「007 スペクター」21世紀のボンドにスペクター
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あゝ平凡なる我が人生に幸あれ
胡蝶蘭殺人事件
~胡蝶蘭殺人事件~
好奇心旺盛で、興味を持つと、とことんのめりこんでしまうキャサリン
色々な趣味を持っているが、今は蘭の花に関心を寄せていた
その蘭の花を見に、夏休みを利用して、キャサリンと恋人の浜口一郎はシンガポールへと旅立った
数多い蘭が咲いている現地の植物園を二人が見学していると、冬木和彦という日本人に出会う
冬木は、珍しい蘭の品種を探すために世界中を飛び回っているオーキッド・ハンターなのだという
すっかり冬木の話に興味を持ったキャサリンは、彼から色々な話を聞く
同じ植物園には、カップル連れではあるのだが、ちょっと怪しい日本人の姿があった
その姿を見た冬木は、あの男性もオーキッド・ハンターに違いないという
シンガポールの旅先では、田中蘭子という女性とも知り合い、楽しい思い出を沢山作って、二人は帰国してきた
シンガポールから帰国してしばらくしたある日、琵琶湖畔の別荘地帯で、ひとつの事件が起きた
蘭を栽培している石田陽一郎という男性の死体が、温室内で発見されたのだ
その人物は、キャサリンたちがシンガポールに旅行で訪れた際、カップル連れで旅行していた男性である
死体の胸に白い胡蝶蘭がのっていたことと、温室内の蘭が荒らされていることから、単純な物盗りによる犯行ではないと、キャサリンは睨む
すっかり蘭の花に魅せられたキャサリンは、自宅で蘭の栽培も始めていた
会話の端々に冬木という名前がキャサリンの口から出るたびに、浜口は穏やかではいられなかった
キャサリンが、何かといえば冬木の話題を切り出してくるので、面白くないのである
そんな冬木が、自宅で開くパーティーに一緒に行こうとキャサリンから誘われた浜口は、乗り気はなかったのだが、強引な誘いの末、参加することとなった
蘭の収集家だけではなく、珍しい蘭を育てていることでも有名な冬木は、自宅にお客を招き、蘭を販売しているのだという
パーティーの招待客は早々たる顔触れで、代議士の堂山、女優の花山ユリ、財閥夫人の大沢麻子、シンガポールで知り合った蘭子ら、蘭の愛好家たちが一堂に会していた
その華やかなパーティーの席上で、突然堂山代議士の口から、冬木と蘭子の婚約発表が発表される
突然の発表に、しばらくは結婚しないと冬木から聞かされていたキャサリンは、ショックを覚えてしまう
婚約発表の後、冬木が旅行に出ていたことと、蘭子との婚約したことがショックで、しばらく連絡を取っていなかったキャサリンだったが、蘭のことで用事があり、冬木家を訪れる
すると、そこはパトカーが何台も止まり、野次馬で溢れていた
なんでも、冬木の服毒死体が、自宅から発見されたのだという
驚くキャサリン
しかも彼が大事に育てていた珍しい胡蝶蘭の鉢も3つ盗まれていたことが判明する
その後の捜査の結果、冬木が死亡していた部屋にあった胡蝶蘭の鉢のなかに、指輪がひとつ落ちているのが見つかる
その指輪の持ち主は、女優の花山ユリだった
京都府警の狩矢警部は、その事をユリ本人に確かめるが、現場に落ちていた指輪は自分のものでないと、ユリは断固として認めなかった
数日後、ユリが自宅マンションから墜死してしまう
遺書は無かったものの、部屋の中には冬木の自宅から盗まれた胡蝶蘭のうちの1鉢があったことから、警察では一連の事件の犯人はユリで、自殺したと睨んでいるようだった
しかし、キャサリンは納得できるはずもなく、独自に調査をする
胡蝶蘭の花をめぐる謎の連続殺人事件にキャサリンが挑む!
~感想~
胡蝶蘭の花を絡めた壮大な話かと思いきや、事件は意外と単純なものだったので、ちょっと拍子抜け
話の流れにも強引なところが多々あり、折角の華やかなテーマも活かされていないような気がした
という事で、私的評価は星【★★☆☆☆】2つです
◆この原作のドラマ化作品◆
平成10年6月1日放送
月曜ドラマスペシャル
山村美紗サスペンス
『名探偵キャサリン5~胡蝶蘭殺人事件・殺された美人女優とランの花・京都―伊豆―東京を結ぶ密室殺人は欲望の産物?1億のランは怨みのしるし?キャサリンも毒殺の危機!』
出演/希麻倫子…かたせ梨乃/堂山譲治…神田正輝/狩矢警部…西岡徳馬/田中愛子…石野真子/松本次郎…関口知宏/花岡エミ…三原じゅん子/冬木和彦…嶋大輔/大沢朝子…山村紅葉/橋口部長刑事…坂本あきら/石田陽一郎…芹沢新 ほか
…ドラマの内容
カメラマンの希麻倫子は、父親が経営しているオリエンタルホテル京都の一室で、蘭の花の愛好家で有名な女優の花岡エミの写真集の撮影をしていた
蘭の花が好きなエミなだけあって、写真集にはエミと蘭の花が一緒に載る予定だ
撮影は快調に進んでいたが、突然エミが怒り出してしまう
撮影のために用意した蘭の中に、エミが嫌いなピンク色の胡蝶蘭が紛れ込んでいたことから不機嫌になったのだ
結局、そのまま撮影は中止になってしまった
後日、写真集の打ち合わせの件で、エミの自宅を訪問した倫子と助手の次郎の二人は、エミの刺殺死体を発見してしまう
死体には、エミが嫌っていたピンク色の胡蝶蘭の花びらが撒かれていた
さらにはエミが一番大事にしていた蘭“パフィオペディラム”の鉢が無くなっている事から、蘭の花が今回の事件に関係していると倫子は睨む
胡蝶蘭を扱っている花屋から、蘭の事を研究している京南大学農学部の田中愛子を紹介された倫子は、早速愛子の元を訪ねる
そこで、エミが大事にしていた蘭の事を訊ねると、その原種の蘭“パフィオペディラム・カロデューム”はとても貴重で、日本では、冬木和彦と石田陽一郎という2人のブリーダーしか繁殖に成功していないことを知る
2人の人物のうち、石田の顔に、倫子は見覚えがあった
エミの写真撮影が行われていた日、ホテルで、エミと石田が会っているところを倫子は目撃していたのである
石田が事件に関与していると思った倫子は、彼が住んでいる伊豆堂ヶ島へと向かう
石田はエミと男女関係にあったことを認めたが、殺害に関しては頑なに否認した
そんな石田が、自宅にある蘭を育てている温室のなかで、刺殺死体となって発見されてしまう
石田の死体には、エミと同様ピンク色の胡蝶蘭の花びらが撒かれていた…
消えた蘭の行方は?
死体の上に撒かれたピンク色の胡蝶蘭の意味とは?
華やかな蘭をめぐる連続殺人に、希麻倫子が挑む!
…ドラマの感想
原作の流れを無視した展開で、全体的に軽いタッチに仕上がっている
折角の蘭という華やかな題材を用いながら、画面からはその華やかさが伝わってこなかったのが残念
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