「007 スペクター」21世紀のボンドにスペクター
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ニジンスキー生涯,蒼いペガサスの時(2編
ニジンスキー生涯,魅惑のバレエダンサー,蒼いペガサスの時_No.1,輝ける脚光の人は天涯「何物かによる囚われ人」,戦争,愛の虜,牧神の存在,神との結婚,薔薇の精,牧神の午後に係る資料表,関連人物一覧,謎のトライアングル(構成の3辺)
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美を追求して燃え尽きた人々_No.4_ニジンスキー編より、「蒼いペガサスの時」その2
ナビコーナー
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ニジンスキー相関図
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周囲の人々
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ニジンスキーの人生1
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ニジンスキーの人生2
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蒼いペガサスの時:ニジンスキーNo.1
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No.2
(現在頁)<
No.3
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No.4
■
幅広く相関図:チャップリンを核にニジンスキーと日本の巨匠
■
現在活躍の輝くバレエダンサー達&目指す人達
、
■
バレエ関係大人&少女,踊り子を描いた巨匠コラム関連リンク群
輝ける脚光の人は、天涯「何物かによる囚われ人」でした。ある時は戦争であり、また一時は愛の虜であり、
最終は、妄想の中、得体の知れない怪物のようなものに苛まれています。
初めに:
けっして変!なメロドラマ書いてるつもりじゃないんですが、少々、びっくり!部分生じます。
(彼のテーマにはサガが深く関与する為。まるごとボカして書くと、伝わらないから困る!)驚かないで下さい。
芸術を生むとは、かくも悲壮だろうか。屈折、歪。されど、彼が抽出した美の姿は、この上なく美しい。
蒼いペガサスの時_ニジンスキー_No.2
蒼いペガサスの時:ニジンスキーNo.1
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No.2
(現在頁)<
No.3
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No.4
ニジンスキー&周囲相関略表、ニジンスキーが舞い散る後半生まで
1919(29歳の時)以降は命はあれど廃人状態(■輝いていたのは僅か8年、■戦争の爪痕と苛まれた精神)
前頁=No.1
1_天才少年
1900(10歳)舞踊学校入学
1908(18歳)主役抜擢
2_セルゲイ・ディアギレフとの出会い
(黄金時代到来 ~追放迄)
1909(19歳)ディアギレフの劇場へ移動
▼
2_A_宙に静止した男
1911(21歳)『薔薇の精』脚光
1912(22歳)『牧神の午後 』
大反響とスキャンダルの嵐
▼
2_B_事件!ニジンスキーの電撃結婚!
■篭を飛び出した小鳥
ディアギレフの隙
二人のブエノスアイレス
現在=No.2
ディアギレフの怒り_楽園追放
1913(23歳):結婚・
団から解雇追放される!
妻ロモラは知っていた
3_彷徨い人
■悲しきかなプロディースの力、事業力,
■戦争による抑留経験
◎自立旗揚げ失敗。
◎ ▼
第一次世界大戦(1914~1918)
1914(24歳):ハンガリーで被拘留。(露国籍の為)
4_ディアギレフの元へ復帰から、壊滅の兆し迄
1916(26歳)活躍中ながら精神に異常の兆候
・察知したディアギレフ立ち去る
5_神との結婚、シュティーングスターの時
■妻_ロモラ_それでも愛してしまった人だから
1919(29歳)1月:「神との結婚」と自称公演が最後
1919(29歳)3月:精神病院入院
6_またしても戦争!そして戦争が彼を苛む。
妄想の中蠢いては彼を支配する「牧神サテュロス」
■逃亡、精神を患う悲壮な結末,
第二次世界大戦(1939~1945:彼約49歳~55歳)
・ナチスの虎口脱出。 潜伏、逃れ英国へ。
7_夜空に蘇れ!蒼いペガサスの時
_オチの「ペガサス」とは、何故ペガサス?かというと
謎のトライアングル(構成の3辺)
■1_戦争による抑留経験と精神、彼の病気のこと
次頁=No.3
■2A_脳内を蠢く「牧神の存在に係る資料表」
No.4
■2B_ニジンスキーが牧神の存在を描き出す為に、
如何に努力を続け、意識がそれに囚われていたかについて
■3_馬に生まれたい発言
皆が認知するアーティスト生命は
1908(18歳)~1919(29歳),11年・輝いていた期間正味8年
■伝説の「宙に静止した美少年」
ニジンスキー: ■バレエダンサー、■振付師
1890/3/12~1950/4/8:
■
『ペトルーシュカ』
ニジンスキーが演じたその他の作品補足
無機質の人形が、恋をした!その悲しみを演じた彼について。
この前の部分から読む=No.1
ディアギレフの怒り
楽園追放!
