合後の会見で監督がユベントス相手に萎縮してしまったうんぬんを言っていたのはこのことだろうか。
もう少しいいFWがいればいいかと思うが、それがいないのが中堅チームの宿命かもしれない。中田自身が復
活したかどうかはこの試合では分からなかったが、少なくとも悪い方向には行っていないと思うし、中心選
手として頑張れる土台が出来ていると思う。またあの輝きを見せて欲しいものである。今回、中田に関心さ
せられたのは、チームを移って間もないのに昔からいるかのようにチームに溶け込んでサッカーをしていた
ことである。もちろん彼の技術の高さがあってのものだが、それプラス、コミュニケーション能力が非常に
高いのであろう。これはイタリア語がしゃべれるのもあるが、それよりも彼らの文化やメンタリティーを良
く理解できているからだと思う。もっとも彼はもともとこちらの人のメンタリティーと近いものを持ってい
たのであろうが。多くの日本人選手が海外でなかなか成功できないのは、技術面よりもメンタル面の方が大
きいと思う。海外の一流選手でもリーグによっては力を出せなかったりすることからもメンタル面の重要性
が分かると思う。これは何もサッカーに限った話ではなく、一年間のレンタル移籍でこちらに来てる殿自身
がいつも痛感していることである。
レアル・ソシエダ
0 － 1
リヨン 
（2/25 チャンピオンズリーグ決勝トーナメント１回戦）
今年に入ってからのリヨンはモナコにリーグとカップ戦で2回大敗するなど、調子はそんなに良くなかった
ので、リーグで昇り調子のソシエダには簡単にいかないだろうと予想していた。この試合も後半だけ見たの
だが、アウェーのリヨンが完全に主導権を握るという予想外の展開。1点も相手のオウンゴールとリヨンに
とっては笑いが止まらない勝利だった。後半ジョルジーニョのFKが3本あり、どれも入ったと思わせる
いいキックだった。3本全て球筋、回転を変えていたところがさすがだと思った。ソシエダはデペドロがベ
ンチに入っていなかったようで、楽しみにしていたシャビ・アロンソもいいとこなく途中交替だった。
後半途中からソシエダの李天秀が左ウィングに入ってプレーをしたが、特に見せ場はなかった。交替時にサ
ポーターから若干ブーイングがあったように思ったが、なかなかつらい戦いをしているようである。
《追記》
チャンピオンズリーグはフランス勢２チームとも８強入りした。モナコはレアル、リヨンはポルトとである。
個人的にはモナコはレアルとでもいい勝負が出来ると思っている。レアルがバイエルン戦の後ということで
ちょっとでも気を抜いてかかるとやられるのではないだろうか。モリエンテスが古巣相手にどんなプレーを
するか非常に楽しみである。リヨンとポルトはちょっと予想がつかない。どちらも対戦相手に恵まれたと思
っているだろう。プレースタイルから考えるとリヨンが若干、分が悪いかなという気もするが、緒戦のア
ウェー戦をどう切り抜けるかが勝負所だろう。何にせよこちらも楽しみである。
オリンピック代表が本大会出場を決めたとのこと。毎試合、オフィスからネットのリアルタイム速報を見て
ドキドキしていた。試合を見てないので内容はよく分からないけど、何にせよ勝ってよかった。
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