「007 スペクター」21世紀のボンドにスペクター
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*エコ先進国ドイツの生活環境
:上下水道代
ドイツの水道代は、上水道代1に対して下水道代2の料金が課せられます。
上水道1立米=25ユーロ(350円)
下水道1立米=50ユーロ(700円)
案外高いのです。日本(六甲アイランド)は、上下水道1立米=250円 です。
:ゴミ事情
確かに、都会でもスーパーでは、求めない限り袋をくれない。
(ケチでは、ない)
家庭から出るゴミも日本と著しく変わる事は、ないそうです。
ただ分別して 再利用できないホントのゴミとなる物が極めて
少ないのだそうです。
:電気代
電気代は、1Kw/h=50¢(70円)使用時
1Kw/h=24¢(33円)売り
因みに日本は、1Kw/h=24円(高くて)使用時です。
いかにエネルギーが高いかがわかります。
:住宅取得費用
延床120平米くらいのテラスハウスが3500万円くらい
パッシブハウスは、500万円UPの4000万円ですが
その差額は、30年間のランニングコストの差額を超える事がない
:ガス料金
年間契約によるもので、登録時に使用量の申請をして供給してもらうのだ そうです。
:エネルギー消費量
エコハウスの基準 年間音熱量15Kw/h/(平米平均)
居住区内のプライマリーなエネルギー消費の総計は、120Kw/h(平米平均)
これは、一般の新築住宅の1/4以下です。
このように、日本に比べライフラインに関わるコストが高い事がわかります。
生活に関わるもの=環境に関わる→国としての取り組み、企業としての
取り組みが必要なのでそれらへの投入される費用(税金、環境対策投資費)
が掛かっているのだと思われます。
:環境対策
まず、水に対して・・生活汚水の汚れの一番は、洗剤です。
ドイツ国内で 販売している洗剤は、全て自然界で分解される成分になっています。
社会のベースとしてこのような仕組みがあるのでバクテリアを使った
雑排水処理を地域共同で行ったりできるのです。
:エコロジーへの関心
エコ先進国でのエコへの関心は、どうでしょうか、もともとドイツは、
食品などの管理に厳しく、ビール=麦芽100%(それ以外はダメ)、
ワイン=ぶどう(又は、果実)汁100%で 水などを加えては、
いけない。添加剤も亜硫酸以外のものは、使ってはいけない。など・・・
また以前より、APNrという番号で管理されそれによって製造者などの
情報までわかるように きちんと管理されているのです。
ツアー視察初日に行った、エコハウスのなかに、エコテスト社と言う
出版社があり、巷の商品について部門別にエコロジーテスト
(原材料・反応テスト・コスト)をして その結果(5段階)評価を
紙面に載せるという(エコテスト・マガジン)雑誌なのですが、
これが一種の社会現象にもなっているのです。
この雑誌で認められた商品は、そのラベルにここのロゴを印刷し
その評価をアピールする。
消費者もこのロゴを見て安心して買い物をする。実際スーパーで
御土産の買い物をしたとき、ソーセージは、ロゴのついているほうを
選びました。
そして、発行部数は、月間75万部 日用雑貨から建築資材におけるまで
その範囲は、広く、そのなかでも、『コスメティック』『子供用品』など
の特集は、人気が高いそうです。
発行部数から考えても市民のエコに対する関心度がうかがえます。
また、リサイクル可能な商品にRマークがついており、企業自身が
環境に対 して力をいれていると言う証になり、消費者もこのような
Rマーク・グリーンエンゼル・エコテスト等がついているかどうなのかと
言う事を商品選び の判断の基準にしているようです。
このように、国民自身が本当に良い物は何かを考え、選ぶことをしている と思います。
便利な物、安価な物というだけの基準では無く、身体に、
環境に良くてパ フォーマンスの高い物が本当に良いものという
