あそびや!

あそびや!

異年齢交流は、異文化交流



昔は当たり前だった、異年齢の子ども達が入り乱れて遊ぶ風景も、今はほとんど見かけることがなくなりました。
少子化が進み兄弟のみならず従兄弟姉妹さえも少なくなっていること、子ども達が忙しくなって遊ぶ時間そのものがなくなっていること、世の中が物騒になり安全に遊べる場所が少なくなっていることなど原因は色々考えられると思います。理由がなんであれ、自然発生的に異年齢が集まり遊ぶという機会がほとんどなくなっているのは確かでしょう。
けれど、異年齢で遊ぶことは、年長の子にとっても小さい子にとっても大切な社会経験になるのは言うまでもありません。子ども同士の社会の中で、生きた『社会勉強』をすることができるのですから。
私の教室では、普段は同年齢の小集団で勉強したり遊んだりしています。でも、月に一度のアートクラス(自由創作)と2,3ヶ月に1度実施しているイベントは1才から中学生の子ども達が一緒に楽しく過ごしています。
意図的に異年齢の子ども達を結びつけるようなことはしていないので、深い関わりが生まれるわけではありません。でも、子ども達の様子を見ていると同じ空間で同じイベントに参加していると言うだけでも十分意味がありそうだと思うようになってきました。
例えば、今日は『カプラで遊ぼう!』と言うイベントでした。
高学年や中学生は、大作に挑戦し、子どもがすっぽり入れるくらいの大きさの『かまくら』を作りました。
年長さんや低学年の子ども達は、黙々と高く積み上げたり、並べたりしていました。
年少さんや就園前の子ども達は、お母さんやお父さんと一緒に積んだり、つぶしたりを楽しんでいました。
1,2才の小さい子ども達は、ひたすら積み木に興味を持ち、隙あらば潰してやろうと破壊怪獣に変身していました。
1つの部屋の中で、同じ『カプラ』を取り巻きながら、これだけ違った動きが行われているのです。まさに異文化交流です。
そして、最後には大きい子たちが作った『かまくら』に参加していた子ども達1人ずつが入らせてもらいました。それまで破壊怪獣だった小さい子ども達も、『これは壊してはいけない大事なもの。』と言わんばかりに、そーっと入り、静かに収まり、それでも満足そうな笑顔でした。
大きい子ども達は、その姿を満更でもない顔をして見ているのです。
それぞれがばらばらなことをしているように見えても、部屋全体を見ると『カプラ』を囲んで遊んでいる1つの集団。なんの交流もないように見える集団でも、こうして同じ部屋でそれぞれが楽しんでいるだけでも、ちゃんと影響し合っているだなあと思いました。
イベントが終わる頃には、小さい子ども達は眠たくなってくる時間でした。一方、大きい子ども達はまだまだエネルギーが余っているので、1万個のカプラを車まで運ぶお手伝い。
こんな些細なことも、異年齢交流ならではの光景なのではないでしょうか。
今日は破壊怪獣だった子ども達が、いつの日かお兄さんお姉さんになり、
「ちび達にはほんと参るな・・・。」
なんて言いながら、片づけを手伝ってくれるようになるのかもしれません。
そしてその頃には、今、小学生中学生の子ども達が大人になり、
「あの子達、小さいときは大変だったのよ。」
なんて言っているかもしれません。

これからも、異年齢交流、大切にしていきたいと思います。

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