インディー(59)



事務所の主は、某保守政党の府議会議員。
親子二代続いた政治家の家族。

大阪の下町から、こんな爽やかな人も輩出されるんだなと
意外な印象を人に振りまく。


(大阪も捨てたもんじゃない?)


大阪のフィクサーを自認する、とある人物の引き合わせで、一緒にゴルフを楽しんだことがあった。


そのつてを頼って、インタビューのアポを取りつけた。


某議員
「私も学生時代にハワイアンバンドでスチールギターをやってたことがあるんですよ」


「へぇ、そう言えば、私の小さいころに日野照子とマヒナスターズとかいうハワイアンバンドが、流行っていましたね」


「そうそう、ちょうどそのころ、東京で学生やってたんです」

「私の次男も今、ロックバンドでギターを弾いていますよ」

「そうですか。それじゃ、お話がしやすいですね!」


「さっそく、質問させていただきます。質問というよりお願いなんですが・」

「路上ライブの警察による取り締まりをもっと緩和していただけないでしょうか?最近、特に梅田の陸橋での取り締まりが、きつくなっているように思いますが・」


「堅い話になるけど、30分以上、商売目的で公共の路上を占拠すると違法行為として処罰の対象になってしまうんですよ。でもね、警察は、通行人や近所でお店をやっている人たちから苦情が来なければ、基本的には動かないのですよ。苦情があるから、取り締まりに出向かざるを得な
いのです。」


「なるほど、そういう事情があるんですか。」

「これは、私の持論ですが、警察による様々な規制や取り締まりが、街の活気をどんどん削いで行っているように思うのです」

「ストリートアーティストの規制だけでなく、路上駐車の取り締まりなども、私は、もっと緩めるべきだと思います」

(苦い体験に裏打ちされた切実な意見陳述)


苦笑しながら議員さん

「そうですねぇ。商店街のお店が通り道に看板や商品を置いたりするのも、厳密に言えば違法行為なんですが、こういうのに目くじらを立てて取り締まって行けば、街の活気が落ちて行くのは明らかですね」


(法科ご出身か?やけにイロイロ詳しそう。政治家やってたら当たり前?)


「なんとか、行政がバックアップする形でミュージシャンたちに表現の場を与えてやることはできないものですか?」


「」 



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