認識が出来ていると思います。
:政治参加
ドイツの環境意識は、日本のように国からの政策というよりも国民の
住空間の環境意識から生まれそれが1つの運動となり、環境に対して
やさしい住まい方をする為に国政にまで及ぶようにグリーン党という
政党をも作り、環境に対しての国民の意識と、相反する企業の利益も
尊重しつつ政策を行っている。このような社会の中では、昨今日本で
騒がれているような 「アスベスト」問題など起こるはずも無いのです。
:環境運動
20年前に市民から起こったエコ運動は、「エコドルフ(循環型環境村)」
と呼ばれ、もっと快適にもっと、環境にやさしくをもっとうに運動をはじ
め、国からの安価な土地の提供とグレーウォーターの処理やコンポストト
イレの使用について、建築法であるB・PLANの規制の中で許可を取る為の
申請、独自のエネルギープランと協力してくれる企業体との折衝などを
自分達で行いその先駆者としてのプロジェクトは、1970年代に動き始め
現在のニュー アラメーエ イーストに1986年着工1996年完成
* パッシブハウス・エコシステム
:高断熱住宅
現在、省エネ住宅といわれるもので、ハンブルグでは標準値の効果が
あれば助成金がでましたが今では、標準的な住宅となり2001年に
その制度は、打ち切られましたが太陽熱などを利用するパッシブハウスに
ついては、 まだ助成金制度は、残っている。
外壁の壁圧は、その断熱材や躯体構造にもよりますが、24センチから
40センチくらいの厚みがあり,空気層を持った穴開きレンガや、
内断熱用 のファイバーセルロースでの断熱構造となっているような
住宅もあります。
:再利用可能建材
住宅を構成するその殆どの建材料が再利用可能なもので構成されており、
特に断熱材などは、籾殻やパーライト・ウールファイバー最もポピュラー
な物がセルロースファイバーという古紙を使ったものが一番良く使われて
います、ホウ酸を添加しているので意外と難燃性で燃えにくいのです。
基礎近くの部分には、発砲ガラスなどを使い、屋根の断熱には、
インシュレートボードや発砲コンクリートを組み合わせたりして
使っています。
:パッシブハウス
エネルギー源を電気やガスといったアクティブな冷暖房システムなしに、
快適な室内気候を維持する建築、
高断熱住宅に太陽熱の集熱や蓄熱機能(地熱によるクーリング)を備えた
建築です。 日本では、OMソーラーなどがポピュラーです。
地下水や地熱・雨水を使い、気化熱を利用する事も行っている。
通常の住宅の冷暖房のエネルギー消費率は、1/4よりも少ないのが通常で す。
:集熱ソーラーパネル
手短に言えば太陽熱温水器、直接水を温めるタイプと、媒体を温めて
熱交換により水や空気を温めるタイプがあります。夏場であれば充分な
湯量を確保する事ができアクティブな熱源を使わなくてもまかなえます。
ハンブルグのエコロジー施設のように個々の集熱パネルのお湯を一旦地下
の共有タンクに貯めて使うことにより、温度差による制約を緩和するとい
うのもいい方法だと思います。
:太陽光発電
屋根に発電パネルを並べそれによる電気を使用し余剰電気を売却する。
夜などは、発電できないが、昼間の余剰電気分である程度まかなう事がで きる。
:地熱や地下水による温調
夏でも地中がひんやりとしている事を利用し外気を一旦地下に通し地熱で
外気を冷やしてから建物内に冷えたくうきを取り入れたり、地下水をくみ
上げ床下に循環させ床暖房ならぬ床冷房をしたり、外気が冷えた時でも、
地下水は一定温度の為床の温度を下げすぎたりしない。
:地下排気ガス利用ブロック発電(コージェネレーション)
ガスで発電をしてその廃熱を利用して給湯用の熱源や暖房用の熱源として 利用している。
コロニーや地域の共同体での運営が主である。太陽光発電との併設利用が 主です。
ヘレナのモンセニ・ハンブルグのエコロジー施設で採用されています。
:雨水利用
洗浄水や、飲料以外の生活用水・湿度コントロール用としてろ過をした後 に使用している。
