Miserable days ～ 笑えるけど笑えない話
以前、うちのアパートの一階に３０代の独身男が一人で住んでたんですよ。
定職にも就いていない模様。
ヤツは、毎晩ではないけれど、夜中の一時すぎにエミネムとかテキサス、
ラテンミュージックのＣＤやＭＴＶを大音響でかけるわけ。
しかも平日の夜中に・・・。
普通の人は、朝早く起きて仕事なり学校なりに行かなきゃならないわけで
ワタシたちも朝早く起きなければならず、無視して寝ようと試みたけど
こんなに大音響でガンガンやられたら寝られへんやん。
しかも、うちの上の階の人は、うちが大音響で音楽をかけていると思った
らしく、上から床をガンガン叩くんよね。 うちじゃないってばっ！
頭にきたワタシは、スッピンでパジャマ姿にもかかわらず、文句を言いに
一階へ下りて行った。 ドアをバシバシ叩いてチャイムも鳴らしたけど
ドアを開けないんですYO・・・。
ダンナと、ヤツの庭へまわるとヤツが居間のイスに
座っているのが見えたので、庭へ入って居間の窓をバシバシ叩いたけど
生意気にもヤツは寝たふりをして無視しやがるんですよ。
おのれはケンカ売っとんか！
アンタがそういう態度に出るなら、こっちも対抗したる！
うちのアパートを見上げると、近所の人が皆ベランダに座って
『 眠れな～い 』 とか言ってましたけどね、
何でいっつもワタシばっかりが文句言いにいかなあかんのじゃ！
何回かこ～ゆ～事が続いたので、ついに警察に通報。
すでに同じ内容の通報が複数あり、今パトカーがそっちへ向かっている・・・
との事。 暫くして警官が２人到着。 警官との話し声が聞こえ
音楽は止まったけど、警官が帰ると、また大音響で音楽をかけやがるん
ですよ。
アパートの管理組合にも 『 こ～ゆ～迷惑なヤツがいる！ 』 と
苦情を申し立て、管理組合からもヤツに警告の文書を送ったらしい。
幸い、ヤツはこのアパートを借りているだけだったので、管理組合の方から
貸し主と連絡をとり、対処するよう貸し主にも警告。
それでも改善されず、大音響ミュージックが続くので、ある日ブチ切れた
ワタシとダンナは（ 正確にはブチ切れたのはワタシのみで、ダンナは何か
面白い事が起こるのを期待してホイホイついて来ただけ）、電気メーターの
入っているボックスを合鍵で開けて、ヤツの家の電気を切ってやりました。
小心者のダンナは、『 ホンマに切ってええのん？ 』 と
半分ワクワクした表情でワタクシにお伺いを立てるので、
『 かまへん、いてまえ！ 』 と指示。
今までボンボンボン・・・・ と調子よく鳴っていたラップミュージックが
ブチッとやんだ。 部屋の中も真っ暗になったに違いない。
わーーーはっはっはっ！
ヤツは、電気メーターのボックスの鍵を持っていなかったようで、暫くすると
ボックスを開けようとスッタもんだする音が聞こえてきた。
おーーっほっほっほっ、 ざま～みろっ！
頭にきたのか、ヤツは外に出て何やら奇声を発していた。
アメリカ映画などを見ていると、セリフによく 『 このブタ野郎！ 』
なんてのが出てくるけど、ヤツはノルウェー語で
『 この、めんどり野郎！ 』 と叫んだ。（と、聞こえた）
いや、『 この売女め！ 』 だったかもしれない。
→ ノルウェー語でめんどりと売女は発音が似ている。
こりゃ、もしやわたしゃに対して言ってるのかい？
おうおう、よく知ってるじゃん。 アンタは超能力か何かの持ち主かい？
実は、うちのダンナ、ワタクシの事を愛情を込めてノルウェー語で
『 めんどりちゃん 』 と呼ぶんですよ。 なぜって、ワタシがめんどりのように歩く？ かららしい。 特に冬、凍結した道とかで・・・。
その後、もう一度警察ざたになって、アパートの管理組合も色々試みた
んだけど改善されず、ヤツはアパートから追い出される事になったんですよ。
クリスマスが近づいていた事もあって、ヤツには３ヶ月の猶予が与えられた。
ちゃんと出て行くものかと心配になったけど、
出ていった、出ていった・・・。
ワタシの誕生日に・・・。 バンザ～～イ！
どこに引っ越したのかは知らんけど、その後、近所の人から聞いた話、
新しい引越し先で殺人事件を起こして刑務所で服役中とか・・・。
ちょっと怖い話っしょ？
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