絵画は神話:ウィリアム・アドルフ・ブグロー
ニジンスキーとロモラ、同様の宿命
ディアギレフの怒りは半端でなかった。
彼は、新婚のニジンスキー夫妻を速攻で解雇した。
「なんのつもりだ!勝手な振る舞いは許さぬ!」
「去年の
『牧神の午後』
上演後、あのトラブルを
沈下させてもらえたのは、誰のおかげだ!
今日の名声は、誰のおかげだと思ってるんだ!
俺が居なければ、あの時、お前はとんだ見世物、
下らぬペテン師扱いで、今頃、埋もれて腐って
消えてたんだぞ!
俺を甘く見るな!何処へでも消え去って、
野垂れ死するがいい!」
・・・ディアギレフは怒りに震えていた。
【現在シリーズから脱線ながら:絵画寄り道】
ウィリアム・アドルフ・ブグローの絵画・「絵画と一緒にギリシャ神話を2倍!楽しく読み解くミニ特集シリーズ」
この時、ディアギレフを収めてやれる者など、誰も居ない。
客観的に、大人として、彼の患部を避けながら、今後の自団の存続の意味合いで、冷静に損得勘定を
念頭に入れろ!・・・そう言える人物が居たとしたら、それは、昨年去った男、フォーキン位のもんだ。
経営者を救える者とは、なんらかの部門に於いてそれ同等に漸近する者か、配偶者または
恋人しかありえない。今となっては後悔先立たず。
彼は居ない。できる男も、癒しの人も、もう居ない。
可愛い可愛い小鳥は飛び去った!!
中年男の恋、嫉妬。しかも相手は男。そう思うと、つい偏見が先行してしまって、この時の
ディアギレフに、同情してくれる人は恐らく、あんまり居ないと思う。醜いほどに乱れて、
滑稽なほど逆上したに違いない。
・・・しかし、彼を知るに及んで、やはり哀れだ。滅茶苦茶、注ぎ込んで、惜しげなく与えて、
万事捧げるがごとく、時には闘い、そして育て上げた子。
使い捨ての玩具と思っていたら、こんなに逆上しなかったはずだから。
裸一貫、ニジンスキー夫妻は追放された。ニジンスキー、23歳。
ディアギレフは、ニジンスキーと別れた後も、やはり2人か、もう少しか?同様。しかし、
美少年を食い物にしてしまう悪い小父さんとは捉え憎い。磨けば輝く者には、惜しげなく注ぎ込む。数多く芸術に
触れさせる機会を豊富に与え、知性的面も肌で感じる感性も完璧に指導。鬼の稽古ばかりでなく、心底尽くして
広範囲に及ぶ援助指導。その姿は献身的に近い。あたかも妻が夫に尽くすような感覚も本人にはあったかもしれない。
それゆえ、怒りの度合いたるや、半端でなかった。
妻、ロモラは知っていた。
ロモラは知っていた。それでも、愛してしまったのは自分。それでも愛している。
自分は今、けっして惚れた弱み・・・なんかじゃない。
彼が岐路に立った時、あの慈しむような眼差しで暖かく迎えて、彷徨える子羊を救ったディアギレフ。
人は皆、知性と包容力というけど、でも、貴方はそれだけじゃなかったのよね。
愛するニジンスキーは普通なのよ。窮地に立って彷徨っただけよ。
思慕の思いが、
間違っただけよ。寧ろ、貴方こそ悪魔よ!
ロモラは、腹が据わっていた。
「貧乏結構!大歓迎よ!慣れてるわよ!平気です!」
・・・二羽のカナリヤは鳥篭から飛び出した。
3_彷徨い人
■自立旗揚げ失敗、■戦争による抑留経験
■悲しきかなニジンスキーは、世間では、所詮まだ若僧!