これにより、水資源の節約と共に生活ランニングコストを軽減している。
フランクフルトのエコハウスなどは地下に最大10000立米の貯水機能をもっ
た雨水タンクを設置しています。上水道代に換算して5200万円相当になり ます。
:グレーウォーター再処理システム
雑排水の処理システムをコロニーで設置して下水費用の軽減と水源への負
担軽減をかねている。
雑排水を一旦集約し葦を植えた池に流し葦の根元で生息しているバクテリ
アが雑排水の養分を分解してその後、地下にある濾過層を通って浄化され
るという仕組みになっています。
浄化の程度は、1/80まで汚染度を軽減しています。
:コンポストトイレ
これにより上下水道を含む水源に対する負担軽減と共にランニングコスト の軽減がはかられる。
匂いは通気筒を通じてファンで強制的に屋外に排出させている。汚物は、
3年後に肥料として使用できるものとなる。
只設置に関しては、建築法等の規制があり諸条件等の整備が必要となる。
*バウハウス建築
近代のデザインの原点でありバウハウスとは、建築・造形・美術・写真など
の学校でありその考えの中には、常に人間が中心となっている。
現在でも建築、工業デザインのおいては、その基本となっている。
産業革命後、近代へと移行する時に生まれるべくした、一つの流れだったと
思います。
必要な物は、作り出す。無ければ生み出す。といった創造性にあふれ、且つ
合理性ある建築が生み出されました。
直線と光、近代化の中、自由を求めるが如く明るい空間を生み出している。
まさにモダンデザインである。
今回の研修でエコロジーについて色々と学びましたが
今ドイツで採用されている事例の中でも、社会や国が動かないと出来ない物
個々の住宅の中で採用できる物、まだ言葉の浸透の割りに現実の中で採用さ
れて無い物それぞれをもう一度検証し、現在の日本の現状を把握しながらど
う取り組むべきか、考える必要があるとおもいます。
ただ、考え方の中で何が良くて何がダメなのか、何処を視点に考えるの
か、そう言う事がはっきりしている国ドイツの判断は、ここ日本でも必要だ
と思います。
国がするのでは無い、自分達の未来に対して真剣に考え、行動していく
正しい事の前には、不便な事も当たり前、そして長い目でコストを考える事
地球環境についてもっと知っておく事。
このままの消費量が続けば石油は、約40年で枯渇してしまいます。
このままの使用量で行けば原子燃料のウランは、60年で堀尽くしてしまいます。
プルサーマルシステムは、まだ現実のものとは、なってません理論上のものです。
中国は、発展途上で日本の人口の8倍以上ですが、エネルギー消費量は、
1/3程度です。同じような消費量になったらどうでしょうか、
インドが同じようになったらどうでしょうか、あと何年持つのでしょうか、
日本は、京都議定書の二酸化炭素排出-6%の目標までまだ13%の削減が求められています。
ドイツは、エコロジー推進の結果-8%を実現しています。
私達は、リフォームと言う分野で住空間のよりよい環境づくりと地球レベル
での環境に対して維持可能な改善を基に、その推進と行動を起こさなければ
いけないと思います。
エネルギーは、国家の経済を左右します。経済を守る為国民を守る為の争い
がいつ起こるかわからないそんな状況は、このままのエネルギー消費社会の
中、遠い未来では無いように思います。
今できることの大切さと、今しなければいけない必要性が、このエコ住宅化
の中には、あると思いました。
一人ひとりが意識する事、国や企業が次世代に対して目をしっかりと向けら
れるようになるには、私達の意識が強くなくては、いけないと思います。
地球規模、国家間、社会的、地域的、町内、家庭内、個人のそれぞれの意識
が大切だと思います。
私達の住まいは、地球ですから。
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