ほのぼのノルウェー暮らし

ほのぼのノルウェー暮らし

深夜の救急病院


またまた救急病院です。

毎年一回は必ずと言っていいほど救急病院の
お世話になる我家。

って、ワタシじゃなく、いつも決まってダンナなんですが・・・・。


  夏場は自転車通勤のダンナ。

ある夜、ダンナが血相をかえて仕事から帰ってきたので
何事かと思ったら、左手の中指の爪の中に
木のささくれだったようなもの → 意味わかる?
っつーーか、爪楊枝のミニチュア版みたいなのがタテに
しかも爪の長さにこれまたピッタリの長さのものが
皮膚と爪の間に挟まってますねー。

何でも、アパートの共同の入口のドアを開けようとしたら
こういう事になったらしいんですよ。

それにしても、こんなに見事に、こんなにキレイに、こんなに
狭いところに上手いこと入り込んだものだと感心する一方


  ケッ! なーーーんや、そんなことかいな。
  こんな事ごときに何を大騒ぎしとるんじゃ、この男は・・・・


    とワタシは思っていたんですよ。


 ダンナはピンセットとか縫い針で必死こいて取り出そうと
 してたんですが、運悪く、爪を切りたてで、爪と皮膚の間には
 ほとんど隙間がなく悪戦苦闘するダンナ。

 ワタシも手伝ってやってって感じですが・・・・・。


 ダンナの指を覗き込むと、なんかドス黒い小さな塊が見えたんで

   『 これって血なん? 』 と聞いたら

   『 もちのろん! 』

   『 痛いのん? 』

   『 ちょっとね 』


 などという会話をしながら、この日は様子を見ようという事で
 翌朝、仕事で朝が早いダンナは、そのまま就寝。

 で、次の日の朝、ダンナは職場から看護師である弟に
 助言を求めるために電話したらしいんですよ。

 そしたら弟は

  『 すぐ病院へ行け!  ほっといたら、毒素が指全体に
    まわって、みりみるうちに指が倍以上に
    腫れ上がってくるで! 』


    えええええええええええええっ!!


 と、ダンナ兄弟がこんな会話をしていたとはまだ
 知らされていなかったワタシは、義理ママと
 電話でチャットした時に、指の爪に木屑がはさまって
 ダンナが大騒ぎしてる・・・・っちゅう話をチラッとしたら
 義理ママも


   『 はよ救急病院に行け! 』 とかゆーてましたが


 アナタ、本人は重傷でも何でもなく、ピンピンしてるんですよ!
 救急病院といやぁ、一刻を争う人が行くところじゃないですか。


    ったく、おかしなこと言う人ね!
    一般の病院でええやん・・・・


 などと暢気に構えてたら、その日のダンナは前日より
 更にパワーアップした血相で帰ってきたんですよ。

 ワタシは、いつものようにダンナの帰宅時間に合わせ
 鼻歌などを歌いながら夕飯の支度をしていたわけですが
 いつもなら1にも2にも

     ごはんが先! で

 キッチンに走ってくるダンナが、ごはんより先に
 ピンセット取りに走っとるやんけ。


   『 あら??  ごはんは? 』

   『 いらん・・・・ 』



    いらん??????????



   『 いらんってアナタ、何か食べてきたん?? 』

   『 いいや・・・・ 』


  何も食っていないにも関わらず、ごはんいらんっちゅう事は
  考えられる理由はただ一つ。


     病気なのかーーーーーーーっ??


 って、この日は本当に暑かったので、暑さでバテたのかしらね?
 などと思いながら、よくよく話を聞くと、どうも指の件が
 気になって仕方ないらしいんですよ。


  『 じゃあ、今から救急病院行く? 』 と聞いたら

  『 PUSちゃんも一緒に来てくれる?? 』


 っちゅーーんで、はいはい、お供しますよ・・・・。


 そんなわけで、救急病院に向けて車を走らせ、診察の前に
 どこが悪いのか症状を説明するために看護婦さんとの面談があり
 これですよ、これ・・・・・ と例の指をババーーーーンと
 見せたら


   『 ううううっ・・・、寒気がしてきたわ 』


 深夜にも関わらず、待合室はけっこう混んでおり、看護婦さんにも
 診察まで時間がかかるかもしれないので明日、また出直しては
 どうかと言われたんですが、明日まで待ちたくなかったダンナは
 長時間待つのを覚悟で診察してもらうことにしたんですよ。

 って、今までの救急病院歴からして、この日の待合室の状態なんて
 ましな方でしたけど、看護婦さんとの言葉とは裏腹に
 30分以内でダンナの順番は回ってきた。

 エライ体格のいい女医さんでしたが、まずはピンセットで
 試して、これがダメなら局所麻酔を使って治療しますとのことで
 治療がスタート。

 と、この女医さん、ものの10秒もしないうちに

  『 ダダダダーーーーーーン! 』 と叫びながら

 例の木のささくれだったやつを抜き取りましたね。


  『 おおおおおおおおっ!! ボクがいくらピンセットで
    試しても抜けなかったのにーーーー!! 』

  『 ほっほっほっ! ワタシのピンセットのほうが
    上等だもんね~ 』


     という事で治療終了。

 でも、こんな治療とはいい難い治療に診察料
 265クローネ ( 約4800円 )


     しぇーーーーーーーっ!!


 この女医さんの話では、こういうケースの場合、異物を取り除いて
 2~3日後に感染症を起こす事があるので、何か異変に気付いたら
 すぐに来てちょうだい! との事でしたが、そういう事なら
 念のために抗生物質くらいくれたらいいのにね!
 こういう先の事を見越して治療してくれないところが
 いかにもノルウェーです。 

 この感染症って、治療が遅れると、手足の切断に至るほど
 強烈なものらしいんですよ。


 で、翌日も朝が早かったダンナは、病院から帰ってきてすぐに
 寝たわけですが、朝起きると、前日の夜、ワタシたちが救急病院に
 行っていた間に送られてきたとみられる義理ママからの
 携帯のメールに気付き 

  → 慌てて出て行ったので携帯を持って行くのを忘れた

 読んでみると、ダンナが病院へ行ったかどうか心配する内容で
 足や手の切断がどーのこーの・・・・・。


 ダンナが出勤した後、義理ママから電話があったんですがね
 何でも前夜、ノルウェーの週刊誌で家の改装をしていたノル人の
 男性の爪だか指にダンナと同じような異物がはさまり
 彼は、それを自分で抜いたらしいんですが、数日後に
 感染症にかかり、病院に担ぎ込まれた時には意識がなく
 手遅れの状態で片腕と両足切断に至ったという記事を読んで
 怖くなり、ダンナが病院に行ったかどうか気になって仕方なかった
 ようなんですが、前夜、病院へ行ったと言ったら安心してました。

 こんな小さなことが、とんでもないことに発展するんですね。
 みなさまも、これと同じような状況に陥ったら
 迷わず病院へ!!






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