・・・乏しいプロディースの力、事業力
事業主にとっては、不満退職者を多く出すは禁物。多かれ少なかれ、彼らがノウハウ泥棒に化けるは
当然のこと。相手が悪ければ、収益に暫し損金も覚悟せねばならない。
密かに、人材の窃盗ともいえる『引き抜き』も蒙る恐れさえある。
しかし、ディアギレフは、その程度で屈する男でない。来るなら来い。痛くも痒くもないぞ。
そのわりには、手ごたえ不足。言うなれば白ける。
知性豊かなフォーキンなれば、経営力という点なれば、やればできる男。しかし、金と名声がない。
研ぎ澄まされて冴えた男だが、時には敢えて惚けて人を泳がしてやる・・・といった『術』に乏しい。
その上、若いニジンスキーに敗れた男のイメージから、バックヤードがつかない。
だから、立てずに居る。外国でダンサーやってるらしい。
一方、ニジンスキーはただの小僧ではあるが、周囲がチヤホヤ。バックがつけば、立てる。
案の定、
バレエ団を旗揚げしたが、情けない。さっぱり、土俵に上がって来れずに足掻いてばかり。
とても見てられない。
■ディアギレフとしては、確かに星を失って、「お宝無し劇場」状態で収益はガタ減り。
しかし、企業体力はある。この程度でたちまちぐらついたりしない。
ヘッドハンティング能力にも秀でる。育成能力も実証されている。
新規やればできるのだが・・・。再び、原石を拾ってくれば済むこと。
しかし、彼の心の傷は深かった。
■ディアギレフの対策
とはいえ、ディアギレフは経営者だから、いつまでも、落ち込んでる暇はない。昨年、右腕、
フォーキンを失い、今度は目玉商品、ニジンスキーを解雇してしまった。己の体はひとつしかない。
たとえ万能とて、一人で捌くは限界がある。
1914年、早速、フォーキンを呼び戻した。世は第一次世界大戦(1914~1918)突入。
この人物の手腕はつくづく感心する。普通、一度去った者なれば、互いにプライドが邪魔して、
本音は欲すれど、なかなか再生できない。呼び戻す側は、金で吊る技術だけじゃ手腕不足。
金だけで吊られる男は、どうせ再び他所の金に転がって、どっかに飛んで行く。意味が無い。
だからといって、変に下出に出れば企業的に余計な後遺症を背負い込む。
やはり器。死んだ男を蘇らせる力は、誰でもそう簡単には真似できない。感服だ。
ディアギレフは、まさしく天才だった。
フォーキンは頑張った。格調高く美しく、バレリーナ達にも細心の諸注意を怠らない。
彼は何かと厳しい男だが、正統派。知識は泉。経験豊か。横槍入れられる心配はない。
・・・
ところが、万民にとっては硬い。素晴らしい題材を手掛けるが、咲かず跳ばず、結果は低迷。
一方、風の噂_ニジンスキー:戦争による抑留経験
風の噂に聞き知った。バレエ団を旗揚げしたはいいが、空足掻き専門で、さっぱり冴えなかった
あのニジンスキーは、なんと拘留されたという。
第一次世界大戦(1914~1918年)勃発。ニジンスキーはハンガリーに一度抑留された。
ニジンスキーの国籍は、ロシアだった。その為だった。
裏切り者の憎い小僧。しかし、心から消えない。彼も大人になったんだ。これで良かったんだ。
否、そんなことはない!許せない。忘れたはずなのに、やはり、時折、胸中を
ニジンスキーの面影が駆け巡る。
一方、再雇用したフォーキンの低迷は言わずと知れたこと。もはや時間の問題。
斬るか、己から去るか、何れにせよ答えは見えていた。
またしても風が、余計な噂を運んできた。ニジンスキーは無事だという。
再び懊悩。許したい。許せない。しかし放置できない。だからこそ憎い!
愛したが故、他の誰よりも憎い!
フォーキンの去った後のことだ。
この場合、経営者として優れた人材が必要だった営利のみとは限らない。
しかし、1916年、気がついたら、
結局呼び戻していた。
4_■ニジンスキー、ディアギレフの元へ復帰~■壊滅の兆し迄
ニジンスキーと関連者の生死と略MEMO年表はこちら
この時ニジンスキーは、ハンガリーに於ける抑留経験の後。抑留中にも関わらず、自ら、
あの時、世界の話題を勝ちさらった『牧神の午後 』の振り付けを再検討した新しい
コレオグラフィー(舞踊の振付)を作成完成させたと言う。
ニジンスキーもかつてのように、もう子供ではない。歳月とは悪魔のようだ。
19歳だったニジンスキーは、今は26歳。顔立ちも変わった。美形ながら、やはり男臭くなった。
途端に、ディアギレフは、己自身老けた気がした。
なぜなれば、昔の面影が脳裏を過ぎる。困惑して半泣き状態
の時、あの頃の顔。少年の顔。
何故か不思議だ。亀裂が生じたあの時、23歳の顔は、瞼の裏側、
幸い巡ってこない。何度も何度も、19歳の時、あの顔が
浮かんで仕方ない。行き所を失って、とぼとぼ帰ってきた彼の顔。
美少年の困惑の顔。可愛いくて、美しくて、哀れで・・。
思わず、抱きしめて接吻してやりたい!
その衝動を必死で堪えたあの時の己。
この愛の形は、万民には、異常と映る。それどころか、
キリスト教の観点から、罪に値する。
されど、彼本人にとっては純たる思い。それ故、衝動を堪えた。
ディアギレフの同性愛は、人によっては鳥肌かもしれませんが、
なかなか可愛そう。現代の世のように世間体の偏見だけでなく、
彼は敬謙なるキリスト教。宗教的にも懊悩は深い。
だかしかし、やがて、この歪な愛は、神か悪魔か知らないが、結果、結ばれた。
かつて、二人の間には、成り立ったのだ!!
そこで、今ディアギレフは、ニジンスキーを信じた!!
疑いながら信じて、憎みながらも許せてしまう。彼流の愛だから・・・。
(一般的見解では狡猾な経営者手腕による駆け引き判断と解するほうが容易だが)
ところが、なんとこの時、ニジンスキーは!
ニジンスキーの精神は苛まれていた。奇行!妄想!仲間を恐れ、脅え一人殻に籠もる。
▼
尋常ではない!完全に統合失調症の兆候だ!
・・・・察知したディアギレフは、立ち去った。
これが、永久の別れの瞬間となった。
許せないのに、許して、あえて信じたというのに、
手遅れだった。運命とは残酷也。
あんなに美しかったニジンスキーは、今や生きた屍同然。
『牧神の午後 』の振り付けを再検討した訳について
5_「神との結婚」、シュティーングスターの時
それでも、愛してしまった人。それでも、妻だから・・・。
ニジンスキーは、確かに尋常じゃなかった。
しかし、不思議なことに感性的に研ぎ澄まされている。
時折、恐ろしい程に、煌く。あたかも魔物の力が
介入されたがごとく、冴えまくる時さえある。
いつもたえず異常状態と限らないのが、
この病の特徴・・・ではあるが。
しかし、妻は、魔物の仕業に見えて仕方ない。
病魔は人を弄ぶ。時に敢えて昏睡してみせて、あたかも全快の兆しを
第三者に漂わせて遊び、それでいながら、突如またも荒れ狂っては、
人を絶望の境地に陥れて嘲笑う。
その為、この頃ニジンスキーは、あたかも、何物かに憑かれたがごとく、美の追求に余念がない。
しかしながら今、彼は一人じゃない。良妻ロモラがいつも側に居る。ロモラは、最愛の夫の為、
献身的に支えるだけでなく、いわば信者なのだ。全て知っている。解っている。
結末も、もはや観念した。一縷の望みに架けて、奇跡を祈り回復を信じたのは・・・夢でいい。
夫の夢を、叶えてやりたい。狂人同然の体。しかし、それらの動向から、夫の思いを解して、
支援し続けた。若く美しい妻は、己の未来も可能性も、全て捨てた。
画像はロモラではありません。
人は狂人というけれど、私は、この人に全てを捧げた。
もはや、命も惜しくない。
砂城のごとく、日一日と崩れゆく夫の精神。
それでも、いい。それでも愛している。
妄想にとり憑かれて狂った夫。しかし、狂気の沙汰の中に、
彼の願望が見え隠れする。これは、夢なのだ。
きっと彼の夢。彼の夢は、きっとこれなんだ。
「たとえ我が身が摩滅しようと、最後の力を振り絞って、
星空を飾りたい。」
愛して愛して結ばれた人。愛する私の夫。
5_「神との結婚」、最後の上演
なんと、1919年、1月、あのニジンスキーは病を押して公演に踏み切った。ニジンスキー29歳。
彼は静養のためにスイスに居た。その為、献身の妻に支えられて、サンモリッツで公演を行った。
この時、彼の発言は、「神との結婚」。まさに、これがバレエ人としての最後だった。
この後、病状は急速悪化。神経衰弱に陥り、再起不能。2ヶ月後の3月には、ついに、精神病院入り。
入院する迄に、彼は書き上げた。
【送料無料】ニジンスキーの手記
上の「ニジンスキーの手記」は、上記精神状態の時に書かれた為、恐らく、
はっ?えっ・・・!状態も。ただ、ふと思うに、美の追求人の頂点(紙一重)か、それとも、妄想の中
「牧神」の存在を描こうとして難題に取り組んでいたと推定される彼(後述)、
ついに、反対にサテュロスの虜になされてしまったように感じられて仕方ない。
シュティーングスターの時
彼の体内に、何物か妖怪が首を擡げている。
命はあれど、全て喪失まで秒読み態勢に入っている。
美の追求人の頂点か、それとも、妄想の中、彼を支配してやまぬ
「牧神サテュロス」の呪文、生き煮えか・・・。
輝ける脚光の人は永久の囚われ人だった。
愛の虜になって、鳥篭から逃げたら、今度は戦争による抑留。
そして妄想に侵された。
或る日、ポツリと彼は語ったという。
・・「今度生まれるなれば、私は馬に生まれたい。」
天才バレエダンサー、ニジンスキーは、
蒼く輝いて、そして壊滅的人生を遂げる。
まさにシューティングスター。蒼く蒼く燃え尽きて。
「神との結婚」発言以来、二度と舞台の上、
蘇ることはなかった。
7_夜空に蘇れ!天翔の翼、蒼く輝け!幻のペガサスよ!
謎のトライアングル(構成の3辺)_その1
ニジンスキーは、
「今度生まれる時には、馬になりたい」
と語ったとされている。
謎のトライアングル(構成の3辺)
■1_戦争による抑留経験と精神、彼の病気のこと,
(▲現在頁:▼
次頁
)
■2A_脳内を蠢く「牧神の存在に係る資料表」
■2B_ニジンスキーが牧神の存在を描き出す為に、
如何に努力を続け、意識がそれに囚われていたか
についてまとめ
■3_馬に生まれたい発言
■1_戦争による抑留経験と精神、彼の病気のこと、晩年
【病気】
この後、彼は回復できませんでした。命は60歳迄ですが、彼らしく彼で居れたのは、ギリギリ最後の29歳。
26歳の時、既に患っていましたが、29歳、燃え尽きる寸前に蝕まれた体で「神との結婚」発言公演。
病名について
、一般には、「統合失調症」説が有力。(※)
実際、その道で名高い医師、E・ブロイラーにも診断を受けています。しかし、この時代の治療。
治療と言えるかどうか。随分たくさんの病院を移動して、妻ロモラの苦労を思うと、胸が痛い。
二人で鳥篭を飛び出して、貧しくとも愛で幸せだった期間は一年にも満たない。
ここから先は、どんどん壊れてゆく夫の姿。ずっとそればかり。
ショッキングですが、ついには、インスリン療法が施されてしまいます。(現代は禁止)
【またもや、戦争!第二次世界大戦】
第一次世界大戦の時も、ひとたび拘留経験の彼。第二次世界大戦中も再び、ナチスの虎口から
脱っし、イギリスへ逃れる。その為、1950年死亡の際は、ロンドン。しかし墓は1953年にパリに。
(※)判然としませんが、病気について、別説もあります。誘引がドラッグ仮説。
【誘引がドラッグ仮説】
しかし、その間、芸術家が窮地に立った時、まあ、よくある話として、いわば「神の声」
を聞こうとして(=いくら思案しても辿り付かない時、発見できない時、生み出せない時)
一種ドラッグ、または精神安定剤常用説も、根拠無しと、まるごと否定はできない。
一般には、「統合失調症」説が有力であり、上記前項のとおり、医師、E・ブロイラーなどにも診断を
受けている。仮に前者の場合、発端が、抑留による外因なのか、自分に負けて自らなのか不明だが、
後の奇行は、確かに、「ドラッグ」と見えないでもない。皆を恐れ、一人殻に籠もる。
二つの病気は全く異質であり、混合視は完全にタブー。全然異なる。しかし、「統合失調症」の
素因を「ドラッグ」が吸引の発端となったケースも考えられる。この時代、現代と異なり、
入手は極めて容易だった。
■2_脳内を蠢く「牧神の存在」
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蒼いペガサスの時:ニジンスキーNo.3
文章解説(c)by rankten_@piyo、
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